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J1第10節(8月15日)、首位川崎にホームで1−6の大敗

20・08・17
 上写真/試合開始早々の1分、負傷が癒え先発した札幌DF福森(5番)が川崎FW宮代を背にボールをキープ、右MF荒野、左は川崎MF守田(6番)。福森は先発したものの、感が戻らないためか精細を欠き後半14分、アンデルソン・ロペスと交代した

 (写真はいずれも8月15日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 MFに「7人の侍」が出たぞ

  川崎に6失点は後半の大失敗

 
 2020年明治安田生命J1リーグ第10節は8月15日午後2時から札幌ドームで、無敗の1位・川崎フロンターレと北海道コンサドーレ札幌(9位)の間で行われた。

 ドームのスクリーンには、GK・DFの4砦に続きMFの「7人の侍」が並んでいる。ペトロビッチ監督が、昨季優勝の横浜F・マリノス戦に今季勝利した時に使った新戦法「ハイプレス」に続き「複数技術」を駆使する「ポリバレント」(ユーテリティープレイヤー)のことで、この日はトップにチャナティップが登場、前半川崎に1点リードされた後、相手ゴールのバーに当たって跳ね返る「1点もの」のシュートも見せた。

 結果は後半につぎ込んだFWジェイの1得点に留まり、川崎4年目の鬼木達監督(46=千葉県出身)は「1試合ごとに成長していく選手が頼もしい」と言い、札幌の選手交代を突いて、小林悠、ルーキー三笘薫を投入、トラッピング一つで抜き去る技術と、狙いどころをたたえていた。

 試合は5千人の限度いっぱいと思わせる4千601人で、右側のゴール裏に主催企業の「ISHIYA」の椅子席いっぱいの広告で埋め尽くされた他は、2席を1人の割り当てで、赤黒のサポーターで埋め尽くされた。屋内の温度は22.4度、湿度67パーセント、通常の雰囲気。4人の審判団の木村博之主審(38=千葉県出身、その後に札幌で小中高から大学までサッカーを続けた)は国際審判で若手のホープ。午後2時3分、札幌のチャティップのキックオフで始まった。

 札幌は前節からDF高嶺朋樹、FW鈴木武蔵が抜けて、DF福森晃斗と、MF小柏剛が入った。小柏は明大在学中で22歳のJリーグ特別指定選手。武蔵は海外チームからのオファーがあり「準備中」。GK菅野孝憲、DFは右から進藤亮佑・宮澤裕樹・福森。MFルーカス・フェルナンデス−荒野拓馬−深井一希−菅大輝−駒井善成−小柏剛−チャナティップ。一方の川崎は、DF車屋紳太郎ら6人の変更があり、主力では小林、三笘、大島僚太らが外れた。

 札幌は中盤の荒野・深井の連携や宮澤が攻撃参加するなど攻撃的。小柏の小技からチャナティップに展開、ゴールを脅かす攻撃も見られた。この後、深井がレイトタックルでイエローカード、荒野とのコンビが崩れかけた。(24分飲水タイム)

 前半35分、川崎が札幌のペナルティエリア右外側からのフリーキックを得た。札幌ゴール前は両軍入り乱れて10人ぐらいの陣取り。GK菅野の右側に浮いたボールをDF車屋(178センチ)が頭で叩き込んだ。0−1の川崎リードで前半終了。


 【監督のハーフタイムコメント】
■札幌のペトロビッチ監督のコメント
「セットプレーでの失点はもったいなかった」、「ラストパス、ラストシュートの精度を意識してプレーしていこう」

■川崎の鬼木達監督のコメント
 「前半の1点は忘れて、立ち上がりからしっかり入ろう」、「ボールを奪った後はまず前を選ぼう」、「相手を押し込んでサッカーをしよう」


 後半は小柏とFWジェイが交代。川崎は田中碧、三笘がイン。この5分後、三笘が中央ライン付近からのパスを受けて右側から進入、GK菅野の左サイドを抜き2点目。さらに10分川崎のエース、レアンドロ・ダミアンがゲットした(今季自身5点目)。

 14分に札幌は福森とFWアンデルソン・ロペス、進藤から中野嘉大に交代した。さらに川崎の攻撃は続く。18分三笘がこの日2点目。19分には脇坂と交代で小林も投入、小林は42分と、アディショナルタイム5分に連続ゴール、6得点目を挙げた。
 
 札幌の得点は後半34分、宮澤−チャナティップと渡り、ジェイがうまい抜け出しから得意の左足でゲットするも、反撃はここまで。

 今節1−6と大敗したが、札幌の最多失点記録は7点。ガンバ大阪など2チームから被っている。川崎の最多得点は7得点。2018年第26節札幌戦で挙げている。

 2020年明治安田生命J1リーグ第11節は8月19日午後7時30分から札幌市・厚別公園競技場で、大分トリニータと北海道コンサドーレ札幌の対戦がある。


 上写真/前半10分、川崎左FKからDF谷口(5番)の攻撃を懸命に防ぐ札幌DF宮澤(中央)、MF荒野(左)ら、右端MF深井(8番)


 上写真/前半16分、札幌右からの攻撃でMFルーカス・フェルナンデスのパスは大きすぎ、小柏(右)を越えて川崎DFジェジエウ(中央)に奪われる。左札幌MFチャナティップ(18番)、特別指定選手の小柏は2試合連続で先発に起用されたが、前半だけでFWジェイと交代した


 上写真/前半18分、札幌MF駒井(14番)が強烈なミドルシュートを放つが惜しくもゴール左にはずれ先制のチャンスを逃す、中央小柏(35番)、右端川崎DFジェジエウ


 下:上段写真/後半5分、川崎MF三笘(18番)が追加点を上げる、札幌GK菅野、すべり込んでいるのはDF進藤(3番)、8番は川崎MF脇坂
 上:下段写真/後半10分、川崎FWレアンドロ・ダミアン(9番)が3点目を上げる。スライディングしているのは札幌MF菅(4番)、中央8番は川崎MF脇坂。失点の直前、ダミアンのシュートを札幌GK菅野(左端1番)が一旦はクリアしたが、札幌DF宮澤(10番)に当たってゴール前にこぼれ、再びダミアンに押し込まる形となった


 上写真/後半12分、札幌の攻撃でMF菅からチャナティップ(18番)へのパスはちょっと大きくなりつながらず、川崎MF守田にクリアされる


 上写真/後半20分、札幌MFアンデルソン・ロペス(11番)がドリブルで突進するも、川崎MF守田(6番)にスライディングを受けスローインに逃げられる


 上写真/後半34分、札幌FWジェイ(48番)がMFチャナティップのスルーパスから、ドリブルで持ち込みゴールし一矢を報いる、左川崎DF谷口(5番)

■北海道コンサドーレ札幌のジェイ選手のコメント
 「相手はもちろん強かったが、我々も力を出したかった。だが、それが出来ずみんなもショックが大きかったと思う。今後の試合で取り戻したい」


 上:上段左側写真/後半42分、川崎MF小林(11番)が5点目を決め両手を上げて喜ぶ、右はガックリの札幌MF駒井

 上:上段右側写真/後半追加タイム5分、川崎MF小林(手前)に6点目を決められる。札幌GK菅野は、はずみで名古屋城の“金の鯱(しゃちほこ)”のようになってしまった、何かこの日の試合を象徴しているようだ

 上:下段写真/川崎に1−6のまさかの大敗にガックリの札幌の選手たち、右からFWジェイ(48番)、MFチャナティップ(18番)、GK菅野、MF荒野(27番)、アンデルソン・ロペス(11番)、金子、DF宮澤、MF菅(4番)、中野、駒井(14番)


 上:左側写真/後半26分、飲水タイムの後、ポケットに手を入れうつむいて考え込む札幌のペトロビッチ監督

 上:右側写真/後半6分、追加点が入った為か、指示にも余裕が感じられる川崎の鬼木達監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「試合の中でわれわれのシュートがバーに当たる場面もありましたし、常にリードされた展開でしたが、選手たちは最後まで戦ってくれたと思います。ただ、時間の経過とともに運動量や球際で相手に上回られてしまった。相手のほうが連戦を戦う上での力があったと思うし、一方で我々にはまだそれだけの力がなかった。1−6という結果で敗れてしまい残念な試合ではあるが、こうした経験がこれから選手の成長につながってほしい」


■川崎フロンターレの鬼木達監督のコメント
 「ルヴァンカップのあとで、アウェイ、アウェイの中2日で選手たちはキツかったと思うが、前半は相手のアグレッシブさがある中で、立ち向かっていったことがこういう結果になったと思っています。この結果を残した選手全員に感謝していますし、今後もこれを全員で続けていければと思います」
池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影