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J1第15節(5月25日)、ホームで柏に1−6の大敗

22・05・28
 上写真/前列左からMFルーカス・フェルナンデス(7番)、MF菅、駒井、青木、荒野(27番)、後列左からGK中野(34番)、DF中村、福森、MF金子、DF西、宮澤

     (5月25日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 ミシャ監督「ホームは大事に」勝つ

  福森のボランチは面白いが「難題」


 北海道コンサドーレ札幌が5月25日のJ1リーグで、不信感を抱かせる「選手選抜」と「ポジションチェンジ」で、1−6と、柏レイソルに大敗した。ミハイロ・ペトロビッチ監督が、この日の出場選手を「どう選出したのか?」。

 試合前のピッチ練習はGKから始まる。コーチに導かれて出てきたのは中野小次郎と新加入の松原修平(29、185センチ、87キロ)の2人。このあと、この日のスタメンと控えが試合前のトレーニングをする。

 そして、メンバー発表、先にビジターチーム。次に、札幌スタメン。GK中野小次郎、DF西大伍、宮澤裕樹、中村桐耶、WBの右にルーカス・フェルナンデス、左は菅大輝、ボランチに福森晃斗と荒野拓馬で福森の中盤は初めて見た。FW陣はトップに青木亮太、シャドーの右に金子拓郎、左に駒井善成。さて、福森の「初舞台」にミシャの「心意気」を見たが・・・。

 札幌ドームは、平日の夜とあって5千791人と少ない。アウエーの応援席は100人ほど。ドーム内は気温23・9度、湿度50パーセント。審判団は、国際審判は退いたが2008年からJリーグ300試合目前の岡部拓人主審(40、福島県出身)、副審は浜本祐介、熊谷幸剛。第4の審判・佐藤裕一。VAR今村義朗(主審格)。AVAR岡宏道(主審格)。万全の体制だ。

 札幌のフォーメーションは3−4−2−1。前の試合から、GK大谷幸輝、DF田中駿汰、岡村大八、MF深井一希が外れた。スタメンは先に紹介したが、控えには、檀崎竜孔、田中宏武、小野伸二、ガブリエル・シャビエル、ドウグラス・オリヴェイラ、中島大嘉が入った。

 柏は、3−1−4−2のネルシーニョ監督苦心の配置。GK佐々木雅士、DF高橋祐治、上島拓巳、古賀太陽、MF椎橋慧也、大南拓磨、三丸拡、マテウス・サヴィオ、戸嶋祥郎、FW小屋松知哉、細谷真大。主な控えは、川口尚紀、ドッジ、大谷秀和、升掛友護、森海渡ら。

 直近5試合の結果は、札幌が3勝1分け1敗、柏は1勝2分け2敗で、札幌8位。柏5位。両監督とも「在日が長い親日家」。

 試合は19時05分、札幌のキックオフ。開始から互いに攻め合うが、シュートは無い。すると中盤で、競り合った6分。柏の背番号14小屋松が右に回った札幌の福森のタックルを受ける。いつものDFラインから右上に出た感じの背番号5の福森が、小屋松の背後から足裏で「絡みつく」。

 6から8分、ゲーム中断。岡部主審がVARの画面を見に「第4の審判」の近くのモニターを見る。グラウンドで倒れた小屋松の脇に立つ福森。10分、主審のポケットから「赤札」が、福森に挙げられた。札幌キャプテン宮澤らが、審判に「抗議」するが、福森は「苦笑い」しながらピッチを去った。

 福森のいつもの「左足キックがそのまま」小屋松の足を直撃したシーンが、スクリーンに映し出されていた。

 静まり返ったドーム。時は流れるが、太鼓の音が響き渡るだけ。15分、均衡が破れた。柏DF高橋の強烈なシュートが決まった。さらに26分、今度は柏FW細谷がGK中野の手をはじいて2点目。札幌はルーカスのサイドから攻めるが、うわの空。アディショナルタイムはなんと8分。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「起こってしまったことはしょうがない、落ち着いてプレーしよう」、「ボールを動かせている。続けていこう」、「残り45分、きついかもしれないがすべてを出し切ろう」


■柏レイソルのネルシーニョ監督のコメント
 「リードしていても、相手が一人少なくても、やるべきことは変わらない、「中盤3枚のスライドをしっかり続けること」


 後半に入って柏が選手交代。札幌は金子、菅、駒井らがボールを回しGK中野まで前に押し出して「パス回し」。ポイントゲッターがいない札幌は、「気の抜けた〇〇」みたい。

 後半9分、柏の加点。MFサヴィオがGK中野と1対1を制し3点目。さらに背番号14小屋松が、レッドカードの「福音か?」この日1点目。4−0と得点を加えた。16分に柏が選手交代、小屋松OUT森IN、椎橋OUT大谷IN。

 互いに20分台は選手交代。駒井OUT中島IN、金子OUTオリヴェイラIN、菅OUT田中宏IN。この直後の23分、札幌のDF西がペナルテイエリア右に進入した柏のFW森の足をひっかけ倒しPK。どこまで「ついてないんだ」。24分、森のPKが決まり5点目。

 勢いの止まらない柏は26分、札幌の右サイドライン際で柏のFW森が青木のタックルをはじき飛ばし、ドリブルからペナルティーエリアに進入、強烈なシュートを決めて6点目。札幌の『1試合最多失点7』が頭に浮かぶ。

 祈るばかりの29分。トップの青木が発奮、オリヴェイラからのパスを決めて1点を返す。ご苦労さん青木。35分にシャビエルと交代。43分、荒野OUT小野伸二IN。背番号44が、久々にピッチに立った。アディショナルタイム7分。伸二とオリヴェイラのワンツーを「土産話」に1−6の「激戦」を、ミシャが久しぶりに椅子に座って「かみしめていた」。

 シュート数は、札13−18柏、CK札4−3柏、FK札15―9柏、PK柏1。

 2022明治安田生命J1リーグ第16節ヴィッセル神戸対北海道コンサドーレ札幌は、5月29日午後1時5分からノエビアスタジアム神戸で行われる。


 上写真/前半10分、柏のFW小松屋を倒しVAR判定の結果、一発退場のレッドカードを受け、岡部主審に抗議する札幌DF福森(その右)。他の札幌の選手左からDF宮澤(10番)、MF金子、DF中村、柏のMF戸嶋(28番)


 上:上段写真/前半15分、先制ゴールを決めガッツポーズして喜ぶ柏DF高橋(3番)、その右MFマテウス・サヴィオ(10番)。守り切れなかった札幌MF菅が仰向けに、DF中村がピッチに突っ伏している

 上:下段写真/前半15分、柏に先制ゴールを決められ、ピッチに倒れていた札幌MF菅を「まだまだこれからだ!」と引っ張り上げる荒野(27番)、その左GK中野(34番)、左端青木(11番)、右端柏MF戸嶋(28番)、その左札幌DF中村


 上:上段写真/前半26分、柏DF大南が上げたクロスは柏FW小屋松が触り、軌道が変わったボールを柏FW細谷(19番)が蹴りこみ2点目を決められる。札幌GK中野、他の選手は左からDF西、宮澤(10番)、MF駒井(14番)

 上:下段写真/前半26分、柏FW細谷に2点目を決められぼう然とする札幌GK中野、左へMF荒野(27番)、DF中村(24番)


■北海道コンサドーレ札幌の中野小次郎選手のコメント
 「やはり6失点をしてしまったので、悔しい気持ちが強い。防ぐのが難しい失点もあったのかもしれないが、それでもやはりこのポジションなので、なんとか防げるように成長をしていかなければいけない。前半はなんとか2失点にとどめることができていて、ルヴァンカップのアウエーでの柏戦でも早い時間帯に2失点をしながらも、そこで耐えることができたので最後に逆転できるというイメージもあった。でも、今回はそこから立て続けに失点をしてしまい、自分の力不足を感じている。次節に向けては、とにかく切り替えてやっていくしかない」


 上:上段写真/後半29分、札幌FWドウグラス・オリヴェイラからのパスを受け、MF青木が左足で今季初となるゴールを決める、右柏DF上島(44番)

 上:下段写真/後半29分、札幌MF青木はゴールを決め一矢を報いたが、点差は大きく淡々とセンターサークル方向へ走る、左DF中村、右MF荒野(27番)、左端柏FW升掛(38番)


 上写真/後半38分、FKを得た札幌のFWガブリエル・シャビエル(左)とMFルーカス・フェルナンデスがボール際に立つところへ荒野(右)が寄ってきて何事か助言、ルーカスが蹴ったが壁に跳ね返される


 上:上段写真/後半44分、久々に途中出場した公式戦今季初出場の札幌のベテラン小野(左)が起用された直後にパスを出す、右柏FW森(39番)、森は途中出場し5、6点目を決めた

 上:下段写真/後半45分、札幌MF田中宏(中)が柏ゴール前に迫りDF川口(24番)とマッチアップ、右柏GK佐々木(21番)


 上写真/後半追加タイム5分、札幌FWドウグラス・オリヴェイラ(33番)が柏ゴール前に迫りシュートするが、柏GK佐々木にはじかれる、後方FWガブリエル・シャビエル、左柏DF川口(24番)


 上:上段写真/1−6と大敗しガックリの札幌の選手たち、左からMF田中宏(30番)、ルーカス・フェルナンデス(7番)、GK中野、FW中島(45番)、MF小野、FWドウグラス・オリヴェイラ(33番)、DF宮澤、中村、西

 上:下段写真/大敗後あいさつに向かう札幌の選手たちの表情は硬い、左からDF西、宮澤、MF小野(44番)、荒野(27番)、1人おいてMF青木(11番)、檀崎(17番)、GK中野(34番)、DF中村、MF金子、右端FWガブリエル・シャビエル(18番)


■北海道コンサドーレ金子拓郎選手のコメント
 「試合のほとんどの時間帯で1人少ない状況になってしまったわけだが、その中でも『もう少し耐えることができたんじゃないだろうか?』という思いがある。耐えながら、どこかで1点返すことが出来ていたならば、もう少し状況は違っていたと思うが、立て続けに失点を重ねる流れになってしまった。次の試合に向けては切り替えるしかないと思うので、しっかり切り替えて良い準備をしていきたい。今季はまだ連敗をしていないので、次の試合ではまずはチームとして結果を出し、その中で個人としても結果を求めていきたい」


 上:左側写真/前半10分、札幌DF福森のレッドカードでの退場が確定し、MF金子(9番)にフォーメーションの変更を指示するペトロビッチ監督

 上:右側写真/前半7分、柏のFW小松屋(左)が札幌DF福森に倒され、「レッドだ!」を主張する柏のネルシーニョ監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「数字からみれば非常に出来の悪いゲームだったと言わざるを得ない。ただし、ハッキリと言えることは今日は我々の日ではなかった。非常に早い時間帯に退場者を出し、ほぼ90分間、数的不利な状況で働かなければいけない状況だった。その中で、出来るだけロースコアで試合を運びたかったが、リードを許す展開となってしまった。柏の打つシュートが得点になりやすい状況となった。

 リードされた展開ながらもなんとか選手たちは得点し、この試合を自分たちが望む展開に持っていこうと試みてはいた。ボールを動かせていたし、チャンスも作れていました。ただし、その中で徐々に疲労が見えていったのが今日の試合展開でした。

 疲労の色と自分たちのミスが目立ち、3、4、5点目と柏が得点を重ねる展開を与えてしまいました。一矢報いようという姿勢は見せていて、良い攻撃の形も見せてくれていましたが、縦パスを前向きで奪われたり、横パスを奪われて失点をしてしまった。

 1−6というスコアでの敗戦は褒められた結果ではない。ただし、その中でポジティブなものとして見えたのは、失点を重ねる中でも選手たちが最後まで心を折らずに一矢報いようとしてくれたこと。その姿勢は非常に良かったと思う。そうした姿勢を持ち続けることが今後に生きてくるはずです。大きくリードされる展開になればチームがバラバラになってしまったりすることもありますが、走る、戦う、どれだけ点を取られても戦うとファイティングポーズを選手が取り続けてくれたことは今後に生きるでしょう。1人少ない中、走力、球際、攻撃のアイディアを見せられたのは絶対にこのあと、プラスに働くと思っている。この試合を経て選手への愛情は深まった。最後まで走り戦う姿勢を見せてくれた選手を称えたい」


■柏レイソルのネルシーニョ監督のコメント(一部抜粋)
 「序盤は互いにスペースを奪い合い、きっ抗した入りとなった。だが、早い時間に退場者が出て数的優位になる時間が多くなった。ただ、前半2点取ったが、決めるべきところで決めていればもっと取れていた。だが、1人多いということもあって、それ以外のところは終始有利だった。ハーフタイムには「やることは変わらないんだぞ」ということを選手に声をかけ、後半の選手たちは良い形のボールの奪い方から攻撃に出ていく形を何度も出せていた。取り急ぐのではなく、守備をしっかりやろうということで、選手たちが私の意図を汲んでしっかりやってくれたと思います」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影