北海道コンサドーレ札幌の王道と遍歴2019年2月号

一石二鳥
「いっせきにちょう」石一つで二羽
一挙両得との間には歴史的な訳あり
語源は中国の晋の時代の歴史書の中
太宗の勅命により編纂された史書に
古い話だが漢の時代からの四字熟語
氾濫したがそれなりに意味深な扱い

北海道コンサドーレ札幌の現状分析
一石を投じた人ペトロヴィッチ監督
2018年コンサドを初のベスト4
堅守速攻のチームを攻撃的な組織に
個の力からトライアングルの連携美
胸がスッとするゴールはブラボーだ

タイの英雄がJ1のベストイレブン
あのポジションの捏ね回しは見事だ
日本とタイの架け橋が見えた合宿も
チャナティップ選手と運営会社の技
三位一体と+αはサポーターの力だ
同時進行のAFCで森保一監督敗退

ミシャ監督陣営とポイチ監督の違い
一石二鳥はコーチ陣との個の違いか
札幌のスタッフはJ1連勝のままだ
森保監督の呟きは「何か足りない」
カタールは2022W杯目指し進化
札幌はこの教訓を得て「一歩前に」
コンサドーレ札幌の王道と遍歴
写真上/2018年11月10日、札幌厚別公園競技場で行われた浦和戦で選手を鼓舞するペトロビッチ監督。写真下/2018年12月1日、札幌ドームで行われた広島との最終戦でドリブル突破を見せる札幌のMFチャナティップ(18番)。写真はいずれも撮影・石井一弘
コンサドーレの王道を拓く
目標達成のためにJAPANの轍を踏むな
 北海道コンサドーレ札幌は2019年のシーズンに向けてスタートを切った。1か月余の合宿生活でミハイロ・ペトロビッチ監督(61=2年目)が、新チームに植え込んだフロンティア・スピリッツは何か。5百30万道民の期待は「新しい舞台は何を演じ、どこへ誘ってくれるのか」。照準をベスト3に合わせ、浮き浮きして春を待つ。
 目的を達成するためには、アジア・ナンバー1を決めるAFCアジアカップのJAPAN=森保一監督の戦いが、今後の日本サッカーの地位を、くしくも「慌てさせた結果に終わった」。アジアの雄は「世界を席巻する時代」が来る。優勝したカタールの力は、想像を超えていた。あの、日本の「ドーハの悲劇」を産んだ土地カタールの選手、スタッフの力は、計り知れない「世界」を、造り上げていた。
 今の状況が、今季のコンサドーレが背負わなければならない「現実」であるのかもしれない。
スポーツ界が様変わり
 2020年東京オリンピック・パラリンピックの参加選手の様変わりが激しい。特に目の当たりにするのが卓球、バドミントン、体操などだろう。卓球のティーンエイジャーの台頭は目を見張る。サッカーの場合も「新旧入れ替え」の時代を迎えている。
 JAPANも監督、スタッフが全て日本人。さらに選手も五輪代表のU−23以下と、日本代表の間に分け隔てがない。まだ、海外チーム所属の選手が幅を利かせているが、森保セレクションの時代は近い。その時は、2022年W杯カタール大会の頃で、欧州からアジアに舞台が移っているのではないか―。ちょっと時期尚早かも知れないが、そのくらいの先を読めなくては、チームの作戦などは組めない。メイドインジャパンの監督がブンデスリーグの「ミュンヘン」辺りで采配を揮っている―奇抜すぎるか。
 ロシア大会の西野朗監督(63)と、1998年日本初のW杯監督・岡田武史氏(62)の「監督論」をTVで見た。「海外での日本人監督は無理でしょう」だった。「話はあったのじゃないですか」。ドイツのケルン、ミュンヘンなどの大学でコーチングを学んだドクターは、既に下部組織でコーチのポジションを得ている。さらにコーチ(ヘッド)も存在している。
 本田圭佑(32)が、代表監督兼GMの地位をカンボジアで得ている。国を代表する監督のため、それなりのライセンスがいる。カンボジアでは代表監督は別にいるが、実質は圭佑の采配という。
 かつてのカリスマ・中田英寿(42)もサッカー育成関係から、経営者の実業にも息を吹き込んでいる。さらにアジアのフットボール代表として国際サッカー評議会のアドバイザーとしての肩書も得たようだ。「監督でなくても十分な地位を得ているレジェンド」をアジアの日本は忘れてはならない。
コンサドーレは飛べるか
 コンサドーレも世代の交代を徐々にしている。新加入のFWアンデルソン・ロペス(25=ブラジル)は、サンフレッチェ広島でプレー通算39試合で12得点を挙げている。185センチ、78キロの巨漢の活躍が、早く見たい。またFW鈴木武蔵(25=V・ファーレン長崎)はJ1で126試合18点、J2で15試合2得点、J3で3試合0得点。カップ戦は20試合5得点。185センチ、75キロは、ベストだろう。もう一人FW岩崎悠人(20=京都サンガF.C.)は172センチ、69キロの小柄だが期待したい。
 MFはブラジルから初めて海外へ出たルーカス・フェルナンデス(24)174センチ、65キロでスピードとテクニックで勝負。来日後すぐ結婚した。さらにMF陣は中野嘉大(25=ベガルタ仙台)。筑波大―川崎フロンターレ―仙台と素晴らしいキャリア。176センチ、66キロはここで「力になりたい」。もう一人、今年の全国高校選手権大会優勝校・青森山田高校からの檀崎竜孔(18=宮城県出身)。174センチ、63キロと小柄だが、得点力もありプレーは大きく見えた。最後は札幌ユース上がりのDF中村桐耶(18=U−18、むかわ町出身)は186センチ、78キロの申し分ない体格。代表も狙える年齢だ。
 合宿先の北海道新聞取材班の唯一無二の報道で、日本一を目指すミシャの意気込みが伝わって来る。
ベストメンバーはこれ
 昨年のコンサドーレの得点が48、失点も48。最多得点は都倉賢で12点。都倉はこのお土産を持ってセレッソ大阪に完全移籍した。GMの三上大勝氏と共に「本音を聞こうとしたが―」「札幌は大好きです」と濁されたので「君が帰るころには二人とも、いないからネ」とやり返した。
 合宿中のチームからは、テストマッチでジェイ、武蔵、Aロペスらの「決めた!決まった」の朗報が入る。きっとミシャは「ブラボー」と勢いよく叫んだだろう。
 さてベストイレブンは3−4−2−1の場合はGKク・ソンユン、RDF進藤亮佑、CB宮澤裕樹、LDF福森晃斗。ボランチに荒野拓馬と、駒井善成、RMFフェルナンデス、LMF深井一希。シャドーは菅大輝と、チャナティップ、トップにFWジェイ。
ミシャ監督の枠組みと今
 2年目のペトロビッチ監督は、どのくらい運営会社(株)コンサドーレに発言力が有ったのだろう。昨年12月の「感謝の集い」を終えて、すぐヨーロッパの国へ帰って行った。表向きには竹林京介強化部長と三上大勝GMが、コーチングスタッフに監督の意向「点を取れる選手」を盛り込んで決めたもの。都倉を取られただけにFWの充実を中心に、鈴木武蔵、アンデルソン・ロペス(Aロペス)、京都の岩崎を完全移籍で契約したのは当然だろう。ここまでは順調のようだ。
 このままいくと、JAPANが決勝でカタールに負けたような「無様な結果」にはならないはずだ。準決勝でUAE(アラブ首長国連邦)が0−4で、敗れたのに。
森保一監督の負けた内訳
 落とし穴は、日本は負ける相手ではなかった。ジャパン・クルーは、これだけ練り上げたチームに間違いはない。4バックにミッドフィルダーは遠藤航を塩谷司に代えトップには、大迫勇也が復帰していた。順風満帆な決勝のスタートだった。
 カタールが3−4−3の布陣できた。守りを固めた5バック態勢だ。攻めても攻めても跳ね返される。はじき出されたボールを3人の攻め、トップのアリと左サイドのアフィフ、ハティムが持ち上がる。ジャパンの4バックは、両サイドが置き去りになり、吉田麻也・冨安健洋が辛うじてGK前を守る。アリのオーバーヘッドシュートに麻也が守り切れず失点。前半で2失点して、後半を迎えた。
 後半の入りは良かった。両サイドを突いて、相手陣内に持ち込む。この形が本来の日本の隊形だった。24分塩谷司から大迫勇也に入れ、南野拓実が決めて1点差。38分に悲劇が起きた。日本ベンチ前でコーチ、監督が話し合う機会が多くなる。吉田のハンドでPK献上。万事休す。カタールのW杯強化の実績と強化策の自信に「若き森保JAPAN」は、完敗した。
ダブルアシストを狙うゾ
 2019年J1リーグは2月22日開幕する。札幌の第1戦は23日午後4時からアウエーで湘南ベルマーレ(ShonanBMWスタジアム平塚)と戦う。第2戦もアウエーで3月2日午後4時から浦和レッズ(埼玉スタジアム)。北海道コンサドーレ札幌のホーム初戦は札幌ドームで3月9日午後2時から清水エスパルスと対戦する。第4戦もドームで3月17日午後2時からで鹿島アントラーズと。
 多忙な日程だが、ルヴァン杯が3月6日午後7時30分から始まり、札幌は横浜F・マリノスとニッパツ三ツ沢競技場で戦う。中2、3日での多忙な日程になる。
 本誌では、J1リーグの札幌との対戦を今季も「岡目八目」で紹介する。また、ミシャ式サッカーの場合、連動したトライアングルパスが多くなり「ダブルアシスト」に該当するパス回しもある。また、今季からVARが一部導入(ルヴァン杯プライムステージ、J1参入プレーオフのみ)されるが、その対応と繊細なルール改正も必要。一石を関係各部局に投じてみたい。アイスホッケーでは確か「ダブルアシスト」の公式記録を見たことがある。
 サッカーはどんなもんだろうか。(昔は付いたよの耳鳴り)。
                                                     (池田 淳)