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J2第35節(10月8日)、札幌得意のウノゼロで手堅く水戸に勝利

16・10・11
 10月8日、ホームの札幌厚別公園競技場で1位の北海道コンサドーレ札幌対、13位の水戸ホーリーホックが対戦。札幌は前節の北九州戦も含め、アウエーでは4試合連続無得点で引き分けているがホームも含めた直近7試合では無敗。
 
 一方水戸は、前節ホームで山形に1−0と勝利。今季ここまでは14分けと、引き分けが多く勝ち点の取りこぼしで上位に食い込めていない。前節の勝利で、流れを引き寄せこの一戦に臨む。

 試合は、立ち上がりからホームで圧倒的な強さを誇る札幌がボールを支配し、水戸陣内に攻め込む展開となる。札幌の攻撃の中心にいたのがブラジル人MFのヘイスだった。前半開始からエンジン全開のヘイスは、前半4分に遠めの距離から直接フリーキックで狙う。右足で振り抜いた威力のあるシュートはドライブ回転でゴールバーを直撃。惜しくもゴールとはならなかったが何かやってくれそうな予感がした。

 すると直後の前半5分、札幌MF宮澤が相手ペナルティーエリア手前の左から低めのクロスをエリア内へ入れる。受けたヘイスは狭いスペースながらもフリーでトラップ。一度ボールが真上にバウンドし難しい体勢だったがアクロバットにジャンピングボレー。叩きつけられたボールがサイドに決まり、札幌が先制に成功する。

 追加点を狙う札幌は前半27分、くさびを受けた札幌FW都倉がペナルティーエリア手前でヘイスとワンツーから得意の左足でシュートを放つ。流れるような攻撃だったが水戸GK笠原の正面でゴールとはならず。反撃に転じたい水戸だがリーグ最少失点の札幌の守備を崩せず前半をシュート0本で終える。

 後半に入り追加点を狙う札幌は後半15分、MF堀米がハーフウエーライン左あたりからドリブルで進み、前線のFW内村へスルーパス。内村はワンタッチで中央の都倉へ折り返す。都倉はペナルティーエリア手前から左足でワンタッチのシュートを放つがわずかに枠の外。

 対する水戸は、徐々に流れをつかみだした後半21分、右サイドの混戦から粘ってパスをつなぐ。抜け出したFW平松がフリーでボールを受けペナルティーエリア右からドリブルで侵入しシュート。これは札幌GKクの好セーブでなんとかクロスバーの上へはじき出す。後半34分にも水戸の攻撃。ロングボールを札幌ペナルティーエリア付近で競り合い、こぼれ球が中央へ流れる。これに思い切り良く走り込んできた水戸MF内田がワンタッチの弾丸シュート。クの頭上を抜け一瞬「やられた」と思ったが、間一髪クロスバーに救われた。

 結局、札幌は追加点こそ奪えなかったが、持ち前の堅い守備で水戸の攻撃をシャットアウトし、1−0の完封勝利。最終的に水戸のシュートをわずか3本に抑える試合内容で、首位チームの強さを見せつけた。

 これで札幌は聖地厚別でホーム戦11連勝をつかみ、さらにホーム23戦負けなしのJ2タイ記録とした。アウエーでは、手堅く勝ち点1を持ち帰り、ホームでは勝ち点3をしっかり奪うという理想的な流れで、Vロードをひた走っている。
 
 次節札幌は10月16日にアウエーのニンジニアスタジアムで9位(勝ち点47)の愛媛FCと対戦する。

 (写真はいずれも10月8日、札幌厚別公園競技場、撮影・石井一弘)


 上写真/前半5分、札幌はDF福森(右端)からのパスを受けたMF宮澤(10番)がドリブル、中央で待っていたMFヘイス(左端)に絶妙なパスを出し、先制ゴールをアシストする。水戸MF兵働


 上写真/前半5分、札幌MF宮澤からのパスを受けたヘイスのトラップはちょっと浮いたように見えたが、この後、飛び上がるようにしてシュートを決める


 上写真/前半5分、パスを受けたヘイスのトラップで一度ボールは浮いたが、素早く飛び上がり右足のジャンピングボレーで先制ゴールを決める。手前水戸MF内田(22番)とDF福井(33番)


 上写真/前半5分、先制ゴールを決めた札幌MFヘイス(右)を祝福する石井(19番)


 上写真/前半19分、水戸の左からの攻撃に札幌MF堀米がFW平松(34番)と競り合いながらクリアー、スタンドのサポーターが固唾をのむ一瞬だ。札幌の選手左からGKク・ソンユン(25番)、DF増川(堀米の後方)、福森(24番)、右端水戸MF佐藤和(26番)


 上写真/後半24分、札幌MF前寛(16番)が水戸の選手に囲まれながらドリブルで前進、右でFW内村(13番)がボールの出しどころを指示する。水戸の選手は、左からMF湯澤(17番)、佐藤和(26番)、佐藤祥(14番)、DF田向(2番)


 上写真/後半追加タイム2分、途中出場した札幌MF中原(32番)は直後、水戸FW宮本(29番)と激しく競り合う


 上写真/水戸を1−0と下した札幌の選手たち、左からMF宮澤(10番)、中原(32番)、小野(44番)、FW上原、MF前寛(16番)、その後方にFW都倉、DF福森(24番)、堀米(31番)、GKク・ソンユン(25番)、DF増川(18番)、菊地


 上写真/前半43分、選手のイージーミスに「何やってんだ!」というような表情を見せた水戸の西ヶ谷隆之監督、右後方に札幌の四方田修平監督

※北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

■水戸ホーリーホックの西ヶ谷隆之監督のコメント
 「ゲームの最初の15分がすべてだったと思います。前半、相手にうちらしい前から行く姿勢が出せなかった。少し構えてしまった。もっと相手コートでサッカーをしたかったのですが、うちのコートでサッカーをする時間が多くなってしまった。盛り返せなかった中で、ワンチャンスを決められてしまいました。
 それ以外のところはある程度、自分たちのゲームプランの中でチャンスをつくることができたと思います。あとはクオリティーのところを上げて行かないといけない。そこを残り試合でしっかり追及していって水戸らしさを出せるようなゲームを続けていきたいと思います」。
      
(西ヶ谷隆之監督=静岡・清水商高から筑波大出。DFプレーヤーで1996年名古屋グランパス入団、98年アビスパ福岡、99年ヴェルディ川崎、2000年ジェフユナイテッド市原(現・千葉)、01年J2アルビレックス新潟で現役引退。03年筑波大コーチを振り出しに指導者の道へ。2015年水戸ヘッドコーチから柱谷哲二監督更迭で昇格)。

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影