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高校サッカー選手権北海道大会 北海高が旭川実業を3−2で破り全国へ

23・11・20
 上:1段目写真/前半2分、北海FW田中(10番)が左サイドをドリブルで駆け上る、右旭川実業キャプテンDF庄子(7番)、左端北海MF中村(7番)

 上:2段目写真/前半6分、北海右サイドのFKからの攻撃、旭実GKイルング侑良(中央)、北海FW野村(右)共に触れず、左端旭実DF岡本(3番)、その右MF鈴木(13番)

 上:3段目写真/前半6分、北海FW田中(10番)が左サイドからのFW野村の折り返しを旭実DF長谷川(左)をかわしてシュート、先制ゴールを決める

 上:4段目写真/前半32分、旭実FW和嶋(10番)が同点ゴールを決めチームメイトと喜ぶ、左からMF萩野(14番)、DF長谷川(25番)、MF清水(18番)、キャプテンDF庄子(7番)、MF百々(15番)

   (写真は11月12日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 札幌ドーム 高校サッカーで 初めて使用

  2002年W杯から21年「芝し」沈黙


 第102回全国高校サッカー選手権北海道大会は27チームが出場して10月21日から苫小牧市、厚真町の会場で行われた。決勝戦は11月12日、札幌ドームで北海高校と旭川実業が対戦した。

 札幌ドームはホバークラフトに乗った芝グラウンドで、高校大会の決勝が行われるのは初めて。前日はJ1第32節北海道コンサドーレ札幌対サンフレッチェ広島のプロのゲームが有り、0−0のスコアレスドローに終わった。こんな状況の中、高校サッカー選手権と言えば一昔前まで「室蘭大谷高校(現・北海道大谷室蘭高校)」だったが、勢力図も変わり旭川実業高が3年ぶりの優勝を狙い、次は北海高が2連勝で「この日」を迎えた。

 試合の方は、バックグラウンドに北海応援団と旭実応援団。ゴール裏は入場禁止。ホームグラウンド客席に保護者や関係者が陣取った。入場者は4千5百人。気温23度、湿度40パーセント。主審は藤井陽一。副審は細谷励、山口麗弥。第4の審判は岡田渉。

 旭実のスタメンはGKイルング侑良、DF岡本染太郎、庄子羽琉、鈴木奏翔、吉田翔、MF工藤葵柊、鵜城温大、萩野琉衣、百々楽、清水彪雅、FW和嶋陽佳。交代出場選手=鈴木竜生、三上僚太、高杉龍乃介、柴田龍牙。旭実は富井監督が率いる。

 北海のスタメンは、GK小野寺信、DF武笠健次郎、川合航世、渡部雄大、白崎桜雅、MF栗塚優丞、西脇雄太、中村心、成澤晏士、FW田中準人、野村光希。交代出場選手=DF伊藤風楽、FW岡野琉之助。監督は旭実高は富居徹雄。北海高は島谷制勝監督。

 試合開始は14時05分。旭実のキックオフで始まったが、黄色の北海の方の選手が目立つ。旭実がいつもの赤茶色で、3年前まで、この大会の常連だった。今回も冨居監督を見かけて話すと「教頭に成リました」と、長い間選手と共に「歩んできた」疲れのようなものを感じた。

 片や北海の島谷監督は「道内高校サッカー最高峰のプリンスリーグを制し、さらに創部100年の記念の年。それこそ3連覇で全国に行けたら」と選手の成長を願っての決勝になった。

 ゲームは前半6分にFWの田中が先制した。しかし、旭実も32分に和嶋が決めて前半40分のゲームを振り出しに。

 後半21分にも北海の中村がゲット。スコアを2−1としたが、もう1点欲しいところに38分、旭実のロングスローの流れから鈴木が決めて旭実が同点に追いつき、後半終了。

 2−2の同点から10分ハーフの延長戦突入。選手交代は旭実が和嶋OUT柴田IN。鵜城OUT鈴木琉IN。清水OUT高杉IN。百々OUT三上INの4組。北海は白崎OUT伊藤IN。田中OUT岡崎INの二組。筆者ひとり言。「北海の方が自在かな」?

 北海は川合キャプテン。旭実は庄子キャプテン。それぞれの延長戦に臨む態度はやはり北海だった。前半10分は「あっという間」。延長後半2分、北海がFKから攻め込み味方がマイナスパス。これを北海2年生の渡部が受けて右足で流し込みスコアは3−2。このまま試合は終了し、北海は3年連続全国大会を勝ち取った。

 20日に行われた組み合わせ抽選会では、香川県代表の大手前高松高との1回戦を千葉県市原市にあるゼットエーオリプリスタジアムで戦うことが決まった。「北海3連覇」の自信を持って、12月29日からの全国高校選手権大会に3年連続13度目の挑戦をする。



 下:1段目写真/後半21分、北海MF中村(7番)が、右サイドからのMF成澤のクロスに合わせて再びリードする追加点を決め、右人差し指を突き出す、FW野村(11番)も同様のポーズをして喜ぶ、旭実DF鈴木(13番)が顔を覆う、左端GKイルング侑良、3番はDF岡本

 下:2段目写真/後半21分、北海MF中村(中央)が再びリードする追加点を決めチームメイトとハイタッチして笑顔を見せる、左からFW田中(10番)、野村(11番)、MF成澤(29番)、栗塚、西脇(6番)

 上:3段目写真/後半38分、旭実DF鈴木(13番)が、右ロングスロ―の流れからMF工藤が放ったシュートの跳ね返りを豪快に決めて再度同点とする、北海GK小野寺(1番)、MF栗塚(2番)、右手前途中出場していた旭実FW柴田(11番)

 上:4段目写真/後半38分、旭実DF鈴木に同点ゴールを決められ天を仰ぐ北海キャプテンDF川合(4番)、左へDF武笠(3番)、GK小野寺、DF渡部(5番)、右途中出場していた旭実MF高杉(24番)が指を突き上げて喜ぶ

 上:5段目写真/後半38分、同点ゴールを決めた旭実DF鈴木(中央横顔)がチームメイトにもみくちゃにされ歓喜、左から途中出場していたMF鈴木、高杉(24番)、DF長谷川(25番)、岡本(3番)、MF萩野(14番)


 上:上段写真/延長後半2分、北海右FKからの攻撃でDF武笠の折り返しを渡部(5番)が右足でゴールを決め、チームメイトに手荒い祝福を受け笑顔を見せる、結果的にこれが決勝点となった

 上:中段写真/後半追加タイム3分、懸命に選手を鼓舞する旭実の富居徹雄監督(右)と北海の島谷制勝監督

 上:下段写真/大接戦で北海が旭実を破り幕切れは明暗が分かれた、喜ぶ決勝点を決めた渡部(右から2人目)ら北海イレブンに対し、旭実FW柴田(左)は、しばらくピッチに倒れたまま、その後方DF岡本(3番)

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影