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J1第14節(5月14日)、アウエーで磐田に2−1と逆転勝利。8位に浮上

22・05・24
 ミシャ=駒井と7年余「アリガトウ」

  いつも・どこかにいる「君に捧げる」


 ミハイロ・ペトロビッチ監督が、きっと一番喜んだろう。「ブラボー」と「ありがとう」だ。駒井善成が、すかさず「薬指にキッス」空一杯に「己を投げ出した」。

 何となんと、野々村芳和と名波浩の二人だけに分かる「サッカーの感激」にも似た「わが感動でもあった」。

 だからスキは、5月22日夕闇迫る湘南のサッカー街道にあるジュビロ磐田、ピアノとエンジンのヤマハスタジアムで行われた。スタンドには北海道コンサドーレ札幌の赤黒のユニホームも見える。一言で熱い。好天、気温26.3度(北海道では真夏)、湿度36パーセント。

 そこに現れたのが「ブラックマン(3rdユニホーム)の一団」。スタメンを見て2度目の「びっくり」。GK菅野孝憲、DF宮澤裕樹(累積警告で出場停止)、福森晃斗、MF高嶺朋樹、FWガブリエル・シャビエルの4人がいない。さーミシャの「お点前拝見」。

 磐田のホーム・ヤマハスタジアムは、1万5千165人のキャパシティーに、8千279人。かなりの賑わいを感じた。審判団は、Jリーグ担当11年目で通算215試合登場の上田益也主審(39、愛知県出身)。副審(線審)は田尻智計、森川浩次、第4の審判は山村将弘、VAR佐藤隆治(主審格)、AVAR渡辺康太。15時03分、札幌のキックオフで始まった。

 札幌のスタメンはGK大谷幸輝、DF田中駿汰、岡村大八、中村桐耶、WBルーカス・フェルナンデス、菅大輝、MF深井一希と駒井善成、トップに青木亮太。シャドー右は金子拓郎、左は荒野拓馬。サブGK中野小次郎、DF西大伍、MF檀崎竜孔、田中宏武、FWガブリエル・シャビエル、ミラン・トゥチッチ、ドウグラス・オリヴェイラ。

 一方、磐田はGK三浦龍輝、DF山本義道、伊藤槙人、袴田裕太郎、リカルド・グラッサ、MF上原力也、鹿沼直生、遠藤保仁、FW杉本健勇、松本昌也、ファビアン・ゴンザレス。控えは、MF山本康裕、吉長真優、FW大津祐樹、吉川陽介、大森晃太郎らで、7人が交代選手として登録している。

 キャプテンマークは札幌が荒野、磐田は上原が巻く。札幌は開始直後の2分、青木が仕掛けてペナルティーエリア内の荒野にパス、シュートを狙うが、DFに防がれた。最近キックオフからのチャンスを「よく見る」が、ドキッとするだけ。

 8分に逆に磐田がCK得る。キッカーはガンバから3年目のエース遠藤。札幌ゴールの右側からのキック。遠藤は右足でインカーブのボール。GK前の中央に上げ、混戦の中から、磐田DF山本義道が押し込んで先制点。

 札幌は中盤の深井から駒井−荒野のパスワークと、青木−金子、中村の単独ドリブル攻撃などで、応戦の構え。さらに右のルーカスからの切込みが何度か防がれる。

 そして28分、右ルーカスがドリブルでエリア内へ。反対側には相手DFと深井が競り合いながら中央に。ゴール正面の「一瞬の勝負」。一足先に深井。ルーカスのパスを逃さず右足でゲットした。1−1の振り出し。相手・遠藤のCK、FKに「悩まされ」ながらも、後半につなげた。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「相手の背後を狙っていこう」、「後半の立ち上がりを意識して」


■ジュビロ磐田の伊藤彰監督のコメント
 「ラインを下げすぎない」、「サイドしっかりプレッシャーかけよう」、「最初の15分パワー持って入ろう」


 両チームとも後半スタートの選手交代は無し。4分、札幌に得点の兆し。福森のいない札幌はCK、FKは「ルーカスの見せ場」。4分、磐田陣内でFK。中央にはFWの位置に入った岡村の高さ(182センチ)勝負。しかし、ヘディングシュートは枠外に。

 今度は磐田・遠藤のFK。耐空時間の長いキックは、落下点の両者の争い。「どっちに転ぶかナ」、なんとか札幌DFがクリアする。

 10分、背番号24中村のドリブル突破。ハーフウェーあたりからボールを持ち込み、背番号11青木へ。隣に荒野がいない。空いたスペースに走り込んだのは駒井。ゴール中央にヘディングシュートが決まった。札幌が逆転に成功。背番号14が「天を仰いで報告」。今年初めての得点を見た。

 ここから両チーム選手交代が始まった。磐田は規則正しく5人全員が「計画通り」交代。何か間延びしたゲーム。札幌は、守備固め田中駿と西大伍。中村OUTオリヴェイラINの二組だけか―。が、40分GK大谷にアクシデント。「大丈夫かナ?」と思った直後、GKは中野小次郎に交代。ホッとした時には、アディショナルタイム6分。主審が52分に終了の笛を吹いた。

 シュート数は、磐4−10札、CK磐6−3札、FK磐9−16札、PKなし。
                                 
 2022明治安田生命J1リーグ第15節北海道コンサドーレ札幌と柏レイソル戦は、5月25日午後7時から札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「今日のゲームは予想どおり難しいゲームでした。磐田さんは素晴らしいチームですし、しっかりと準備してやることが明確になっているチームです。それに加えて出場停止やケガ人が多くいる中で、なかなか選手がそろわない中での戦いであることがさらにこのゲームを難しくしたと思います。

 試合の入りにいきなりCKから失点して、その後15分、20分くらいはボールは握れていたけど、攻撃が出せない中で途中から荒野(拓馬)と駒井(善成)のポジションを変えました。そのことで我々がゲームを支配出来る展開になったと思います。

 荒野が中心となるビルドアップ、そして駒井は前線で起点になりながらコンビネーションを活性化させた。そういう中で同点に追いつき、ハーフタイムに入って後半も立ち上がりに危ない場面が一度ありましたけど、それ以外は比較的我々が良い形でチャンスも作れていましたし、相手のビルドアップにも前から行って蹴らせて、セカンドボールの回収も出来ていた。そういう意味では、チャンスの回数やゲームをコントロール出来たところを踏まえれば、我々が勝利に値するゲームが出来たと思っています」


■ジュビロ磐田の伊藤彰監督のコメント(一部抜粋)
 「ヤマハスタジアムで負けてしまったこと。これから我々がホームでもっと絶対的な強さを出していかなければいけない。もっと気持ちの部分やチームとしても向上していかなければいけないと感じています」
池田淳