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【再掲】J1第29節(9月30日)、ホームで柏に1−2の敗戦

23・10・11
 上写真/前列左からFW小柏、MFスパチョーク、DF菅(4番)、MF浅野、ルーカス・フェルナンデス(7番)、小林(99番)、後列左からGK高木、DF田中、MF福森、DF中村、MF駒井。主力のMF宮澤、荒野、DF岡村が累積警告での出場停止、MF馬場がアジア大会派遣、苦しい台所事情はサブにGK2人を入れなければならなかった

   (写真は9月30日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 宮澤・荒野・岡村の居ない札幌に策なし

  新生・柏に「迷える子羊」 またミスから


 北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督と柏レイソルを今季5月まで率いたネルシーニョ元監督の「日本滞在年数争いは終わった」。新生・柏レイソルは、井原正巳監督。1998年フランスW杯JAPAN初出場を岡田武史監督と味わった「強者」である。同級生は「ゴン(中山雅史)」で筑波大(元は東京教育大学)のキャプテンとしても活躍していた。

 柏レイソルの前身は、東京の日立製作所のチームが中心となり、86年に柏市に移転した。ネルシーニョ時代の2010年にはJ2優勝、翌年J1リーグで「優勝した」名門の監督を引き継いだ。ミシャも勝ってもらいたいし、井原監督にも「成長の姿を見せて欲しい」一戦となった。

 試合は、9月の最終土曜日30日。午後1時キックオフ。井原監督の柏監督就任初の札幌ドーム戦とあって、仕切られた応援席は満員。黄色の軍団で「小気味よい応援」。札幌ドーム入場者数は1万2千827人。屋内気温は23.6度。湿度は50パーセント(飲水タイムは無しのコンディション)。

 審判団は福島孝一郎主審(39、鹿児島県出身、淡々とした試合を見届けたいタイプ)。副審は三原純・眞鍋久大。第4の審判は鶴岡泰樹。VAR大坪博和(主審格)、AVAR大川直也。

 ホーム札幌のスタメンは、GK高木駿、DF田中駿汰、中村桐耶、菅大輝、WB(右)浅野雄也、(左)ルーカス・フェルナンデス。中央のボランチは福森晃斗、駒井善成。TOPに小柏剛を配し、小林祐希とスパチョークがシャドー。控えはGK菅野孝憲と松原修平の2人のGK。DF西野奨太、MF青木亮太、深井一希、FW大森真吾、ミラン・トゥチッチ。

 柏のスタメンは、GK松本健太、DF片山瑛一、犬飼智也、古賀太陽、ジエゴ、MF高嶺朋樹、椎橋慧也、山田雄士、FWマテウス・サヴィオ、山田康太、細谷真大。控えは、GK佐々木雅士、DF土屋巧、立田悠吾、MF小屋松知哉、戸嶋祥郎、仙頭哲也、FW武藤雄樹。

 13時01分、柏ボールでキックオフ。キャプテンマークは札幌は福森、柏は背番号4の古賀が巻いていた。札幌は宮澤と岡村、攻守にバランスを整える荒野拓磨も前試合までの警告累積で出場停止。攻守の要が「空席」になった。柏の前節からのスタメン変更はDFの土屋が外れDF片山が入っただけ。

 ホームの札幌が左の菅を中心に、立ち上がりは有利な展開だったが、10分過ぎからは、GK高木がエリアから出過ぎで「危険」を感じる場面が多くなった。さらにボランチに入った駒井が引き気味、福森が攻撃の先頭に立ち、CKやFKを一人で任された場面が増え「主力2人」の場面が多くなった。
 
 先取点は柏。21分、札幌の高いDFラインを突いて、札幌DF中村のパスミスを柏FWサヴィオがカット、トップの細谷にスルーパス。飛び出したGK高木と1対1、札幌守備陣は「誰も追いつけず」失点した。0−1で柏が先制。

 この後、札幌DF田中が、札幌エリア内で相手と接触、一度はピッチ外に出たが、2分後には戻りプレー再開。27分に福森のCK。札幌にチャンスがまわってくるが、堂々巡り。小柏、小林、スパチョークが、交互にチャンスをうかがうが、精度を欠いた。
 
 そうこうしてる間に、柏にチャンス。38分MF山田が起点となり、左サイドのDFジエゴにパス。札幌ゴール前にクロスを入れ、FW細谷がシュート、札幌ゴール前DF陣がブロックしたが、ゴールイン。柏2点目。0−2で前半を終わる。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「最後の精度を上げる事」、「全体のバランスを崩さない事」、「まだ試合は終わってないぞ。まず1点返そう」

■柏レイソルの井原正巳監督のコメントはチーム発表なし


 後半は札幌が、左DFの菅のボール支配から押し気味に進める。シュートチャンスは何度かあったが、「シュート」をしない。やっと6分。右側のDF田中駿が、前の浅野にボールを入れるようになった。浅野が置いていったボールに小林が反応、浅野の突進にボールを合わせたが、相手DFに触れられ、エリア内で交錯。ボールはスパチョークの前にこぼれ、右足でゴールに押し込んだ。札幌が1点を返し、1−2とする。今季のスパチョークは、ここまで出場20試合で7得点1アシストと覚醒。札幌にチャンスだ。

 14分、札幌ベンチが忙しい。青木の準備だ。浅野も右からの突進が目に付く。心配なのは腕章を巻いた福森。19分柏の選手交代で元札幌の高嶺OUT仙頭IN、山田康OUT小屋松IN。

 札幌は23分、FKをもらう(ルーカスに後ろからチャージした柏MF山田雄にイエローカード)。FKは福森キック。低い弾道でスパチョークに合わせ、シュートしたが柏DF陣がブロック(福森もいつもならゴールを狙うと思うが相当疲れが見える)。

 32分、柏は片山OUT土屋IN。山田雄OUT戸嶋IN。サヴィオOUT武藤IN。34分、柏MF小屋松を倒した駒井にイエローカード。36分、札幌は小柏OUT青木IN(青木はJ1通算100試合出場)。さらに40分中村OUTトゥチッチIN。

 試合終盤、思い直したようにコンサドーレの攻撃。トゥチッチがシュート。さらに小林もシュートを打つが実らず。アディショナルタイムは6分。47分、スパチョークOUT大森IN。ここで大森か。ミシャもあのPK外し気にしているナ(ルヴァン杯準々決勝第2戦横浜FM戦)。試合はこのまま1−2で柏が勝利。

 シュート数は、札17−13柏、CK札7−2柏、FK札12−12柏、PKなし。

 2023明治安田生命J1リーグ第30節横浜F・マリノス対北海道コンサドーレ札幌戦は、10月21日午後2時から横浜市の日産スタジアムで対戦する。


 上:上段写真/開始早々の前半2分、GKからのロングボールに、MF福森(左)と初のCBに入った中村が交錯、連携が危惧された、左柏のMF山田雄(36番)

 上:下段写真/前半18分、札幌左CKの流れからMFスパチョーク(手前左)はクロスを入れる、右柏MF山田、中央はFWマテウス・サヴィオ(10番)、左札幌MF小林


 上:上段写真/前半21分、柏FWマテウス・サヴィオが札幌DF中村のパスミスを見逃さず、カットしてタテパス一本、FW細谷が右端に流し込んで先制ゴールを決める、札幌GK高木(51番)が体を伸ばすが届かず、左MF駒井(14番)、右福森(5番)

 上:下段写真/前半21分、先制ゴールを決めた柏FW細谷(19番)の肩をたたいて祝福する元札幌のMF高嶺(5番)、他の選手は右からMF山田雄(36番)、アシストしたFWマテウス・サヴィオ(10番)、DFジエゴ(3番)、MF椎橋(6番)、左端ぼう然とする札幌MF浅野(18番)


 上:上段写真/前半29分、元札幌の柏MF高嶺(5番)が札幌MFスパチョークのマークをかわして突進

 上:下段写真/前半29分、柏MF高嶺(左)が札幌MFスパチョークのマークを外しての突進を、すぐ脇のMF小林がたまらずファールで止める


 上写真/前半33分、札幌右FKからの流れの攻撃は柏GK松本(右端)のセーブに遭い決めきれず。札幌の選手左からDF田中(2番)、MF浅野(18番)、FW小柏、MF小林(99番)


 上:上段写真/前半38分、柏DFジエゴ(3番)がFW細谷の2点目をアシストするクロスを左サイドから入れる

 上:中段写真/前半38分、柏FW細谷(中央)が、DFジエゴの左サイドからのクロスに合わせて札幌DF中村(6番)、菅(右端)をかわして2点目のゴールを決める、左端GK高木、14番はMF駒井

 上:下段写真/前半38分、柏FW細谷(19番)に2点目を決められピッチに座り込んでぼう然とする札幌DF菅(左)と中村(6番)、GK高木(51番)、笑顔の細谷を祝福するFW山田康(11番)


 上:上段写真/後半6分、札幌右サイドからの攻撃で、MF浅野(18番)が右サイドから小林にパスを出してゴール前に突進、小林からのふわりとしたパスにGK松本(46番)と交錯しボールがこぼれる、右DF古賀

 上:下段写真/後半6分、札幌MF小林のパスに浅野とGK松本が交錯、こぼれたボールをスパチョーク(中央)が柏DF犬飼(倒れている)をかわして押し込み、1点を返す。6番はMF椎橋、右後方札幌DF田中


 上:上段写真/後半17分、札幌FW小柏(19番)が、MF福森からのハイパスを柏MF高嶺(5番)を体を反転させてかわし、前線に突進する。49番はMFスパチョーク、右奥駒井

 上:下段写真/1−2と柏に敗れピッチにへたり込む札幌MF小林(右端)、その後方で2得点し柏を勝利に導いたFW細谷(19番)と途中出場していた武藤(9番)が勝利を喜ぶ。左端はDF犬飼(13番)、右へ厳しい表情の札幌MF駒井(14番)、中央11番は途中出場していた青木


 上:左側写真/古巣の選手を手こずらせた柏のMF高嶺がゴール裏サポーターにあいさつ

 上:右側上段写真/J2降格争いの渦に巻き込まれている柏にとっては大きな勝利、スタッフ、選手の2つの渦が喜びを爆発させる、右の渦左端が柏の井原監督

 上:右側下段写真/またも勝利ならず、サポーターへのあいさつに来た選手たちも悄然といった表情、右からDF菅(4番)、MF浅野(18番)、福森(5番)、うなだれるMF小林ら


 上:左側写真/前半45分、飛んできたマイボールをMF浅野にトスしようとする札幌のペトロビッチ監督
 
 上:右側写真/前半39分、2点目を決めた選手たちをさらに鼓舞する柏の井原正巳監督、怒っているような表情に見えた


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「試合の入りは良くなかった。相手のプレッシャーに対してビルドアップが安定せず、危険な形でボールを奪われた。時間の経過とともにペースを取り戻していったが、相手はカウンターが危険なチーム。前向きでボールを失う形は危険だと伝えてはいたが、1失点目はその形から奪われて、相手の19番(細谷真大)の特徴を生かす形でやられてしまった。その後も落ち着いてやってくれてはいた。ただ、2失点目もシンプルな形からやられてしまった。クロスはこちらのほうが多かったが、相手のクロスからやられてしまった。

 後半は私の期待以上のプレーを見せてくれた。攻撃を活性化させてくれて、いくつも決定機を作っていた。バリエーションも多く、左右、中央からと多彩にチャンスクリエイトしてくれた。同点になってもおかしくないチャンスもあったが、決め切れない中で敗れてしまいました。内容自体は前半20分まで以外は、狙いが出せていた。失点場面は反省しなければいけないが、それ以外のところは選手のパフォーマンスは悪いものではなかった。結果に関しては残念で、悔しい思いでいっぱいだが、残り5試合を良い結果で終えられるように頑張っていきたい」


■柏レイソルの井原正巳監督のコメント
 「今、我々が置かれている状況を変えるには、今日のゲームでしっかり勝点3を取ることだ、というイメージを持ってゲームに入りました。そして入りは良かったと思いますし、選手は90分間戦って、ハードワークを意識しながら試合が出来ていたと思います。

 試合の方は、前半に良い形で2点を取り、後半も緩めずにいこうというところだったのですが、追加点を取れず逆に失点をし、押し込まれるゲームになってしまいました。ですが、その中で全員が体を張ってゴールを守った。これまでは追いつかれてしまう試合もありましたが、今日はしっかり勝ち切ることが出来たので、本当に大きな勝点3だと思います。まだまだ状況はそれほど変わっていないと思うので、天皇杯(準決勝・熊本戦)もありますし、次の試合に向けてしっかりと良い準備をしていきたいと思います」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影