サッカーアラカルチョ
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25・08・21
イングランドの栄誉が続くフットボールシーズンが開幕した。
昨季末、7月に行われたクラブワールドカップではプレミアのチェルシーがリーグ・アン(フランス)のPSGを破り優勝。
また同月に行われたUEFAユーロ女子選手権決勝では、イングランドが2023年W杯決勝戦で敗れたスペインにPK戦で勝利、初の栄冠を獲得した。この大会でのイングランドはスウェーデンとの準々決勝戦にもPK勝ち、更にイタリア戦も延長戦で逆転勝ちと拮抗した試合を制しヨーロッパ覇者に輝いた。
従来からPK戦に弱いイングランドという定説は男子にはいまだに通用しているが、女子は「PK戦に強いイングランド」となっている。「ライオネス(メスライオン)」が「ライオン」を凌駕していることを表している。ちなみに英国の歴史上、繁栄した時代はビクトリア女王時代、そして一昨年逝去したエリザベス女王時代ともいわれており、『鉄の女』の異名を持つサッチャー首相時代も女性が統治すれば繫栄することを歴史は語っているが、フットボールでのライオンがライオネスより強くなる時代が次のW杯で来るのか見ものである。
まず開幕を飾る恒例のTHE FA COMMUNITY SHIELD戦は8月10日、ウエンブレー・スタジアムで前年度リーグ優勝のリバプール対FAカップ優勝のクリスタル・パレス(以下CP)が対戦、白熱の戦いを見せた。この試合、リバプールは開始早々4分エキチケのゴールで先制、CPも17分PKを得て同点とする。その直後、リバプールは17分フリムポンが得点しリードしたが、77分にCPのザーの同点ゴールで2−2としPK戦となった。CPのGKヘンダーソンのPKキラーセーブで3対2とし勝利。5月のTHE FA カップ優勝に引き続きウエンブレーでの勝利を収めた。
そのCPは昨季FAカップで優勝し今年度UEFAリーグへの参加資格を有していたが、CPのオーナーで米国実業家のジョン・テクスター氏はリーグ・アン所属リヨンのオーナーでもある。UEFA規則ではヨーロッパのクラブを2つ以上保有した場合、その2つ以上のクラブが次年度の参加クラブとして認定される条件としては、それぞれのクラブがリーグ戦でのより上位となったクラブしか参加できないと規定している。昨季のリヨンはリーグ・アンで5位となっており、CPの12位より上位である為、リヨンがヨーロッパリーグ(チャンピオンズリーグの下のリーグ)へ参加。CPはUEFAの3部に値するカンファレンスリーグに参加することを決定した。CPはスポーツ裁判所へ上訴したが判決は「NON」となり、今季はUEFA3部リーグへ参加することとなった。そのCPはFIFAクラブチャンピオンに輝いたチェルシーと同じロンドン地区のダービー戦として開幕戦を戦ったが0−0の引き分けに終わった。
さてスペインでは8月15日に開幕。翌日はマヨルカのホームでバルサが対戦、イングランド代表の元マンチェスター・ユナイテッド(MU)ストライカー、ラッシュフォードがMU監督アモリムの構想から外れBOMB SQUAD(爆弾軍)の一員としてバルサへ移籍、後半24分から出場した。ラッシュフォードは、昨年アモリム監督からの構想外選手として後半アストンビラへ期限付き移籍したがアストンビラは契約を更改しなかったので、今季からバルサへ期限付きで移籍している。MUはアモリム監督の独自のシステム3−4−3に合わない選手を移籍対象として現在彼らの新たな候補クラブと交渉中である。右ウイング、ユース育ちのガルナチョ(アルゼンチン代表)、アントニー(ブラジル代表、昨季はスペイン・ベテス)、サンチョ(イングランド代表、昨季はチェルシー)、そしてマルシオ(元オランダ代表)である。彼らは現在トップチームの練習には監督の指示で参加できていない。
そのMUはホームの開幕戦対アーセナルと8月17日MUホームで対戦。昨季2位のアーセナルはストライカー、スウェーデン代表ゴキョレスを獲得、ストライカーとして監督アルテタが期待を寄せデビューした。一方のMUは、ブレントフォードより馬車馬的ストライカー、エベウーモ、ブラジル代表クンハを獲得、昨季の攻撃陣とは全く違うダイナミックな動きで得点を増すシステムを取ってのスタートとなった。
しかし前半13分、左コーナキックを取ったアーセナルは、ライスがゴール前に蹴り込むと、MUのGKトルコ代表バインデイールが交錯したボールの取り合いからパンチ出来ずこぼれたところにアーセナルDFカラフィオーリが頭で押し込み1−0とリード、そのまま押し切りアーセナルのアウエー勝利となった。昨季のMUリーグ15位からトップ4狙いはまだまだ程遠い目標となってしまった。
またプレミアへ昇格した下部からのクラブはその年なすすべもなく再び下部のチャンピオンズリーグへ直行降格しており、今年昇格したサンダーランド、リーズ、バーンレイも戦前の予想では3年連続3昇格チームの降格が予想されていたが、今年のサンダーランドは一味違うようだ。対ウエストハムにホームで3−0と圧勝、これからの躍進に期待が寄せられている。サンダーランドは自動車生産の町で、日産の自動車工場があるが、近年減産の動きで日産撤退となれば町の産業基盤が崩壊しかねないだけに、この勝利はサンダーランド市民には大きな励みとなるのではないであろうか。
昇格組のひとつ、日本代表の田中碧が所属するリーズもホームでエバートンに1−0で勝ち、幸先の良いスタートを切った。
そのプレミアの開幕戦では、今年からGKキャッチから8秒以内にボールを離さねばならないルールが改正され、そのルール適用一号が起こった。バーンレイのGKマーチン・デブルフィカがスパーズ戦で違反、主審が即、コーナーキックを指定した。Jリーグでもこのルールが実施されていると思いますが、適用された事例は出ましたか?
◆筆者プロフィル◆
伊藤庸夫(いとうつねお)
東京都生まれ
浦和高校、京都大学、三菱重工(日本リーグ)でプレー、1980年より英国在住
1980−89:日本サッカー協会国際委員(英国在住)
89−94:日本サッカー協会欧州代表
94−96:サンフレッチェ広島強化国際部長
2004−06:びわこ成蹊スポーツ大学教授
08:JFL評議委員会議長(SAGAWA SHIGA FC GM)
昨季末、7月に行われたクラブワールドカップではプレミアのチェルシーがリーグ・アン(フランス)のPSGを破り優勝。
また同月に行われたUEFAユーロ女子選手権決勝では、イングランドが2023年W杯決勝戦で敗れたスペインにPK戦で勝利、初の栄冠を獲得した。この大会でのイングランドはスウェーデンとの準々決勝戦にもPK勝ち、更にイタリア戦も延長戦で逆転勝ちと拮抗した試合を制しヨーロッパ覇者に輝いた。
従来からPK戦に弱いイングランドという定説は男子にはいまだに通用しているが、女子は「PK戦に強いイングランド」となっている。「ライオネス(メスライオン)」が「ライオン」を凌駕していることを表している。ちなみに英国の歴史上、繁栄した時代はビクトリア女王時代、そして一昨年逝去したエリザベス女王時代ともいわれており、『鉄の女』の異名を持つサッチャー首相時代も女性が統治すれば繫栄することを歴史は語っているが、フットボールでのライオンがライオネスより強くなる時代が次のW杯で来るのか見ものである。
まず開幕を飾る恒例のTHE FA COMMUNITY SHIELD戦は8月10日、ウエンブレー・スタジアムで前年度リーグ優勝のリバプール対FAカップ優勝のクリスタル・パレス(以下CP)が対戦、白熱の戦いを見せた。この試合、リバプールは開始早々4分エキチケのゴールで先制、CPも17分PKを得て同点とする。その直後、リバプールは17分フリムポンが得点しリードしたが、77分にCPのザーの同点ゴールで2−2としPK戦となった。CPのGKヘンダーソンのPKキラーセーブで3対2とし勝利。5月のTHE FA カップ優勝に引き続きウエンブレーでの勝利を収めた。
そのCPは昨季FAカップで優勝し今年度UEFAリーグへの参加資格を有していたが、CPのオーナーで米国実業家のジョン・テクスター氏はリーグ・アン所属リヨンのオーナーでもある。UEFA規則ではヨーロッパのクラブを2つ以上保有した場合、その2つ以上のクラブが次年度の参加クラブとして認定される条件としては、それぞれのクラブがリーグ戦でのより上位となったクラブしか参加できないと規定している。昨季のリヨンはリーグ・アンで5位となっており、CPの12位より上位である為、リヨンがヨーロッパリーグ(チャンピオンズリーグの下のリーグ)へ参加。CPはUEFAの3部に値するカンファレンスリーグに参加することを決定した。CPはスポーツ裁判所へ上訴したが判決は「NON」となり、今季はUEFA3部リーグへ参加することとなった。そのCPはFIFAクラブチャンピオンに輝いたチェルシーと同じロンドン地区のダービー戦として開幕戦を戦ったが0−0の引き分けに終わった。
さてスペインでは8月15日に開幕。翌日はマヨルカのホームでバルサが対戦、イングランド代表の元マンチェスター・ユナイテッド(MU)ストライカー、ラッシュフォードがMU監督アモリムの構想から外れBOMB SQUAD(爆弾軍)の一員としてバルサへ移籍、後半24分から出場した。ラッシュフォードは、昨年アモリム監督からの構想外選手として後半アストンビラへ期限付き移籍したがアストンビラは契約を更改しなかったので、今季からバルサへ期限付きで移籍している。MUはアモリム監督の独自のシステム3−4−3に合わない選手を移籍対象として現在彼らの新たな候補クラブと交渉中である。右ウイング、ユース育ちのガルナチョ(アルゼンチン代表)、アントニー(ブラジル代表、昨季はスペイン・ベテス)、サンチョ(イングランド代表、昨季はチェルシー)、そしてマルシオ(元オランダ代表)である。彼らは現在トップチームの練習には監督の指示で参加できていない。
そのMUはホームの開幕戦対アーセナルと8月17日MUホームで対戦。昨季2位のアーセナルはストライカー、スウェーデン代表ゴキョレスを獲得、ストライカーとして監督アルテタが期待を寄せデビューした。一方のMUは、ブレントフォードより馬車馬的ストライカー、エベウーモ、ブラジル代表クンハを獲得、昨季の攻撃陣とは全く違うダイナミックな動きで得点を増すシステムを取ってのスタートとなった。
しかし前半13分、左コーナキックを取ったアーセナルは、ライスがゴール前に蹴り込むと、MUのGKトルコ代表バインデイールが交錯したボールの取り合いからパンチ出来ずこぼれたところにアーセナルDFカラフィオーリが頭で押し込み1−0とリード、そのまま押し切りアーセナルのアウエー勝利となった。昨季のMUリーグ15位からトップ4狙いはまだまだ程遠い目標となってしまった。
またプレミアへ昇格した下部からのクラブはその年なすすべもなく再び下部のチャンピオンズリーグへ直行降格しており、今年昇格したサンダーランド、リーズ、バーンレイも戦前の予想では3年連続3昇格チームの降格が予想されていたが、今年のサンダーランドは一味違うようだ。対ウエストハムにホームで3−0と圧勝、これからの躍進に期待が寄せられている。サンダーランドは自動車生産の町で、日産の自動車工場があるが、近年減産の動きで日産撤退となれば町の産業基盤が崩壊しかねないだけに、この勝利はサンダーランド市民には大きな励みとなるのではないであろうか。
昇格組のひとつ、日本代表の田中碧が所属するリーズもホームでエバートンに1−0で勝ち、幸先の良いスタートを切った。
そのプレミアの開幕戦では、今年からGKキャッチから8秒以内にボールを離さねばならないルールが改正され、そのルール適用一号が起こった。バーンレイのGKマーチン・デブルフィカがスパーズ戦で違反、主審が即、コーナーキックを指定した。Jリーグでもこのルールが実施されていると思いますが、適用された事例は出ましたか?
◆筆者プロフィル◆
伊藤庸夫(いとうつねお)
東京都生まれ
浦和高校、京都大学、三菱重工(日本リーグ)でプレー、1980年より英国在住
1980−89:日本サッカー協会国際委員(英国在住)
89−94:日本サッカー協会欧州代表
94−96:サンフレッチェ広島強化国際部長
2004−06:びわこ成蹊スポーツ大学教授
08:JFL評議委員会議長(SAGAWA SHIGA FC GM)
伊藤 庸夫











