コンサドーレ札幌の王道と遍歴2023年11月号

唯一無二
「ゆいいつむに」ただ一つだけの物
4文字熟語時点に同義語がいくつも
「不同不二」「唯一不二」などなど
北海道コンサドーレ札幌に注目した
GK高木駿「ミシャ式」に興味あり
8月にJ2大分トリニータから来た

プロ選手になったのが2012年だ
関東大学リーグの雄・明治大学から
初陣は川崎フロンターレで2年いた
芽が出ずジェフユナイテッド千葉へ
J2ながら31試合に出て注目され
17年大分に行き23年まで過ごす

オファーが会った時「妻子供の顔」
さらにミシャ監督とJ1でのプレー
8月16日GK高木の札幌移籍発表
ミシャ監督やコーチから「大丈夫」
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督笑み

2023年11月8日午前1時放映
TVh小柏と高木の明大先輩・後輩
年齢的に同時代ではないが裏話暴露
60チーム明大卒は何人(筆者調べ)
J1=21人 J2=28人 J3=5人
1チーム最多は東京ヴェルディ5人
コンサドーレ札幌の王道と遍歴

 上写真/J1第31節横浜FC戦前半38分、シュートをブロックする札幌GK高木駿(10月28日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)

コンサドーレの王道を拓く
「七重八重 花は咲けども 山吹の蓑ひとつだに なきぞ悲しき」
 J1リーグの3大タイトルの一つYBCルヴァンカップは、福岡県のアビスパ福岡が初のタイトルを手にした。決勝は11月4日、東京国立競技場で行われた。6万1千683人のリーグカップ最多記録の観衆の中、J1リーグ3位の浦和レッズ対J1リーグ8位のアビスパ福岡の決勝。胸を借りるはずの福岡。長いカップ戦の歴史上、こんな番狂わせは「初めてだ」。

 我が北海道コンサドーレ札幌も2019年、現監督ミハイロ・ペトロヴィッチ監督を擁しての決勝を川崎フロンターレと戦い「延長、PK戦の末」に2位に甘んじた。

 表題にした一句は兼明親王の作品だが、失政して江戸を離れて「福岡に左遷された」太田道灌が心境を映したという一句と言う。

 ミシャは「分からないと思うが、日本人なら、誰しもが学んだ、美談だ」。九州のJリーグの夜明けは遅い。と、言いたいところだが、九州勢では1996年に福岡、99年にサガン鳥栖。札幌が98年だから「福岡」にはかなわない。

 2001年までJ1リーグで、02年降格。その後J2−J1の行き来だったが、就任4年目の長谷部茂利監督(52、神奈川県出身)が大仕事。

 長谷部監督の選手歴は中大を出て、94年ヴェルディ川崎=現・東京V。MFプレーヤーで97年川崎。98年ヴィッセル神戸、01年ジェフユナイテッド千葉。03年でプレーヤーから指導者に。16、17年ジェフユナイテッド千葉の暫定監督、18年水戸ホーリーホック監督。20年から福岡。

 この経歴が、福岡県で開花した。札幌からの前寛之(28)は、札幌U−12、15、18を経て、2014年札幌入団。水戸を経て20年から福岡。

 キャプテンを務めた奈良竜樹(30)は、北海道北見市出身。北見ブルーサンダース、札幌U−18。2011年から札幌のトップチームに昇格。15年FC東京。16年から19年川崎。20年鹿島アントラーズ、21年福岡。今年からキャプテン。弟は北大サッカー部最盛期のチームリーダーとして活躍した。

 アビスパ福岡のチーム変遷を見ると、1982年創部の静岡県藤枝市にあった「中央防犯ACMサッカークラブ」が福岡に移転して誕生。95年、「福岡ブルックス」と改名。Jリーグ入会時1996年「アビスパ福岡」に。2018年DF富安健洋選手がベルギー・シントトロイデンに完全移籍(現所属チームはアーセナル)。20年長谷部茂利監督就任。J2準優勝でJ1へ。5年ぶり4度目の昇格を果たした。
九州の兵ども!
 1935年創部の東芝堀川町サッカー部が「北海道に移転」した時、故石水勲代表を訪ねて「静岡県」からオーナーが来道、チーム・選手の売り込みの「メッセンジャー」が来た。

 会見の場を北海道新聞社内に作った、時の運動部記者たち。静岡のサッカー熱を「ひしひしと」感じた。「全国に一つでも多くのサッカーチームを」。感じ取った記者たちの心も「出来るといいね」に代わってきた。

 福岡の例も「そことなく」感じとれた。九州狙いに見えて「九州の難しさ」も悟った。熊本、長崎、佐賀、などなど。巻頭の「七重八重 山吹の・・・」か。人口70万の佐賀を狙っては。福岡は、江戸時代から「東京ナイズ」。隣の佐賀にやはり静岡の先鋭隊が入り「鳥栖フューチャーズ」。1999年「サガン鳥栖」として参入J1で12年もいる。

 九州のJリーグクラブは、福岡県福岡市に出来て、佐賀と大分が続いた。その後熊本、福岡県北九州市、長崎、鹿児島、宮崎にと、九州全体にチームが出来た。
アビスパ福岡がルヴァンカップ初優勝
 2023年11月4日の国立競技場での表彰式。優勝カップと賞金1億5千万円。

 MVPには福岡の前寛之。準優勝は浦和レッズ。翌5日の道新、朝日、日刊、報知の各誌のメイン見出し。
・道新「福岡逃げ切り初戴冠」
・朝日「福岡ひるまず制覇」
・日刊「アビスパ誕生28年ついにタイトル」
・スポーツ報知「長谷部マジック福岡初」(長谷部は監督の名)

                                (池田 淳)