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J1第32節(10月8日)、ホームで福岡に1−2で逆転負け

22・10・11
 上:上段写真/前列左からMF青木、ルーカス・フェルナンデス(7番)、ガブリエル・シャビエル、駒井、FW興梠、後列左からGK菅野(1番)、DF田中、福森、岡村、MF金子、西(20番)。この試合のキャプテンマークは福森、このところ試合ごとに変わる。前節決勝点を叩き出した小柏が欠場で青木が先発、西は7月16日の柏戦以来の出場となった

 上:下段写真/インドネシアのサッカーの試合で暴動が起き、多くの死者が出たことを悼み、試合開始前、サポーターと選手が一体となって黙祷をささげた


(写真は10月8日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 「ハイプレス」は興梠・青木・シャビエル

  ミシャとコーチ陣との「選手起用」にブレ


 J1リーグ残留を懸けた北海道コンサドーレ札幌(11位)とアビスパ福岡(16位)の決戦が10月8日札幌ドームで行われた。立ち上がりにトップに興梠、シャドーに青木とガブリエル・シャビエルを付けた「ハイプレス」が成功、12分に先制した。

 後半に入り監督・通訳・コーチのピッチサイドの動きが激しい。けがのアクシデントもあったが、ペトロビッチ監督「選手起用の弱気」で福岡の「危機脱出」を見せつけられた。Jリーグ・スタート時から見続けてきた者には「監督の焦り」を感じずにはいられなかった。

 試合の方は14時04分札幌ドームに1万4千202人の入場者を集め、場内は気温22.5度、湿度39パーセントのコンディション。遠来のビジターは100人程度の応援。審判団は、佐藤隆治主審(45、愛知県出身)。副審は西橋勲、熊谷幸剛。第4の審判は藤井陽一。VAR松尾一(主審格)、AVAR大塚晴弘。

 選手配置はよくミラーゲームと言う3−4−2−1で、福岡の前寛之キャプテン、DF奈良竜樹が札幌出身のプレーヤー。同時代にいた宮澤裕樹、荒野拓馬らが欠場で札幌スタメンを見ると顔なじみは西大伍のプレーを見たことがある程度。

 札幌のスタメンはミシャの苦労が分かる。GK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、福森晃斗、WBの右は金子拓郎で左はルーカス・フェルナンデス。舵取り役は駒井善成と西大伍、1トップはベテラン興梠慎三、左シャドーに青木亮太、右が最近当たりだしたガブリエル・シャビエル。控えには久しぶりに「頭」の中島大嘉、菅大輝、キム・ゴンヒ、久しぶりの小野伸二、田中宏武、最近注目の中村桐耶とGK大谷幸輝。

 福岡は、GK村上昌謙、DF奈良竜樹、ドウグラス・グローリ、宮大樹、MF湯澤聖人、志知孝明と中央に中村駿と前寛之。1トップはジョン・マリと右にルキアン、左に山岸祐也。サブにはDF三國ケネディエブス、MFジョルディ・クルークス、FWフアンマ・デルガドが交代出場選手(交代選手のみ記載)。

 キックオフは、ビジターの福岡。札幌は福森、福岡は前がキャプテンマークを巻く。立ち上がり速攻をかけたのは札幌。右シャドーのシャビエルから、ペナルティエリアに走りこんだ青木にワンタッチでパスしそのままシュートしたが福岡GK村上がはじき出した。

 8分には福岡。FW山岸がボールを奪い、札幌陣内へ浮き球のパス。FWルキアンがゴールを狙うが枠外。9分・10分は行ったり来たり。

 12分札幌。駒井が福岡ペナルティエリアに浮き球のパス。金子が走りこんだが、中央の福岡DF宮、GK村上にはじき出される。走りこんだのは札幌・青木。こぼれ球を右足で押し込み先制点。幸先良くホーム札幌がドームを揺らした。
 
 34分札幌・駒井が歩いてピッチを出る。接触プレーでひざをいため続行不可能。37分交代のサイン。39分駒井にOUTキムIN。キムが走りまわる。金子もドリブルで仕掛ける。DF田中駿も―。アディショナルタイムは2分。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「逆サイドをみて展開していこう」、「まわりを見て連動してプレーをしていこう」、「集中力を切らさずにプレーしよう」


■アビスパ福岡の長谷部茂利監督のコメント
「球際で負けない」、「ボールを奪った次のプレーを大切にしよう」、「自分たちを信じて最後までやろう」


 後半は札幌キックオフ。駒井の交代で入ったFWキムが前線に。興梠—ガブリエル・シャビエル―キムになった。その他の交代は無く、青木は下がり気味のボランチか。DF田中駿、福森は変わらず。駒井の後大伍と組んでいるかと見れば、そうでもない。金子、田中駿の側がボールまわし。ルーカスは中に入り気味。

 この間約14分。福岡の選手交代が始まる。FWジョン・マリに代わりフアンマが出場、攻めのスピードが上がる。札幌もキム、ルーカスがゴールを狙うが不発。

 21分札幌の選手交代。福森OUT中村IN、興梠OUT菅IN。札幌の布陣が変わり左WBに菅、DF福森の位置に中村。
 
 この10分間に福岡のFW陣ルキアンとフアンマが攻撃をかけてきた。26分中村にイエローカード。ルキアンに後方からタックル。青木が行方不明。ルーカスも中央寄りの位置取り。

 30分福岡の切り札クルークスが湯澤に代わって入る。福岡の右CKは中村がキッカー。ゴール前に来たボールを宮がヘッド。ポストに当たり、さらにGK菅野に当たってゴールイン。1−1の同点に追いつかれる。あっけにとられる札幌。無言で下を向く。

 32分、どどーんと福岡の攻め。山岸がエリア内に走りこむFWフアンマにパス、防御に入った札幌DF中央の要・岡村の股下を抜いて決める。1−2で逆転される。

 35分札幌が左CKを得る。キッカーはルーカス。ベンチは慌てて西OUT中島IN。青木はいずこ。このCKは福岡にクリアされ、チャンスにならなかった。38分福岡の選手交代。山岸OUT三國IN。39分フアンマにイエローカード。40分過ぎ札幌MF金子が足をつる。45分札幌DF中村が相手ゴール前にクロス。中島が頭で合わせるが飛び込んだだけ。

 アディショナルタイム5分。中島がマンツーマンで抑えこまれなすすべ無し。試合はそのまま1−2で終了。

 シュート数は、札10−8福、CK札2−5福、FK16−11福、PKなし。

 2022明治安田生命J1リーグ第27節浦和レッズ対北海道コンサドーレ札幌戦は、10月12日午後7時30分から埼玉スタジアム2002で行われる。


 上:上段写真/前半8分、札幌MF金子(9番)と福岡MF中村が激突、左札幌FW興梠

 上:下段写真/前半12分、札幌MF駒井のロングボールが相手DFに当たり、GK村上が弾いたボールを詰めていたMF青木が押し込んで先制、喜びをかみしめる顔から汗がしたたり落ちる、右は金子


■北海道コンサドーレ札幌の金子拓郎選手のコメント
 「勝てばJ1残留が決まるというシチュエーションだったので、絶対に勝たなければいけなかった。最低でも勝点1は積まなければいけなかったとも思うので、負けてしまったことについてはしっかりと反省し、改善していかなければいけない。個人としてもそうだったが、最後のところでなかなかシュートを打ち切れなかったようにも感じている。シュートを打てば、決まらなくともCKを取れたりもするわけで、プレーをやり切るという部分が足りていなかったように感じている。次の試合でしっかり残留を決められるように、みんなで準備をしていきたい。とにかく、気持ちを切り替えるしかない」


 上写真/前半32分、福岡GKからのロングボールを札幌MF西(中央奥)が、福岡FWジョン・マリ(左)と競りながらヘディングで前線に送る、手前DF福森(5番)、右福岡MF湯澤(2番)


 上:上段写真/前半33分、躍動する札幌MF駒井(14番)、右は福岡MF中村(40番)

 上:下段写真/前半35分、札幌MF駒井(右)が2分ほど前に福岡MF湯澤との接触で痛めたひざを抱えながら顔をゆがめる、心配そうなGK菅野(左)と福岡FWルキアン(17番)、結局39分にFWキム・ゴンヒと交代した。駒井は今季全試合に出場しており、けがの程度が心配される


 上写真/前半43分、札幌FWキム・ゴンヒ(中央)が福岡DFドウグラス・グローリー(33番)と競りながらゴール前に迫る、後方札幌MF西


 上写真/後半5分、元札幌の福岡DF奈良(3番)の攻撃を隊列をしいて守る札幌選手たち、左からMF西(20番)、GK菅野(1番)、DF岡村(50番)、福森(5番)、田中駿(2番)、奈良の奥は福岡DFドウグラス・グローリー、しゃがんでいるのはDF宮


■北海道コンサドーレ札幌の福森晃斗選手のコメント
 「前半は自分たちのペースで戦うことができて、その中で早い時間帯に得点が取れたことは良かったと思っている。ただし、後半に入ってから相手のプレッシャーが速くなり、そこで自分たちがバタバタしてしまった。そして前線に高さのある選手が投入されていった中で、そこにちょっと急いで蹴ってしまったり、自分たちがやるべきことを見失ってしまったようなところがある。もう少ししっかりボールを動かしたり、自分たちでリズムを整えたりしながら戦っていく必要があったと思う。時間が経つにつれていろいろな部分にズレが出てきてしまった。またすぐ次の試合があるので、気持ちを切り替えて戦っていきたい」


 上:上段写真/後半30分、福岡右CKからの攻撃でDF宮(5番)がヘディングでゴール右に決めて同点とする、他の選手は左からFW山岸(11番)、札幌GK菅野、福岡FWファンマ・デルガド、宮の奥札幌DF中村、MFルーカス・フェルナンデス(7番)、西、右端福岡DFドウグラス・グローリー

 上:下段写真/後半30分、福岡DF宮(右端でジャンプ)に同点ゴールを決められガックリの札幌の選手たち、左からMFルーカス・フェルナンデス(7番)、FWキム・ゴンヒ(37番)、MF西(20番)、菅(4番)、左端福岡FW山岸


 上:上段写真/後半32分、途中出場した福岡FWファンマ・デルガド(左奥)が逆転ゴールを決める、札幌GK菅野(右)止められず

 上:下段写真/後半32分、福岡FWファンマ・デルガドに逆転ゴールを決められ呆然とする札幌の選手たち、左から股の間をぬかれたDF岡村(50番)、田中駿(2番)、中村(24番)、ルーカス・フェルナンデス(7番)、GK菅野(1番)、右端途中出場した福岡MFジョルディ・クルークス(14番)


 上:上段写真/後半35分、札幌MF西に代わって途中出場したばかりのFW中島がMF菅のロングフィードにジャンプするが、一瞬早く福岡GK村上(31番)にキャッチされる

 上:下段写真/福岡に逆転負けを喫しガックリの札幌の選手たち、左からMFガブリエル・シャビエル、キャプテンマークを西から引き継いだDF岡村(50番)、GK菅野(1番)、先制点を上げたMF青木(11番)、菅、左から2人目福岡FWルキアン(17番)


 上:左側写真/前半37分、札幌MF駒井の負傷で急きょ出場することになったFWキム・ゴンヒ(37番)に声をかけるペトロビッチ監督

 上:右側写真/後半43分、逆転し「イケイケどんどん!」とばかり上着を脱いで選手を鼓舞する福岡の長谷部茂利監督、右端のDFドウグラス・グローリー(33番)が監督と同じ方向を指さしている、7番は札幌MFルーカス・フェルナンデス


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「非常に難しい試合になると予想していた。福岡も我々も勝点が欲しい状況。その強い思いがぶつかり合いました。福岡はつなぐというよりはロングボールを使いながら高さのある選手を生かす狙いで戦ってくると思っており、そのとおりになった。選手にパワーがあるうちは良い戦いが出来ていたと思う。その中でケガ人が出たのが痛い誤算だった。いずれにせよ、ボランチにケガ人が多い中で、状況を改善できなかったのは確か。ケガ明けの選手もいる中で、なんとか改善をしようと試みたが、走れているうちは上回れていたものの、疲れてきた中で集中力などが低下してしまった。非常に痛い敗戦になったが、戦いはまだ続いていく」


■アビスパ福岡の長谷部茂利監督のコメント(一部抜粋)
 「必死に守る中でクリアが相手に渡ってしまった。ありそうな場面ではありましたが、ほかの場面ではしのいでいたので、よく1点でしのいだなと思います。得点に関しては、練習は裏切らないということで、それが今日は良いほうに出ました。継続してやっていきたいと思います」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影