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J1第33節(11月11日)、ホーム150勝を懸けたF東京に0−1で敗戦

20・11・13
 俊足・永井にやられた

  FC東京に勝運の贈り物

 北海道コンサドーレ札幌は11月11日、東京・味の素スタジアムでFC東京と対戦した。ミシャ監督は「たった1本の好パスにやられた」。0−1で白星を献上した。札幌は10月31日、対ガンバ大阪戦で1−2の惜敗。同じような「負け続き。上位を争うチーム」にマンマとやられた。札幌の「ACL出場」の希望が消えた。両チームには「勝ち運の贈り物」をしてしまった。

 「11とは十一で、プラスとマイナス=電池の日という。さらに11対11(人)でサッカーの日とも。本WEB紙も、この日を月間の発行日としている」(道新の北海道社会科教育連盟の1735の問題から)。そう言えばFC東京の永井謙佑の背番号も11だった。

 2020明治安田生命J1リーグ第33節は11月11日午後7時から、アウエーの味の素スタジアムで、6位のFC東京と対戦した。札幌は13位ながら、11月3日、今季1敗の首位川崎フロンターレに2−0で土をつけた勢いで、4連敗中のF東京と対戦した。スタジアム(4万8千955人収容)には、6千357人の観客。天候は晴れ、気温11.1度、湿度35%の絶好のコンディションながら、芝はスリッピー。昨年のルヴァンカップ決勝を吹いた荒木友輔主審(34=東京都出身、国際審判)の笛で、午後7時3分札幌・荒野拓馬のキックオフで始まった。

 札幌はGK菅野孝憲、DF田中駿汰−キム・ミンテ−福森晃斗、MFのボランチには宮澤裕樹と高嶺朋樹。両ワイドのMFは菅大輝(PCR判定で陽性で静養中)に代わり、左にルーカス・フェルナンデスと右に金子拓郎。トップ3には荒野−チャナティップ−駒井善成の3−4−3(コンサドーレ発表は3−5−2)。荒野が中盤に下がっている。控えには川崎戦で1得点の主役・アンデルソン・ロペスと2得点目の荒野にキラーパスを出したドゥグラス・オリヴェイラ。さらにFWジェイ、MF白井康介らが入っていた。

 F東京の布陣は、と行きたいところだが、長谷川健太監督が続投を披露、来期は4年目の采配。布陣は4−4−2で、GK波多野豪、DFは11年目の森重真人、5年目の小川諒也、2年目の渡辺剛、ルーキーの中村帆高(明大出)を入れている。MFは内田宅哉、アルトゥール・シルバ(2年目=ブラジル出身)、ルーキー安部柊斗(明大出)、FWは左に永井(31=名古屋から4年目)、センターにディエゴ・オリヴェイラ(3年目=ブラジル)、レアンドロ(1年目・鹿島3年=ブラジル)。5年目の三田啓貴が、この試合サブに回り内田がスタメンに入った。

 J1でホーム150勝が懸かったゲームで、何かテンションの高さを感じさせる「守って、一発で勝負」という、「守りからの展開だった」。

 札幌は、左サイドに入ったルーカスとチャナティップからの「遅攻」と中央の荒野が自在に展開する「パスサッカー」で、右サイドのワイド・金子の直線的な突破を絡めて、6対4の攻守の戦い。

 何度か繰り返すうちに、F東京の守備陣形が整ってきた。札幌がセンターラインの相手側で「ハイプレス」を展開するが、札幌が攻めあぐむ。

 19分、札幌がボールを保持し、左FWの永井と札幌DF田中が1対1で間合いを取りながら、中央付近に縦パスを入れる。このパスをカットしたDF森重からMF阿部に渡りセンターライン自陣から、永井にスルーパス。ボールは最終ラインにいた宮澤の足元を抜け裏へ走る。追いついた永井が、札幌ゴールマウスに突進。右足でGK菅野とゴール右ポストの間に打ち込んだ。シュートは強烈なスピードでネットを揺らした。ゲットタイムは21分だった。F東京の先制ゴールの今季の勝率は91.7パーセント(22分飲水タイム)。

 25分に再開。札幌がチャンスをつかんだ。右サイドの金子が中央に浮く球を入れた。左サイドのルーカスに達し、ペナルティーエリア内に折り返す。ゴール前に走り込んだのは、宮澤。スライディングで飛び込むもゴールマウス右側をわずかに外れた。体を張ったプレーも決定機を逃す。

 31分チャナティップを中心にボールが回る。ピッチ上で足を気にするそぶりから、座り込む。32分、Aロペスが出場準備。33分Aロペスがトップの位置に入り、駒井、荒野がトップ下。福森がCK、FKを任され、ルーカスのドリブル突破は相手DFに抑えられる。

 42分には高嶺がF東京のアルトゥール・シルバの突進を手で抑え込み、イエローカードを提示される。前半のアディショナルタイムは2分を表示したが、F東京が1点リードのまま前半終了。

【監督のハーフタイムコメントは両チームとも公式発表なし】

 ハーフタイムで札幌はMF高嶺とDオリヴェイラが交代し、Aロペスとの2トップ布陣に。一方、F東京は交代なしで後半に臨む。

 23分の飲水タイムまで札幌が猛攻を仕掛けるが、F東京の固いディフェンスに遭い、得点には至らない。30分にはF東京が永井とアダイウトン、Dオリヴェイラと原のFW同士が交代。

 31分には荒野に代わってFWジェイが入る。来日後38歳にしてJ1で100試合出場を果たしたが、投入はちょっと遅かったようだ。42分にはLフェルナンデスと白井が交代したが、依然として決定機を作り出せない。F東京も内田と三田がチェンジ。ついに大詰めの感。

 43分、札幌GK菅野がF東京アダイウトンをスライディングで倒しイエロー。アディショナルタイムは4分。49分札幌最後のチャンスは右CK。福森が左足のインスイングキック。最後はF東京GK波多野にがっちりキャッチされ、札幌はノーゴールで終了。FC東京はJ1ホーム150勝を達成した。 

 次の2020明治安田生命J1リーグ第27節は11月14日午後2時から、札幌ドームで、北海道コンサドーレ札幌(13位)とサガン鳥栖(15位)の試合がある。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日は立ち上がりから攻撃的でアグレッシブにボールを奪う、我々のサッカーを90分通して見せられた。相手のチャンスは得点シーンのみだったと思うが、我々は3回、4回あった決定機を決められなかった。最近は内容もよく、結果も徐々についてきて継続したかったが、残念ながら今日は内容と結果が伴わなかった。ただ、選手たちは自分たちのサッカーを十分表現してくれたと思います」

■FC東京の長谷川健太監督のコメント
 「辛抱強く戦って、みんなでホームで戦おうと。最後まで粘って戦ってくれたと思います」

(—200勝を達成した監督同士の対戦でしたが)
 「ペトロビッチ監督率いる札幌に勝てたことは非常にうれしい。切るか切られるかという試合を毎回やることになるので、今日も一瞬の集中力を切らせばいつでもやられる展開でした。こういう形でペトロビッチ監督率いる札幌と戦えたことは、チームにとって良かったと思います。今日は選手の頑張りに感謝したいと思います」
池田淳