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J1第12節(5月6日)、ホームでFC東京相手に5−1で快勝

23・05・11
 上写真/前列左からFW小柏、MF菅、浅野(18番)、駒井(14番)、荒野、後列左からGK菅野、DF福森、田中駿、岡村(50番)、MF金子、宮澤(10番)

  (写真は5月6日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 浅野先取 菅・左右2発 金子も2

  ミシャ監督ドームで負けなしF東京


 「なんでだろー?」J1リーグ北海道コンサドーレ札幌は、5月6日札幌ドームで今季12戦目をFC東京と対戦、5−1で「大勝利」を挙げた。こんな大差はないがミハイロ・ペトロビッチ監督が2018年就任して以来、ホーム札幌ドームでのFC東京相手に「敗戦」は1度もない。2勝3分け。アウエーでは1分け4敗と言うことになる。6日の試合を加味しても10位は今季最高。「総力戦」を、うれしく思う。

 試合の方は、6日14時03分キックオフ。ホイッスルを持つのは、昨年のW杯カタール大会で、史上初の女性審判として「第4の審判」を務めた、山下良美主審(37、東京都出身)私は初めての日本人女性主審を見て「がんばれ」。副審は三原純、日比野真。第4の審判員は篠藤巧。VAR清水勇人(主審格)、AVAR武部陽介。入場者は1万9千80人で、場内は23.5度、湿度47パーセント。両側のGK前の芝が少し剥げているのは、中2日のせいか?

 札幌は宮澤裕樹、F東京は森重真人がキャプテンマーク。札幌が3−4−2−1の布陣。F東京は4−2−3−1で、札幌はGKク・ソンユン、DF中村桐耶、MF青木亮太(けがで控えも欠)。F東京は長友佑都、木村誠二、東慶悟が控えからも外れた。

 札幌のスタメンはGK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、福森晃斗、WB(右)金子拓郎、(左)菅大輝、ボランチは宮澤と出場停止明けの荒野拓馬。トップ下は浅野雄也、駒井善成でトップは小柏剛。控えはGKク・ソンユン、DF馬場晴也、中村桐耶、MFスパチョーク、ルーカス・フェルナンデス、小林祐希、FWミラン・トゥチッチ。

 FC東京はGKヤクブ・スウォビィク、DF安斎颯馬、森重真人、エンリケ・トレヴィザン、バングーナガンデ・佳史扶、MF小泉慶、安部柊斗、松木玖生、FW渡邊凌磨、ペロッチ、アダイウトン。控えはGK野澤・大志ヴランドン、DF徳元悠平、木本恭生、MF青木拓矢、FW俵積田晃太、仲川輝人、ディエゴ・オリヴェイラ。

 これまでの対戦成績は16勝5分け8敗とFC東京に分がある。だが、立ち上がりから札幌がプレスをかけていく。7分、札幌にFK。この日DFに入った福森がキッカー、中央にクロスを送るがはじき返される。この余韻があった8分。トップの小柏がドリブル。そのまま駆け上がる浅野にパス。エリア内に入った浅野はF東京MFの松木をトラップでかわし、左足でシュート。これが決まり先取点。

 この後も札幌は小柏と金子が攻撃をけん引。さらに浅野−駒井、中央の宮澤−荒野の突進も目立つ。すると28分、DF田中駿が前方のスペースへパス。反応したFW小柏がエリア内に進入し左サイドの菅に。得意の左足を振り抜きゲット。札幌の2点目。

 35分、ペナルティーエリア内で、福森が倒される。そのままゲームは流れるが、主審が耳に手を当てVARチェックの「シグナル」が送られる。VARでは福森の足に後方からF東京DFハングーナガンデの足がかかっている。山下主審も確認し、PK判定とした。38分、札幌の金子が決めて3得点連取。3−0のスコアで試合を折り返す。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「いい距離間でプレー出来ている」、「交代で入ってきた選手に気を付ける事」、「後半の入り方、特に立ち上がり15分をより集中しよう」

■FC東京のアルベル監督のコメントはチーム発表なし


 3点リードと優位に立つ札幌キックオフで後半が始まる。流れを変えたいF東京がハーフタイムに3枚替え。渡邊OUT仲川IN。ベロッチOUTオリヴェイラIN。安部OUT青木IN。F東京が徐々に立ち直り、中央の松木を中心に動き出す。札幌MF荒野に倒された松木がFK。ゴールを狙うがGK管野がパンチングし、再び札幌ボール。5分、相手陣内右サイドでボールをつないだ札幌のトップ下に入った駒井がペナルティーアーク内で左の菅へ流す。菅は中央に躍り出て右足でシュート。この日、左右の足で2得点をはじき出した。

 後半10分、0−4の得点差を縮めようとF東京選手交代。DF安斎OUT徳元IN。さらに札幌の金子とマッチアップ気味の松木と対峙、松木が倒れ込み札幌の金子にイエローカード。札幌もそろそろ選手交代。19分、トップの小柏OUTルーカス・フェルナンデスIN。

 代わったばかりのルーカスがドリブル突破を試みるが味方とは合わない。21分札幌は左CKを福森が蹴るが「疲労気味」。駒井や浅野も20分過ぎから、動きが鈍い。相手DF森重も駒井と競り合い森重がイエローカード。後半28分、F東京がここで1点返す。FWアダイウトンが持ち込み、後半から入ったFW仲川が待望の得点。スコアは4−1。

 札幌も選手交代。28分、駒井OUT小林IN。宮澤OUT馬場IN。32分、F東京のアダイウトンOUT俵積田IN。38分。浅野OUTトゥチッチIN。福森OUT中村IN。これで両軍5組ずつの選手交代終了。なぜかしら札幌の「遅さを感じる」。

 42分、山下主審がVARチェックを始めた。札幌MF菅のシュートブロックが「ハンドかどうか」。43分、チェック終了。プレー再開。

 アディショナルイムは5分。攻撃の手を緩めない札幌が48分に追加点。馬場からのパスを受けた金子が右ペナルティアエリア内に進入、相手DFをかわしゴール右へ決めた。これで終了かと思った51分、F東京FWオリヴェイラにイエローカード。札幌MF菅に対するプレーと主審判断。試合は5−1の圧勝で終了した。

 シュート数は、札17−13東、CK札2−3東、FK札16−15東、PK札1。

 2023明治安田生命J1第13節湘南ベルマーレ対北海道コンサドーレ札幌戦は、5月13日午後3時から神奈川県平塚市のレモンガススタジアム平塚で行われる。


◇第12節までのJ1順位(カッコ内は勝ち点。3位の名古屋と広島は勝ち点・得点・失点・得失点差が同点につき同率順位)。

 1位:ヴィッセル神戸(26)
 2位:横浜F・マリノス(24)
 3位:名古屋グランパス(23)
 3位:サンフレッチェ広島(23)
 5位:鹿島アントラーズ(19)
 6位:川崎フロンターレ(18)
 7位:アビスパ福岡(18)
 8位:浦和レッズ(17)
 9位:セレッソ大阪(17)
10位:北海道コンサドーレ札幌(16)
11位:FC東京(15)
12位:京都サンガFC(13)
13位:アルビレックス新潟(13)
14位:湘南ベルマーレ(11)
15位:サガン鳥栖(11)
16位:柏レイソル(11)
17位:ガンバ大阪(7)
18位:横浜FC(6)

 特賞=浦和レッズ。ACL史上最多3度目の優勝。決勝は対アルヒラル(サウジアラビア)。昨季札幌に期限付き移籍していた興梠慎三が活躍し、4月30日にアウエーで1−1、5月6日ホームの埼玉スタジアム2002で1−0で勝利し、2017年以来6年ぶりの優勝を飾った。


 上:上段写真/前半5分、ピッチ中央付近の混戦から札幌FW小柏がドリブルで駆け上がり、前方のMF浅野へ絶妙のスルーパスを出し先制点をアシスト、後方MF宮澤

 上:中段写真/前半5分、札幌MF浅野がFW小柏のスルーパスを受け、ワントラップしてFC東京MF松木(下)のスライディングをかわして先制ゴールを決める

 上:下段写真/前半5分、先制ゴールを決めた札幌MF浅野(18番)がFC東京のサポーター席に向かって「どうだ!」と言わんばかり、左アシストしたFW小柏(19番)


 上:上段写真/前半28分、追加点を決めた札幌MF菅がアシストしたFW小柏(19番)とタッチして笑顔を見せる、右MF宮澤(10番)、左荒野

 上:下段写真/前半28分、追加点を決めた札幌MF菅(4番)がピッチを横切ってベンチまで走り、MF小林(その左)に手荒な祝福を受ける、DF中村(6番)、馬場(左端)も笑顔


■北海道コンサドーレ札幌の菅大輝選手のコメント
 「2得点出来たことはもちろんうれしいが、やはりチームが勝利出来たことが本当にうれしい。そして、そこに得点で貢献出来て良かったと思っている。1点目はファーサイドを思い切って狙った。その前にシュートを置きにいって外してしまったので。2点目は自分の得点というよりも、すごく良いパスがつながってきたので、取らせてもらった得点だと思っている。

 今季、チームとして失点が多く、もちろんそれは減らしていかなければならないのだが、失点を上回るだけの得点を取りにいくのがペトロビッチ監督のサッカー。得点を取れる試合を継続していきたい」


 上:連続写真1/前半35分、札幌DF福森(5番)がペナルティーエリア内でFC東京DFバングーナガンテ佳史扶(49番)に倒され、VARの判定でPKとなる、左手前MF金子(9番)

 上:連続写真2/前半36分、札幌DF福森(右)が倒されたシーンのVAR判定に向かう山下良美主審

 上:連続写真3/前半38分、札幌DF福森が倒されて得たPKをMF金子(9番)が決め3点目

 上:連続写真4/前半38分、PKでチーム3点目を決めて吠える札幌MF金子(左端)、右へ駒井、荒野(27番)、手前福森を倒してPKを献上してしまったFC東京DFバングーナガンテ佳史扶


 上:上段写真/後半5分、札幌MF駒井(右)がFC東京のMF小泉(37番)ら十分に引きつけて、菅のゴールのアシストとなるパスを出す

 上:中段写真/後半5分、札幌MF菅が駒井のパスを受け、自身この日2点目となるゴールを右足で決めチーム4点目

 上:下段写真/後半5分、札幌MF菅(4番)がゴールを決めベンチ方向へ走り出す、左奥で荒野、右奥でDF岡村が手をあげて喜ぶ


 上:上段写真/後半スタートから途中出場していたFC東京FW仲川(左上)が、後半28分、アダイウトンの右からのクロスに右足で合わせてゴールを決め1点を返す、左下札幌GK菅野、右へDF田中駿(2番)、FC東京MF小泉(37番)、札幌MF宮澤(10番)

 上:下段写真/後半28分、1点を返すゴールを決めたFC東京FW仲川(39番)がMF松木(7番)とタッチ、左奥札幌GK菅野、右MF宮澤(10番)


 上:上段写真/後半41分、FC東京右CKの流れからDFエンリケ・トレヴィザン(44番)がシュートを打つ構え、懸命に守る札幌GK菅野(右端)、左へDF岡村、FWミラン・トゥチッチ、MF馬場(3番)、左端後半スタートから途中出場していたFC東京FWディエゴ・オリヴェイラ

 上:中段写真/後半41分、FC東京DFエンリケ・トレヴィザン(44番)がシュートを放つ、懸命に守る札幌MF菅(右端)、左へDF岡村(50番)、GK菅野(1番)、FWミラン・トゥチッチ

 上:下段写真/後半41分、FC東京DFエンリケ・トレヴィザン(右端)のシュートを札幌MF菅がヘッドでクリア(したように見えた)、左へDF岡村(50番)、GK菅野、FWミラン・トゥチッチ、DF中村。このシーン、この後菅のハンドがあったのではとVAR判定となり、ポストに当たったという事で決着、PKとはならなかった


 上:上段写真/後半追加タイム3分、札幌MF馬場のワンタッチでのロングパスを金子(9番)が受け止める、右FC東京DFバングーナガンデ佳史扶

 上:中段写真/後半追加タイム3分、札幌MF金子(9番)が馬場のパスを受け切り返す、右FC東京DFバングーナガンデ佳史扶

 上:下段写真/後半追加タイム3分、札幌MF金子がチーム5点目のゴールを決める、ダメ押しというより止めの一発と言えるかもしれない


 上:上段写真/FC東京に5−1の大勝した札幌の選手たち、左からGK菅野、MF荒野(27番)、DF田中駿(2番)、MF馬場(3番)、DF岡村、MF菅(4番)、FWミラン・トゥチッチ、MF小林、DF中村

 上:中段写真/FC東京に5−1の大勝しゴール裏サポーターと「ススキノへ行こう!」を熱唱した札幌の選手たちの笑顔が眩しい

 上:下段写真/FC東京を5−1で破った札幌の選手たちを大声で称えるゴール裏のサポーターたち、ボルテージが上がる一方


■北海道コンサドーレ札幌の宮澤裕樹選手のコメント
 「チームとしてはポゼッションを意識しているが、今日のようにチャンスがあればどんどんショートカウンターで前の選手のスピードを生かしていく攻撃もやっていきたい。後半はリードしている中でさらに追加点を狙っていったため、カウンターを受けるような場面もあったが、そこについてはもう少しゲームコントロールを意識してやっていきたいと思う。ただし、今日の試合に関しては、中2日という日程の中であれだけパワーを使った攻守が出来たことは収穫だと感じている」


 上写真/後半追加タイム6分、なお選手を鼓舞し続ける札幌のペトロビッチ監督(右)としょうぜんと肩を落とすFC東京のアルベル監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「先日の(前節)鹿島戦同様に素晴らしかった。先日の試合でも立ち上がりに決定機があり、そこで先制点が取れていれば今日のような試合になったかもしれない。今日はそこで先に点を取れた。それにより、思いどおりの試合にもっていけたと思う。素晴らしい展開になった。ここ最近、選手たちが見せてくれているパフォーマンスは素晴らしいものがあると思います。

 敗れた試合を評価するのは難しいとは思うが、私は監督として結果だけでチームを評価していない。我々はリーグで最も得点を取れているのではないでしょうか(※この試合が終了した時点でリーグトップ)。札幌がそうしたチームになったという、この変化は大きい。我々の攻撃的なスタイルが成熟されている。私がニュートラルなファンだったならば、私は札幌の試合を好んで観るだろう。そのくらい攻撃的な試合を見せられている。

 前半に3点をリードしたが、「後半も攻め続けよう」という話をした。リードすると守備的にしてカウンターに出るのがセオリーかもしれないが、我々は前半と同じような姿勢で戦った。こうした試合を見せてくれた選手を誇りに思います。日頃から積み重ねているものを表現してくれた。積み上げてきたことがこうした舞台で出せたことをうれしく思います」


■FC東京のアルベル監督のコメント(一部抜粋)
 「最初の数分間で流れが決まってしまったと思います。しっかりと集中した形で試合に入れなかったというのもありました。そして中盤でもボールロストがあり、それを札幌が生かしてインターセプトしていたという展開になりました。最初の15分ほどはもっと背後を突こうというゲームプランを立てていましたが、それがあまり出来ておらず足元でボールをもらうことが多くなり、そこでボールロスト。そういうことが続き、札幌の先制点、追加点が生まれてしまいました。

 もちろんこの過密日程、遠征が続いた疲労も影響していたと思います。中2日という中で九州、北海道。回復がうまく出来ていなかったと思います。今まで何度もコメントしてきたとおり、J1はきっ抗したリーグです。それゆえ、どのチームがどのチームに勝利を収めても、敗退してもおかしくはない。だからこそ、先制点が試合の流れに大きな影響を及ぼします。今日は先制点、そして追加点も奪われてしまった。

 後半は前半の内容とはまったく違った形で立ち向かった45分間だと思います。複数の決定的なチャンスも作ることが出来ていました。それが入っていれば、もっと違った展開になっていたと思います。やはり早い時間に先制点を取られてしまうというのは、許してはいけない部分です。修正して次に向かいたいと思います。サッカーではこういう試合もあります。すべてがうまくいかずに、相手のすべてがうまくいくという展開でした」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影