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J1第5節(3月18日)、G大阪に追いつかれ2−2で分ける

23・03・21
 札幌の芝 懐かしい我がホーム もう春か

  アウエー第5節はガンバと2−2で分ける


 北海道コンサドーレ札幌にとって「祈念」すべき一戦だった。第4節の横浜F・マリノスをホーム札幌ドームでは2−0で退け、やっと「初の1勝」をあげた。乗りに乗って「勝ちのないガンバ」との明治安田生命J1リーグ第5節。

 こんな一戦は「昨季の出だし」と同じ。引き分けだらけの「勝ちに恵まれない始動」。嫌な相手ガンバとの今節は、重いプレッシャーの中で「2得点」をリードした。しかし安堵感なのか、後半あっという間に2−2の同点に追いつかれ、「後味の悪い」引き分けになった。

 3月18日、パナソニックスタジアム吹田での試合は、曇り時々晴れ、気温13.6度、湿度60パーセントの中、1万8千559人の入場者。コンサドーレサポーターは約1千人。

 日本サッカー協会とイングランドプレミアリーグ審判プロ審判協会の交流で招かれたトム・ブラモール氏が主審。副審は西橋勲、坂本晋悟。第4の審判は村井良輔、VAR荒木友輔(主審格)、AVARは中井敏博。

 15時03分、札幌のキックオフ。これまでの対戦成績はガンバが16勝6分け9敗で勝ち越し。札幌は3バックと2ワイドオフェンス、2ボランチ、トップは3人。GKク・ソンユン、DF田中駿汰、岡村大八、福森晃斗、WB金子拓郎と菅大輝、MF宮澤裕樹、荒野拓馬、MF小林祐希、浅野雄也、FW小柏剛。控えは、GK大谷幸輝、DF西大伍、馬場晴也、中村桐耶、MFスパチョーク、FWミラン・トゥチッチ、中島大嘉。

 G大阪は、GK東口順昭、DF半田陸、三浦弦太、黒川圭介、江川涌清、MF山本理仁、福田勇矢、ネタ・ラヴィ、杉山直宏、ファン・アラーノ、FWは元札幌の鈴木武蔵。控えは、GK谷晃生、DF高尾瑠、福岡将太、MFダワン、石毛秀樹、食野亮太郎、FW山見大登。

 試合は立ち上がり1分、札幌がCK獲得。福森がスタンバイ。左足を振り抜く。ゴール前は混戦になるが、札幌の反則を取られる。続いて5分、同様に札幌にCK。福森がインスイングでファーサイドに。エリア内のボールは転々。これを右側にいた背番号99小林が左足で低く抑えたシュート。先取点を得る。

 13分からも札幌の攻撃、DF田中駿の小柏へのスルーパスはオフサイド。15分、WB金子のシュート性のパスは不発。16分、3度目のCKを獲得し、福森がキック。シュートまではいかず、ガンバサイドの攻撃に代わる。30分過ぎまで、ガンバ側の攻撃が盛ん。

 しかし、札幌側のトップ3のプレスが激しい。ガンバDFの裏にスペースができる。金子、浅野、小柏らの相手DFへのプレッシャーがかかる。32分、ガンバ守備同士のパスミス。これを小柏が拾い、ゴール中央からドリブルシュート、GKの手をはじくようなシュートを決める。アウエーで札幌が2−0とリード。

 42分、浅野が変だ。菅とのやり取りも「うまくいかない」。43分、浅野OUT馬場IN。アディショナルタイム2分。主審はここまで「カード」は出していない。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「ボールを奪った後の切り替えを早くすること」、「セカンドボールの回収の部分で負けないこと」


■ガンバ大阪のダニエル・ポヤトス監督のコメントはチーム発表なし


 後半も札幌の勢いは止まらない。CKは福森、ドリブルでの突破は小柏、小林、金子、宮澤、荒野。守っては田中駿、岡村。菅がどこへ行ったか、見当たらない。それぞれの相手マークはひずみが無い。うまくいっているんだろう。

 11分ガンバの選手交代。福田OUTダワンIN、山本OUT石毛IN。流れが変わったか14分、ガンバの1点目。DF半田がMFネタラ・ヴィのパスを受け、札幌DF陣の裏を取る。ペナルティーエリアの手前で右へパス。中央に走り込んだMF石毛が丁寧にゴール右へゲットした。

 キツネにつままれたような失点。札幌にいた「武蔵」は、動こうとしないが、何かしそうな気配。

 16分、得点の動揺が収まらないときの第2波。DFの黒川が持ち上がってきた。MFの杉山がフリーで反応、札幌は鈴木武蔵の突進に気を取られたのか、待っていたMFファン・アラーノが押し込んだ。札幌は浮足立って「なすすべを失っていた」。

 21分、福森がFKの後、ガンバDF半田にタックルされ、足を押さえてピッチに倒れ込む。半田にイエローカード。この後25分ごろから両チームに選手交代。札幌は福森OUT中島IN。宮澤OUT中村IN。ガンバはファン・アラーノOUT食野IN。

 26分過ぎからは、互いの守りを優先する。顕著なのはガンバのFW武蔵のポストプレー。札幌はDF田中駿からの展開を狙う。ガンバのダニエル・ポヤトス新監督(44、スペイン)、札幌のペトロビッチ監督(65、オーストリア)も、独特の監督像。

 その後も両チームの選手交代が続く。36分、札幌は小林OUTスパチョークIN。41分中村がガンバDF石毛を後ろから倒しイエローカード。41分、ガンバは杉山OUT山見IN。黒川OUT福岡IN。これで札幌4人、ガンバ5人。交代もほどほど。あまり見た事の無い主審のカード(黄色)も1枚づつ。主審はそれほどVARの方を見ていなかったようだ(これは取材者の見逃しかな?)。

 札幌が後半に追いつかれ、2−2の引き分けで試合終了。札幌は勝ち点5で11位、ガンバは勝ち星がないものの順位をひとつ上げ、16位になった。

 シュート数は、札7―7ガ、CK札6−3ガ、FK札12−21ガ 、PKなし。

 札幌の次戦は、YBCルヴァンカップ・グループA組、北海道コンサドーレ札幌対ジュビロ磐田戦は、3月25日午後2時からヤマハスタジアムで行われる。

 明治安田生命J1リーグ第6節北海道コンサドーレ札幌対川崎フロンターレ戦は、4月1日午後7時から札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「両チーム非常に素晴らしいゲームをした試合だったと思います。前半は我々札幌が相手を上回る中で2得点をしてリードした。後半は相手が盛り返す中で我々が2失点して、最終的には2−2の引き分けに終わった。非常にアップテンポなインテンシティーの高い、タクティカルな面白いゲームだったと思います。両チームともが全力を出し合い、ハードワークをし、そして見ている方々に面白いサッカーを見せられた試合だったと思います」


■ガンバ大阪のダニエル・ポヤトス監督のコメント(一部抜粋)
 「やはり非常に難しい試合だったと振り返っています。やはり一番最初のセットプレーで点を入れられたところはすごくダメージがあったなと。それと同時に、札幌さんが気持ちよく快適になってプレーをさせたなと思っています。2点目に関しては、サッカーでは必ずこういうこともあると自分自身は思っています。後半に関しては、選手たちが『勝ちたい、なんとかしたい』という気持ちが入った自分たちのプレーを展開していってくれたと思います。あと少しで逆転までいったんですけど、選手たちは非常によくやってくれたと思います。私たちは毎日、しっかりと努力し続けていく、毎日を良くし続けていくことをこれからもしたいと思います」

池田淳