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J1第8節(4月10日)、アウエー名古屋を2−0で一蹴

22・04・11
 ミシャ「青木とシャビエル」で勝利

  やっとJ1通算100勝目の「約束」果たす


 北海道コンサドーレ札幌が、「勝てない重圧を突き破った」。それも過去2年「勝った事の無い名古屋グランパスにアウエーで」。まずスタンドをびっくりさせたのがスタメン。「元名古屋一億円プレーヤーのガブリエル・シャビエルは当然。もうひとりは2020年まで名古屋に7年間在籍していた青木亮太」。ガブリエルは予測していたが、青木は報道陣もビックリ。これこそミハイロ・ペトロビッチ監督(愛称ミシャ)の「飴玉」。名古屋の空もびっくり気温23.4度、湿度20パーセント、飲水タイムに似た「水飲み場面」も見られた。

 2022明治安田生命J1リーグ第8節名古屋対札幌戦は4月10日午後3時から名古屋市の豊田スタジアムに1万3千106人の観衆を集めて行われた。札幌からも「100勝祈願」のプラカードを持ったサポーターの姿も見えた。

 試合の方は、国際審判・山本雄大主審(39、京都府出身)のホイッスルで札幌がキックオフした。

 札幌のスタメンはGK菅野孝憲、DF田中駿汰、宮澤裕樹、福森晃斗、WB(ウイングバック)は右の金子拓郎と左に菅大輝。中央には高嶺朋樹と駒井善成。FWトップはガブリエル・シャビエルと青木亮太と荒野拓馬。控えに7人が入っていたが、交代選手として出たのはルーカス・フェルナンデス、深井一希、中島大嘉の3人。

 名古屋はGKランゲラック、DF宮原和也、中谷進之介、藤井陽也、吉田豊、MFレオ・シルバ、稲垣祥、仙頭啓矢、FWマテウス・カストロ、酒井宣福、柿谷曜一朗。控えとしてDF森下龍矢、チアゴ、MF甲田英將、長澤和輝、阿部浩之、FW相馬勇紀。

 札幌はJ1リーグ通算100勝達成を目前に、今季はこれまで引き分け試合が続き前節はサガン鳥栖に5−0で破れ16位に後退していた。名古屋も12位と低迷している。

 前半は、両軍とも様子見の体制か、際立った「決定的な一発」は無く、暑さのせいもあって選手個々が、ピッチの周りに置いた「給水容器」に群がるシーンも見られた。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「ボールは前に運べている。最後シュートを打つところまで行こう」、「ゴール前で落ち着いてシュートを打つところまで行こう」、「最後の精度を上げてゴールを決めよう」

■名古屋グランパスの長谷川健太監督のコメント
 「狙いを定めて、いくときは迫力を出そう」、「自分たちから仕掛けて得点を奪おう」、「ホームゲーム、残り45分出し切って勝とう」


 後半は、名古屋が選手交代で始まる。仙頭OUT相馬IN。2分、ご当地出身の札幌の青木がWB菅に絶好のパスを出すが、DF吉田豊にクリアされる。さらに4分FKを得た札幌は福森が左足の高精度キック。ゴール中央になだれ込んでキャプテン宮澤が頭で突っ込み、先取点。札幌の荒野、金子、福森らの動きが激しい。

 16分に背番号18札幌のシャビエルが、「ヘッドの中島」と交代、追加点を狙う。名古屋も柿谷OUT長澤IN。札幌がどうやら「得意の形」を見せる。荒野が中盤でパスカットからドリブルで前進。それに合わせて動いた青木が左サイドでボールを受け、切り返しから右足でインカーブのクロス。ゴール前に入り込んだ「頭が武器」の中島が、名古屋のGKランゲラックの股下を抜いたヘッド。中島投入後2分の18分に2点目を追加し、「ミシャ采配ズバリ」。

 さらに23分、福森がFK。これも中島が頭でゴール前に折り返し、走りこんだMF高嶺が決めたが、主審がVARチェック。GK前になだれ込んだ札幌の白ユニホーム軍団が3、4人オフサイドトラップに引っかかっていた。

 25分から名古屋の交代2組(稲垣OUT阿部IN、吉田豊OUT森下IN)。札幌は32分青木OUT深井IN。さらに2分後には札幌・金子が担架に乗って退場。ルーカス・フェルナンデスが入る。

 さらに名古屋の酒井OUTチアゴIN。30分台からアディショナルタイム5分まで、イエローカードが3枚出された。厳格な山本主審、荒れる前のカード。両軍選手にはかなりの「お灸に」なったようだ。

 両軍のシュート数は、名8−札4、CK名7−札7、FK名18−札15、PKなし。

 次の試合は、JリーグYBCルヴァンカップで4月13日午後6時30分から京都市のサンガスタジアム by KYOCERAで京都サンガF・C・対北海道コンサドーレ札幌が行われる。

 2022明治安田生命Jリーグ第9節の北海道コンサドーレ札幌対FC東京戦は4月16日午後1時から札幌ドームで行なわれる。


■北海道コンサドーレ札幌の宮澤裕樹選手のコメント(一部抜粋)
 (―今季初勝利の感想は)
 「やっと勝点3をつかむことが出来て、ホッとしていると同時に、これまで引き分けが続いた状態の中、前節0−5で負けてしまったことでチームとしてダメージがあったので、それに対ししっかり気持ちを切り替えてチームとして向かっていって、勝点3を取れたことはうれしい結果だと思います」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日は、我々にとっていつも以上に難しいゲームでした。開幕から6試合引き分けで、前節鳥栖に大敗したあとの試合ということで、選手たちにはプレッシャーの掛かるゲームだったと思います。連戦ということもあり、分析や修正をする時間もないまま、今日の名古屋戦を迎えました。

 その中で選手たちは、メンタルの強さを示してくれたと思います。やはり前節のような大敗のあとは、どうしても怖がったりするものだし、まだ勝てていなかったので自信を失ってしまったりすることがよくありますし、消極的なプレーになってしまうことがサッカーではよくあることです。ただ、立ち上がりから選手たちは強い気持ちを持ってこの試合に臨んでくれたと思いますし、冷静にゲームを運んでくれました。非常にインテンシティーの高い、緊張感のある試合だったと思います。前半は、ボールを動かしながらチャンスを作ることを試みました。良いところまでは行きましたが、なかなかシュートまではいけませんでした。ただ相手の狙いがハッキリしている中で、そこを抑えながら試合を進めてくれました。

 後半に入って、より具体的にゴールを狙っていこうと話しましたけど、選手はその部分を修正してくれたと思いますし、セットプレーからの得点は我々にとって良い流れだったと思います。その後の2点目も良い流れになりました。最後は連戦の3試合目で選手たちはキツかったと思いますが、勝ちたいという気持ちを出して最後まで戦ってくれたと思います。試合を通して我々の狙いを出せていたと思いますし、今日は勝利に値するプレーを出してくれたと思います。

(―J1通算100勝目でしたが)
 「今季に入るときに、最初の勝利が100勝目だと知っていましたが、ようやく8節目にして達成出来てうれしいことだと思います。でもここまでかかるとは思っていませんでした。非常に苦しい中でつかんだ100勝というのは、我々にとって価値のあるものだと思います」


■名古屋グランパスの長谷川健太監督のコメント(一部抜粋)
 「なかなか仕掛けるというか、アグレッシブなサッカーに持っていけなかった。札幌のゲームに合わせてしまったなと思います。途中から3バックに変えました。1点を取られたあとに間延びしてしまって、このままだとゲームが難しいなと思い、システムを変えましたが、直後に失点ということで、取られる時間帯も悪かったですし、セットプレーからの失点が続いているので、しっかりと映像を見ながら修正していかないといけないと思っています。途中交代で出た選手は持ち味を出してくれて、あわやというシーンは何回か作れたので、出来れば我慢する時間帯に我慢することと、札幌のような独特なスタイルのチームに対しても、もっとアグレッシブに行けるように、守備の練度がまだ足りなかったと思うし、こちらとしても落とし込み切れなかったので、もっと行くときには激しく行けるように、チームとして仕上げていかないといけないと思っています」

池田淳