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J2第9節(4月23日)、ホーム大歓声の中、札幌がC大阪に快勝

16・04・27
 4月23日、ホーム札幌ドームで行われた北海道コンサドーレ札幌対セレッソ大阪のJ2第9節。札幌は、後半から途中出場のMF稲本のゴールで先制すると、そのまま1−0の完封勝利。首位で乗り込んできたセレッソ大阪に今季初黒星をつけた。

 第8節時点で暫定4位の札幌(勝点14)が、無敗で首位のC大阪(勝点20)をホームで迎え撃つ形となったこの一戦。今シーズンの行方を占う上でも見逃せない試合に、21640人が集結。熱気で包まれる中キックオフとなった。

 試合は、立ち上がりからアウエーのC大阪がFW柿谷やMFブルーノ・メネゲウらが中心となり、厚みのある波状攻撃を仕掛けてくる。対する札幌は堅い守備からのカウンターで応戦し、前半はスコアレスで終える。

 後半に入り、ホームの札幌が積極的な攻撃を見せ始めると試合の流れが変化。攻守が目まぐるしく変わるオープンな展開に。C大阪は後半5分と後半8分に連続してブルーノ・メネゲウがシュートを放つが得点には至らない。札幌は後半11分に、MFジュリーニョがヘディングシュート、続く後半12分に、今度はFW都倉がクロスに頭で合わせるが、どちらも枠をとらえ切れず。

 激しい攻防の中、スコアが動いたのは後半37分。ジュリーニョからパスを受けたFW内村がペナルティエリア手前からスルーパス。これに走り込んでいた途中出場のMF稲本が滑り込みながらシュートを放ち、札幌移籍後初ゴール。待望の先制点をあげた。

 ここから同点を狙うC大阪は、一気に前への圧力を強める。4分あったアディショナルタイムには、リスタートにGKキムジンヒョンも攻め上がっての全員攻撃を繰り出すが、札幌守備陣が粘り強く跳ね返しタイムアップ。虎の子の1点を守り切り、首位相手に貴重な勝ち点3をつかみ取った。札幌はこれで5勝2分け2敗の勝ち点17とし、順位を3位にあげた。

 次節札幌は4月29日にホームの札幌ドームで17位の徳島ヴォルティス(勝ち点8)と対戦する。


(試合の写真はいずれも4月23日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/キックオフ直前、熊本地震の被災者のために、スタンドの観客と一緒に黙祷する両軍の選手たち


 上写真/前半14分、C大阪のFKからの攻撃を札幌は壁を作って守る。ゴール裏を埋めた熱烈サポーターが力強い後押しをする。札幌の壁は左からDF増川(18番)、MFジュリーニョ(7番)、その後方FW都倉、MF宮澤、右端GKク・ソンユン


 上写真/前半43分、前線に速いパスを出す札幌MFジュリーニョ(7番)。その右に元札幌のC大阪DF山下(23番)


 上写真/後半5分、C大阪MFブルーノ・メネゲウ(10番)が札幌DF増川(左端)のタックルをかわしてシュートするがGKク・ソンユン(25番)の正面となる。右はMF宮澤


 上写真/途中出場した札幌MF稲本(17番)が、後半37分、自陣でボールを奪いFW都倉にパスを出してゴール前に走り出す。都倉、MFジュリーニョ、FW内村とつないで、11秒後に先制ゴールを生む。右端C大阪FW柿谷(8番)


 上写真/後半37分、先制ゴールを決めた札幌MF稲本(17番=左から二人目)を祝福する選手たち。左からMF堀米(31番)、DF進藤、上原(14番)、キャプテンMF宮澤(10番)


 上写真/後半追加タイム4分、C大阪のGKキム・ジンヒョン(21番)も上がっての猛攻は、シュートがポスト右に外れて万事休す。札幌GKク・ソンユン(25番)、その左、元札幌のC大阪DF山下


 上写真/今季負けなしで首位のセレッソ大阪を破った瞬間、決勝ゴールを決めた北海道コンサドーレ札幌のMF稲本(17番)と手を合わせながら最高の笑顔を見せる選手たち。左からDF上原(14番)、増川(18番)、福森(24番)、キャプテンMF宮澤(10番)


 上:左側写真/後半14分札幌FW内村が倒されてFKを得たときの札幌四方田修平監督

 上:右側写真/前半4分C大阪DF田中が負傷で起き上がれない状況にいる中で副審に激しく抗議する大熊清監督

■北海道コンサドーレ札幌の四方田修平監督のコメント
「選手の気力とサポーターの大声援の後押しとで、良い結果を出すことができたと思っています。試合は予想したように(セレッソ大阪の)球際の厳しさだったり、切り替えの早さといったところで、前半は戸惑ったところが、ありましたが、なんとか選手が食らいついてくれたのが大きかった。ただ、攻撃のところで中盤でフリーな選手をつくりながらボールを動かして、何度かチャンスをつくることができていた。
 (後半に向け)ある程度耐えながらでも、そこのところ(チャンス)を増やすことで、後半はギリギリの戦いになる。気持ちのところだとか、集中力というところが勝敗を分けるはずだから、みんな一つになって戦おうという話をして送り出しました。
 そういうところが後半、出てきて、奪ってからの速攻などもあって前半よりもチャンスをつくれたと思います。交代で出た稲本(潤一)が非常に良いプレーをしてくれて、最後はチームで守り切って良い結果につなげることができました。試合はまだ続いていくので、この勢いを続けていきたいと思っています」

■セレッソ大阪の大熊清監督のコメント
「アウエーにもかかわらず、多くのサポーターに来ていただいた中で、前半は前節(北九州=1−1)の反省を生かしてリズムよく試合を運べた。ただ、後半は、攻め急ぎまではいかないけれど、自分たちのミスからリズムを崩してしまった。自分たちのミスから向こうのリズムを作ってしまったのが残念。
 ただ、ここでチーム力が問われるが、失点については、やられた、というよりも自爆的なところもあるので、すぐに修正できると思う。細かいところ(フィニッシュのところ)を修正して、次節に臨みたいと思います」。
編集部 写真はいずれも石井一弘撮影