コンサドーレ札幌ピックアップ情報

一覧に戻る

J1第21節(8月11日)、ホームでセレッソに追いつき、1−1のドロー

18・08・13
 北海道コンサドーレ札幌は8月11日にホームの札幌ドームでセレッソ大阪と対戦。試合は開始早々にC大阪がCKからDFマテイ・ヨニッチが頭で合わせ先制。しかし、札幌はその直後、MFチャナティップの豪快なボレーで同点。その後は互いに決定機を作るも1−1で終了。勝ち点1ずつを分け合った。

 札幌は前節の柏戦を落としたが、前半戦の11戦負けなしの貯金もあり1試合少ない状況でも暫定4位をキープ。対するC大阪は6戦未勝利ながら札幌と勝ち点1差で迫っておりこちらも上位をうかがうポジション。さらには4位から10位までの7チームの勝ち点差が3以内と接近しており、ドームに駆け付けた21,614人のサポーターの期待も高ぶった。

 試合は両チームのアグレッシブな姿勢が見え始めた前半6分に早速動く。C大阪が右からCKを獲得し、DF丸橋が左足でゴールに向かっていくボールを蹴り込む。それにニアで合わせたのがマテイ・ヨニッチ。ゴールライン上から戻りながらの動きから、うまく体をひねって頭で合わせ先制。札幌は出鼻をくじかれる展開となる。

 しかしわずか1分後、ホームの札幌がすぐさま同点に追いつく。前半7分、札幌がセンターサークルから左サイド高い位置を取っていたDF石川にロングボールを供給。石川はヘディングワンタッチで中央へ折り返すとペナルティーエリア手前でチャナティップが右足でボールをトラップ。少しボールが跳ねたが、落ち際のボールを左足で叩くボレーシュートを放つと、ドライブのかかった美しい軌道でゴールネットを揺らし1−1。

 突き放したい札幌は前半34分、MF菅がハーフライン左からペナルティーエリア内へ相手DFの背後を突くロングボールを入れる。これにオフサイドラインぎりぎりで反応したMF駒井がスピードに乗りながらトラップするも飛び出して来たGKにキャッチされチャンスを逃す。

 直後にはC大阪の攻撃、前半35分、ペナルティーエリア左外でボールを受けたDF丸橋が、対応したDFを左足のキックフェイントでかわし中央へドリブル。最後は右足でゴール右角に威力のあるシュートを放つも札幌GKク・ソンユンが右手ではじき出すファインセーブ。早い時間帯に動いた試合は、振出しのまま後半へ。

 後半も開始早々にC大阪にビッグチャンス。後半3分、中央右のFKを素早くリスタート。ボールを受けたMF清武は前線のFW高木へ絶妙スルーパス。高木はペナルティーエリア内でGKと1対1となるも、ク・ソンユンが体に当ててなんとかピンチをしのいだ。

 後半19分には札幌の攻撃。DFキム・ミンテからバイタルエリアで縦パスを受けたMF三好がうまくターンをして前を向き、右にいたFWジェイへパス。ジェイはペナルティーエリア内左のチャナティップへふわっと浮かしたスルーパスを出す。チャナティップはワンタッチで中央への折り返しを選択。これに3人目の動きで飛び込んで来た三好が合わせようとするもわすが届かず。シュートには持ち込めなかったが、今季の特徴である連動した動きとパスワークを披露した。
 
 終盤に向かいまたも決定機を作ったのはC大阪。後半38分、右サイドで途中出場のDF田中が中央へ横パス。ペナルティーエリア右でボールを受けたDF木本は見事なファーストタッチでゴール前まで侵入し右足でシュート。逆サイドを狙ったボールはわずかに枠を外れ、札幌は肝を冷やした。

 結局、前半のゴール後スコアは動かず1−1の引き分けでタイムアップ。試合を通してシュート数で見ると札幌8、C大阪18と攻め込まれる回数が多かった札幌だが、粘り強い守備が勝ち点1につながった。この結果、札幌は勝ち点31としたが1つ順位を落とし5位となっている。

 次節札幌は8月15日にアウエーのパナソニックスタジアム吹田で17位のガンバ大阪 (勝ち点20)と対戦する。

 (写真はいずれも8月11日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半6分、C大阪右CKから中央でDFマテイ・ヨニッチ(22番)がヘッドで流し込み先制する、その左札幌DFキム・ミンテ、FWジェイがついているが届かず。左端MF宮澤、GKク・ソンユン(25番)、MF深井(8番)、C大阪FW高木(13番)


 上写真/前半7分、同点ゴールを決めた札幌MFチャナティップ(18番)に駆け寄って祝福するMF宮澤、菅、DF石川(右端)、左端MF三好(41番)も走り寄る。奥でC大阪MF清武が渋い顔


 上写真/前半18分、C大阪右CKからのボールを札幌GKク・ソンユン(25番)がC大阪DFヨニッチ(22番)と競りながらパンチングで防ぐ。左からDF進藤(35番)、FWジェイ(48番)、MF三好(41番)、右端C大阪MFソウザ(11番)


 上写真/後半5分、札幌FWジェイ(48番)がゴール前に突進しようとするが、C大阪DFヨニッチ(左)とオスマル(43番)に阻まれる。奇しくも外国人選手3人がそろった


 上写真/後半24分、札幌MFチャナティップ(18番)の速い動きに、C大阪MFソウザ(右)もやりにくそう


 上写真/後半35分、札幌MF白井(手前)がC大阪のキャプテンで日本代表のMF山口と激しく競り合う


 上写真/後半35分、札幌FW都倉(右)のミドルシュートは、C大阪MFソウザ(11番)に当たりCKに逃げられる。中央はMFチャナティップ、左端C大阪FW高木(13番)


 上写真/後半41分、C大阪右CKからMFオスマル(43番)が札幌DF石川(32番)と競りながらヘディングシュートをするが決まらず。右へGKク・ソンユン(25番)、DFキム・ミンテ(20番)、C大阪FW高木(13番)、札幌MF駒井(14番)、FW都倉(9番)


 上写真/後半29分、選手たちに指示を出す札幌のペトロビッチ監督(右)とC大阪の尹晶煥監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「両チームともに最後まで勝利を目指した素晴らしい試合だったと思います。相手はやはり個の能力もそろっていて、厳しい戦いでした。その中で選手たちは最後までよく戦ってくれました。失点に関してはCKだったり、相手のチャンスはロングシュートと、相手に押し込まれる場面もありましたが、守備ブロックを作り、崩されてはいなかったと思います。その中でカウンターも出せましたし、三好(康児)のラストパスが通っていればもっとチャンスは作れたと思います。強い相手に対し、選手はしっかり戦ってくれましたし、引き分けは妥当な結果で、素晴らしい試合だったと感じています」


■セレッソ大阪の監督の尹晶煥コメント
 「早い時間帯に得点したのですが、そのあとすぐに失点してしまったので、悔いが残る試合でした。今日は3バックで試合に臨んだのですが、選手たちは初めてにもかかわらず、攻守ともによく理解してくれて、よくプレーしてくれたと思います。今日もチャンスはたくさん作ったと思います。得点からは遠ざかってしまっていますが、攻撃では連動性を見せてくれました。守備でもリスク管理を徹底してくれました。大勢の方々にご声援をいただいているのですが、それに応えることができず、本当に申し訳なく思います。連戦が続きますので、集中して良い準備ができるように、頑張っていきたいと思います」
編集部 写真はいずれも石井一弘撮影