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【再掲】ルヴァン杯準々決勝第1戦、ホームで横浜FMに3ー2の逆転勝利

23・09・11
 上写真/前列左からMF菅、ルーカス・フェルナンデス(7番)、馬場、木戸、駒井(14番)、後列左からGK菅野(1番)、DF田中(2番)、中村、岡村、FWキム・ゴンヒ、MF小林。GK菅野が負傷から復帰、DF岡村がレッドカードでJ1第26節では出場停止だったが、キャプテンマークを巻いて戻ってきた、大体大在学中の木戸が流石に若々しい


    (写真は9月6日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 ルヴァン杯準々決勝マリノスに3−2

  引き分け以上の「第2戦は10日」に敵地で


 北海道コンサドーレ札幌が、ミハイロ・ペトロビッチ監督を迎えて「早6年」。2006年、サンフレッチェ広島を振り出しに、2012年浦和レッズ。そして2018年、北の果て北海道にやってきた。2017年に四方田修平元監督がJ1に残留。11位のコンサドーレに「着陸」した。いきなりやってのけたのが2019年「ルヴァン杯」準優勝。

 北海道民にしてみれば、天皇杯優勝、ACL出場は「夢のまた夢」。新人やU−18上がりの選手には「絶好のチャンス」だった。菅大輝は見違えるように「冴えて」来たし、楽しみだった。

 さて現状を見てみよう。右のWB(ウイングバック)だった金子拓郎の移籍で、ぽかっと穴が開いたよう。これを見事に埋めるのがミシャ監督の采配。DF田中駿汰に少し頑張ってもらっているが、金子の後は、浅野雄也だろう。ルーカス・フェルナンデスが左WBに入る分、菅大輝が浮かんでしまう。さらにタイのチャナティップに最近似てきたスパチョークも楽しみだ。さあー「6日のスタメンは面白い」。

 9月に入ってもまだ暑い。札幌の外気温は30度近い。ドームは室内25.2度、湿度50パーセント。観客は7千566人。ちょっと暑苦しい感じ。JリーグYBCルヴァンカップ準々決勝第1戦、北海道コンサドーレ札幌対横浜F・マリノス戦は、9月6日19時03分、札幌のキックオフ。

 審判団はプライムステージからはJリーグと同じVARが入る。松尾一主審(50、大阪府出身、大学院で学び直したという律義者)。副審は野村修、大塚晴弘の2人。第四の審判員は船橋昭次。VAR中村太(主審格)、AVAR西橋勲。

 札幌のスタメンは、GK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、中村桐耶、WB(右)ルーカス・フェルナンデス、(左)菅大輝、ボランチ駒井善成、馬場晴也、MF小林祐希、木戸柊摩、FWキム・ゴンヒ。サブはGK高木駿、DF福森晃斗、MF浅野雄也、荒野拓馬、深井一希、FW小柏剛、大森真吾。

 横浜F・マリノスの布陣は、GK一森純、DF村上悠緋、上島拓巳、實藤友紀、永戸勝也、MF渡辺皓太、山根陸、西村拓真、FW水沼宏太、植中朝日、井上健太。控えはGK飯倉大樹、DFエドゥアルド、MFナム・テヒ、榊原慧悟、喜田拓也、FW宮市亮、エウベル。

 札幌は初めてのキャプテンマークのDF岡村(26、東京都出身、立正大出183センチ、85キロ、O型)。マリノスはベテラン水沼宏太(33、背番号18)。これまでの対戦成績はマリノスの20勝5分け8敗。監督は3年目のイギリス人、ケヴィン・マスカット監督。昨季はJ1優勝。21年は2位。今季は神戸と1、2位を競り合っている。

 試合は始まって1分。札幌DF田中駿にイエローカード。相手FWにチャージ。今度は6分、マリノスのFW井上にイエローカード。札幌DF田中とマリノス井上の「戦いが続く」。

 8分、マリノス水沼からパスを受けたFW井上が札幌GK菅野と1対1。難なく得点され「先制」。札幌の菅野がけがで試合から離れていた「スキ」が見えた。

 札幌は早い時間帯での失点で、右のルーカスのドリブル突破が多くなる。13分、マリノスDF實藤が札幌のクロスを顔面でブロックし、自軍のエリア内で倒れる。担架で運ばれDFエドゥアルドと交代(實藤OUTエドゥアルドIN)。

 25分、マリノス山根にイエローカード。このあたりから札幌のルーカスらの攻撃が盛んになる。札幌CKのチャンス。小林がキッカー。攻撃にまわったが、チャンスにはつながらない。27分まで中盤でのせめぎ合い(飲水タイムも設けられたが―)。

 27分、札幌が動いた。左からのクロスを右サイドにいたルーカスがゴール前に折り返し、大型の札幌DF岡村の左足シュート。一度は止められるが二度目のシュートがネットを揺らした。1−1同点で振り出しに戻った感じ。アディショナルタイム7分。札幌MF木戸が腰を痛め担架で運ばれ交代。木戸OUT荒野IN。

 後半に入る前に札幌が選手交代。中村OUT福森IN。小林OUT浅野IN。開始直後2分、札幌の左WB菅の動きが激しくなる。右のWBには浅野が入り、ルーカスは左に。菅とルーカスの役割が「はっきりしない」。キムゴンヒも宙ぶらりん。

 すると3分にやられた。マリノスFW水沼のエリア内でのシュートが決まる。またマリノスが1点リードし札幌が追う展開に。札幌は福森、浅野、馬場らの動きと、荒野、駒井、トップのキム・ゴンヒの連携が「なんか気がかりだ」。

 12分、マリノスFW井上にイエローカード。2枚目で「退場」(危険なスライディングックル)。10人の戦いとなり、札幌に追い風。

 19分、選手の入れ替えが続く。マリノス渡辺OUT喜田IN。札幌の方も岡村OUT深井IN、馬場OUT小柏IN。20分、小柏−キム・ゴンヒが最前線に立つ。札幌に攻撃準備が整ったよう(23分飲水タイム)。

 24分、マリノス水沼OUT宮市IN。西村OUTナム・デヒIN。植中OUTエウベルIN。

 29分、札幌ルーカスが前線へ浮き球のクロス。マリノスDFのクリアボールを駒井が拾い、小柏にスルーパス。ボールに追いつきワンタッチでシュートを決める。2−2同点です。

 32分、マリノス村上OUT榊原IN。39分、GK一森にイエローカード。さらに41分、札幌MF荒野もイエロー。アディショナルタイム7分。

 時は刻まれ50分。ルーカスの左側サイドからマリノスゴール前中央にパス。小柏はワントラップで反転し、DFとGKの間に走り込みゴールゲット。逆転の3点目。小柏もびっくり「初の連続2得点」。昨季のJ1王者のマリノス相手に、3−2で札幌が勝利した。

 シュート数は、札15−10マ、CK札6−7マ、FK9−10マ、PKなし。

 JリーグYBCルヴァンカップ準々決勝第2戦横浜F・マリノス対北海道コンサドーレ札幌戦は、9月10日午後6時から横浜市のニッパツ三ッ沢球技場で行われる。


 上:上段写真/前半8分、横浜FMのFW植中(14番)が井上(17番)、水沼とつないだパスを受けて先制ゴールを決める、札幌GK菅野(1番)、その手前MF小林(99番)、右端横浜FMのMF渡辺(6番)

 上:下段写真/前半8分、横浜FMのFW植中に先制ゴールを決められ悔しがる札幌GK菅野(左)、ガックリと肩を落とすDF岡村、中央は横浜FMのMF西村


 上:上段写真/前半27分、札幌DF岡村(左)がルーカス・フェルナンデスの右からのクロスに合わせてシュートするが、横浜FMのDF上島にスライディングでブロックされる。右端奥FWキム・ゴンヒ、中央奥MF木戸(31番)、右手前横浜FMのDF村上、5番は途中出場していたDFエドゥアルド

 上:中段写真/前半27分、札幌DF岡村(左から3人目)が自らのシュートのこぼれ球を再びシュートし同点ゴールを決める、右端横浜FMのDFエドゥアルド、中央はDF永戸(2番)

 上:下段写真/前半27分、同点ゴールを決めた札幌DF岡村(50番)がチームメイトの祝福を得て笑顔を見せる


 上写真/前半30分、札幌MF駒井(左)と横浜FMのMF渡辺(6番)がマッチアップ


 上:上段写真/前半追加タイム3分、札幌MF木戸(中央奥)が菅(左手前)にクロスを出す、99番はMF小林、右端横浜FM井上

 上:下段写真/前半追加タイム5分、札幌MF木戸(31番)が負傷し背中を押さえる、心配そうに駒井が(14番)が見守る、右DF中村(6番)、左馬場(3番)、この後、木戸はタンカで退場を余儀なくされた


 上:上段写真/後半3分、横浜FMのFW水沼(18番)が左からの井上のクロスに合わせてゴールを決め再びリードを奪う、札幌GK菅野(1番)、その右途中出場していたMF荒野(27番)

 上:中段写真/後半14分、1点ビハインドで札幌サポーターは懸命の応援

 上:下段写真/後半23分、札幌MFルーカス・フェルナンデス(右)に迫る横浜FMのFW水沼


 上:上段写真/後半29分、途中出場していた札幌MF小柏が、駒井のパスに反応し横浜FMのGK一森(1番)より一歩早く押し込み同点ゴールを決める

 上:下段写真/後半40分、札幌はMF浅野(左)DF田中(2番)、MF駒井(14番)の3人で囲むように、途中出場していた横浜FMのFWエウベル(7番)の突破を止める


 上:1段目写真/後半追加タイム5分、札幌MF小柏(中央)がルーカス・フェルナンデスのパスを横浜FMの途中出場していたDF榊原(右)を制してゴール右に押し込み勝ち越し点を決め、これが決勝点となった、左DF永戸

 上:2段目写真/後半追加タイム5分、札幌MF小柏(右)が横浜FMのGK一森(左)をかわして決勝ゴールを決める、GKの奥横浜FMのDF永戸

 上:3段目写真/後半追加タイム5分、札幌MF小柏が自身2得点目の決勝ゴールを決めゴール裏サポーターにアピール

 上:4段目写真/後半追加タイム5分、札幌MF小柏(19番)が決勝ゴールを決め、チームメイトの手荒な祝福を受けた後、ゴール裏サポーターにガッツポーズで応える、左端小林、右から2人目FWキム・ゴンヒ


 上:上段写真/後半追加タイム7分、横浜FMのMF喜田(中央右)のシュートは決まらず、札幌が守り切った、札幌の選手左からDF田中、GK菅野、MF深井、その奥菅、駒井(14番)、共に途中出場していた左端横浜FMのFWエウベル、右端MFナム・テヒ
 
 上:下段写真/宿敵横浜FMに逆転勝ちしタッチして喜ぶ札幌の選手たちだが、その表情には笑顔はなかった、左からDF福森(5番)、MF荒野(27番)、駒井(14番)、菅、DF田中(2番)、MFルーカス・フェルナンデス(7番)、深井(8番)、GK菅野、MF浅野、小柏(19番)、FWキム・ゴンヒ(13番)


 上写真/後半40分、同点の状況で両監督も必死の指示、左横浜FMのケヴィン・マスカット監督(左)と札幌のペトロビッチ監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「きっ抗したゲームだった。攻撃は良い部分が出せていたと思うが、守備では課題が残ってしまった。1失点目は安い失点だったし、2点目についてもそう。その意味でも、守備ではやはり課題があったのかなと思います。

 後半はビルドアップから前向きでボールを奪われて、カウンターを受けてしまう場面が多くなっていたが、その中でも選手たちは落ち着いてプレーし続けてくれた。そして、退場者が出て数的優位で戦うことが出来た。逆転に持っていくんだという気持ちは、良いものだったと評価したい。

 そうした中で残念だったのは、残り時間、なぜ4点目を奪いにいかなかったのか。3−2のスコアを保持しながらという思いがあったのだと思う。だが、この試合は2試合で勝敗が決する。それぞれのスコアが意味を持つ。4−2なら大きなアドバンテージとなる。4点目を狙わない姿勢は残念だった。相手が1人少ない状況であればやはりプレスを掛け続けて、ゴールに向かわなければならなかった。ただし、選手の判断で守りに入った」


■横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督のコメント(一部抜粋)
 「終わったばかりでまだ整理出来ていません。前半、たくさん良いチャンスが作れました。3点取れてもおかしくなかったと思っている。その中で後半にレッドカードが出て、難しい展開となり、逆転されてしまいました。残念な結果ですが、次に向けてやっていきたいと思います」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影