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「池淳の岡目八目」コンサドーレの秘策を探る 5 名古屋

19・03・21
「トラウム」と「ブラボー」の戦い

 北海道コンサドーレ札幌は、3月30日午後2時から名古屋グランパスとアウエーの豊田スタジアムで対戦する。札幌は2勝2敗の勝ち点6で10位。名古屋は開幕3連勝で首位を保ってきたが4戦目でFC東京に敗れ勝ち点9で2位。

 名古屋を率いる風間八宏監督(57)は、静岡県出身で筑波大を卒業後、ドイツに渡り選手生活、帰国後はマツダSC(現・サンフレッチェ広島)でプレーしていた。その後筑波大監督などを経て独自の「トラウム・サッカースクール」を立ち上げた。Jリーグは2012年の川崎フロンターレに就任、16年まで率いた。

 17年には、初めてJ2に降格した名古屋の監督を引き受け1シーズンで復帰させる。18年のJ1は結果が出ず下位3グループからやっと這い上がる15位で、今季を迎えた。15人の補強を行い、川崎からのFW赤崎秀平(これまで3得点)は、筑波大監督時代の教え子。2得点のFWジョー(ブラジル)は18年からの期待の星。さらに監督の生きざまが分かるサッカースクール「Traum」はドイツ語で「夢」。北海道では旭川で筑波大で共にプレーした和田昇先生が受け継いでいる。


 【札幌の秘策】3月17日ホームでの鹿島アントラーズ戦1−3の敗退は、ペトロビッチ監督から笑顔を奪った。13日のルヴァンカップ戦でホームでのJ2V・ファーレン長崎に0−0の引き分け、今季のトランスファーの力量が試されるだけに、引き分けでも「ブラボー」は出なかった。

 鹿島戦は誰が見ても、大御所との力量を見せつけられた敗退。四方田修平Hコーチが大岩剛監督に続き、風間監督の筑波大先輩の2人の采配に挑む。いかに策略を見出せるのか、偵察力を発揮して欲しい。

 また、FW鈴木武蔵の日本代表入りの感動も伝わってきた。代表の森保一監督のミシャさんへの「思い切ったお礼の招集」ではなかったのか。

 JFAの国際試合は22日のコロンビア(FIFAランク12位)戦=日産スタジアム、26日のボリビア(同60位)戦=ノエビアスタジアム神戸。しばし、武蔵の試合に注目、30日にはミシャ監督の笑顔の「ありがとう」を聞きたい。「ブラボー」イコール「ありがとう」のニュアンスのある日本語も覚えた。風間監督と共にジャパンの今後の「トラウム」も。私自身もアジアのサッカーの行方を心配して、この世を去ったディトマール・クラマー氏を思い浮かべるからだ。
池田淳