サッカーアラカルチョ
一覧に戻るヨーロッパフットボール回廊「フットボールのプレータイムは90分なのか」
25・11・20
フットボールの公式試合時間は規則では前半45分、後半45分の90分となっている。しかしプレー中での事故、選手のけがによる治療タイム、セットプレーでの準備時間、そして最近ではVARシステムの導入で主審がチェックするためのロスタイムを加味すると実際には100分以上となっているのが現状である。
2022年のカタールW杯ではFIFAは90分ゲームに対して少なくとも60分が実質的にピッチ内でプレーすることを奨励していた。試合の45分ハーフのうちインプレー時間を30分ハーフとしボールがピッチ外へでた時に時間を止め、インプレー時間1試合前後半60分をめざしたが、実際には59分28秒であったと報告されている。
その後この指導に従い、GKの手でのボール保持時間を8秒とした規則改定(8秒以上保持した場合は違反となり相手側のCKとなる)したが昨シーズンプレミアリーグにおいては58分11秒がインプレータイムとなっており、さらに今シーズンは56分59秒とインプレータイムが減少している(ちなみに2022年/23年度は54分49秒であった)。
プレミアの今シーズン、アストンビラ対ボーンマス戦は45分48秒とインプレーは減少、さらにUEFAチャンピオンズリーグ11月5日のアーセナル対スラビア・プラハ戦のインプレー時間は実質前後半合計で41分39秒であった。この試合が終わったのはキックオフ以来120分を超えていた。入場料を半額返せとの声をいずれ出てくるかもしれない。
一体なぜプレー時間が減少しているのであろうか?
まずIFAB(国際フットボール規則委員会=イングランド、スコットランド、ウエールズ、北アイルランドとFIFAが主導する規則設定機構)はこの主要因はスローインとゴールキックにあると指摘している。ゴールキックでの時間浪費は7分42秒と指摘、1ゴールキックに要する時間は30.4秒であると。またスローインではボールが出てから投げるまで今シーズンは18秒かかっていると報告されている。昨年は16.1秒であった。この差は最近のロングスロー多発によるとされている。このGK、CK、FKを合計すると統計的には1試合38分オフプレーとなっている。つまり実質52分しかオンプレーしていないことになる。
フットボールのGK、CK、FKの戦術的な側面そして選手の疲労回復時間稼ぎの側面を加味してIFABはその解決策を2026アメリカ、カナダ、メキシコ共催W杯から実施すべく動き出している。
既にアメリカンフットボール、バスケット、ラグビーではスタジアムの時計をキックオフから減少させ、観客に知らしめているシステムを導入している。フットボールもそのシステムを導入すべきではないかと言われている。時計を45分にセットしそこから減少させ、0分にまでカウントさせる案も出ている。時間稼ぎは悪であるという意識改革も必要なのではないだろうか。今後のフットボールのタイムキープの公正さと規則化を次期W杯までに確立してもらいたいものである。
さて最近のヨーロッパのフットボールの話題の中で脚光を浴びているのは―
1)若手選手の出現と40歳ポルトガル主将ロナウドがレッドカードでW杯予選2試合出場停止。
2)伝統であったイングランドでのクリスマス時期の過密日程に変化。
この二つを取り上げてみたい。
1)若手選手の出現とロナウド40歳のワールドカップ出場は?
1:アーセナルのMax Dowman(マックス・ドウマン)がUEFAチャンピオンズリーグ11月4日の対スラビア・プラハ戦に15歳308日でウイングとしてデビューしチャンピオンズリーグ最年少出場記録を打ち立てた。
2:ボーンマスのAlex Scott(アレックス・スコット)左FBは22歳でイングランド代表に選出された。フランスとの国境近くの小島ガンジー島出身の若手選手。
3:11月13日に行われたW杯予選対セルビア(かのグランパスエイトで活躍したストイコビッチが監督)にイングランド代表ツッシュル監督は左フルバックにマンチェスターシティのディフェンスNico O’Reilly(ニコ・オレイリー)20歳をデビューさせ俊足を生かしたプレーで一躍スターへの道を付けた。
4:W杯予選でポルトガル主将、クリスチャン・ロナウドは相手北アイルランド選手へエルボーのファールでレッドカードをもらった。そのためW杯出場は決まっているがロナウドはW杯予選リーグ2試合出場停止となる可能性大となった。試合は2−0で北アイルランドが勝ち、北アイルランドはW杯参加を賭けた予選プレーオフへの出場が濃厚となった。
2)クリスマス、ボクシングデイ(12月26日)は英国のフットボールにとっては欠かせない風物詩であり、この日は多くの公共交通手段が休日となる為地元ライバルのダービーマッチが執り行われる。しかし今年はフットボールカレンダーが立て込み、現在の所プレミアはマンチェスター・ユナイテッド対ニューキャッスル戦の1試合しか行われない日程となった。フットボールファンにとっては誠に寂しいクリスマスとなるようだ。
◆筆者プロフィル◆
伊藤庸夫(いとうつねお)
東京都生まれ
浦和高校、京都大学、三菱重工(日本リーグ)でプレー、1980年より英国在住
1980−89:日本サッカー協会国際委員(英国在住)
89−94:日本サッカー協会欧州代表
94−96:サンフレッチェ広島強化国際部長
2004−06:びわこ成蹊スポーツ大学教授
08:JFL評議委員会議長(SAGAWA SHIGA FC GM)
2022年のカタールW杯ではFIFAは90分ゲームに対して少なくとも60分が実質的にピッチ内でプレーすることを奨励していた。試合の45分ハーフのうちインプレー時間を30分ハーフとしボールがピッチ外へでた時に時間を止め、インプレー時間1試合前後半60分をめざしたが、実際には59分28秒であったと報告されている。
その後この指導に従い、GKの手でのボール保持時間を8秒とした規則改定(8秒以上保持した場合は違反となり相手側のCKとなる)したが昨シーズンプレミアリーグにおいては58分11秒がインプレータイムとなっており、さらに今シーズンは56分59秒とインプレータイムが減少している(ちなみに2022年/23年度は54分49秒であった)。
プレミアの今シーズン、アストンビラ対ボーンマス戦は45分48秒とインプレーは減少、さらにUEFAチャンピオンズリーグ11月5日のアーセナル対スラビア・プラハ戦のインプレー時間は実質前後半合計で41分39秒であった。この試合が終わったのはキックオフ以来120分を超えていた。入場料を半額返せとの声をいずれ出てくるかもしれない。
一体なぜプレー時間が減少しているのであろうか?
まずIFAB(国際フットボール規則委員会=イングランド、スコットランド、ウエールズ、北アイルランドとFIFAが主導する規則設定機構)はこの主要因はスローインとゴールキックにあると指摘している。ゴールキックでの時間浪費は7分42秒と指摘、1ゴールキックに要する時間は30.4秒であると。またスローインではボールが出てから投げるまで今シーズンは18秒かかっていると報告されている。昨年は16.1秒であった。この差は最近のロングスロー多発によるとされている。このGK、CK、FKを合計すると統計的には1試合38分オフプレーとなっている。つまり実質52分しかオンプレーしていないことになる。
フットボールのGK、CK、FKの戦術的な側面そして選手の疲労回復時間稼ぎの側面を加味してIFABはその解決策を2026アメリカ、カナダ、メキシコ共催W杯から実施すべく動き出している。
既にアメリカンフットボール、バスケット、ラグビーではスタジアムの時計をキックオフから減少させ、観客に知らしめているシステムを導入している。フットボールもそのシステムを導入すべきではないかと言われている。時計を45分にセットしそこから減少させ、0分にまでカウントさせる案も出ている。時間稼ぎは悪であるという意識改革も必要なのではないだろうか。今後のフットボールのタイムキープの公正さと規則化を次期W杯までに確立してもらいたいものである。
さて最近のヨーロッパのフットボールの話題の中で脚光を浴びているのは―
1)若手選手の出現と40歳ポルトガル主将ロナウドがレッドカードでW杯予選2試合出場停止。
2)伝統であったイングランドでのクリスマス時期の過密日程に変化。
この二つを取り上げてみたい。
1)若手選手の出現とロナウド40歳のワールドカップ出場は?
1:アーセナルのMax Dowman(マックス・ドウマン)がUEFAチャンピオンズリーグ11月4日の対スラビア・プラハ戦に15歳308日でウイングとしてデビューしチャンピオンズリーグ最年少出場記録を打ち立てた。
2:ボーンマスのAlex Scott(アレックス・スコット)左FBは22歳でイングランド代表に選出された。フランスとの国境近くの小島ガンジー島出身の若手選手。
3:11月13日に行われたW杯予選対セルビア(かのグランパスエイトで活躍したストイコビッチが監督)にイングランド代表ツッシュル監督は左フルバックにマンチェスターシティのディフェンスNico O’Reilly(ニコ・オレイリー)20歳をデビューさせ俊足を生かしたプレーで一躍スターへの道を付けた。
4:W杯予選でポルトガル主将、クリスチャン・ロナウドは相手北アイルランド選手へエルボーのファールでレッドカードをもらった。そのためW杯出場は決まっているがロナウドはW杯予選リーグ2試合出場停止となる可能性大となった。試合は2−0で北アイルランドが勝ち、北アイルランドはW杯参加を賭けた予選プレーオフへの出場が濃厚となった。
2)クリスマス、ボクシングデイ(12月26日)は英国のフットボールにとっては欠かせない風物詩であり、この日は多くの公共交通手段が休日となる為地元ライバルのダービーマッチが執り行われる。しかし今年はフットボールカレンダーが立て込み、現在の所プレミアはマンチェスター・ユナイテッド対ニューキャッスル戦の1試合しか行われない日程となった。フットボールファンにとっては誠に寂しいクリスマスとなるようだ。
◆筆者プロフィル◆
伊藤庸夫(いとうつねお)
東京都生まれ
浦和高校、京都大学、三菱重工(日本リーグ)でプレー、1980年より英国在住
1980−89:日本サッカー協会国際委員(英国在住)
89−94:日本サッカー協会欧州代表
94−96:サンフレッチェ広島強化国際部長
2004−06:びわこ成蹊スポーツ大学教授
08:JFL評議委員会議長(SAGAWA SHIGA FC GM)
伊藤 庸夫











