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J1第34節(11月3日)、ホームで湘南と1−1で引き分け、J1残留決定

21・11・05
 上:上段写真/先発メンバーは左からこの試合もキャプテンマークを巻くMF荒野(27番)、DF福森(5番)、田中(2番)、MF菅(4番)、DF高嶺(6番)、MF金子(9番)、チャナティップ、駒井、青木、FW小柏(35番)、GK菅野(1番)
 
 上:下段写真/前半2分、札幌MF青木(28番)が湘南FWタリク(11番)の前のボールを引っかける、右端DF福森、その左GK菅野、左端湘南MF岡本(6番)

(写真は11月3日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 ミシャ札幌「残留決定」ここから

  あと4試合清水・鳥栖・柏・横浜FC

 
 北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督が11月3日、「残留決定」をかなえ「さらに上」を見据えて「来季も頑張る」と喜んだ。

 同日行われたJ1リーグ第34節で湘南ベルマーレとの札幌ドームでの対戦は1−1の引き分けだったが、勝ち点1を積み上げ勝ち点44として、16位以上が決定した。

 残り4試合は、6日アウエーの清水エスパルス、20日アウエーのサガン鳥栖、27日のホーム札幌ドームで行われる柏レイソル。最終試合は12月4日の横浜FC戦もアウエーになる。

 11月3日の文化の日の一戦は、かつてのJAPANエース中田英寿選手らが活躍した「国道1号線」サッカー街道の雄、湘南。札幌はJ1では3勝3分け3敗、昨年は、札幌の2−1、0−0。今季はアウエー戦0−0の時は3年目の浮嶋敏監督だったが、8月末で退任。山口智コーチ(43、高知県出身、京都サンガなどでプレー)が9月から監督に昇格した。

 16時03分、谷本涼主審(33、香川県出身)のホイッスルで、札幌・小柏剛のキックオフで始まった。そう小柏をトップに置いた久々の布陣。シャドーに青木亮太とチャナティップ。舵取り役は駒井善成と荒野拓馬。ウイングバック右に金子拓郎、左が菅大輝。後は普段通りのGK菅野孝憲、DF田中駿汰−高嶺朋樹−福森晃斗。愛称ミシャ監督の最後の追い込みを思わせる控えメンバーは、高2年でプロ契約を果たしたDF西野奨太(17、札幌市出身、コンサドーレU−18)、GK中野小次郎、柳貴博、岡村大八、深井一希、ミラン・トゥチッチ、切り札ジェイが入っている。

 湘南はGK谷晃生、DF石原広教−大岩一貴−山本脩斗でがっちり固めて、MFに岡本拓也−茨田陽生−山田直輝ら、FWは大橋祐紀とタリク。交代要員として舘幸希、平岡大陽、高橋諒、町野修斗、FWウエリントンを控えにしている。

 前半は、札幌が優位に試合運びをして、主導権を握った。落ち着いたボール回しから、MF駒井の縦パスがスイッチとなり、札幌の得点が生まれる。20分、裏へ抜け出したMF金子がペナルティエリア手前で相手DFと対峙、切り返してすぐにシュート。相手に当たり流れたボールを菅がゴール前に完璧なダイレクトパス、これを青木が右足で合わせ先制。優位に展開する。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「いい戦いは出来ているが、もう少し落ち着いてプレーしよう」、「ハイボールには気を付けよう」、「スペースの使い方をもっと考えていこう」、「残り45分、自分たちのサッカーを見せて勝つぞ!」

■湘南ベルマーレの山口智監督のコメント
 「やるべきことが出来ていない」、「まず自分たち。前向きなアクションをすること」、「コミュニケーションを取ってラインコントロールを合わせること」


 後半は湘南が攻撃のチャンスを狙う。CKやFKのチャンスを繰り返すが、いま一歩つながらない。13分、湘南が選手交代。タリクOUT町野IN。山田OUT平岡IN。14分、右CKを湘南が取る。キッカーはゴール前に配球、ゴールとはならないが攻撃の手がかりをつかんだよう。

 すると19分、チャンスメイクは、湘南FW大橋。右サイドから仕掛け、中央にフィード、駆け上がった茨田が、ワンタッチ、グラウンダーのパスを平岡が決めて同点。1−1の振り出しで攻防が続く。

 22分、札幌の選手交代。先取点を取った青木に代わり深井が入る。荒野とDF柳がチェンジ。キャプテンマークは福森へ。30分からFWジェイが準備。33分金子とジェイが交代。金子を代えたのは「ちょっと寂しい」。湘南も交代。茨田OUT舘IN。畑OUT高橋IN。

 36分、チャナティップに「イエローカード」(後方からの足掛け)。39分、湘南が5人目の交代。大橋OUT9番ウエリントンIN。FWの切り札だろう。札幌も駒井に代えて岡村。期待の西野の出番は無かった。アディショナルタイムは6分。

 事無く「終了のホイッスル」と思いきや、審判団(主審と2副審)に、選手らが抗議。あいさつもしないで「選手同士のなじり合い」。結局、観衆に対してのあいさつもなしに「両陣営に分かれたまま」試合終了。「審判の行動に疑問を感じた観衆も多い」。

 シュート数は、札9−湘9、CK札2−湘6 FK札7−湘11、PKなし。

 2021明治安田生命J1第35節清水エスパルス対北海道コンサドーレ札幌戦は11月6日午後2時から、静岡市のIAIスタジアム日本平で行われる。


 上:左側写真/前半2分、札幌MF荒野がDF福森からのクロスに飛び込むが湘南GK谷(1番)にキャッチされる、右DF山本(16番)

 上:右側写真/前半5分、札幌MF荒野(27番)と湘南MF田中が激しくボールと奪い合う


 上写真/前半12分、札幌MFチャナティップ(18番)が湘南DF石原(左、3番)、MF山田、MF茨田(右)に囲まれながら前線にパスを出す


 上:上段写真/前半20分、先制ゴールを決めた札幌青木(28番)に飛びついて最高の笑顔を見せる絶妙のクロスを入れた菅

 上:下段写真/前半20分、先制ゴールを決めた札幌MF青木(28番)に走り寄り、チャナティップ(18番)とハイタッチして笑顔を見せるキャプテンマークを巻いた荒野(28番)、右アシストした菅(4番)、左端FW小柏(35番)

■北海道コンサドーレ札幌の青木亮太選手のコメント
 「得点のところは金子(拓郎)がシュートを打つシーンから始まったのだが、そのこぼれ球を狙っていて、菅(大輝)の得点といってもいいほどのパスが届いて決めることが出来た。J1残留出来たのは良かったが、今日の試合に関しては前半良い形がありながらも自分のミスが目立っていた。縦パスを受けて、はたいた際のプレーやフリックなどもうまく出来ていなかった。もっと周りを見るなど、やらなければいけないことが出来ていなかった。自分も含めもっともっと個々のレベルを上げていかなければいけない」


 上写真/後半9分、札幌MF荒野(27番)とDF福森が湘南FWタリク(11番)に厳しくタックル、荒野がファールをとられFKを与える、手前MFチャナティップ(18番)、右端湘南MF田中(32番)

■北海道コンサドーレ札幌の福森晃斗選手のコメント
 「残り少ないホームゲームの中で、ここ最近は勝ち切れず、得点も出来ていなかった。なので得点をして勝ちたかったが、勝利のほうを得られなかったのが残念。プレーとしては小柏(剛)の特徴である速さを生かそうと思っていて、ボールを持った際には彼の動きを出来るだけ見るようにしていた。彼のスピードは相手を置き去りに出来るので、うまく使いたいと考えていた。今季は4チームが降格する中で、絶対に残留しなければいけないと思っていた。ただし、本来はもっと早く残留を決めなければいけなかったと個人的には思っている」


 上:左側上段写真/後半19分、湘南MF平岡(28番)がMF茨田の右からのパスを受けて同点ゴールを決める、札幌GK菅野(1番)、左すべり込んでいるのはMF金子

 上:左側下段写真/後半19分湘南MF平岡の同点ゴールに歓喜する遠来の湘南サポーターたち

 上:右側写真/後半19分、同点ゴールを決めた湘南MF平岡(左)が指をかざしながら、DF山本(右)を誘うようにベンチ方向へ走り出す


 上写真/後半23分、札幌MF金子(左)と湘南DF山本が激しくボールを追う


 上:左側写真/後半37分、湘南右サイドのFKからの攻撃を札幌GK菅野(右)が直接キャッチ、ボールに触れず天を仰ぐ湘南FW大橋(17番)

 上:右側写真/後半38分、札幌FWジェイ(左)のドリブル突進を必死の表情で阻止しようとする同点ゴールを決めた湘南MF平岡(28番)


 上:上段写真/後半45分、札幌FWジェイが落としたボールをMFチャナティップ(中央奥)がゴール前のFW小柏(右から3人目)にパスを出すが、うまくつながらず。左端札幌DF柳(3番)、右へ湘南MF高橋(42番)、田中(32番)

 上:中段写真/引き分けに終わったものの今期のJ1残留が決まりスタッフと握手する札幌のペトロビッチ監督、左端杉浦コーチ兼通訳と握手する四方田ヘッドコーチ

 上:下段写真/試合後のあいさつもそこそこに、審判の判定に不満なのか、両チームの選手たちが険悪な雰囲気、中央で札幌ジェイ選手が懸命に収めようとしているように見える、何か後味の悪い終わり方だった


 上:上段左側写真/後半30分、四方田ヘッドコーチ(右)、杉浦コーチ兼通訳(中)と話し合う札幌のペトロビッチ監督

 上:下段写真/後半34分、これから投入するMF高橋(42番)とDF舘(中)にボードを見せながら指示を出す湘南の山口智監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「前半は我々が試合を支配し、狙いも出せていた。そうした中で1−0とリードが出来た。この試合、相手はJ1残留を争う中で強い気持ちで挑んできた為、後半はよりギアを上げてきた。それに対してこちらは若干運動量が落ちた中で、同点ゴールを許してしまった。その後も相手がさらにギアを上げてきたが、選手がよく走り、戦ってくれたと思う。非常に厳しいゲームだったが、チーム状況を考えれば前向きに捉えていいと思っている」


■湘南ベルマーレの山口智監督のコメント(一部抜粋)
 「前半、難しい戦いになってしまいました。ハーフタイムで『自分たちのやるべきことに立ち返ろう』という話をして後半に入って、選手交代も含めて全員で勝ち取った勝点1になりました。こういうことが大事なのでそれを最後まで続けたいなと。勝てはしなかったですけど、勝点1もぎ取ったという形にも見えると思うので、今後それを生かしていきたいなというゲームでした」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影