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J1第19節(7月29日)、札幌が今季最多観衆の中、浦和に快勝!

17・08・01
 北海道コンサドーレ札幌は7月29日にホームの札幌ドームで浦和レッズと対戦。試合は前半32分にDF福森のCKをFW都倉が頭で合わせ札幌が先制、試合を優位に進める。後半、浮足立った浦和は最終的に9人となり、終了間際に新加入FWジェイが頭でダメ押し弾を叩き込み2−0。札幌が今季最多の33,353人の大観衆の前で強豪相手に完封勝利した。

 中断期間明けのリーグ後半戦を占う重要な一戦。札幌は現在J1残留圏内ギリギリの15位で、今日の結果次第では降格圏の16位となってしまう。この間、札幌はジェイやタイ代表MFチャナティップなどの補強を行っただけに、この浦和との戦いを浮上のきっかけにしたい。対する浦和も8位からの逆襲を狙っていた。

 試合は真夏のデーゲームではあるが、空調設備が整った札幌ドームということもあり開始から両チームともフレッシュな動きを見せる。開始2分には注目のチャナティップが浮き球を見事なトラップからキレのあるドリブルを見せ札幌ドームを沸かせる。しかし、札幌は前半7分、DF横山が競り合いのあとの負傷で、DF進藤がスクランブル出場。いきなり交代カードを使うことになる。

 浦和の攻撃は前半20分、右サイドからMF駒井がクロスを入れるもボールは逆サイドに流れMF関根に渡る。関根は敵陣深い場所で1対1を仕掛けDFをかわしてペナルティーエリア内にグラウンダーのクロス。これが浦和MF李にドンピシャでワンタッチシュートを放つもボールは大きく枠の外。札幌は命拾いした形となった。

 どちらに転ぶが分からない展開の中、前半32分札幌に待望の先制点が生まれる。左CKを福森が左足でゴールから逃げていくボールを入れると、都倉が浦和DF槙野と激しく競り合いながらも頭で豪快に合わせ先制、1−0とする。すると前半39分、札幌に追い風が吹く。都倉と浦和の槙野がもつれながら転倒し、立ち上がる際に都倉の顔面を槙野が蹴ったと見なされ一発退場。札幌1点リードで、相手は10人と優位な状態で試合を折り返す。

 浦和は、後半開始から3枚同時にカードを切り勝負を仕掛ける。しかしこれが浦和にとっては裏目に出る。後半4分札幌のCK、都倉と競り合った浦和DF那須がジャンプした後の着地で足を痛めプレー続行不可能に。浦和は交代カードを使い切ってしまっていたため9人での試合を余儀なくされる。さらに数的不利となった浦和だが後半9分にチャンスを演出する。敵陣中央左サイドから途中出場の宇賀神が右足でペナルティーエリア内へクロスを供給。途中出場のFWズラタンが頭で合わせゴールインかと思われたボールだったがポストに当たり浦和は同点とはならず。

 その後は札幌が攻め立てる展開となり、惜しい場面を作るなど浦和ゴールに迫る。簡単に追加点とはならなかったが、ついに試合を決めるゴールが終了間際の後半43分に生まれる。MFマセードがドリブルからペナルティーエリア右にいた途中出場MF小野へパス。小野はふわっと浮かした精度の高いクロスをファーサイドにいた途中出場のジェイへ送る。待ち構えていたジェイはスタンディングジャンプの高い打点のヘディングで決め勝負あり。そのまま2−0で試合終了となり、札幌ドームから大歓声があがった。これで札幌は5勝4分け10敗の勝ち点19で順位を14位に上げた。

 次節札幌は8月5日にアウエーのキンチョウスタジアムで現在首位のセレッソ大阪(勝ち点41)と対戦する。

 (写真はいずれも7月29日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半26分、新加入初先発した札幌MFチャナティップ(18番)が、日本代表クラスの浦和MF柏木(10番)、DF槙野(右手前)、MF阿部(右後方)の間をドリブルで駆け上がる。初陣にもかかわらず物おじせず、スピード感あふれるプレーを見せた


 上写真/前半32分、札幌DF福森の左CKからFW都倉(9番)が浦和DF槙野(5番)に競り勝ってヘッドで3か月ぶりのシュートを決めて先制する


 上写真/前半39分、浦和DF槙野(5番)がレッドカードで退場となる。この前のプレーで抱き合っている札幌FW都倉の顔面を足で蹴ったため。都倉にもイエローカードが出された。左端浦和MF関根(24番)、右端札幌MFマセード(23番)


 上写真/後半3分、札幌右CKからFW都倉(左から2人目)がヘッドで合わせるが、ゴールはならず。中央でFWヘイス(11番)と浦和MF阿部(22番)が激しくもみ合う。このシーンで後半から出場した浦和DF那須(左端の4番)が足を負傷、試合続行不能となり、浦和は槙野に続く退場者で9人での試合を余儀なくされた


 上写真/後半40分、札幌FW都倉(9番)がドリブルで前線に走り出すが、そうはさせじと浦和MF阿部(22番)が思わずユニホームを引っ張る


 上写真/後半43分、途中出場した札幌MF小野(44番)がFWジェイの初ゴールをアシストするふわりと柔らかいクロスを入れる。左浦和MF宇賀神(3番)


 上写真/強豪浦和を破りあいさつ後、先制点を入れてこの試合のMVPを獲得したFW都倉(中央)と初出場初得点したジェイ(48番)が肩を組みながらサポーターの声援に応える。右端は新加入初先発した“タイのメッシ”といわれるMFチャナティップ


 上:左側写真/後半41分、「あと少しだ、頑張れ!」とばかりに、選手を鼓舞する札幌の四方田修平監督
 上:右側写真/後半40分、札幌DF福森(手前)と浦和MF駒井のマッチアップで札幌ボールになったことに激しく抗議する浦和のペトロヴィッチ監督

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■浦和レッズのペトロヴィッチ監督のコメント
 「前半は非常にわれわれが強い気持ちを持って試合に入り、互角な展開だったと思います。その中でCKから失点をしてしまいました。その後、槙野がレッドカードにより退場し、1人少ない中で1点を追わなければいけない状況になりました。前半終わりごろの展開を見て思ったのは、1人少ない中でも追い付けるし、逆転までもっていけるという感覚もありました。3人のフレッシュな選手を入れて後半に入ったのですが、残念ながらすぐに那須がケガをしてしまいました。2人少ない中でしたが、そうした中でもしっかりとボールを支配して、相手ゴールに迫れる状況を作りました。選手たちは非常によく戦ってくれたと思います。

 あまりレフェリーのことを言うのは好きではありませんが、若干、われわれに不利だったと感じましたし、相手GKはもう数枚警告をもらっていいくらい時間を使っていた。言い訳をするつもりはありませんが、レフェリングについて私はそういう印象を受けました。こうした展開の中では、自分たちの目指す勝利をつかむのは難しいと思います。ここ最近、なかなか結果が出ない中で、今日のようなゲームは厳しい、痛い敗戦ではありましたが、下を向かず、敗戦を受け止めて立ち上がり、前を向いて進まなければなりません」

※この翌日7月30日付で、浦和を5年半率いたペトロヴィッチ監督が解任された。                            

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影