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ルヴァン杯C組第4節(4月13日)、アウエー京都に2−3の逆転負け

22・04・15
 選手に乗り移った調篤弔虜

  磨けば磨くほど人は「強くなる」


 ミハイロ・ペトロビッチ監督は「両チームで合わせて5点が入る、良いゲームでした」。この一言が「私の学生時代を思い出させた」。いつものイレブンの2人が欠場した。一人は虫垂炎、もう一人が骨折。監督いわく「来るなというに、2人が見てるぞ」。

 4月13日に2年目の曹貴裁監督が「陽性」(新型コロナウイルス)。緊急時に長澤徹ヘッドコーチと杉山弘一コーチ。それぞれの役割分担。オンラインで3者の「作戦」が出来上がった。

 「よし分かった」で、杉山コーチは「監督代行」。長澤ヘッドCは「ピッチを見渡せる」ところからの指示。試合は札幌が2点を先行、このまま決まりそう。ところが「5点も入った」。そこがチームゲームの「積み重ね」。危険が迫るほどに「あいつがいたら」が、チームを「育てる」。さあー「5点の行方」が判る試合が始まるゾ。

 2022JリーグYBCルヴァンカップ・グループリーグ第4戦、Cグループ京都サンガF.C.対北海道コンサドーレ札幌戦がサンガスタジアムbyKYOCERAで行われた。

 18時33分、曇り空、気温19.1度、湿度67パーセント、観衆は2千894人。審判キャリア10数年の柿沼亨主審(40、埼玉県出身、J2キャリアを積んでJ1定着へ)のホイッスルで札幌がキックオフ。

 4月10日にJ1勝利数100勝を達成した札幌は、荒野拓馬をピッチ・キャプテンに「若手を投入」。アッと驚く立ち上がり2分に札幌MFルーカス・フェルナンデスが先取点を叩き込んだ。

 札幌の布陣はGK中野小次郎、DF井川空、岡村大八、中村桐耶の3バック。右のWBにはルーカス・フェルナンデス、左は田中宏武。中央に荒野拓馬、西大伍。右シャドーに青木亮太、左シャドーはドウグラス・オリベイラ、トップにミラン・トゥチッチ。得点狙いの若手起用で「まず1点」。控えにはGK松原修平、DF西野奨太、MF檀崎竜孔、FWは藤村玲、ガブリエル・シャビエル、漆館挙大、中島大嘉。FWが全体に厚い。他に興梠慎三、小柏剛、菅大輝、金子拓郎ら、点取り屋が生まれてくれればうれしい。

 京都の方は、スタメンより「待ってました」に良い選手(ハートのある)がいたようだ。GKマイケル・ウッド(2020東京五輪ニュージーランド代表)、DFメンデス、アピアタウィア久、本多勇喜、長井一真、MF福岡慎平、金子大毅、FW豊川雄太、田中和樹、イスマイラ、大前元紀。控えは7人の内、6人が交代出場した。

 前半、札幌は2分にルーカス先制の後、20分にはDF岡村が得意のヘッドで追加点。2点リードで勢いに乗る。しかし、ホーム京都は、背番号10のMF福岡が前半24分に1点を返し、前半は2−1で終了。

 後半は京都が立ち直りを見せてきた。前半に選手交代をした中野桂太が、後半26分、札幌ゴール前の混戦から、GK中野の股下を抜いてゲット。2−2の同点に。

 さらに後半21分に交代出場していたFWマルティノス(31、キュラソー出身、日本ではマリノス、レッズ、仙台、山形でプレー)が、札幌ゴール前で、荒野と1対1。荒野は抜き切らなかったが、左足を振り抜いたボールはカーブしてネットを揺すった。

 残り15分で逆転、札幌は「あっ気にとられた」感じ。こんな場合、ミシャは選手に「何ていうだろう」。もう監督の指示も「聞こえない」、己の「生きざまや集大成のリキ」が、必要なのではないか。自問自答の1戦に久しぶりに出会った一戦だった。

 シュート数は、京17−13札、CK京0−7札、FK京12−17札、PKなし。

 2022明治安田生命J1リーグ第9節北海道コンサドーレ札幌対FC東京戦は、4月16日午後1時から札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「両チーム合わせて5点が入る、良いゲームでした。前半は我々が2点より多く取れるチャンスが複数回ありましたが、そこを決めることで試合を決定づけられたはずです。そこを決められませんでした。後半に入り、若い選手が多く出ていた中で疲れも出てきて、相手の交代選手がチャンスを作った中で決めて逆転し、我々はその得点機会を阻止することが出来ませんでした。次の(J1第9節)FC東京戦も考えて選手交代をしなければならなかった。ケガ人がいる中での先発メンバーと選手交代でした。選手は良いプレーを見せてくれたが、最後の決定力の差が勝敗に表れたと思います

(―2点リードから逆転負けとなったが、京都の印象について)
 「前半は我々が十分にチャンスを作れていました。相手の狙いがある中、そこを外してチャンスを作れていました。皆さんは、なぜ京都が勝てたか分かりますか? やはり京都のマルティノス選手が入ってきて、その質の差が結果に表れました。決定的な仕事ができ、彼のクロスから2点目、ゴールで3点目が決まりました。そうした選手が途中から入ってくることは脅威です。特に今日のような試合では、若い選手も多く出ていた中で、そうした差が出たと思います」


■京都サンガF.C.の杉山弘一コーチ(監督代行)のコメント
 「今日はできるだけスタッフの配置は変えないでやりました。長澤(徹)コーチは(スタジアムの)上から試合を見て、いつもベンチに入っている僕がインタビューや記者会見をやってこいと言われていますので、選手が今日の試合で最後までやり切ったように、僕も最後まで役割を果たしたいと思います

 試合前に(自宅の)諜裁監督とスタッフで(オンラインを通じて)さまざまなことを準備しました。スタジアムに来る前にもミーティングで画面越しで選手たちも話をして、ハーフタイムにもJリーグとクラブとで何ができるかを事前に聞いていて、やれる範囲で監督から話をすることができました」

 (―トップ下を置く布陣でスタートした序盤は前線からのプレスが掛からなかったが)
 「諜裁監督と連絡を取りながら、変えるところは変えていきました。監督がいつも言っているのは『選手を自立させたい』、『言われていることだけをやっているようではうまくいかない』ということです。それは僕たちスタッフにも言っています。いつも自分で何をするべきかを考えておくこと。ピッチではスタッフの声が届かないこともありますから、自分たちで判断してやっていくんだという話をしています。そういう意味で、今日は調篤弔いない中でマイナス面も大きかったけれど、選手たちが自立していく良い機会だと捉えた場合、すごくプラスなゲームだったんじゃないかと思っています。選手たちは最後まであきらめずに本当によくやってくれました。そして僕らスタッフがいつもと違ったことをやらずに、いつもどおりだったことが勝因だと思っています」

 (―途中出場から得点した中野 桂太選手とマルティノス選手について)
 「あの苦しい時間帯で点を取ったのがすべてだと思います。点を取った選手だけが素晴らしいのではなくて、ディフェンスラインは最後まで失点しないように頑張りましたし、中盤の選手もよく走りました。今後のことも考えての交代もありましたが、今日は出た選手が本当によくやったと思います。前半で交代した選手もいますが、良いプレーができた選手も、自分の中で課題があるなと思った選手も、絶対に今後につながるはずです。次のことを考えて進んでいきたいです」

 (―選手交代は杉山コーチが決めたのですか?)
 「いえ、選手交代は監督と僕らで相談をして決めました。そこも、いつもどおりですね。試合中にベンチで連絡をとれる状況で、そこもJリーグに確認をしていました。今日は監督の体は(ベンチに)なかったですが、いつもの強烈な存在感というのは僕の中ではまったく変わらなかったです(笑)。選手も画面を通して顔を見ることができたので、それほどいつもと変わらなかったと思います」

池田淳