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J1第7節(4月9日)、アウエーC大阪に3−2で勝利

23・04・11
 出来不出来 勝った試合で 一呼吸

  金子2・田中駿で3−2 C大阪破る


 このところGKの「不振」が注目される。北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督の作戦「全員攻撃・全員守備」のシステムで、ゴールを守る「キーパー」の位置取りの「失策」が注目されてきた。

 4月9日のJ1第7戦、セレッソ大阪戦では第一キーパーのク・ソンユンがPKで、「予測の逆飛び」で同点に追いつかれ、アウエーのスタジアムで見守るサポーターに「またか―」の「不安を押し付けた」。声も出ないシーンだった。

 このヨドコウ桜スタジアム、旧名の長居球技場では、関西の高校・大学サッカーで多く使われたグラウンド。大体大出身の田中駿汰らはよく使ったグラウンドで、試合前にはチャント(応援歌)の披露もあったという。

 試合の方は4月9日14時03分、札幌のキックオフで始まった。審判団は、清水勇人主審(39、千葉県出身、昨年プロフェッショナルレフリーとして1年目を迎えたが、VAR時代の期待を背負って)。副審は聳城巧(たかぎ たくみ)、堀越雅弘。第四の審判は道山悟至。VAR上田益也(主審格)、AVAR田中玲匡(同)。

 札幌の先発は、GKク・ソンユン、DF田中駿汰、岡村大八、中村桐耶、WBは右に金子拓郎、左は菅大輝、ボランチに荒野拓馬と福森晃斗、トップ3は青木亮太を軸に浅野雄也とキム・ゴンヒ。控えは、GK大谷幸輝、DF馬場晴也、MF田中宏武、木戸柊摩、スパチョーク、FWミラン・トゥチッチ、中島大嘉。

 C大阪の先発は、GKキム・ジンヒョン、DF前田陸、山中亮輔、マテイ・ヨニッチ、鳥海晃司、MF鈴木徳真、為田大貴、奥埜博亮、カピシャーバ、FWに元日本代表の香川真司、レオ・セアラ。控えはGKヤン・ハンビン、DFに元札幌の進藤亮佑、MF阪田澪哉、原川力、中原輝、FW加藤陸次樹、北野颯太。

 これまでの両者の対戦成績は、C大阪の14勝6分け11敗と強弱がつけ難い。昨季のJ1では、2−1、2−2で札幌の1勝1分け。C大阪では、香川が12年半ぶりに「満を持して復帰」のうたい文句も「眉唾」。

 前半6分、札幌が自陣からのスローインに反応した背番号18浅野が左サイドで受け、相手ペナルティーエリアまで進入、逆サイドでフリーでいたMF金子にパス。金子の左足のキックがゴールネットを揺らした。1−0で札幌が先制。

 8分、今度はC大阪。札幌ペナルティエリア内で、C大阪FWレオ・セアラの切り返しを札幌DF中村が足元に滑り込んで防御、ふたりとも倒れ込んだ。主審はVARのチェック。PKの判定。14分、レオ・セアラが決めて1−1。

 しかし直後の15分、札幌が取り返す。相手陣内でボールを奪った札幌MF青木が右ライン側を走る金子に渡す。相手ゴール中央に走り込んだ札幌FWキム・ゴンヒに向けた金子の左足キック。カーブがかかり、キムの動きにつられた、C大阪GKキム・ジンヒョンは目の前を通るボールに一歩も動けずゴールイン。金子の左足が「2ゴールをたたき出した」。2−1のスコアで試合を折り返す。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「相手が対応しきれないボールを後半も前線に入れていこう」、「プレスバックをしてセカンドボールを回収していこう」、「相手がリスクを冒して前に出たスペースをつこう」、「あと1点、2点ゴールを決めて勝とう」

■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメントはチーム発表なし


 後半は、選手交代とC大阪FW香川の活躍に期待がかかる。C大阪はハーフタイムでMF為田OUT中原IN。8分から9分にかけて、MFのカビシャーバが札幌陣内に走り込む。守る札幌岡村にイエローカード。

 C大阪のボール回しが目立つ。16分、香川が札幌エリア内に突っ込む。前がかりに来る左サイドでフリーでいたMFカビシャーバに渡し、札幌ゴール前にクロスボール。合わせたのはトップのレオ・セアラ。頭で決められ2−2の同点に追いつかれる。

 だが、19分。札幌が左CK。福森がスタンバイ。これまで相手ゴール前を通過する軌道が多かった。ニアに田中駿汰が入っている。体を捻りながらも「頭」に当てた。3−2の勝ち越し弾だ。

 残り30分近くはある。21分、C大阪の鈴木OUT加藤IN。さらに10分経過。31分札幌最後の「決め手」、FWキム・ゴンヒOUTトゥチッチIN。同、青木OUT中島IN。加点の勢いと、次は守り。相手は33分、MFカビシャーバOUT阪田IN。

 札幌も35分、浅野OUT馬場IN。この後、札幌は39分CKと41分FK獲得。いずれもキッカーは福森。ニアサイドとゴールを狙ったが、加点とはならず。

 相手は43分、進藤(元札幌DF)を入れてきた。松田OUT進藤IN。互いに「大火」なし。アディショナルタイムは5分。49分、C大阪・左CK。キッカーはDF山中。札幌DFがクリア。そのまま逃げ切り勝利の札幌は黒装束のアウエー用ユニホームが「強そうに」見えた。

 シュート数は、札11−10C大阪、CK札5―5C大阪、FK札11−26C大阪、PKはC大阪1。

 2023年明治安田生命J1リーグ第8節、浦和レッズ対北海道コンサドーレ札幌戦は、4月15日午後3時から、さいたま市・埼玉スタジアム2002で行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「やはりセレッソは素晴らしいチームですので、非常に難しいゲームになりました。立ち上がりから前からプレスを掛けて、アグレッシブにボールを奪いにいくことは出来ていたと思います。前半は特にチャンスも作れていました。前半の内にもう何点か取ってリードしないといけない展開でした。後半、セレッソが圧力を掛けてきた中で、選手たちは最後までハードワークして勝利をつかみ取ってくれました。

 今日の試合は、相手の背後を狙った斜めのボールを狙いとしていたのですが、浅野(雄也)選手、キム・ゴンヒ選手がその狙いを持って動いてくれました。我々のチームは、ワイドに広がったポジションに選手がいますので、相手がボールサイドに寄れば、その選手たちを目がけてサイドチェンジする。その狙いがうまくいっていました。キム・ゴンヒ選手や青木(亮太)選手は、ケガ明けで体力的にはキツかったと思います。チームはまだけが人が多い状況ですが、よくまとまって戦ってくれたと思います」


■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメント(一部抜粋)
 「札幌の守備の特長を考えたときに、意図的に我々もバランスを崩しにいく、相手の変化を起こしにいく、そういう狙いがあるので、どうしても、札幌相手にはゲームコントロールが難しいゲームになる傾向が強いです。

 入りは良かったのですが、最初の時間帯でのスローインから失点。追いついたあとの、ミスからのカウンター。3失点目も、追いついた直後のリスタート。3失点中2点がリスタートとカウンターということで、細部のところを詰めていく必要があるという印象を受けています。

 攻撃のところは、相手の特長を踏まえて、2人、3人の関係で出入りする、ロングパスとショートパスの使い分けがポイントになると思っていました。最初は意図的にロングボールを多用して相手を下げさせる。その狙いを持ってやっていました。準備してきたことが出せたシーンもありますし、相手が伸びたときにしっかりとポゼッションしながら前進していく、そのクオリティーを上げていく必要はあるという課題が出たゲームでした。また連戦もありますし、リーグ戦は続いていきます。新たな発見もありましたし、細部のところも含めてチームの総合力を上げていきたいと思います」
池田淳