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J1第19節(9月26日)、神戸に2連敗 イニエスタに屈する

20・09・30
イニエスタの技に学べ

 シャペウと分析の力だ

 コンサドーレは新監督の「分析の読み」と「イニエスタの技の浸透」に敗れた。ここまで世界の「静かな天才」と、三浦淳寛新監督の「探偵力」に頭を下げ「シャッポ」を脱いだ試合を見たことが無い。

 北海道コンサドーレ札幌は9月26日、2020年明治安田生命J1リーグ第19節で、ヴィッセル神戸とノエビアスタジアム神戸での戦いは0−4で敗れた。同8節でも2−3(8月札幌ドーム)で破れ連敗。これで4勝5分け11敗で15位に転落した。

 試合の方は、曇り空。気温23.7度、湿度62パーセント、独特のスリッピーなピッチで行われた。観衆は5千335人で、初の5千人越え(自社決定)。経験豊富な松尾一主審(48=大阪府出身)のホイッスルで、神戸が午後7時3分キックオフ。

 札幌のスタメンはGK中野小次郎(21=徳島県出身、法政大学在学中・特別指定選手・初出場)、DF進藤亮佑・キム ミンテ・高嶺朋樹、DFWルーカス・フェルナンデス−菅大輝、MF駒井善成・田中駿汰・荒野拓馬、FW金子拓郎・小柏剛。サブ(Substitute=補欠選手)GK菅野孝憲、MF宮澤裕樹、檀崎竜孔、白井康介、早坂良太、FW藤村怜、ドゥグラス・オリベイラ。

 神戸のスタメンはGK前川黛也、DF藤谷壮・大玲央・トーマス フェルマーレン・酒井高徳、MF山口蛍−安井拓也−アンドレス イニエスタ−郷家友太、FWドウグラス・古橋亨梧。サブGK吉丸絢梓、DF菊地流帆、初瀬亮、渡部博文、MF小田裕太郎、FW小川慶治朗、藤本憲明。

 札幌は前節からスタメン2人、GK菅野、FWジェイが外れGK中野、FW小柏が入る。直近12試合で1勝と苦戦が続いている。一方の神戸もMFセルジオ・サンペール、DF西大伍が外れMF藤谷、DF安井が加わる。

 キャプテンマークは荒野とイニエスタ。初シュート1分、札幌の菅がペナルティーエリア左から強烈なシュートを放つがGKに止められた。今度は4分、神戸の藤谷が右サイドから持ち上がり中央にセンタリングを上げたがDF陣にクリアされる。両チームが果敢な攻撃を見せる。札幌は10分小柏がペナルティーエリア手前からドリブル突破、エリア内で相手DFに倒されたが、「ノーファール」。

 19分均衡が破れる。神戸・DF酒井とイニエスタの見事なワンツー。左サイドから酒井が中央にセンタリングすると、FW古橋が、まったくのフリーでゲットした。(23分飲水タイム)。

 札幌は左の菅、右ラインの金子、ルーカスが相手中央を狙うが、いずれもはじき返される。イニエスタが縦横無尽に「ポカっと」現れる。自分のポジションから離れた中央ラインや深く下がったDFライン。小柄だから(171センチ、68キロ)見失うのは「映像」のためか?。

 45分2点目のシーン。中央のイニエスタから前線にスルーパス。古橋が反応するが札幌DF進藤がスライディング・タックル。こぼれたボールに神戸・郷家が反応、約16メートルのゴール右隅の上から突き刺ささった。アディショナルタイムは3分。札幌は成すすべが無かった。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし
 
■ヴィッセル神戸の三浦淳宏監督のコメント
 「相手のサイドからの攻撃をケアしよう」、「攻めている時に全体を押し上げて選手間の距離を詰めていきながらサイドは幅を作っていこう」、「自分たちでボールを持ってゲームを支配しよう」


 0−2からの後半。札幌は荒野を中心に果敢に攻める。トップの小柏にボールを集める。札幌のCK(コーナーキック)は、菅にお任せ。14分に左からの左足のキックは内から外への軌道。中央でDFのセンターに入ったキム・ミンテにヘディングのチャンス。高い打点からのシュートはクロスバーに当たり、防がれた。出だしはチャンス到来の勢いだったが、17分。イニエスタの出番と言おうか、「見事」と言わざるを得ないシーンに遭遇した。

 札幌のチャンスが続く中、自陣深く「守備」の位置にいたイニエスタ。マイボールから前線を見た。ハーフラインの向こうは、札幌GKとFW古橋だけ。アイコンタクトか、古橋はオフサイドにならないよう自陣から、うまく抜け出したところへイニエスタの絶妙なスルーパスが放たれた。「シャッポ」を脱ぐいいプレーを見た。アッパレだ!

 22分神戸・安井が小田と交代。(24分飲水タイム)。札幌は菅と白井。進藤とドゥグラス・オリベイラ、ルーカスと宮澤の3枚代え。札幌に少し勢いが出たか?金子、駒井の動きが「斬れる」。しかし33分神戸・ドウグラスへのチャージで宮澤にイエローカード(次の試合出場停止)。35分FKを得て(駒井と檀崎が交代)キッカーは高嶺。オリベイラに合わせるが枠外。40分宮澤と小柏へ展開から白井へのパスも不発。42分檀崎のFKもモノにできず。

 すると45分、檀崎からのDFへのバックパスがカットされ、神戸・藤本から小田へ。飛び出して来た新人・GK中野は成すすべがなく4点目の失点。言うまでもなく、「J1の厳しさ」を身をもって経験した。アディショナルタイムは5分。神戸・小川にイエローカードが出て、得点0−4、シュート数札14−神11、CK札8−神0、FK札14−神14のゲームは、得点差ほどの「悲劇」ではなかった。

 アンドレス・イニエスタの技術はアデマール・ペレイラ・マリーニョ氏+笠野英弘氏の「子どもにサッカーの“本質”が伝わる本」にもあるが、「静かな天才」と言われ、副題に「パスコースを生み出すためのドリブル」の技巧派。「シャペウ」は、ブラジルではポルトガル語の「帽子」。日本でも夜明け前の1960年代には、前に立ふさがる選手の頭上を抜くパスを練習した経験がある。さらに脇腹を抜く、「ハンドを誘う」。さらにまた抜きの技術を磨いたものだ。自然にAイニエスタの「プレーに含まれ、26日の戦いで、札幌の左サイドで神戸DF酒井とのワンツーは、見事」。日頃のAイニエスタにプレーがあって、神戸選手の成長がある−と言っても過言ではない。

 三浦新監督の「分析論」は、Jリーグが始まりJAPANがW杯フランス大会に初出場した1998年、岡田武史監督(現J3・FC今治ディレクター)が「ご指名で、四方田修平コーチに伝授したもの」。札幌からJ1への「作戦絵巻」は、これが「全て」だったのだろう。

 今は北海道コンサドーレ札幌の「夜明け前の出来事」。2017年J1昇格、3年間J1を確保2022年から「北海道から世界へ」は、どうなっているだろう。

 明治安田生命2020年J1リーグ第20節は10月3日午後2時から札幌ドームで、北海道コンサドーレ札幌(15位)と、ベガルタ仙台(17位)が対戦する。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「4−0で負けた試合のあと、なかなかコメントしづらいが、ゲームの内容を見るとそれほど大差がつくゲームではなかったと思う。若い選手はアグレッシブに自由にさせない守備をしてくれて、コンビネーションもクリエイトできていた。そういう中で1失点目はワンツーの崩しからの失点、2失点目、3失点目、4失点目は我々の守備が安い失点を重ねてしまった。前に経験の少ない選手が多かったですけど、今日はアグレッシブな戦いを見せてくれた。狙いを持った守備、形は出せていた。ただ、やはり結果で判断されるのもサッカー。ただ非常に若い選手たち、最後まであきらめずにやってくれたし、こういった戦いを続けることが若い選手たちの成長につながると思っています」


■ヴィッセル神戸の三浦淳宏監督のコメント
 「我々のやりたいサッカーというのは、なかなか今日の試合の中で満足はいっていないです。それは正直な気持ちです。ただ、札幌さんの戦い方を分析している中で、その分析を選手に落とし込んだものがうまく結果につながったのかなと思っています。本当に最後まで選手たちが足を止めずに、しっかりとした自分の役割というのをしてくれたので、選手には感謝したいと思っています」
池田淳