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J1第20節(7月8日)、アウエー福岡で1−2の逆転負け

23・07・11
 豪雨の福岡 金子がPK外す 逆転負け

  ミシャ監督 熊本でミニ合宿 天皇杯は大分で


 北海道コンサドーレ札幌は7月8日、豪雨に見舞われている九州地方でJ1リーグ第20節、アビスパ福岡戦に挑んだ。

 7月1日には、タイ出身のスパチョークが「イニエスタ・ラストマッチ」ともいうべきJ1第19節ヴィッセル神戸戦で先発。1−1の引き分けの「立役者」にもなっていた。この日(8日)も前半に先制点をたたき出し、後半戦に臨んだが、12分、福岡ペナルティエリア内で、シャドーの駒井善成が倒された。VAR判定の末「PK」。エース金子拓郎がキッカー。今季の8得点中、3回のPKは全て決めたが―。

 雨雲はスタンドを覆い、気温28.1度、湿度90パーセント。観衆は7千170人。福岡市内にあるベスト電器スタジアム(2万1千562人収容)は立派な観客席を覆う屋根が目を引くが、赤黒縦縞の遠来の札幌応援団が「惨めに見えた」のは、私だけだったろうか?

 ゲームは7月8日19時03分、福岡ボールでキックオフ。あれ!キャプテンマークは福岡DF奈良竜樹(2011年から14年まで札幌)、札幌の宮澤裕樹(2008年から札幌)。そういえば福岡は昨年まで前寛之(13年から17年まで札幌)が着けていた。他に福岡にゆかりのある選手がいないか調べたら、札幌ルーキーの大森真吾(22、順天堂大出)が福岡だった。遠くて近いね。きっと春の遠い北海道が「春合宿を九州で」が「南国の魅力」なのかも知れない。

 審判団はスムーズな判定をする池内明彦主審(39、広島県出身でPK判定は少ない方だがVAR判定で増えそう)。副審は野村修、坂本晋悟。第4の審判は亀川哲弘。VAR吉田哲朗(主審格)、AVAR浜本祐介。

 福岡のスタメンは、GK村上昌謙、DF小田逸稀、奈良竜樹、ドウグラス・グローリ、前嶋洋太、MF佐藤凌我、井手口陽介、前寛之、金森健志、FWルキアン、山岸祐也。控えは、GK永石拓海、DF湯澤聖人、井上聖也、MF城後寿、田中達也、FWウェリントン、鶴野怜樹。

 札幌は、GK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、中村桐耶、WB(右)金子拓郎、(左)ルーカス・フェルナンデス、MF荒野拓馬、宮澤裕樹、シャドーは駒井善成、スパチョーク、トップに浅野雄也。控えはGK大谷幸輝、DF馬場晴也、福森晃斗、MF青木亮太、小林祐希、FWキム・ゴンヒ、菅大輝。

 過去の対戦成績は、札幌の15勝11分け14敗。開始直後は福岡の攻勢。5分を過ぎると札幌の両サイド右WB金子と、左WBルーカスのワイドからの攻めが見られる。その間、福岡FWルキアンが再三、札幌GK前へ突進する。GK菅野もビルドアップの軸になりたいようだが、ルキアンは放っておけない。

 こんな行ったり来たりの中、札幌が得点する。31分、左の札幌6番、DF中村がMF宮澤からのパスを受けドリブル。相手ペナルティーエリア内に持ち込み、福岡ゴール前にパス。福岡DFが防御し球筋がわずかに変わり、札幌MFスパチョークが押し込んで先取点。1日の神戸戦同様「個の力」を見せつけた。

 札幌左サイドの中村−ルーカス−スパチョークと、トップの浅野が動き回り「マーカーの奈良」の必死な対応が見られた。アディショナルタイム4分。1−0の札幌リードで後半へ。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「ビルドアップの部分で前に運べるところ、前を向けるところは前にボールを動かしていこう」、「ボールを保持している時は慌てないで落ち着いていこう」、「後半の入り集中していこう」

■アビスパ福岡の長谷部茂利監督のコメントはチーム発表無し

 
 後半は札幌キックオフ。両者ともハーフタイムの選手交代なし。さっそく仕掛けたのは札幌MF金子で、ターゲットのスパチョークへのクロスは、手前でクリアされてしまう。左サイドでCK。ルーカスがキックするが手前でカットされてしまう。

 9分、福岡の選手交代。小田OUT湯澤IN。12分、札幌左WBルーカスが相手のボールをカットし、スパチョークを経由して、福岡ペナルティアリア内のMF駒井がパスを受ける。素早くターンしたところ、福岡DFグローリが駒井を倒したがその時点ではノーファールとして流された。その後、主審がVARシグナルを受けオンフィールドレビューを行い、福岡がファールをしたとして札幌がPKを獲得。

 18分、札幌MF金子がキッカー。GK村上は右に飛び、金子のキックしたボールは左のポスト下ではじき出され、ノーゴール。金子のPK失敗を初めて見た。札幌ベンチは「重い雰囲気」。19分、福岡の佐藤OUTウェリントンIN。札幌は田中駿と金子の同期コンビが中央突破を見せるが「得点」にはならない。

 この後、福岡に21分と24分に続けざまに得点場面を作られる。最初は21分。福岡DF奈良が札幌のパスをカットしたボールをDFグローリが前線へ送る。札幌MF宮澤の守備も間に合わず福岡FWルキアンに渡り、札幌ゴール前にパス。交代したばかりのウェリントンが走り込んでゲット。1−1の同点に追いつかれる。

 さらに24分、福岡FWルキアンがピッチ中央の味方からパスを受け、右サイドへ。後方から走り込んだDF湯澤にマイナスのパスを送り、湯澤がダイレクトシュート。2−1と逆転のゴールネットを揺らした。

 札幌は2失点してからの25分宮澤OUT福森IN。ルーカスOUT菅IN。あわてて福森、菅を出した感じ。

 この後、必死に守る福岡のルキアン、奈良にイエローカード。次第に1得点をめぐる展開。33分、駒井OUT小林IN。37分スパチョークOUTキム・ゴンヒIN。福岡も39分に山岸OUT井上IN。これで札幌が4組。福岡が3組の選手交代をした。札幌は福森、菅の交代が遅かったよう。試合はこのまま2−1で終了。

 シュート数は、福5−9札、CK福1−9札、FK福15−17札、PK札1=ノーゴール。
                          
 札幌の次戦はJFA第103回天皇杯第3回戦。ヴェルスパ大分対北海道コンサドーレ札幌戦が7月12日午後7時から大分市のレゾナックドームで行われる。

 2023明治安田生命J1第21節の北海道コンサドーレ札幌対アルビレックス新潟戦は7月15日午後1時から札幌市厚別公園競技場で行われる。
池田淳