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【再掲】J1第31節(10月28日)、横浜FCに2−1で勝利しJ1残留確定

23・11・11
 上写真/前列左からMF菅、浅野(18番)、青木、駒井、荒野、後列左からGK高木(51番)、DF田中、福森(5番)、岡村(50番)、MFルーカス・フェルナンデス、馬場。3試合欠場していた荒野がキャプテンマークを巻いて登場、青木の先発は久し振り

   (写真は10月28日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 ミシャのブラボーサインで「記者会見」

  四方田監督「横浜FC」に勝ちJ1残留


 ミハイロ・ペトロビッチ監督が来日して17年。2006年にサンフレッチェ広島のドン・今西和夫氏が「ジャパンの監督・故イビチャ・オシム氏の教え子ペトロビッチ監督」を広島に招聘。広島監督6年、浦和レッズ監督5年、札幌監督6年を迎えている。

 その間、FIFAランキング18位に上昇させた「森保一JAPAN監督」の広島時代、コーチの頃の師匠でもあるペトロビッチ監督。さてこれから、日本的にいうと「艱難辛苦」を、いかに「伝授」してくれるか?

 試合は、10月の最終土曜日28日。午後1時キックオフ。相手の横浜FCの四方田修平監督は北海道コンサドーレ札幌U−18を長らく率い、トップチームをJ1に引き上げ、ミシャ監督に「譲って」出身地・千葉県に近い神奈川県・横浜市のサッカーチームを育ててくれている。「札幌は四方田ファンもたくさんいる」。

 この日の札幌ドームは1万3千422人。屋内は22.5度。湿度は48パーセント。審判団は御厨貴文主審(39、神奈川県出身、元Jリーガー、昨年からJ1担当)。副審は五十嵐泰之、松井健太郎。第4の審判は船橋昭次。VAR池内明彦(主審格)、AVAR熊谷幸剛。

 ホームの札幌のスタメンは、GK高木駿、DF田中駿汰、岡村大八、福森晃斗、WB(右)ルーカス・フェルナンデス、(左)菅大輝、ボランチ荒野拓馬、馬場晴也、シャドーに浅野雄也と青木亮太、トップには駒井善成がやる気満々。サブはGK菅野孝憲、DF西野奨太、中村桐耶、MF宮澤裕樹、FWキム・ゴンヒ、大森真吾、ミラン・トゥチッチ。

 横浜FCは、GK永井堅梧、DF岩武克弥、ンドカ・ボニフェイス、吉野恭平、MF山根永遠、ユーリ・ララ、井上潮音、林幸多郎、カプリーニ、小川慶治朗、FWマルセロ・ヒアン。サブは、GKスペンド・ブローダーセン、DFマテウス・モラエス、橋本健人、MF三田啓貴、坂本亘基、近藤友喜、FW伊藤翔。

 13時01分、札幌ボールでキックオフ。予想フォーメーションは、札幌は3−4−2−1で、トップに駒井を入れた。前節のマリノス戦から中村、スパチョーク、小柏が外れ、福森が古巣のレフトDF。青木、荒野がスタメンに顔を出した。

 横浜FCは、直近のFC東京戦に勝ったものの。今季の札幌には4失点をする「不覚」。最下位脱出が狙い。過去の対戦成績は札幌の15勝10分け12敗で、きん差ではあるが札幌がリード。

 こんな状況の中、キャプテンマークは札幌MF荒野。横浜FCはDF岩武。最初は横浜FCの攻撃が目立つが、5分頃から札幌ボール。左DFの福森がロングボールを入れ、一段下に入った右サイドの浅野にロングパス、トップの駒井には入らない。

 しかし、札幌の優位は変わらず、DFからルーカス、中盤から荒野がトップを狙う。18分、右の浅野が相手陣内中央付近で左サイドの菅にパス。リターンが横浜FCゴール前に。誰も触れなかったこぼれ球をルーカスがシュート。相手GKがはじいたボールはゴール前に上がり、「いたか?」と思うところにトップを担った駒井が頭で押し込み先制。

 今まであまり見た事の無い「駒井トップ」が大当たりで先制。さらに左に入った青木が久々に走りまわった。

 31分、またまた札幌チャンス。浅野が「らしさ」を見せた。札幌MFルーカスがボールを奪い、前方の浅野にパス。相手DFンドカを置き去りにして浅野がドリブル突破、エリア内で左足のシュート。左ゴールポストに当たってゴール。2−0とリードした。

 45分にはFKを福森が「ゴールを狙う場面もあり」札幌ペースで終わった(浅野はJ1得点ランキング8位で11得点=1位は同率でマリノスFWアンデルソンロペスと神戸FW大迫の21得点)。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「プレーの選択をしっかりしよう」、「守備のスイッチの入れ方を工夫しよう」、「相手の守備をはがして、優位に立つ事」

■横浜FCの四方田修平監督のコメント
 「もっと気持ちを出して。集中力切らさずに、逆転する気持ちをプレーで出していこう」、「止まってボールをもらわないこと。常に相手より先に動くこと。ゴールを奪うために相手よりも走ろう」


 ハーフタイムで横浜FCの小川OUT坂本IN。後半も札幌優位だが、トップに入った駒井が青木や田中駿、荒野らの先で「さばく」ので、いまいち攻撃陣系が整わない。対する横浜FCは「業を煮やす」と言うのか、選手交代で流れを変えにかかる。マルセロヒアンOUT伊藤IN。林幸OUT近藤IN。

 21分過ぎには札幌の馬場が足裏を向けてスライディング、荒野が報復で立て続けにイエローカード。少し疲労を感じさせる。

 26分、札幌は福森OUT中村IN。青木OUT中村IN。選手交代後も札幌の攻撃が続く。

 28分過ぎ、札幌DF田中のスルーパスから浅野、ルーカスらを経て左の菅に回り「強烈なシュート」。これは外れたが、シュート意識を持った菅を久しぶりで見た。      

 この後、荒野、菅が立て続けに「負傷交代」してしまう。34分、札幌は荒野OUTトゥチッチIN。菅OUTキム・ゴンヒIN。41分、横浜FCの山根OUT橋本健IN。札幌もルーカスOUT西野IN。43分から46分、駒井がこの時間になっても体を張り、鋭く動いてチームに貢献している姿が目に留まった。

 気が付けば、両軍5組の交代は終わっている。アディショナルタイムは6分。後半47分に差し掛かる。横浜FCに左サイドからCKが与えられた。

 キッカーはMF井上(東京ヴェルディアカデミー出身、2021、22年ヴィッセル神戸でプレー)。ゴール前に上がったボールめがけて飛び出した札幌GK高木はボールに触れられず、横浜FCのDFンドカが頭で押し込んだ。52分に2−1で試合終了。札幌はこの勝利でJ1残留が決定した。

 シュート数は、札19−8横C、CK札1−5横C、FK札14−14横C、PKなし。

 2023明治安田生命J1リーグ第32節北海道コンサドーレ札幌対サンフレッチェ広島戦は、11月11日午後2時から札幌ドームで対戦する。


 上:左側写真/この試合ワントップを任された札幌MF駒井(14番)は前半7分、横浜FCのMFユーリ・ ララ(中央)をかわしてドリブルで突進する

 上:右側写真/前半14分、札幌MF菅(4番)が左サイドから横浜FCMF山根をかわしてクロスを入れる、右GK永井


 上:上段写真/前半18分、札幌左サイドのMF菅のセンタリングを右サイドのルーカス・フェルナンデスがシュート、GK永井に当たって高く上がったボールをMF駒井(14番)が待ち構えてヘッドでゴールを決め先制する、その右横浜FCのDFンドガ・ボニフェイス(2番)、右端DF岩武(22番)、26番はMF林

 上:下段写真/前半18分、先制ゴールを決めた札幌MF駒井(14番)が、DF田中と握手して喜ぶ、MFルーカス・フェルナンデス(7番)も駆け寄る。ガックリと肩を落とす横浜FCのMFユーリ・ララ(左端)、右端DF吉野(27番)、その手前MF林


 上:左側写真/前半19分、久し振りに出場した札幌MF荒野(左)がシュートするが、ゴールポストの上にはずす、18番は浅野

 上:右側写真/前半22分、札幌MF荒野(中央)が周囲を見渡しながらボールをキープ、その右馬場、左が横浜FCのMF林(26番)


 上:1段目写真/前半31分、札幌MFルーカス・フェルナンデス(7番)が自陣右サイドでボールを奪うとタッチライン沿いに絶妙なタテパスを出し、浅野のゴールの起点となる

 上:2段目写真/前半31分、札幌MF浅野(左)がルーカス・フェルナンデスのパスを受け、タッチライン沿いにドリブルで上がる、右横浜FCのDFンドガ・ボニフェイス

 上:3段目写真/前半31分、札幌MF浅野(18番)が右サイドを駆け上がり、横浜FCのDFンドガ・ボニフェイス(2番)をかわしてゴールを決める、右DF岩武(22番)

 上:4段目写真/前半31分、札幌MF浅野がゴールを決め、DF岡村(50番)に抱き上げられて笑顔を見せる、左MF菅、右横浜FCのDF岩武(22番)


 上:上段写真/後半4分、札幌MF浅野(右から2人目)がシュートを放つが、GKの正面となりキャッチされる。右横浜FCのDFンドガ・ボニフェイス(2番)、左DF岩武(22番)、左端DF吉野(27番)

 上:下段写真/後半6分、札幌DF岡村(50番)が横浜FCのFWマルセロ・ヒアン(9番)と競りながらヘッドでMF馬場(3番)へパスを出す、右奥GK高木


 上:上段写真/後半13分、横浜FC右サイドからのMFカプリーニのFKを、札幌GK高木が横浜FCのFWマルセロ・ヒアン(9番)より一瞬早くパンチングでクリアする。高木の前DF岡村、左田中、右手前MF荒野(27番)

 上:下段写真/後半20分、札幌MF馬場(左)が横浜FCのMFユーリ・ララを後から激しくいって倒してしまいファールをとられる


 上:上段写真/後半追加タイム2分、横浜FC左CKからDFンドガ・ボニフェイス(2番)がヘディングで決め1点を返す、札幌GK高木(右端)が思い切って前に出たが間に合わなかった

 上:下段写真/後半追加タイム2分、横浜FCのDFンドガ・ボニフェイス(2番)が1点を返すゴールを決め走り出す、右から2人目MFのカプリーニがボールを拾いあげピッチ中央へ急ぐ。札幌の選手右からDF田中、MF浅野(18番)、DF中村、FWミラン・トゥチッチ(32番)、MF駒井(14番)、左端FWキム・ゴンヒ、札幌にとってはお尻に火が付いた感じ


 上写真/横浜FCを2−1で破りJ1残留を決め、ゴール裏サポーターにあいさつに来た札幌の選手たちにはヤレヤレといった感じの笑顔が見られた。右からMF菅、荒野、宮澤、浅野、DF福森(5番)、この日ベンチメンバーだったGK菅野(1番)


 上写真/激闘を終え抱き合って健闘をたたえ合う横浜FCの四方田修平監督と札幌のペトロビッチ監督、師弟の再会だが四方田監督の表情は硬く見えた、右から2人目杉浦コーチ兼通訳、左横浜FCのジョン・ハッチソンヘッドコーチ


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「まずはようやく勝利できたことをうれしく思っている。本来ならば、今日の試合よりも勝利にふさわしい試合はこれまでいくつもあった。前節(横浜FM戦/1●4)、前々節(柏戦/1●2)がそう。しかし、サッカーというのは難しく、ベターなチームが勝つとは限らないのが、この厳しい世界。その中で勝てたのは素晴らしい結果。残留を決めることができたことも、ポジティブな結果だと思っている」


■横浜FCの四方田修平監督のコメント(一部抜粋)
 「応援してくださる横浜FCサポーターの皆さま、ここ札幌まで応援に駆けつけてくださった皆さまに勝利を届けられず、本当に申し訳なく思っています」
池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影