サッカーアラカルチョ
一覧に戻る弊紙発刊の書籍がリニューアル版で絶賛販売中【一部抜粋し紹介】
24・04・11
Amazon初登場時にカテゴリー別4位となった「100万円も借りられなかったNPOが、街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」(出版元:北のサッカーアンビシャス)が、全国のサッカー関係者から注目を集め、この度「クラブ40周年記念誌同梱版」としてリニューアル発売となった。
こちらの特装版は、現在Amazonで限定販売中。地域スポーツ関係者には関心の高いクラブ運営や、あっと驚く施設の作り方も実例を基に紹介。ご興味のある方は是非どうぞ。
本紙では、本の中身を少しずつではあるが紹介している。今回は第五の巻「テレビドラマのような銀行マン」の章を抜粋し、紹介したい。(登場人物の年齢、所属、役職などは2017年通常版出版時のものとなります)。
【以下書籍より一部抜粋】
第五の巻「テレビドラマのような銀行マン」
2012年、プロジェクト開始から3年が経ち、土地の購入や、既存施設の買収も資金面で断念せざるを得ない状況が続き、指定管理者制度での施設管理や、土地借用の交渉も進まない状況は、暗中模索の時期だった。柴田先導の下、目標を見失うことは無かったが、出てきた情報に合わせ、計画が一から練り直される結果の出ない期間、特命チームに対する風当たりは日増しにどんどん強くなっていった。
しかも同じ札幌市内に籍を置くサッカークラブが、グラウンドの人工芝生化や、クラブハウスの新設にも成功していた。これもスポーツ振興くじ助成事業の効果である。プロジェクトリーダーの柴田には「なぜあのクラブが出来て、歴史のあるSSSの方が出来ない? いつになったらホーム施設を持てるのだ!」―。各方面からことあるごとに言われていたという。
それは、特命チームが情報を拡散させないために、通常業務終了後に、他のスタッフにも分からないように計画を進めていたことも一因としてある。ここまで大胆に事を進める傾向のみえる柴田だったが、裏では情報を漏らさぬよう細心の注意を払い、地道に業務を遂行していたのだ。特命チームは表だって評価されることのない激務を淡々とこなしていく日々だった・・・。
おそらくメインバンクの銀行マンも、SSSの法人全体の動きは然ることながら、特命チームのこなす仕事ぶりをしっかりと精査していたのだろう。お金は人が動かして初めて目的を持った資金となる。大きな“お金“は使用目的と動かす“人“が大切なのだ。
メインバンクの銀行マンは、計画の根本の変更がない限りプロジェクトを支援すると背中を押した。資金面で支援し地元の企業を育て、地域の産業活性化につなげるという銀行本来の姿勢は心強かったという。しかも、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災など経済活動への大きな影響もあり、融資は簡単ではなかったのではないかと推測する。逆に見れば、急速に収縮していた経済活動の中、NPO法人とはいえ、積極的な施設整備計画をぶれなく提示し続けたことが奏功したのかもしれないが。
事実、融資前の検討段階で、数社の金融機関との交渉も持っていたが、支店の反応は良くても本店判断で止まることがあったという(正式な調査ではないが、3千万円を超える融資は、支店決済から本店決済に移る場合があるらしい)。もちろん、多額の融資には長期にわたる返済計画がしっかりしているのは言うまでもないが、まずは交渉の窓口となる融資担当者の力が必要だ。企業側(融資希望者)の意図をくみし、支店長を納得(説得、安心)させ、その後本店決済も通さなければならない。しかも相手は、営業利益を期待出来る営利法人ではなく、非営利(NPO)法人が融資の相手なのだ。
さすがに融資のプロでもちゅうちょする部分があってもおかしくはない。それが一貫して、柴田を中心とする特命チームのプロジェクトなら出来る限り支援すると、後押ししたのだ。まるで2013年に放送された大人気テレビドラマの銀行マンのように(正確には、銀行マンは安易に確約することはなく、じっくりと計画を勘案し、慎重に言葉を選びながらその都度的確な回答をする。「倍返しだ!」とも言わない)。
さて、もしこれから金融機関の融資を活用し、事業に生かそうとする団体関係者がいるならば、まずは事業計画と返済計画が大事である。事業計画も単純な右肩上がりの資料ではなく、自らの事業を冷静に分析し、年度ごとの収支バランスを見極め、目標を明確にした中・長期計画を立てたい。返済計画も、元本だけでなく金利を含めた余裕を持った返済計画でなければ、融資後も窮する。このあたりは、プロの銀行マンと直接相談しながら進めると良いだろう。この相談の段階で融資が可能かどうか即答はされないだろうが、事業の実現性が高いか(もしくは計画が甘いか)なども見えてくる場合も多い。まずは、地元の銀行や信用金庫などの担当者と会い、感触をつかんでみてはどうだろう。
ちなみに、融資を受ける際には、法人の体力や業績を示す決算書はもちろん、事業計画や返済計画などの資料も大切だが、銀行マンは、法人代表者を含めた事業を動かす“人“も見ているという。おそらく敏腕銀行マンには、数字だけではない部分を見抜く力も必要なのだろう。 SSSも融資を受ける際に面談があり、大きな額の融資を取れるかと周囲が心配する中、面談を終え事務所に戻ってきた柴田の第一声は「いやー、爆笑取ってきたわ」と、別なものを取ってきたという・・・。しかし、実際に億単位の融資を受けることになるので、ある意味、融資も爆笑も“取って“きたのだろう―。
こちらの特装版は、現在Amazonで限定販売中。地域スポーツ関係者には関心の高いクラブ運営や、あっと驚く施設の作り方も実例を基に紹介。ご興味のある方は是非どうぞ。
本紙では、本の中身を少しずつではあるが紹介している。今回は第五の巻「テレビドラマのような銀行マン」の章を抜粋し、紹介したい。(登場人物の年齢、所属、役職などは2017年通常版出版時のものとなります)。
【以下書籍より一部抜粋】
第五の巻「テレビドラマのような銀行マン」
2012年、プロジェクト開始から3年が経ち、土地の購入や、既存施設の買収も資金面で断念せざるを得ない状況が続き、指定管理者制度での施設管理や、土地借用の交渉も進まない状況は、暗中模索の時期だった。柴田先導の下、目標を見失うことは無かったが、出てきた情報に合わせ、計画が一から練り直される結果の出ない期間、特命チームに対する風当たりは日増しにどんどん強くなっていった。
しかも同じ札幌市内に籍を置くサッカークラブが、グラウンドの人工芝生化や、クラブハウスの新設にも成功していた。これもスポーツ振興くじ助成事業の効果である。プロジェクトリーダーの柴田には「なぜあのクラブが出来て、歴史のあるSSSの方が出来ない? いつになったらホーム施設を持てるのだ!」―。各方面からことあるごとに言われていたという。
それは、特命チームが情報を拡散させないために、通常業務終了後に、他のスタッフにも分からないように計画を進めていたことも一因としてある。ここまで大胆に事を進める傾向のみえる柴田だったが、裏では情報を漏らさぬよう細心の注意を払い、地道に業務を遂行していたのだ。特命チームは表だって評価されることのない激務を淡々とこなしていく日々だった・・・。
おそらくメインバンクの銀行マンも、SSSの法人全体の動きは然ることながら、特命チームのこなす仕事ぶりをしっかりと精査していたのだろう。お金は人が動かして初めて目的を持った資金となる。大きな“お金“は使用目的と動かす“人“が大切なのだ。
メインバンクの銀行マンは、計画の根本の変更がない限りプロジェクトを支援すると背中を押した。資金面で支援し地元の企業を育て、地域の産業活性化につなげるという銀行本来の姿勢は心強かったという。しかも、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災など経済活動への大きな影響もあり、融資は簡単ではなかったのではないかと推測する。逆に見れば、急速に収縮していた経済活動の中、NPO法人とはいえ、積極的な施設整備計画をぶれなく提示し続けたことが奏功したのかもしれないが。
事実、融資前の検討段階で、数社の金融機関との交渉も持っていたが、支店の反応は良くても本店判断で止まることがあったという(正式な調査ではないが、3千万円を超える融資は、支店決済から本店決済に移る場合があるらしい)。もちろん、多額の融資には長期にわたる返済計画がしっかりしているのは言うまでもないが、まずは交渉の窓口となる融資担当者の力が必要だ。企業側(融資希望者)の意図をくみし、支店長を納得(説得、安心)させ、その後本店決済も通さなければならない。しかも相手は、営業利益を期待出来る営利法人ではなく、非営利(NPO)法人が融資の相手なのだ。
さすがに融資のプロでもちゅうちょする部分があってもおかしくはない。それが一貫して、柴田を中心とする特命チームのプロジェクトなら出来る限り支援すると、後押ししたのだ。まるで2013年に放送された大人気テレビドラマの銀行マンのように(正確には、銀行マンは安易に確約することはなく、じっくりと計画を勘案し、慎重に言葉を選びながらその都度的確な回答をする。「倍返しだ!」とも言わない)。
さて、もしこれから金融機関の融資を活用し、事業に生かそうとする団体関係者がいるならば、まずは事業計画と返済計画が大事である。事業計画も単純な右肩上がりの資料ではなく、自らの事業を冷静に分析し、年度ごとの収支バランスを見極め、目標を明確にした中・長期計画を立てたい。返済計画も、元本だけでなく金利を含めた余裕を持った返済計画でなければ、融資後も窮する。このあたりは、プロの銀行マンと直接相談しながら進めると良いだろう。この相談の段階で融資が可能かどうか即答はされないだろうが、事業の実現性が高いか(もしくは計画が甘いか)なども見えてくる場合も多い。まずは、地元の銀行や信用金庫などの担当者と会い、感触をつかんでみてはどうだろう。
ちなみに、融資を受ける際には、法人の体力や業績を示す決算書はもちろん、事業計画や返済計画などの資料も大切だが、銀行マンは、法人代表者を含めた事業を動かす“人“も見ているという。おそらく敏腕銀行マンには、数字だけではない部分を見抜く力も必要なのだろう。 SSSも融資を受ける際に面談があり、大きな額の融資を取れるかと周囲が心配する中、面談を終え事務所に戻ってきた柴田の第一声は「いやー、爆笑取ってきたわ」と、別なものを取ってきたという・・・。しかし、実際に億単位の融資を受けることになるので、ある意味、融資も爆笑も“取って“きたのだろう―。
上写真/2014年9月、北海道で初めて屋外用LEDナイター照明(省エネ型単一光源)が設置されたSSSホームグラウンド
―この続きにご興味のある方は、ぜひ本書でお楽しみください。通常版はAmazonかコーチャンフォー(道内一部店舗)で、特装版はAmazonでのみ販売しております(Amazonサイト内で、「SSS札幌」、もしくは「SSSサッカー」で検索するとトップページに表示されます)。
「あなたも奇跡と呼ばれたプロジェクトの証人となる!?」
【書籍情報】
題 名:「100万円も借りられなかったNPOが、
街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」
著 者:北のサッカーアンビシャス編集部
協力SSSドリームプロジェクト特命チーム
イラスト担当スエリス
発行所:北のサッカーアンビシャス
形 式:A5版300ページ
(カラー8P、モノクロ292P内イラスト20P)
価 格:クラブ40周年記念誌(カラー20P)付きの特装版は1,210円
通常版は1,100円(ヤマトDM便での発送)
販売先:特装版はAmazonでのみ取り扱い中
通常版はAmazonとコーチャンフォーで取り扱い中
(道内一部店舗)
―この続きにご興味のある方は、ぜひ本書でお楽しみください。通常版はAmazonかコーチャンフォー(道内一部店舗)で、特装版はAmazonでのみ販売しております(Amazonサイト内で、「SSS札幌」、もしくは「SSSサッカー」で検索するとトップページに表示されます)。
「あなたも奇跡と呼ばれたプロジェクトの証人となる!?」
【書籍情報】
題 名:「100万円も借りられなかったNPOが、
街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」
著 者:北のサッカーアンビシャス編集部
協力SSSドリームプロジェクト特命チーム
イラスト担当スエリス
発行所:北のサッカーアンビシャス
形 式:A5版300ページ
(カラー8P、モノクロ292P内イラスト20P)
価 格:クラブ40周年記念誌(カラー20P)付きの特装版は1,210円
通常版は1,100円(ヤマトDM便での発送)
販売先:特装版はAmazonでのみ取り扱い中
通常版はAmazonとコーチャンフォーで取り扱い中
(道内一部店舗)
編集部