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J2第22節(7月8日)、2点差を守り切れず、首位の大宮に逆転負け

15・07・11
 コンサドーレ札幌は7月8日に札幌ドームで大宮アルディージャと対戦。前半に2点を先行した札幌だったが、そこから首位の大宮に底力を見せられて3失点。ホームで痛恨の逆転負けを喫した。

 この日、札幌の先発メンバーは平均年齢が22・4歳と驚きの若手主体で挑んだ。試合序盤、戸惑いもあったか大宮のプレッシャーに押される展開もGKク ソンユンを中心とした守備で得点は与えない。

 粘り強く対応していくと流れが札幌に傾く。前半14分、ゴール正面でDF福森からの縦パスを受けたMF宮澤がボールをキープ。外側から追い抜いてきたFW古田に絶妙なスルーパスを通すと、古田はGKとの1対1を制し札幌が先制。フレッシュなチームにスイッチが入る。

 すると前半23分、左サイド深くでMF堀米がボールを受け、中央へセンタリング。ニアサイドに走り込んだFW内村の裏からMF前寛之が飛び出し、見事なダイビングヘッドで追加点を奪って見せた。

 2点リードで余裕を持ったかに思えた札幌だったが、MF深井が負傷交代すると流れが一気に大宮へ。急遽MF上里が出場した直後の前半42分、左サイドからのセンタリングに、大宮MF家長に頭で合わせられ失点。2−1で前半を終えた。

 後半に入り、試合巧者の大宮がさらに圧力を高めてくる。我慢の札幌だったが後半15分、精彩を欠いたプレーで大宮に同点を許す。大宮MF横谷がペナルティエリア内にドリブルで侵入し、右の角度のないところからシュート。ボールはGKクの正面だったが、まさかのトンネルでボールを後逸。そのままゴールに転がっていった。

 これで札幌の集中が切れたのか、後半30分には簡単に逆転弾を決められる。左サイドを駆け上がった大宮MF泉澤が中央の家長にグラウンダーのクロスを入れると、家長はワンタッチでやさしいパスを通す。そこに大宮DF和田が走り込みフリーでシュート。ボールはゴール右隅に吸い込まれた。

 ホームで負けられない札幌はMF小野を投入するなど手を打つものの、追いつく力は残っておらず2−3の逆転負け。これで札幌は8勝10分け4敗、勝ち点は34のままで順位を7位に後退させた。

 次節札幌は7月12日にアウエーのキンチョウスタジアムで6位のセレッソ大阪と対戦する。

 (試合の写真はいずれも7月8日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 上写真/前半14分、札幌先制点の直前、DF福森からのロングパスを受けたMF宮澤(10番)がドリブルで持ち込み、FW古田(15番)が「こっちへ出せ!」とばかりに手で指示、内村(右端)も「行けー!」という表情。大宮DF和田(22番)


 上写真/前半14分、札幌MF宮澤からのパスを受けてFW古田(15番)が今季初となる先制ゴールを右足で決める


 上写真/前半14分、今季初得点となる先制ゴールを決め両手をいっぱいに広げて喜ぶ札幌のFW古田(15番)


 上写真/前半23分、2点目のゴールを決め雄叫びを上げて走り出す札幌MF前寛之(38番)、左でFW内村も大声を上げている。中央天を仰ぐ大宮DF和田(22番)


 上写真/後半15分、大宮MF横谷(17番)に同点ゴールを決められる。札幌のDF福森(24番)、櫛引(5番)が体をいっぱいに伸ばすが防げず


 上写真/後半30分、大宮アルディージャDF和田(22番)が逆転ゴールを決め、アシストしたFW家長(41番)、MF清水(14番)、と喜びの笑みを見せる。札幌GKク・ソンユンは突っ伏したまま、しばらく動けず、DF福森(24番)、MF宮澤(10番)は茫然


 上写真/後半27分、大宮の猛攻を懸命に守る札幌MF宮澤(中央10番)、荒野(27番)、DF福森(24番)、右奥GKク・ソンユン、左端MF前寛之(38番)


 上写真/逆転勝利して喜ぶ大宮のMFカルリーニョス(5番)、MF大屋(20番)、DF渡部(13番)、FW家長(41番)。ガックリする札幌のMF上里(左端)、MF小野(44番)、膝に手をやり疲れ切った感じのDF前貴之(右端)


 上:左側写真/前半40分、負傷した札幌MF深井に代えて投入する上里に塚田通訳を挟んで指示する札幌のバルバリッチ監督
 上:右側写真/後半30分、逆転しベンチ前で喜びを分かち合ったMF横山(18番)、清水(14番)に声をかける大宮の渋谷洋樹監督(右)

※バルバリッチ監督の試合後のコメントは、本サイト左にある「コンサドーレ札幌公式ホームページ」バナーから、「エンタメ」ページの「試合レポート」でご覧いただけます。

大宮アルディージャの渋谷洋樹監督のコメント
 「札幌さんは平均年齢22歳強と非常に若いメンバーで、本当にアグレッシブで素晴らしいゲームをして来ました。われわれも相手に対し、自分たちから動き出して戦おうと伝えてきましたが、最初は相手のパワーに押されてしまいました。バックラインが下がってしまい守備面で構えてしまったため、ああいった形で失点をしてしまいました。次の試合まで中3日しかないですが、そこはしっかりと修正したいと思います。
 攻撃に関しては、2失点する前も後もチャンスを作っていましたし、前半終了間際にクロスからの得点で息を吹き返すことができました。後半は我々がもらったスペースをしっかり使って、相手を引き出すプレーができました。普段やっているトレーニングを選手たちが実践してくれ、非常にうれしく思います。空いているスペースを自分たちで見つけてプレーするという、サッカーにおいて一番大切なことを選手たちはピッチで感じ取ってくれ、最後は相手を仕留めることができました」

・渋谷監督は1985年、室蘭大谷高(現・北海道大谷室蘭高)卒業後、古川電工で選手、その後NTT関東でプレー、佐々木則夫(現・なでしこジャパン監督)監督時代に指導を受け、コーチ昇格。J1大宮コーチなどを歴任、2014年8月から現職

編集部 写真はいずれも石井一弘撮影