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J1第18節(6月24日)、ホームでC大阪に1−4で敗戦

23・06・29
 上写真/前列左からMF浅野、DF菅、MFスパチョーク、ルーカス・フェルナンデス(7番)、駒井、荒野(27番)、後列左からGK菅野(1番)、DF田中駿、MF中村(6番)、金子、DF岡村。スパチョークがリーグ戦初の先発、荒野がキャプテンマークを巻いた

  (写真は6月24日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 ミシャ監督 声を詰まらせ これからだ

  C大阪に1−4でドーム2万超がっくり


 J1リーグが後半戦に入った。セレッソ大阪(C大阪)とは4月9日にアウエー戦3−2で勝利していた。

 ホームのこの日はなんという戦いだろう。互いにホームゲームを落とし、札幌にしてみると2万余の「コロナ発生」以来の「大入り」。歌うヤングや漫才を入れて「歓迎」、あのチャナティップの札幌−川崎フロンターレ後の、タイ帰国「祝いのあいさつ」も有ったのに「暗い別れになった」。

 札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督も得意の「ルヴァンカップ」、グループリーグ戦をクリアした「祝福セレモニー」も待っていた。記者会見前、私と通訳兼コーチの杉浦大輔君との「会話も」湿って「肩を叩くばかり」。「これから」を信じた「目と目」は、いつ来るのだろう。

 この悔やみきれない戦いは、6月24日14時03分。札幌MF荒野拓磨のキックオフで開始。Jリーグらしい審判団。谷本涼主審(35、香川県出身、今年からプロ契約の国際審判)。副審は大川直也と岩田浩義。第4の審判は田尻智計。VAR小屋幸栄(主審格)、AVAR堀越雅弘。グラウンドコンディションは気温25度、湿度52パ−セント。ドームには2万4千509人の観衆。セレッソ大阪・応援席はほぼ満員の3百人。

 札幌のスタメンは、GK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、菅大輝、WB(右)金子拓郎、(左)ルーカス・フェルナンデス、MF荒野拓馬、中村桐耶(俗にいうボランチ)、シャドーに駒井善成、スパチョーク(タイ)、トップは浅野雄也。控えはGKク・ソンユン、DF西大伍、馬場晴也、福森晃斗、MF小林祐希、FWにキム・ゴンヒ(韓国)、ミラン・トゥチッチ(スロベニア)。

 C大阪のスタメンは、GKヤン・ハンビン、DF進藤亮佑(元札幌)、毎熊晟矢、鳥海晃司、舩木翔、MF喜田陽、香川真司、ジョルディ・クルークス、カピシャーバ、FWレオ・セアラ、加藤陸次樹。控えはGK清水圭介、DFマテイ・ヨニッチ、西尾隆矢、MF原川力、中原輝、上門知樹、FW北野颯太。

 過去の対戦成績は、14勝6分け12勝でC大阪の勝ち越し。札幌の菅はこの試合で200試合出場達成。

 試合の方は2分、C大阪がDF舩木からの左サイド深い位置を狙ったロングパス。FW加藤が札幌DF中村に競り勝ち中央へクロスを入れる。FWレオがダイレクトシュート、ゴール右側に決まり先取点を上げた。あっという間に「世界が変わった雰囲気」。館内を埋めた2万余の赤黒の応援団はざわめきよりも、「シーンと―」静まり返った様子。

 札幌は、左のルーカス、右の金子がボールコントロール。徐々にコンサドーレパターンに「持ち直し」が、見えてきた。雰囲気的にはまだC大阪寄り。

 すると17分、札幌の展開でDF岡村からFW浅野へのパスをC大阪の香川がプレスをかけ、岡村へのリターンパスを乱れさせた。ボールはまっすぐ札幌ゴール前へ。C大阪FW加藤が拾い、トラップから反転。GK菅野が大きく飛び出したところに「ミドルシュートを決めた」。0−2と水をあける。

 札幌も右サイドの金子、田中駿が攻め上がるが、C大阪の香川、進藤のパス回しが見事。

 38分、C大阪MFカビシャーバが左サイドから札幌ゴール前にクロスを上げるとボールは右サイドへ流れる。拾った香川が上がってきた味方に渡し、今度は右サイドから札幌ゴール前にクロスを入れる。札幌のDFが対応したが、こぼれ球をMF喜田がダイレクトで左足一閃。ゴール左上に決まり、スコアは0−3。

 札幌はキャプテンマークの荒野が前線に飛び出してくる。45分にやっと得点機。札幌はCKを得て、FW浅野がキック、MF荒野がヘディングを決め、1−3で一矢を報いて前半終了。


【監督のハーフタイムコメント】】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「相手の攻撃の起点を抑えよう」、「セカンドボールを拾おう」、「ひとつひとつの精度を上げること」


■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメントはチーム発表無し


 後半に入ったが、札幌は左サイドのルーカス、中村、菅のラインと駒井の存在が隠れ気味。

 13分、札幌DF菅OUTキム・ゴンヒINに期待がかかる。22分、C大阪もFW加藤OUTマテイ・ヨニッチIN。FWからDFへの交換。もはや3得点で守備固め。札幌は99番MF小林をピッチに出したい。29分スパチョークOUT小林IN。これが逆効果。

 31分、「来たぞ、香川だ」。C大阪MF喜田が前線のFWレオに斜めのロングパス。ボールを収めたレオは札幌ゴール前に走り込んできたMF香川にグラウンダーのパス。札幌GK菅野の体勢を見ながらチップキックであざ笑うかのように決まったループシュートは香川だった。スコアは1−4に。

 この後、C大阪の「律義な」選手交代。舩木OUT西尾IN。クルークスOUT中原IN。カビシャーバOUT上門IN。4人が滞りなく、ベンチ采配通り、C大阪が快勝。ホームで1−4で敗れた札幌は浅野、駒井の「疲労」と荒野の出ずっぱり。気になるなー。

 シュート数は、札12−9C大阪、CK札10―4C大阪、FK札16−18C大阪、PK無し。

 2023明治安田生命J1第19戦ヴィッセル神戸対北海道コンサドーレ札幌戦は、7月1日午後7時からノエビアスタジアム神戸で行われる。


 上:上段写真/前半2分、札幌のパスミスからFW加藤、レオ・セアラとつながれ、先制される。ピッチにふれ伏す札幌DF岡村、その左MF荒野(27番)、GK菅野(1番)、その左DF菅(4番)、右端MF駒井(14番)、拍手を送るC大阪MFジョルディ・クルークス(右から2人目)、8番MF香川

 上:下段写真/前半2分、先制点を決め手にキスをするC大阪のFWレオ・セアラ(9番)、右にMFカピシャーバ(27番)、DF舩木(29番)、その後方アシストしたFW加藤、MFジョルディ・クルークス(11番)、香川(8番)


 上:上段写真/前半17分、札幌MF浅野(18番)のバックパスをC大阪は見逃さず、FW加藤(20番)が豪快に追加点を決める、札幌GK菅野、右MF中村(6番)、8番はC大阪MF香川

 上:下段写真/前半17分、追加点を決めたFW加藤(20番)を囲んで喜ぶC大阪の選手の横で、自分のミスを悔しがる札幌MF浅野(18番)、左端DF岡村(50番)、右端C大阪MF喜田(5番)


 上:上段写真/前半33分、札幌MFスパチョークのシュートのこぼれ球をルーカス・フェルナンデスがシュートするがC大阪GKヤン・ハンビン(1番)にクリアされる

 上:下段写真/前半33分、札幌MFルーカス・フェルナンデス(右下)がC大阪GKヤン・ハンビン(左1番)にブロックされピッチをたたいて悔しがる


 上写真/前半38分、C大阪MF喜田(中央右)が3点目のゴールを決め両手を広げて走り出す、札幌GK菅野(右奥)はピッチに伏せる、MF金子(左端)とDF田中駿(2番)はガックリ、29番はC大阪DF舩木、右端2点目を決めたFW加藤


 上写真/前半45分、元同僚の札幌MF荒野(27番)にシュートを決められ、悔しがるC大阪DF進藤(3番)、その左舩木(29番)、右端札幌DF岡村(50番)、左端田中駿(2番)


 上:上段写真/後半22分、札幌MF浅野が右サイドからクロスを入れるが、C大阪MFカピシャーバ(27番)にブロックされる、手前にDF鳥海(24番)、進藤(3番)、その前方舩木ら、厚いDF陣が守りを固めている

 上:下段写真/後半29分、中盤でキャプテンマークを巻いたC大阪MF香川(左)と札幌MF荒野が激しくボールを奪い合う、荒野がファールをとられる


 上:上段写真/後半31分、C大阪MF香川(8番)が右サイドからFWレオ・セアラが入れたクロスを合わせて4点目のゴールを決める、札幌DF田中駿(2番)、GK菅野(その下)は及ばず、左端C大阪DF進藤(3番)

 上:中段写真/後半31分、C大阪MF香川にダメ押しともいえる4点目を決められ、札幌の守護神GK菅野の背番号1が泣いているように見える、MF金子(9番)、荒野もガックリの表情

 上:下段写真/後半31分、C大阪MF香川(8番)が4得点目を決めて喜ぶ、奇しくも1得点目を決めたレオ・セアラ(9番)、3得点目MF喜田(5番)、既にベンチへ下がっていた2得点目のFW加藤(20番)が勢そろい、他の選手は左端MFジョルディ・クルークス(11番)、DF進藤(3番)、控えGK清水(31番)


 上:上段写真/1−4と完敗しガックリの札幌の選手たち、左からMF浅野、DF田中駿、MF荒野、中村、金子

 上:下段写真/4−1の大勝に沸くC大阪サポーターを背に、試合後の挨拶をかわす札幌の選手たち、左からMF荒野、DF田中駿(2番)、MF駒井、GK菅野、MFルーカス・フェルナンデス、FWキム・ゴンヒ、MF浅野、小林、金子(9番)、DF岡村、MF中村(6番)


 上:上段左側写真/後半12分、苦戦にFWキム・ゴンヒ(右後方)投入を前に通訳を通して入念な指示を出す札幌のペトロビッチ監督(中央)

 上:上段右側写真/後半30分、これから投入するC大阪DF西尾(右)と手を合わせて激励する小菊昭雄監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「サッカーはプラン通りにいかないスポーツだということをあらためて感じさせられたゲームでした。立ち上がり2分に失点し、最初からすでにリードされたような形で試合が始まりました。ただし、選手は落ち着いて試合を進めてサイドからチャンスは作れていました。残念ながらそれを決め切ることができず、その中で9番、20番の選手(レオ・セアラ、加藤陸次樹)をターゲットに相手は試合を進めてきました。そこをコントロール出来なかったことが、我々が試合をうまく進められなかった要因の1つである。

 その後も得点を取るべく試合を進めていったが、相手のシュートはどれも素晴らしく、相手のチャンスが得点になる確率も高かった。4失点目は得点を取るために前に出たところでカウンターを受けたもの。あの場面では仕方のない形ではあったと思うが、相手のクオリティーも今日は高かった。やはり相手の9番と20番のところをコントロール出来ていれば、もっと自分たちの展開を作れていたことでしょう。決してスコアほど悪いゲームではなかったとも思っています。

 相手も我々のサイド攻撃を警戒していたと思います。そうした中でもチャンスは作れていた。だが、最後の精度がなかなか上がりませんでした」


■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメント(一部抜粋)
 「Jリーグ屈指の攻撃力を誇る札幌ですが、攻撃だけではなく、守備でも重心を前に強く来るチームです。そうした相手に私たちはどのようなゲームプランで臨むのか。その共有が非常に大事なポイントでした。その中で、我々は出どころにしっかりとプレスを掛ける。上下左右、ラインをコンパクトに、強気のライン設定で、蹴られたときはしっかりセットする。チャレンジ&カバー。プレスバックまで。そういったことを90分、18人全員がやり通すことが出来るか。そこが大きなポイントでしたが、まっとうした選手たちを誇りに思います。

 今日の勝因はたくさんある中でも、そこが一番大きかったと思います。ゲームコントロールのところも選手は柔軟にゲームの流れを読みながら、いろいろなシステムにも対応してくれました。相手の変化を見ながら攻撃でスピードアップするところ、ボールを奪いにいくところ、ゴールを取りにいくところ、そういった成長が見られたことも大きかったです。また、若い選手たち、出番をつかんだ選手たちが躍動して勝利に貢献してくれたこともうれしく思います」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影