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J1第19節(9月8日)、厚別でC大阪に0−3で敗れ、リーグ3連敗

21・09・11
 上写真/左からキャプテンMF宮澤(10番)、DF田中(2番)、MF菅(4番)、駒井(14番)、金子(9番)、FW小柏、MFルーカス・フェルナンデス(7番)、青木(28番)、荒野(27番)、GK菅野(1番)、小柏と青木が負傷が癒えて先発した

 (写真は9月8日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)


 3失点の「カンパイ」は夢の中

  得点に結びつく「シュート」を


 「老兵は消え行くのみ」か? 「カンパイ」の夜の街は、「コロナ禍で乾杯も禁止」。俺たちどうしたらいいの?

 ペトロビッチ監督の夢「ルヴァンカップ優勝」。これが夢と消え、9月8日を迎えた。年老いた2人。カメラマンとリポーター。

 嫌がられても北海道コンサドーレ札幌の誕生からの今、この日まで「ファンである」。もはや「涙もろい老人」になりかけ、また「微笑んで見るか」。

 9月8日「聖地・厚別競技場」に4基の照明塔が、輝いていた。北国札幌に秋が来た。気温18.1度、湿度55パーセント。3千201人の観客も「さびしい」。

 2021明治安田生命J1第19節北海道コンサドーレ札幌対セレッソ大阪戦が、陽が落ち始めた午後7時から、札幌市の厚別公園競技場で行われた。札幌は幸か不幸か「コロナ禍」の途中延期は無かったが、C大阪は、コロナと監督交代の「重症」を経ての「復帰ゲーム」。札幌10位とC大阪12位の対戦になった。

 19時03分、村上伸次主審(52、東京都出身、元気なのは自主トレの効果)のホイッスルで札幌・小柏剛のキックオフではじまった。審判団は副審2人、第4の審判とビデオ判定の2人で6人。札幌はルヴァンカップ準々決勝第2戦の9月5日、FC東京戦でけがをした福森晃斗が休場、トップの小柏が復帰した。

 札幌の布陣はGK菅野孝憲、DF田中駿汰−宮澤裕樹−高嶺朋樹。ウイングバックは右にルーカス・フェルナンデス、左は菅大輝。ボランチが駒井善成と荒野拓馬。トップ3と書きたいところだが、右の金子拓郎が引き気味。左の青木亮太がトップ小柏とくっ付いたFWと言ったほうが良い。さらに荒野が高嶺と交代したかに見える「カバー気味」で、福森の存在感を「悟った」気がする。

 控えの常連を小野伸二としたいが(いつピッチに立つのか)。十分「役目を果たしていそう」。いつものようにジェイ、ドゥグラス・オリヴェイラ。新人のミラン・トゥチッチは2試合目。見るからに「軽妙なFWプレーヤー」。

 C大阪の布陣を見ると、キャプテンは背番号5MF藤田直之で、GKは13年目のキム・ジンヒョン。192センチの背番号21で「死守」している。DF松田陸、MF原川力はフリーキッカー。FWに山田寛人らのスタメンに加え、ベンチには大久保嘉人、松田力らが控えている。
 
 ゲームは、札幌が金子、荒野、菅、小柏らの中央の攻撃が見られたが、GKキムの好守に遭った。一方のC大阪は、攻め込まれながらも「一発逆襲」の構えを見せ、札幌の攻撃をかわす。

 すると終了間際の46分、C大阪が、左CKを得る。キッカーは背番号4の原川。低めのボールはうまくつながらず札幌が跳ね返し、カウンター攻撃を仕掛けるところだったが、C大阪DFがボールをカット。左サイドに残っていた原川にパスし、ゴール前にクロスを上げると、走りこんだMF藤田が札幌・菅と競り合い、ヘディングシュートを決めた。0−1で札幌がリードを許す。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「いい試合は出来ている。継続していこう」、「相手の逆を突いていこう」、「バランスを崩さずいこう」

■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメント
 「全員でハードワークを続けよう」、「奪ったら必ず前を見よう」、「後半も集中して良いポジションをとろう」


 後半は、札幌の選手交代は菅OUTトゥチッチINでJ1初登場。C大阪はMF中島と乾、FW山田と松田力の2人が交代。

 トゥチッチに目が行くが、タッチが浅く、相手DFにはじき出される。5分にC大阪は左CKを得て、原川がキック、ニアサイドに入ったボールをFW松田力が防御に入った荒野との競り合いに勝ち、ヘディングシュート。GK菅野の手もはじき、ネットを揺らした。

 2失点した札幌は、守備陣を立て直す。宮澤を中心に荒野−駒井が最終ラインを敷き高嶺を中盤にあげる。12分過ぎに右のルーカスが中央のFWトゥチッチにクロスを上げるが、モノにならなかった。

 14分、小柏に代わってジェイ登場。0−2の場面で「遅かりし由良之助」の期待もあった。トゥチッチと「ツインタワー」と行きたいところだが、37分にDF小池に代わり出場していたC大阪のベテランDF、チアゴ(ブラジル、191センチ、89キロ)に、がっしりと抑えられてしまった。

 43分、決定的な3点目。31分にトップの加藤と代わっていた大久保が、乾からのマイナスのパスを受け、札幌ペナルティーエリア内で札幌DFのスライディングも落ち着いてかわしシュート。GK菅野もブラインドで「身動き」を出来ないままゲットされた。「やられた」と、言わんばかりのジェスチャーだった。

 勝負あった。0−3で敗戦した札幌は12位に転落。C大阪は11位に浮上した。

 シュート数は、札6−C大阪11、CK札4−C大阪8、FK札12−C大阪16、PKなし。 
  
 次の2021明治安田生命J1リーグ第28節セレッソ大阪対北海道コンサドーレ札幌戦は、9月11日午後6時から、大阪市のヨドコウ桜スタジアムで行われる。


 上:上段写真/前半22分、負傷が癒えて先発した札幌FW小柏(右)がMFルーカス・フェルナンデスのクロスに合わせてシュートするが、C大阪GKキム・ジンヒョンに止められる、左手前DF西尾

 上:下段写真/前半26分、札幌MF駒井が足をいっぱいに伸ばして、C大阪DF松田(右)とボールを奪い合う、左西尾、左端MF藤田


 上写真/前半28分、札幌右CKの攻撃からMF青木(右)がシュートするが、C大阪のDF陣にブロックされる、奥はMF藤田(5番)


 上写真/前半追加タイム1分、先制ゴールを決めたC大阪MF藤田(右から3人目)が、DF瀬古と抱き合い、FW山田(34番)、MF坂元(17番)と喜ぶ。ぼうぜんとする札幌MF青木(28番)、GK菅野(右から2人目)、藤田との競り合いに負けたMF菅(右端)はピッチに倒れたまま


 上:上段写真/新加入しホーム初登場の札幌FWミラン・トゥチッチ(32番)が後半1分、ボールをキープして前線に走り出そうとするが、C大阪DF小池(26番)に肩を押えられて止められる、左MF金子

 上:中段写真/後半最初から起用されたC大阪FW松田力(22番)が後半6分、左CKからの攻撃で追加点を挙げ、DF西尾(その奥)と抱き合って大喜び、札幌の選手はガックリ、左からMF金子、FWミラン・トゥチッチ(32番)、GK菅野、MFルーカス・フェルナンデス、左から2人目先制点を決めたC大阪MF藤田、15番はDF瀬古

 上:下段写真/後半12分、札幌MF金子(9番)がゴール前にクロスを出す、その右荒野(27番)、右端C大阪MF藤田(5番)、左端後半最初から出場した乾(23番)


 上:上段写真/後半34分、札幌MF金子が左からクロスを上げるがC大阪GKキム・ジンヒョン(21番)にキャッチされる、札幌FWミラン・トゥチッチ(32番)、ジェイ(48番)は触れず、左端C大阪DF小池(26番)

上:下段写真/後半39分、札幌左サイドの金子のクロスはFWミラン・トゥチッチ(32番)を越えC大阪DFチアゴにクリアされる、FWジェイ(48番)には届かず、33番はC大阪DF西尾、15番は瀬古


 上:上段写真/途中出場したC大阪エースFW大久保(右)が後半43分、3点目のダメ押しゴールを決め両手を広げてベンチ方向へ走り出す、その下、札幌DF高嶺、手前左拍手して喜ぶC大阪DF瀬古、その右ガックリの札幌FWミラン・トゥチッチ、右端ドゥグラス・オリヴェイラ(33番)

 上:下段写真/後半43分、C大阪FW大久保に3点目を決められガックリの札幌の選手たち、左からMF宮澤(10番)、その奥DF田中、厳しい表情のGK菅野、大久保のシュートを止められなかったDF高嶺はピッチに倒れたまま


 上:上段写真/後半追加タイム6分、何とか一矢報いようとボールを運ぶホーム初登場、後半最初から出場している札幌FWミラン・トゥチッチ(中央)がボールを運ぶ、その左C大阪MF乾、右端DFチアゴ

 上:下段写真/後半追加タイム7分、最後の攻撃とばかり右CKのボールを待つ札幌の選手たち、左からFWドゥグラス・オリヴェイラ(33番)、MF宮澤、DF柳、FWジェイ(48番)、ミラン・トゥチッチ(32番)、右端DF田中(2番)、中央で守るは先制ゴールを決めたC大阪MF藤田ら


 上:上段写真/C大阪にまさかの大敗、ガックリとピッチにひざをつく札幌DF高嶺、右へMF駒井(14番)、FWミラン・トゥチッチ(32番)、左端C大阪DF西尾(33番)

 上:下段写真/試合終了後のあいさつをする札幌の選手たち、左からMF金子(9番)、DF柳、MFルーカス・フェルナンデス(7番)、DF高嶺、FWドゥグラス・オリヴェイラ、ミラン・トゥチッチ、ジェイ、MF駒井(14番)、DF田中(2番)、GK菅野、外国人FW3人を並べても得点には至らなかった


 上:左側写真/後半45分、椅子に座ったままの札幌のペトロビッチ監督、右はFWドゥグラス・オリヴェイラ

 上:右側写真/後半7分、2点目が決まり興奮の渦が解け、DF瀬古(左)に声をかけてピッチに送り出すC大阪の小菊昭雄監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「選手たちは最後までよく戦ってくれた。試合の中でチャンスも作れていたし、前半は2、3点取れてもおかしくないチャンスを作れていたし、後半も同様だった。ただ、今、我々は内容では狙いをしっかり出せていながらも、得点が出来ない中で負けている。

 今日の失点もそうだが、セットプレーやセットプレーの流れから失点したり、3点目などは防げるような失点でもある。与えてはいけないようなシチュエーションで失点してしまい、結果がついて来ないのが現状。内容は悪くないだけに、それをいかに勝ちにもっていくか。セットプレーなどからの失点を減らすなど、次の試合に向けて反省をしていかなければいけない」


■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメント(一部抜粋)
 「非常に厳しい時間帯も多かったですが、札幌はJリーグの中でも屈指の攻撃力を誇るチームで、ある程度我慢しないといけない時間帯もあることは想定していた中で、選手たちが苦しい時間帯を全員でカバーして乗り越えてくれた結果、このような結果につながったと思っています。選手たちの規律を守った自己犠牲に感謝しています」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影