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J1第11節(5月3日)、ホームで鹿島に0−1で敗戦

23・05・05
 上:上段写真/前列左からFW小柏、MF菅、浅野(18番)、青木(11番)、駒井(14番)、後列左からGKク・ソンユン(25番)、DF中村、田中駿、MF福森、DF岡村(50番)、MF金子(9番)、今日が誕生日というGK菅野が前節に引き続き先発するのかと思っていたら、意外にもク・ソンユンだった

 上:下段写真/前半3分、札幌MF浅野(中央左)がボールを前線に運ぼうとするが、鹿島FW仲間(中央右)、DF常本(左)、MFディエゴ・ピトゥカ(21番)に囲まれるように封じられる


  (写真は5月3日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 5月場所 札幌ドーム 桜散る

  0−1で鹿島に破れ先行き不安


 コンサドーレ札幌は、5月に入り大相撲で言えば「5月場所」。初めは、5月3日の鹿島アントラーズ戦。10位の札幌と9位の鹿島戦は札幌ドーム。桜前線も「根室に到達」の速報が出て、「春爛漫の連休」を迎えていた。

 ミハイロ・ペトロビッチ監督にしてみると、前節4月29日の第10節で横浜FCを4−1で破り、鹿島を迎える機運は「満々」だった。さらにエースとして育て上げているトップ3を司る背番号18の浅野雄也が「J1得点ベスト5」に一時入る5得点をマークしていたが、「にんまり」する暇もなく「桜散る」。

 加えて今季の得点「0」は第1戦のサンフレッチェ広島との0−0に続き2回目。3日の試合後の記者会見を終え、通訳の杉浦大輔コーチと共に「どうしよう」のシェイクハンドを求めてきた―ほどだった。

 試合の方は、5月3日14時03分、室内23.6度、湿度41パーセントで暖かい。入場者は1万9千38人と、連休では、少な目。

 審判団は、ベテラン岡部拓人主審(41、福島県出身、元国際審判の経験を生かし、J1通算200試合を目指している。年間PK5回判定は多い方)。副審は赤坂修、坂本晋悟。第4の審判は数原武志。VAR山本雄大(主審級)、AVAR高山敬義(VARに1度も声を掛けなかった主審だった)。

 札幌のスタメンは、GKク・ソンユン、DF田中駿汰、岡村大八、中村桐耶、WB(右)金子拓郎、(左)菅大輝、MF駒井善成、福森晃斗、FW浅野雄也、青木亮太、TOP小柏剛。控えは、GK松原修平、DF馬場晴也、MF宮澤裕樹、スパチョーク、ルーカス・フェルナンデス、小林祐希、FWミラン・トゥチッチ。

 鹿島のスタメンは、GK早川友基、DF広瀬陸斗、植田直道、関川郁万、常本圭吾、MF名古新太郎、樋口雄太、ディエゴ・ピトゥカ、FW垣田裕暉、鈴木優磨、仲間隼斗。控えは、GK沖悠哉、DF昌子源、MFアルトゥール・カイキ、松村優太、舩橋佑、土居聖真、FW知念慶。

 札幌のフォーメーションは3−4−2−1で、GKには菅野に代わりクが入った。今季の札幌はリーグ10戦して7試合で複数点を挙げている。また、鹿島は4−4−2で、直近で連勝しチームは上向き。対札幌で見ると18勝6分け3敗と水をあけている。

 特に得点関連では鹿島のFW鈴木がここ5試合で3得点1アシスト。札幌MF浅野が5試合で4得点2アシストと好調、共に得点ランキング上位を伺っている。

 キックオフは鹿島で開始。ホーム札幌の立ち上がりの攻撃は、田中駿、福森らが小柏−金子−青木らにボールを供給、攻撃態勢を整える。

 鹿島は10分、早川が右サイドからロングボールを垣田に送るが、札幌DFが対応。さらにDF広瀬からFW仲間へのスルーパスが通るなど「得点機」が、交互に訪れている。そんな中で鹿島は、21分、鹿島FW鈴木が左サイドからペナルティーエリア内にスルーパスを送り、受けたMF名古が中央へ折り返すが、味方に合わず。このボールを拾った札幌DF中村が痛恨のパスミス。見逃さなかったFW鈴木が中央から右足でダイレクトシュート。札幌ゴール右手に決まり鹿島が先制した。

 22分、札幌の青木にアクシデント。即座に青木OUT宮澤IN。札幌の反撃が続くが決め手が見えない。0−1のままアディショナルタイム1分経過。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「いい試合はできている。このまま継続していこう」、「相手FWの2枚をはがす事」、「この試合を落とすのはもったいない。まずは1点取って逆転するぞ」

■鹿島アントラーズの岩政大樹監督のコメントはチーム発表なし


 後半、スタートの選手交代は鹿島の垣田OUT知念IN。6分過ぎから札幌の攻撃。金子−菅の両サイドから、攻撃が始まる。さらに福森のCKが、相手ゴール前の混戦の中へ。苦しくなった鹿島は、14分に選手交代。仲間OUT土居IN。名古OUT松村IN。2人ずつの計画的交代。これを見習って札幌も、19分に駒井OUT小林IN。中村OUTルーカス・フェルナンデスIN。

 22分、札幌得意のCK。福森が狙って蹴るが、何度もあったセットプレーで札幌は得点できなかった。ここで披露しておくが「前後半でCKは札幌が14本。鹿島が1本」、CK・FK合わせると34本の札幌(フリーキック札幌20本、鹿島8本)。「なんと無様な、日ごろの練習不足」だろう。鹿島の監督・岩政大樹氏(41歳、山口県出身、2年目)は、名うてのDFで、守り方は知っている。

 選手交代は38分、鹿島の鈴木OUT昌子IN。41分、鹿島MF土居の腕をつかんで止めた宮澤にイエローカード。43分、札幌の選手交代は小柏OUTトゥチッチIN。アディショナルタイムは4分。47分鹿島の樋口OUT舩橋IN。選手交代は札幌4組。鹿島(キチンと)5組。

 どこが違うのだろう。ゲームの「ストーリーが出来て来ない―」。何度もの書き直し、時空によって違う「物語」が、即座に書けない「スタッフのもどかしさ」。選手は操り人形ではない。

 シュート数は、札9−7鹿、CK札14−1鹿、FK札20−8鹿、PKなし。      

 次戦、2023明治安田生命J1第12節北海道コンサドーレ札幌対FC東京戦は、5月6日午後2時から札幌ドームで行われる。


 上写真/前半16分、札幌DF岡村(50番)が鹿島FW鈴木を押し戻す、左札幌MF浅野(18番)


 上:上段写真/前半21分、札幌DF中村(6番)が直前に滑って転んだせいか、前方のMF駒井(中央手前)へのパスが緩くなる。これを鹿島FW鈴木(40番)がこのミスを見逃さず、走り込んでジャストミートし先制点を上げる、中央奥札幌GKク・ソンユン、鈴木の右DF常本、右端MF樋口(14番)

 上:中段写真/前半21分、鹿島FW鈴木に先制ゴールを決められ、ひざに手を当てガックリの札幌DF中村、右GKク・ソンユン、左端DF田中駿、その右MF駒井(14番)、その右鹿島FW仲間(33番)

 上:下段写真/前半21分、先制ゴールを決め天を指さしアピールする鹿島FW鈴木、MF樋口(14番)がニンマリ、左ミスをした札幌DF中村の視線がさまよう


 上:上段写真/前半24分、札幌MF福森がFKを蹴る

 上:下段写真/前半24分、札幌MF福森のFKを鹿島FW鈴木が札幌FW小柏(19番)と競りながらクリア、CKに逃げられる、右へ札幌DF田中駿(2番)、鹿島MFディエゴ・ピトゥカ、DF植田(55番)、関川(5番)、札幌DF岡村


■北海道コンサドーレ札幌の田中駿汰選手のコメント
 「敗れてしまったことがまず非常に悔しいが、試合内容的には悲観し過ぎるべきものではないと思っている。チャンスも作れていたので、そこで決め切ることができていれば結果も違っていたかもしれない。

 ただし、相手が守りを固めてきた時間帯でもう少しアイディアを増やしたり、プレーの精度を高めていかなければ同じような試合をまたしてしまうかもしれない。そうした部分は修正していきたい。次節まで中2日なので、まずは良いコンディションで挑めるように、良い準備をしていきたい」


 上写真/前半29分、札幌MF宮澤(左)が鹿島FW仲間(33番)と競り合う、宮澤は前半22分から青木の負傷で途中出場していた、後方鹿島FW鈴木


 上写真/前半追加タイム1分、札幌FW小柏(左)がゴール前に攻め上がるが、鹿島DF常本(右)にクリアされる、後方MFディエゴ・ピトゥカ、右端札幌MF浅野、小柏と常本は明治大学でチームメイトだったそうだ

■北海道コンサドーレ札幌の小柏剛選手のコメント
 「チャンスがありながらも無得点で敗れてしまったので、FWとしては責任を感じている。失点についてはチーム全体としての責任だと思っているので、チームみんなでしっかりと改善できるようにしていきたい。

 今日の試合では、攻撃に移った際にも相手のCBが2人余っているような感じで、なかなかスピードを生かして裏を狙うというようなプレーが出来なかった。そうした状況でも相手の守備を崩して得点までもっていけるようにしなければいけない。個人としてももっとレベルアップしていきたい」


 上写真/後半10分、札幌MF浅野(中央)がシュートするが、鹿島MFディエゴ・ピトゥカ(21番)にクリアされCKに逃げられる、浅野の後方宮澤、右FW小柏


 上:上段写真/後半32分、札幌MF浅野(上)が左サイドをドリブルで駆け抜けようとするが、鹿島DF広瀬にスライディングでカットされる、後方で鹿島の岩松監督がじっと見つめる

 上:下段写真/後半追加タイム2分、鹿島MF松村(中央右)が自陣でボールをキープ、札幌MFルーカス・フェルナンデス(7番)と福森(その左)が奪い取ろうと襲い掛かる、左端札幌MF小林(99番)、鹿島FW知念(13番)、DF広瀬(22番)、副審が鋭い目を向ける


 上:上段写真/鹿島が1−0で札幌を破って試合終了、ガックリの札幌の選手に対し、3連勝と意気上がる遠来の鹿島サポーターたち

 上:下段写真/0−1と鹿島に敗れゴール裏札幌サポーターにあいさつする選手たち


 上写真/後半40分、懸命に指示を出す鹿島の岩政大樹監督(左)と札幌のペトロビッチ監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「立ち上がりから最後まで我々が主導権を握り、試合を支配していたと思います。非常に良いゲームが出来ていた。その試合に勝利できなかったことは非常に痛い。特に立ち上がりの10〜15分に決定機が何度かあり、それをモノにすることが出来なかった。あの状況の中で、あのチャンスを決め切らなければいけなかった。あそこでリードしていれば試合は違う展開になっただろう。失点についても相手のチャンスというよりは自分たちのミスから。痛い形だった。その失点が試合展開を大きく左右したことは間違いないだろう。

 ただし、選手たちは最後まであきらめず攻撃をしてくれた。いくつもチャンスを作れていた。CKやセットプレーの数を見れば、我々がどれだけ相手を押し込んでいたかということが分かると思う。その中で得点が奪えていれば、と思う。

 試合自体は我々の狙いが多く出せていた。選手たちを責めることはできないと思う。そうした展開だっただけに、悔しい、痛い敗戦だった」


■鹿島アントラーズの岩政大樹監督のコメント(一部抜粋)
 (うまくいった部分とうまくいかなかった部分は?)
 「ある程度想定した試合展開だった。札幌は開始15分間で20点中7点を取っているというところもあったので。そこは想定して入ったのだが、選手たちが0−0でというところを意識し過ぎたところもあったかもしれない。

 その中で先制点を取れてしまったところも展開に影響した気がするが、すべてがすべて難しかったわけではないが、もう少し敵陣に入って崩していく。得点シーンのような、ああいうシーンを増やしたい。ああいうところまでいければビッグチャンスが増えるというところは共有していた」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影