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ルヴァンカップPS第2戦(6月13日)、3−1で横浜FMに勝利、ベスト8へ

21・06・16
 ハイプレス「最高の出来だった」

  「突然の監督交代」マリノス惨敗


 横浜F・マリノスの4年目の監督アンジェ・ポステゴグルー氏(55、オーストラリア国籍)が、6月13日のルヴァンカップ・プレーオフ第2戦は、F・マリノスのホーム、ニッパツ三ツ沢球技場で北海道コンサドーレ札幌との戦いを「スタンドで見ていた?」

 既報=6月10日、同監督は「今季夏からはスコットランドの名門セルテックを率いる事になる」と、オンラインの退任記者会見で述べていた。

 この日のマリノスは、アカデミーのグループディレクター松永英機氏(58、静岡県出身、大商大出、2005年ヴィッセル神戸などで監督)の采配で、ゲームが進められた。

 17時3分、審判団の顔・家本政明主審(48、広島県出身)の笛で札幌がキックオフ。スタンドは4千909人のマスク・マスク・マスク。どんよりと曇った25.1度、湿度56パーセント。半袖−半ズボンは、4基の照明塔に涼しげに見えた。

 札幌はアンデルソン・ロペス、ジェイ、チャナティップ、小柏剛、深井一希が外れ、GK菅野孝憲、DF田中駿汰−宮澤裕樹−福森晃斗。右WBルーカス・フェルナンデス、左WB菅大輝。高嶺朋樹と駒井善成がMFで、FWなしの金子拓郎・荒野拓馬・青木亮太がトップグループ。ペトロビッチ監督の集大成「プレス、プレス」あるのみ。

 ベンチには小野伸二、キム・ミンテ、ドゥグラス・オリヴェイラ、柳貴博、岡村大八らが、入っている。「ハイ・プレス」の新体制とも言える選手たちだ。

 札幌の3バックは、一応定位置としているが、他に選手はMFだけ7人。勢いが地元マリノスとは「段違いで違う」。右に入ったルーカスが、サイドライン上を「フェイントで抜き去り」、「エンドラインぎりぎりから」センタリング。今日は「全身」が動いていた。

 6月6日、札幌での第1戦は1−1で、引き分け。これまでのペトロビッチ監督率いる札幌の成績は2018年1次リーグ敗退、19年準優勝。20年ベスト8。ここからが「新境地」だ。

 この試合の先取点は、7分。札幌はトップ下の駒井が右の菅にパス。菅はシュート気味のボールを右側のルーカスへ。止めに入ったマリノスDF畠中槙之輔が、ブロックしようと、ゴール右側に滑り込み「ボールと一緒にオウンゴール」(惜しかったネ、ルーカス)の絶好のフィードだった。

 前半は「札幌のプレス」が素早く、マリノスはFW陣の「シュートタイミング」がつかめず、「浮いたシュート」が多かった。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■横浜F・マリノスの松永英機監督のコメント
 「後半もボールを出した後の動き出しを続けること」、「テンポ良くボールを回していこう」


 後半も札幌の右からの展開が続く。5分にこのゲーム初めての札幌のCK(コーナーキック)。福森が右から中央を狙った「球筋」。インカーブで、ブルーのユニホームがヘディングではじき出す。ペナルティーエリアを通り過ぎWB菅の「定位置」に。得意の左足を振り抜いて、相手GKも「動けず」ゴールネット直撃した。約20メートル、速度は100キロ以上だったろう。{蛇足}学生時代「球技研修室」で、シュート速度を計った。同僚の「S君」。ストロボをキックしたボールに向けて「照射」、ボールが移った長さで測定「S君は90キロ」だったが、それよりも早かった。「野球の速度計」でも計れそう―参考まで。

 この得点で「札幌は確信した」。先に動いたのはマリノス。3人を代えた。札幌は13分に青木OUTオリヴェイラIN。荒野OUT岡村IN。

 16分マリノスのチャンス。シュートが枠外に外れることが多かったが、FWエウベルが左サイドから持ち込み中央に右足でクロスを入れる。DF宮澤がヘッドで、ゴール右に逃げるが、ファーサイドにいたFW水沼宏太がヘディングで難なく決めて2−1。1点差に迫るが、切り札・仲川輝人らも交代していてブラジル4人組(エウベル、レオセアラ、マルコスジュニオール、キャプテン・チアゴ・マルチンス)に任せきり。

 42分、札幌に3点目が入る。へとへとのマリノスに襲い掛かるのはルーカスと「静かな闘志」の駒井。この人こそ「浦和時代からミシャと一緒」の男。ゴール前で、ルーカス−駒井とパス回し、左大外から入ってきた柳貴博が決めて2点差とする。70分に左サイドの菅に代わって入っていた柳(23歳、東京都出身、185センチ、80キロ、0型、右足、足のサイズは28.5センチ)は、2016年FC東京入団、19年モンテディオ山形、20年ベガルタ仙台を経てコンサドーレへ。新入団の初得点。

 これで札幌は3−1の勝利。文句なしのベスト8。

 シュート数は、札8−マ18 CK札3−マ11 FK札10−マ20 PKなし。

 2021JリーグYBCルヴァンカップの今後の予定は、準決勝までをホーム&アウエーで戦う。プライムステージ準々決勝第1戦は9月1日、5日は同2戦。プライムステージ準決勝第1戦は10月6日、10日に同2戦。決勝は30日に行われる。いずれも開始時間、会場は現時点で未定。

 プライムステージ進出チームは、FC東京、浦和レッズ、鹿島アントラーズ、北海道コンサドーレ札幌の4チームとACL(AFCチャンピオンズリーグ)に出場する川崎フロンターレ、名古屋グランパス、ガンバ大阪、セレッソ大阪の8チームで、組み合わせは抽選で決定される。

 札幌の次戦は、2021明治安田生命J1リーグ第18節北海道コンサドーレ札幌対大分トリニータ戦は6月19日午後2時から札幌市厚別公園競技場で行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「横浜FMとの対戦であることを踏まえると、昨年の準々決勝での対戦では1−1のスコアからPKで敗れています。今年のリーグ戦においても80分間こちらが試合をコントロールしながらも敗れた。このラウンドの第1戦もこちらがコントロールしていたと思っています。そのようにこちらがコントロールをしても、なかなか横浜FMには勝てない。ならばどのようにして横浜FMに勝つのかという部分は準備をしてきました。

 そしてその準備というのは、前からしっかりプレッシャーを掛けて横浜FMの攻撃を制限すること。それを前半から継続してやるというのは簡単なことではありませんが、今日の我々は4〜5人の主力選手をケガで欠いた中で、若い選手たちがそれを継続してやり続けてくれた。それが今日の勝利につながった要因だと思っています」


■横浜F・マリノスの松永英機監督のコメント(一部抜粋)
 「この結果を残念に思います。試合の入りが良くなく、前半はシュートを3本しか打てず、改善するところまでいきませんでした。後半は前への推進力を持って、決定的チャンスを何度も作りました。2点目を入れられたところで3人交代して、より攻撃的に出たところで1点を返すことができました。その後も同点に追いつくチャンスはありましたが、決定力、最後の精度が足りませんでした。

 最終的に1−3で敗れてしまいましたが、選手、スタッフはこの2週間、メンタル的にキツい時間を過ごしてきた中で最後まで戦ってくれました。カップ戦は負けてしまいましたが、リーグ戦はまだ続くので、また見直して再スタートを切っていきたいです」
池田淳