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J1第26節(8月20日)、ホームで鳥栖に1−2の逆転負け

22・08・25
 上写真/鳥栖戦の先発は前列左から、MF小柏、菅、ガブリエル・シャビエル、駒井、FW興梠、後列左からGK菅野(1番)、DF田中駿(2番)、MFルーカス・フェルナンデス、DF岡村、MF高嶺(6番)、DF福森(5番)、キャプテンMF宮澤はベンチスタートとなり、福森がキャプテンマークを巻いた

   (写真は、8月20日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 札幌12位=ミシャ「降格ライン」意識

  鳥栖に連敗0−5(第7節)、ホームでも1−2(第26節)


 8月22日の朝刊「読者の声」に13歳の中学生の投稿があった。元気もらえる「推し」の存在。「なるほど」。悲しいかな20日の北海道コンサドーレ札幌対サガン鳥栖戦で札幌はホーム札幌ドームで1−2での逆転負け。ドキッとしてこの前文を書き直している。

 なぜかしら1990年代の栗山町の2面のサッカー練習場が「うすれ」、プロ野球の栗山監督が住むようになり、さらに今はサッカーの「BTOPサンクくりやま」の本拠地。それは印刷会社の社長や、現在は今治の岡田武史氏らが使った「田舎の芝生のグラウンド」が思い出される。

 何でこんなに目まぐるしく、「思い出」の走馬灯に火が付いたか。20日の試合の終了後の「馬鹿やー――」の観客の声である。コンサドのミハイロ・ペトロビッチ監督に一言「地元チームとの交流試合が少ないね」を、書きたかった。「新型コロナウイルス対策」で、この日やっと「マスクをしての声援」が許された。そのオマケが「馬鹿が頭に付いた」。週末の声。

 中学生の「推し」は「推奨」であり、「ハマりすぎは」注意。全てがコンサドの敗戦が物語るもの。許せ「ミシャ」。

 試合の方は2022年8月20日、14時03分、札幌のキックオフで始まった。北海道新聞にもコラム欄を執筆している斉藤宏則氏によると、前回の対戦(J1第7節)では鳥栖が5−0で大勝。第26節は勝ち点28で11位の札幌と勝ち点33で9位の鳥栖の対戦。見どころは札幌のディフェンスからの攻撃と、鳥栖の小気味よいパスワークと見ていた。

 審判団は2008年に1級審判資格を取得した池内明彦主審(39、広島県出身、カードでゲームをコントロール)。副審は聳城巧、岩崎創一。第4の審判・は清野裕介。VAR佐藤隆治(主審格)、AVAR西橋勲。入場者は9千607人。屋内は24.7度。湿度65パーセント。

 札幌は3−4−2−1で、トップに興梠慎三を入れ、7月6日ぶりのガブリエル・シャビエルを投入、小柏剛で得点力を上げた。GK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、福森晃斗、WBの右にルーカス・フェルナンデス、左は菅大輝。ボランチは駒井善成と高嶺朋樹。控えにGK大谷幸輝。宮澤裕樹、青木亮太、荒野拓馬。タイからのスパチョーク、韓国からのキム・ゴンヒ、ミラン・トゥチッチ。

 一方の鳥栖は、GK朴一圭、DF原田亘、ファン・ソッコ、ジエゴ、中野伸哉、MF福田晃斗、小泉慶、藤田直之、FW長沼洋一、宮代大聖、本田風智。控えはGK岡本昌弘、DF田代雅也、パク・ゴヌ、MF菊地泰智、堀米勇輝、FW西川潤、垣田裕暉。4−3−3の登録ポジション。

 キャプテンマークは福森と藤田。ゲームが始まり7分、鳥栖GK朴がイエローカード。何事とエリア内を見ると駒井のパスを興梠が受けた瞬間、GK朴と交錯した。池内主審はカードを高々と挙げた。

 札幌は10分、このFKを福森と菅の2人でスタンバイ。最後のキッカーはやはり福森だった。ボールは鳥栖DFの壁に当たり、こぼれ球をフェルナンデスがシュートしたが、これも鳥栖DFにブロックされる。鳥栖の攻撃は藤田中心。札幌はトップ3の小柏が加わりシーソーゲーム。

 21分、札幌が駒井からトップ3に球が入る。小柏がペナルティーエリア右から興梠が走り込む先にパス、興梠の左足がドンピシャで合わせ先制点。いけるぞ札幌。先制した勝敗の確率は50パーセント(便利な機械が出来たものだ)。試合は23〜30分まで進んだ。飲水タイムはなし。Jリーグ通算161得点で歴代2位タイとなった興梠の得点で1−0で前半終了。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「簡単なミスを無くしていこう」、「全体的にコンパクトに進めていこう」


■サガン鳥栖の川井健太監督のコメント
 「怖がらずに自信を持ってプレーするように」、「ボールを奪う回数を増やすこと」、「残り45分で、絶対に逆転しよう」


 後半は鳥栖の選手交代でスタート。本田OUT垣田IN。札幌のベンチの動きはなく、10分過ぎて小柏OUT青木IN。同時に興梠OUTキムIN。札幌は右のライン、DF田中駿の「気の抜けたようなバックパス」が気になる。前のルーカスにボールが出ない。金子が健在なら出していたような「配球がない」。さらに自分で持って右側ライン脇をアタックするでもなし。

 時は流れて19分。鳥栖の度々顔を出すキャプテン藤田が中央にクロス。受けたFW宮代から渡された福田は、ペナルティエリア中央にふわりと上げる。待っていたDFファン・ソッコがヘディングで決めて1−1の同点。

 20分から両軍の選手交代。藤田OUT西川IN。札幌シャビエルOUT荒野IN。鳥栖の勢いが「勝る」。25分、遂に鳥栖が追加点。背番号6福田が右から攻めあがる。札幌は誰も動かない。DFジエゴ反応、駒井と競り合いながら「豪快な」ヘディングシュート。札幌管野もお手上げの逆転シュートだった。

 30分から選手交代。元気が無かったルーカスOUTスパチョークIN。さらに福森OUT宮澤IN。宮澤が中央から前向きに走り回る。34分鳥栖・西川にイエローカード。鳥栖だけで2枚目。札幌で目に付くのは菅、高嶺、荒野、宮澤、駒井ら。札幌は5人の交代枠を終了。あと1点ほしい。43分鳥栖は3人目の交代で宮代OUT菊地IN。

 45分、札幌ペナルティアーク付近で札幌DF岡村と交錯した鳥栖の小泉にイエローカード。池内主審は3枚目のカードを高々と挙げた。アディショナルタイム3分。46分に鳥栖が、47分に札幌が得点機を迎えるがいずれも得点にはならず。48分、鳥栖は選手交代で「時間稼ぎ」、長沼OUTバクゴヌIN。試合は1−2のまま終了。札幌サポーターのブーイングが寂しく響いた。

 シュート数は、札10−14鳥、CK札3−5鳥、FK札15−9鳥 、PKなし。

 2022明治安田生命J1第28節北海道コンサドーレ札幌対セレッソ大阪戦は9月2日午後7時30分から札幌ドームで行われる。

 尚、第27節浦和戦は、ACLの日程の関係で10月12日に埼玉スタジアム2002で19時30分から行われる。


 上写真/開始早々の前半2分、ドリブルで駆け上がろうとする札幌MF小柏(19番)に鳥栖のベテランMF藤田(14番)が足を伸ばす、左端MFガブリエル・シャビエル(18番)、小柏の後方DF岡村


■北海道コンサドーレ札幌の小柏剛選手のコメント
 「前半はチームとして良い戦いが出来ていた中で、先制点も取ることが出来た。そして1−0で折り返すことも出来たわけで、それを考えると勝たなければいけない試合だったと感じている。ただ、前半は相手の動きについていけていたのが、後半は疲れもあってか、次第についていけなくなっていた。前線の守備もプレスに行くところ、引いて守るところを使い分けたかったが、そこもうまくいかなくなっていた。次の試合までに時間があるので、そこは修正したい。結果が求められている状況の中でこうして敗れてしまったことは、非常に申し訳なく思っている」


 上:左側上段写真/前半7分、札幌MF駒井の絶妙のスルーパスに走り込んだFW興梠(23番)が、ペナルティーエリア寸前で鳥栖GK朴(右)に足をかけられて倒される、朴にイエローカードが出される

 上:左側下段写真/前半21分、先制ゴールを決めた札幌MF興梠(23番)にMF高嶺(6番)が笑顔で走り寄る、その左ガブリエル・シャビエル、左端アシストした小柏(19番)、右端肩を落とす鳥栖DF原田(42番)

 上:右側写真/前半21分、札幌FW興梠(23番)が先制点を決め、J1通算161ゴールとなり佐藤寿人と並ぶ歴代2位タイを記録した、左鳥栖DF原田(42番)


 上写真/後半19分、鳥栖DFファン・ソッコ(左から2人目)がヘッドで同点ゴールを決めMF福田と抱き合って喜ぶ、札幌MF青木(11番)が首をかしげる、左端鳥栖DF原田(42番)、右端中野(13番)



 上写真/後半10分から札幌FW興梠に代わって初出場したキム・ゴンヒが後半24分、DF田中駿のパスを受けてドリブルで運ぶ、左MF荒野(27番)


■北海道コンサドーレ札幌のキム・ゴンヒ選手のコメント
 「試合に勝てなかったことが非常に残念。自分としてはもっと自信を持ってプレーをするべきだったと感じている。ピッチに送り込まれる際に監督から受けた指示は、相手守備の背後に抜け出すことと、相手のビルドアップの際に14番の選手(藤田直之)をしっかり見るというところが主。そこについてはある程度やれていたと思う。

 課題としては、自分が持っているストロングポイントを、チームがやろうとしている戦術の中でしっかりと出していくことだと考えている。そこについてはまだチームに合流して時間があまり経っていないので、ここから高めていきたい」


 上:上段写真/後半25分、鳥栖右サイドのMF福田からのクロスをDFジエゴ(左)が、札幌MF駒井(14番)と競りながら頭で叩きつけるように逆転ゴールを決める、右端奥札幌GK菅野

 上:下段写真/後半25分、鳥栖DFジエゴ(5番)が逆転ゴールを決め笑顔を見せ、共に途中出場していたFW垣田(19番)、MF西川(18番)が祝福、札幌のMF駒井(左端)、DF岡村(50番)、GK菅野(その奥)、DF田中駿(2番)はぶぜん


 上:左側上段写真/後半33分、札幌MF宮澤のタテパスを受けたFWキム・ゴンヒ(中央左)が鳥栖DF原田(42番)のタックルをかわしながら、なお突進を試みる、左MF駒井(14番)、右鳥栖DFジエゴ(5番)

 上:左側下段写真/後半41分、札幌MF宮澤(10番)が鳥栖FW宮代(11番)とマッチアップ、宮澤はJ1通算200試合出場を記録した

 上:右側写真/後半43分、ドリブルで駆け上がった札幌MF駒井(14番)が右を見ながらパスの出しどころを探す、左鳥栖MF小泉


 上:上段連続写真/後半追加タイム2分、札幌MF高嶺の左からのクロスにダイビングヘッドで突っ込むMF駒井、しかしジャストミートせず、鳥栖DFジエゴ(5番)の足にあたり、GK朴の元へ流れる。後ろはFWキム・ゴンヒ(37番)とDF中野が競り合っている

 上:中段連続写真/後半追加タイム2分、札幌MF高嶺のクロスに飛び込んだ駒井(右下)とFWキム・ゴンヒ(左端)がボールの行方を見つめる、鳥栖の選手、左からDFファン・ソッコ(20番)、中野、DFジエゴ(5番)、左奥DF原田(42番)

 上:下段連続写真/後半追加タイム2分、札幌MF高嶺のクロスは走り込んだ札幌MF駒井ダイビングヘッドをかすめ、鳥栖DFジエゴの足にあたり跳ね返ったところを鳥栖GK朴(右)がガッチリと押さえる。数秒間そのままの姿勢でいた。中央飛び込んだ札幌MF駒井、右鳥栖DFジエゴ(5番)、その後方ファン・ソッコ、左端札幌DF田中駿


 上:上段写真/1−2と逆転負けしゴール裏サポーターに頭を下げるキャプテン宮澤(右)ら札幌の選手たち、スタンドから罵声が飛んだ

 上:下段写真/あいさつに来た札幌の選手たちにブーイングする、というより罵声を飛ばすゴール裏サポーターたち、一部声出し応援が可能となったが皮肉な結果になった、中には腕で×をつくるサポーターも


 上:右側写真/後半13分、懸命に選手を鼓舞する札幌のペトロビッチ監督

 上:左側写真/後半20分、これから投入する鳥栖FW西川(右)に指示を出す川井健太監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「今日の敗戦は、正直、負けるとは思っていない試合だったし、残念で痛い敗戦である。今日の敗戦をもって、残り8試合という中で残留争いにどっぷりとハマったような状況だと言える。厳しい戦いが待っていると思っています。

 前半は非常に良い戦いが出来ました。プレスをして、ボールを奪って攻撃を仕掛ける場面を多く作れた。ビルドアップも相手をうまく外しながら出来ていた。やはり、前半の出来を見れば2−0で折り返していてもおかしくなかったし、2点を取っておきたかった前半でした。

 想定はしていました。入りが大事だと思っていました。しかし、走るという部分で後半は相手に上回られた印象がある。ケガ明けの選手というのは90分戦うのは難しいという印象もあり、小柏(剛)や(ガブリエル)シャビエル、ルーカス(フェルナンデス)、高嶺(朋樹)、興梠(慎三)などは運動量が落ちてしまった。そういう理由で(高嶺を除き)比較的早い段階で交代をしたが、残念ながらその中で相手の勢いを止めることが出来ず、失点をしてしまった。ただ、選手たちは最後まで『負けたくない』という気持ちを前面に出して戦ってくれたと思いますし、駒井(善成)の際どいシュートもありました。最後の最後まで全力で戦ってくれたと思います。非常に痛い敗戦ではありますが、下を向いていても何も変えることは出来ないので、前を向いて次の試合に向けて準備をしていきます」


■サガン鳥栖の川井健太監督のコメント(一部抜粋)
 「逆転(勝利)は今季初だと思うが、選手に感謝している。何より声出し応援がある試合で、こういう雰囲気を作っていただき、両チームのサポーターに感謝したい」


池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影