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J1第20節(7月20日)、ホームで大量得点奪い湘南破る

19・07・23
 上写真/前半18分、先制ゴールを決めた札幌DF進藤(3番)が指を天に向け、確信の表情で走り出す。左湘南DFフレイレ(3番)は顔に手を当て、中央DF大野(8番)は天を仰ぐ。写真はいずれも7月20日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘


「八咫の烏」が飛んできた
聖地・厚別で5得点

 ミシャことペトロビッチ監督(61)が、4試合ぶりに勝ち点3を稼いだ。「まだ勝ち点分で1試合足りない」と言いながらも試合後の記者会見を終えて、片目をつぶり「Wink」をして出て行った。

 北海道コンサドーレ札幌は7月20日午後1時から、札幌厚別運動公園競技場で明治安田生命J1第20節を湘南ベルマーレと対戦5−2で快勝した。

 DF進藤亮佑が先制、FWジェイが2得点、アンデルソン・ロペス、MFチャナティップが加点して、今季開幕戦では0−2で敗れている湘南にリベンジした。

 この日の厚別競技場は、秋晴れを思わせるからりと晴れた気温29.4度、右から弱風が吹く中でのゲーム。湘南が風上を取り、やや押し気味の展開。相手GK秋元陽太のロングキックがコンサドーレ陣内に飛んでくる。ゴール裏は赤黒のコンサド・サポーター席。いつもと違う布陣に、徐々にペースを上げて行く。好調のMF白井康介がこの日も先発で右に入ったが、再三、相手DFをかわしてセンタリング。コーナーキック(CK)をとる機会が増えた。

 この日、中央のコントロールタワーになったのが宮澤裕樹と荒野拓馬。宮澤が3バックのキム・ミンテの前で、采配。荒野はその前で踊るようにプレーし、新風を感じさせた。

 前半18分、宮澤−福森晃斗に渡り、逆サイドにえぐり込んだ右DFの進藤が、頭で決めた。ジェイが引き付ける相手守備陣のスキを狙った「今季4点目、覚えているかナ」とは、その時の感想。

 前半21分には期待のジェイの頭。荒野から右の白井に渡り、センタリングを顔一つ飛び出したジェイの高いヘディングだった。

 湘南の反撃は前半36分、左CKからインスイングでボールを入れると札幌GKク・ソンユンがキャッチしきれずファンブルする形となりボールはこぼれ球に。これに素早く反応した湘南DF大野が頭で押し込み湘南が1点を返し、2−1のスコアで折り返す。

 1点差と危険を感じる展開となったが、後半ミシャの采配は? ハーフタイムには、「後半の入りは特に集中して入ろう。勝負はここから、継続していこう。常に相手にとって危険なプレーをしよう」とコメント。やっぱり2−1が怖かった。厚別の空に、この日の観衆は9千55人と場内アナウンスが響いた。

 後半が始まった。右シャドーに入っていた鈴木武蔵、左のチャナティップが気になる。ベンチにはA・ロペス、ルーカス・フェルナンデス、久々の駒井善成、早坂良太らがいる。

 後半26分、札幌に3点目が入った。荒野−福森の「浮き球パス」(公式記録得点記録の表現)をジェイが「ヘディングS」(同)で3点目。後半29分にはジェイがA・ロペスに交代。35分にはロペス−チャナティップのワンツーが決まり相手を抜き去ったロペスが4点目(今季9得点目)。

 この後も後半39分に白井からのパスを受けたチャナティップが抜け出し、相手GKと1対1。シュートをはじかれたが胸に当ててゲット。中村太主審(40=2009年1級審判、今季5試合目)は、一度はノーゴール判定(ハンド)をしたが、副審(アシスタントレフェリー)に聞きに走り「確認」した。

 後半45分+3分のアディショナルタイムには、湘南がCKから途中出場FW野田のヘディングシュートで意地の1点を見せ、スコアを5−2とするもすでに遅く、試合はそのままタイムアップ。札幌が大量得点の5得点をあげ勝ち点3を獲得した。この勝利で札幌は勝ち点31で順位を7位とした。

 次節札幌は、8月3日にエディオンスタジアム広島で8位のサンフレッチェ広島(勝ち点29)と対戦する。

 上写真/前半21分、札幌MF白井(19番)が湘南MF杉岡(5番)を振り切り、FWジェイのゴールをアシストするクロスを上げる


 上写真/前半21分、札幌FWジェイ(48番)がMF白井の上げたクロスに、湘南DF山根(13番)と競りながら頭で合わせてゴールを決める、左湘南DFフレイレ(3番)


 上写真/前半36分、湘南左CKからの攻撃に、札幌GKク・ソンユン(25番)が、まさかのファンブル、湘南DF大野(8番)がしっかり見ていて、この後頭で押し込む。札幌の選手、左端MF鈴木(9番)、DFキム・ミンテ(20番)、右端MF宮澤(10番)


 上写真/後半26分、札幌DF福森(5番)がFWジェイのこの日2点目をアシストするクロスを入れる。左端MFチャナティップ(18番)、後方湘南FW山(11番)


 上写真/後半26分、札幌FWジェイ(48番)がDF福森のクロスに呼応して、湘南GK秋元(中央)と激しく交錯しながら、自身この日2点目となるヘディングシュートを決めて湘南を突き放す。しかし痛みもあり直後にアンデルソン・ロペスと交代した。右端湘南DFフレイレ(3番)


 上写真/後半35分、札幌MFチャナッティップ(18番)がFWアンデルソン・ロペスのゴールをアシストするパスを出す、左湘南FW野田(15番)


 上:上段写真/札幌のFWジェイの負傷で途中出場したFWアンデルソン・ロペス(11番)が、後半35分、MFチャナティップのパスを受け、湘南DF大野(左)と競りながら、左足で豪快にゴールを決める
 上:下段写真/後半35分、この試合札幌4点目のゴールを決めゴール裏に走るFWアンデルソン・ロペス(11番)に歓喜の声援を送るサポーターたち


 上写真/後半追加タイム4分、湘南左CKからの攻撃で途中交代したFW野田(左端倒れている)のヘディングシュートが決まり2点目を上げる。札幌の選手は、左からMF鈴木(9番)、DF進藤(3番)、GKク・ソンユン(25番)、MF駒井(14番)、右端湘南FW武富(39番)


 上:上段写真/後半39分、札幌MFチャナティップの判定に猛然と抗議する札幌のペトロビッチ監督(右から2人目)と、右端札幌の四方田修平ヘッドコーチ
 上:下段写真/前半25分、早い時間帯に2点のビハインドに表情がゆがむ湘南の諜栽監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「ようやく久しぶりに勝利することが出来ました。直近の3試合は勝利できていない中で迎えた今日の湘南戦。直近の3試合を振り返るとアウエー仙台戦で負け、ホーム松本戦は引き分け、前節アウエー大分戦は敗戦。チャンスを多く作る中で決めきれない、自分たちのミスで得点を与えてしまう。色々なことが噛み合わなかった3試合でした。

 非常にプレッシャーがある中で迎えた今日の試合でしたが、試合の入りから我々がゲームをコントロールできたと思います。そして非常に良い展開で1点2点を重ねることが出来ました。ここ3試合でもあったようにもったいない形から失点をし、2対1という我々が相手を上回っている展開の中で際どいスコアで前半を折り返した展開でした。

 昨日(19日)の練習では珍しいことがおこりました。サポーターの方が練習場にメッセージが書かれた横断幕が張られました。そうした横断幕に選手たちはモチベーションが上がったと思います。3試合勝っていない中で応援してくれるサポーターも不満があると感じられましたし、自分たちがここ1年半の間で良い成績を残すことで周りの期待値、見る目が高くなっていると感じます。以前であればこの状況で見ている側の不満が溜まると思いません。自分たちが強いチームになっていく中で見ている人の期待が高まっていると感じました。

 我々のスタイルは泥臭くてもいいから勝利を求めるのではなく、しっかりスタイルを持ったチーム。自分たちが自分たちのスタイルをもって相手を上回り勝利する。そういう話を選手たちにしました。

 今日は5得点取り素晴らしい試合が出来たのが良かったですが、忘れてはならないのがまだまだ得点を取れるシーンがありました。少なくても10回は決定機がありました。そういう部分は大勝しましたが忘れてはいけません。しかし、私のミスでこうなったと思います。今週のミーティングで1試合でも良いから4、5点を取り、自分たちが落ち着いてゲームを終れる展開をしてくれと話しました。恐らく私が4、5点と言ったので選手たちは5点取って満足してしまったのかもしれません。

 3試合勝利出来ていなかったことでチームは悔しい時間を過ごしてきました。 我々は予定していたポイントよりマイナス3です。今節終了時点で私の頭の中では34ポイント取っておきたいと思っていました。どこかでこのマイナス3ポイントを取り返さなければなりません。これからも頑張ります」

■湘南ベルマーレの諜裁監督のコメント
 「この時期の13時の試合は両チームにとって非常に暑さのところでタフになったと思います。ですが、序盤から最後の最後までお互いに足が止まらず攻防が多くなりました。良いゲームにはなったと思いますが、最初の15分の入りが非常に良かっただけに、あそこでリードできなかったのが後々、苦しくしてしまったかなと。1−2になってからも後半に何度もチャンスがあった中で、そこで2−2に出来ていれば我々にリズムが来ていたかもしれませんが、そこからオープンな展開になり札幌の個人能力の高さにやられてしまいました。

 長いシーズン、大敗はしないほうがいいですが、こうして大敗したほうがスッキリ顔を洗って、この2週間を生かして次の鹿島戦に向かえるというところもあると思いますし、全部が悪かったわけでもないですし、選手たちもこの暑い中でクリーンファイトをしてくれたというところで言うと、「お疲れさま」と言わなければいけないですし、勝てなかったのは監督の僕の責任だと思いますので。ただ、札幌の攻撃にかかるときの勢いというのはここ最近の試合よりもあったと思いますし、今日は力負けだったと思います」
池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影