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J1第27節(10月12日)、アウエーで浦和と1−1で分ける

22・10・15
 浦和はマイタウン1−1でいいよ

  ミシャの苦労が「報われますように」


 2001年に「日韓ワールド杯」に日本メイン会場になる「埼玉スタジアム2002」が出来た。2022年10月号の王道で書いた「4文字コラム」パート3コマ目、浦和4校の高校チーム定期戦。特に今回は、前チェアマン村井満氏(浦和高校出)の「ご苦労さん会」も兼ねている。

 まあ、そんなところで、浦和高校の「サッカーの全盛時代」を思うと「埼玉スタジアム2002」の「多彩なエピソード」も聞く。バックスタンドの道路1本挟んで寺があり、そこの墓地を「死んでもサッカーが見られますように」と、買ってくれた「奥さんも」。きっと、どこへ行こうと「ここへ帰る」。それが1−1で「少しでも長く」になったのだろう。

 試合の方は、10月12日19時34分、浦和ボールでキックオフ。審判団は国際審判の谷本涼主審(34、香川県出身)。副審は八木あかね、川崎秋仁。第4の審判は佐藤誠和。VAR福島孝一郎(主審格)、AVAR五十嵐泰之。

 観衆は1万8千510人。雨が降ったり止んだり。気温17.9度、湿度81パーセント。マスクして声出しも「部分的」に行われ、やっと活気づいた。札幌応援団も赤黒のユニホームのカッパをまとった姿でちょっと寒そう。

 ピッチには赤のレッズ、白のコンサドーレ。札幌は3−4−2−1。浦和はGKキャプテン西川周作から4−4−2。

 札幌のスタメンは、GK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、菅大輝、WB左にルーカス・フェルナンデス、右に金子拓郎。舵取り役は荒野拓馬と高嶺朋樹。FWトップにガブリエル・シャビエル、シャドーに小柏剛と青木亮太。前の試合(福岡戦)で負傷退場した駒井善成と浦和から期限付き移籍中の興梠慎三はベンチ外で、スタメンだったDF福森晃斗と西大伍が控えにまわり、DF中村桐耶、宮澤裕樹、スパチョーク、キム・ゴンヒ、GK大谷幸輝がベンチに入った。
 
 浦和は前の鳥栖戦からスタメン変わりなくDF酒井宏樹、岩波拓也、アレクサンダー・ショルツ、大畑歩夢、MF大久保智明、伊藤敦樹、岩尾憲、小泉佳穂、FWブライアン・リンセン、キャスパー・ユンカー。控えにMFダヴィド・モーベルグ、関根貴大、明本孝浩、柴戸海、FW松尾佑介ら。

 キャプテンマークは荒野と西川。試合は開始直後から札幌のパス回しが目立つ。小柏やシャビエルに青木、さらに荒野が中央でも拠点になりFW陣へ。前半10分くらいまでは、札幌ペース。

 24分、札幌がCK。右に回ってルーカスが右足でキック。浦和GK西川が飛び出して防ぐ。25分過ぎからは浦和ペース。大久保や酒井がビルドアップ、FWリンセンやユンカーが札幌ゴール前に押し寄せる。

 35分、再び札幌のCK。ルーカスがキッカーの位置。ゴール前を見ながらマイナスパス。シャビエルから、またルーカスに戻しゴールに向けてクロスを入れるが押し返される。

 39分、今度は浦和の攻撃。MF岩尾が札幌ゴール前に蹴り込む。背番号9リンセンが飛び込みシュートするがゴール枠外。40分過ぎからは札幌ペース。小柏へのパスが増え、得点機を狙うが、いま一歩。アディショナルタイム2分経過しハーフタイム。


【監督のハーフタイムコメント】
 
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
「ゴール前ではチャンスは作れている。落ち着いてプレーしよう」、「続けていれば必ず得点につながる」

■浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督のコメント
 「良い守備から攻撃できている、続けていくこと」、「セットプレーに気をつけよう」


 後半は札幌がキックオフ。右サイドの田中駿から金子の機を見ての展開。ゴールライン際まで持ち込むがDFやGKにはじき返される。左からの札幌の攻撃はルーカス起点。押し上げる位置に菅が入るがタイミングが狂い、相手ボールに。互いに決定的チャンスが札幌GK菅野、浦和GK西川の「好捕」によって「ため息」に。

 最初の選手交代は浦和。18分、ユンカーOUT松尾IN。すると20分、浦和がチャンス。MF伊藤が札幌DF岡村からボールを奪い、ペナルティーエリア内に持ち込みシュート。GK菅野がはじいたこぼれ球をFWリンセンが反応するが菅野に接触。ファールの判定。ヒヤリ札幌。

 24分頃から札幌の菅、下がり気味のシャビエルにチャンスボール。26分札幌左からの仕掛けが実る。青木がMF伊藤との競り合いを「置き去り」にして、左サイドのルーカスにパス。DF酒井をかわして、カーブをかけたファー狙いのシュート。ゴール右のポストに当たりゴールイン。名手・西川もなすすべがなかった。

 1−0で札幌リード。浦和の選手交代はリンセンOUT明本IN、伊藤OUT柴戸IN。札幌も小柏OUTキムIN。後半26分まで双方合わせて4人が交代した。
 
 さらに札幌が選手交代。29分、浦和FW松尾が放ったシュートがゴールポスト右に当たり、跳ね返ったボールを酒井がシュートしたが、菅がブロック。その拍子に足を痛めた菅が退場、32分福森IN。さらに荒野OUT宮澤IN。これで札幌は「整いました」。

 ホッとした38分、浦和のリカルド・ロドリゲス監督がなにやら指示。40分、浦和が「前に前に」。札幌ゴール前に3、4人が走り込む。大久保が左足でシュート。ゴール前の福森が飛びつくように「ボール」に向かう。

 頭の前に「手に当たった」。VARのチェック。その間、浦和の大畑OUT関根IN、大久保OUTモーベルグIN。札幌はシャビエルOUT西IN。VAR判定で「ハンド」。44分DFショルツがペナルティマークからキック。ゴール左上へ「浮き球」。GK菅野が動いたが、止められないコース。場内は浦和の気勢と、歓喜、どよめきも。「やはり負けられない」戦いだった。アディショナルタイムは7分あったが、1−1の同点で終了。

 シュート数は、札13−14浦、CK札5−1浦、FK札7−10浦、PK札0−1浦。

 2022明治安田生命J1リーグ第33節北海道コンサドーレ札幌対サンフレッチェ広島戦は、10月29日午後3時からエディオンスタジアム広島で行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「今日の札幌は素晴らしい戦いを見せたと思います。立ち上がりから浦和にプレッシャーを掛けて、走る、戦う、コンビネーション、 ゲームを作るなどを含めて、相手を押し込める戦いができたと思います。浦和は引き気味で、場面によっては自陣に11人が戻る戦い方をしていたと思います。後半に入ってもより圧力を掛けて、相手に迫る形が作れていたと思います。その中で先に点を取ってリードを作れましたが、残り15分くらいから体力的にキツくなってきたところで押し込まれる、ピンチになる場面を作られてしまいました。

 今季は非常にケガ人が多くいる中で、後半の終盤に入っても同じ戦い方を続けるのは厳しくなってきます。その中でPKを与えて追いつかれてしまいましたが、選手たちはこの浦和のアウェイで素晴らしい戦いを見せてくれたと思いますし、札幌あるいは浦和のサポーターに満足していただけるような試合を見せられたのではないかと思います」


■浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督のコメント(一部抜粋)
 「今週は非常に難しい試合になると思っていました。相手のプレスが人に対して強く来るやり方で、それをどう破っていくかというところでしたが、チームとしてはいくつか狙いを持ってやりながら、25分を過ぎたころから落ち着いて動かせるようになってきました。その中で前線からのプレスやコンビネーションからのゴールのチャンスを生かせていればという場面も前半ではありました。

 後半は前半よりも良くなって、相手も落ちてくる中で、ブライアン(リンセン)や松尾(佑介)、明本(考浩)らのチャンスがあり、そのどれかを生かせていればというのはありましたが、ルーカス(フェルナンデス)選手に決められてしまい、先制を許してしまいました。ただそのあと、チームはあきらめずに戦い続けましたし、攻撃を続けて同点に追いつくことができました。チャンスの数や決定的な場面など考えれば、全体的に見て悪くはなかったと思っています」
池田淳