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弊紙発刊の書籍がリニューアル版で絶賛販売中【一部抜粋し紹介】

23・05・11
 Amazon初登場時にカテゴリー別4位となった「100万円も借りられなかったNPOが、街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」(出版元:北のサッカーアンビシャス)が、全国のサッカー関係者から注目を集め、この度「クラブ40周年記念誌同梱版」としてリニューアル発売となった。

 こちらの特装版は、現在Amazonで限定販売中。地域スポーツ関係者には関心の高いクラブ運営や、あっと驚く施設の作り方も実例を基に紹介。ご興味のある方は是非どうぞ。

 本紙では、本の中身を少しずつではあるが紹介している。今回は第二十三の巻「ぶれない理念を紡ぐ三世代の指導者」の章を抜粋し、紹介したい(登場人物の年齢、所属、役職などは2017年通常版出版時のものとなります)。


【以下書籍より一部抜粋】

第二十三の巻「ぶれない理念を紡ぐ三世代の指導者」

 ここまで施設の充実化を図るプロジェクトを中心に説明してきたが、育成で評価されているSSSで、この人物の紹介は外せない。北海道のサッカー育成現場では重鎮と称される岩越英治校長である。出身は滋賀県。勉学優秀だった岩越は、国立大学の北海道大学に進学(道内では「北大(ホクダイ)」と呼ばれる)。学生時代までプレーヤーとしてサッカーに勤しんでいたが、在学中の1984年に指導者の道を歩み始め、現在までSSS一筋の指導歴34年目という現場たたき上げの校長である(2009年には財団法人北海道サッカー協会から、指導者功労賞を受賞している)。

 1979年設立のSSSは、これまで多くのJリーガーや海外プロ選手、なでしこリーガーに、年代別代表選手からフル代表選手に至るまで、有力な選手を輩出し続けているが、その選手たちのほとんどが岩越の指導と薫陶を受け、巣立っていった。

 卒業生の中でも、Jリーガーとなった山瀬兄弟は全国区で有名だろう。兄の功治はコンサドーレ札幌(現在のチーム名は北海道コンサドーレ札幌)でプロ生活をスタート。その後、弟の幸宏が所属していた横浜F・マリノスで兄弟一緒にプレーし、兄が日本代表に入るなど活躍した。左足を武器にプロ生活を送った幸宏は2015年に現役を引退し、現在SSSで指導者として充実したセカンドキャリアを送っている(その様子は、SSS公式ホームページの「スタッフ日記」で紹介されている)。

 時代をさかのぼり、今から30年以上前、岩越が若手指導者だったころ、当時は野球少年団の方が多い時代だった。SSSの草創期は、サッカーチームも少年団形式がほとんどであり、学校区に縛られない受益者負担(会費制)によるクラブチームはかなり異色の存在だった。練習会場も、小学校や市内の施設を借用し続けなければならず、当時は「渡り鳥チーム」と、揶揄された。集まっていた子どもたちも、良く言えば活発で、個性的な子が集まっていた(悪く言えばやんちゃ坊主集団)。

 活動規模から考えても野球少年団>サッカー少年団>SSSとなり、子どもたちもその流れに沿って集まっていた。もっと言えば少年団でまとまりきらない子たちが入ってきた。それは良い意味でも作用する。負けん気の強い子どもたちは、技術だけは負けまいと、個性的なプレーを探求し、それがSSS育成の代名詞となっていく。

 そして、岩越がSSSで指導を始めた時、大人の言うことを聞かない子どものひとりが今の柴田(吉徳、当時5年生。1年から6年生まで在籍。当時はジュニアユースが無かった時代)である。卒業後約10年経って柴田もSSSで指導者となり、その時指導を受けていた子が、現在SSSの指導者となっている。既に三世代となり、一緒になってクラブを支えているのだ。この歴史の積み重ねが、指導理念のぶれないクラブの強みでもある。

 現在在籍しているSSSスタッフは25人(※2023年現在は40人を超えている)。特徴的なのはベテラン指導者が多く、医療分野専門のトレーナーを除く、1人当たりの指導経験年数は、平均で17.2年となっている。これはブラジルトップクラブの育成ノウハウを参考にしており、サッカーの導入期や育成年代の指導は、その子のサッカー人生を左右する最も大事な時期であるので、ここに経験豊富なベテランの指導者を置いているのだ。また、指導経験に長けてなくとも、元Jリーガーの山瀬幸宏を筆頭に、サッカー経験において申し分のない指導者が現場に立っている。

 岩越は語る。「SSSの頭文字にもあるSense(センス)、S kill(スキル)、S pirit(スピリット)を大切に、自立を促しながら個を伸ばすという育成の根本はぶれずに今でも継承されている」。


 上写真/クラブ創設期に作られた10カ条。現在も、育成方針に記載されており、40年変わらず受け継がれている

 
 ―この続きにご興味のある方は、ぜひ本書でお楽しみください。通常版はAmazonかコーチャンフォー(新川通り店、ミュンヘン大橋店、釧路店、北見店)で、特装版はAmazonでのみ販売しております(Amazonサイト内で、「SSS札幌」、もしくは「SSSサッカー」で検索するとトップページに表示されます)。

 「あなたも奇跡と呼ばれたプロジェクトの証人となる!?」


【書籍情報】
題 名:「100万円も借りられなかったNPOが、
     街クラブ日本一の施設を造った奇跡の物語」

著 者:北のサッカーアンビシャス編集部
    協力SSSドリームプロジェクト特命チーム
    イラスト担当スエリス

発行所:北のサッカーアンビシャス

形 式:A5版300ページ
   (カラー8P、モノクロ292P内イラスト20P)

価 格:クラブ40周年記念誌(カラー20P)付きの特装版は1,210円
    通常版は1,100円(ヤマトDM便での発送)

販売先:特装版はインターネットモールAmazonでのみ取り扱い中
    通常版はAmazonとコーチャンフォーで取り扱い中
(新川通り店、ミュンヘン大橋店、釧路店、北見店。他店舗はお問い合わせ)

編集部