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J1第21節(7月10日)、ホームで鹿島にスコアレスドロー

22・07・13
 上写真/前列左からMF菅、青木、FW興梠、MF駒井(14番)、後列左からGK菅野(1番)、DF田中駿、高嶺、岡村(50番)、MF宮澤、金子、右端MF荒野(27番)


   (写真は7月10日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 鹿島と0−0、強豪と互角これからだ

  ドームに「大声の観衆」が戻ったぞ


 北海道コンサドーレ札幌が首位を争う鹿島アントラーズと「互角の0−0」。ミハイロ・ペトロビッチ監督は久々の「ブラボー」。出場停止明けの守護神菅野が安定をもたらした。

 7月10日、北海道コンサドーレ札幌がホームに鹿島アントラーズを迎えた2022明治安田生命J1リーグ第21節。ドーム内は24.9度、湿度は61パーセント。観客は1万724人が集まった。

 審判団は佐藤隆治主審(45、愛知県出身)、副審は唐紙学志、松井健太郎、第4の審判は植松健太朗、VARは谷本涼(主審格)、AVARは田尻智計。

 札幌のスタメンは、GK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、高嶺朋樹、ボランチ荒野拓馬、宮澤裕樹、ウイングバック右に金子拓郎、左に菅大輝、トップグループが青木亮太と駒井善成と興梠慎三。控えには、GK大谷幸輝、DF西大伍、中村桐耶、福森晃斗、MF田中宏武、FWミラン・トゥチッチ、中島大嘉。ガブリエル・シャビエルは前節のFC東京戦で左足ハムストリング肉離れとなり戦線離脱した。

 鹿島のスタメンは、GKクォン・スンテ、DF常本佳吾、三竿健斗、キム・ミンテ(元札幌)、広瀬陸斗、MF樋口雄太、ディエゴ・ピトゥカ、和泉竜司、アルトゥール・カイキ、FW土居聖真、エヴェラウド。控えはGK沖悠哉、DF小田逸稀、安西幸輝、関川郁万、MF舩橋佑、中村亮太朗、FW染野唯月。

 試合は14時03分に札幌がキックオフ。ホームの声援を受け、札幌が序盤から主導権をつかみにかかる。前半5分、MF金子が得意のゾーンからの左足シュートは枠外。続く7分には、MF金子が右サイドをドリブルで持ち上がり、DF背後に動き出したFW興梠にスルーパス。ペナルティエリア内から興梠はシュートを放つも、結局オフサイドの判定。

 対する鹿島は、これまで攻撃をけん引してきたFW鈴木が不在(日本代表FW上田綺世は7月にベルギー1部リーグのサークル・ブルッヘに移籍)。この日の2トップの土居とエヴェラウドがカウンターの起点となってゴールを狙う。

 27分、札幌MF菅に対し遅れ気味に足に当たった鹿島MF和泉にイエローカード。

 ここまでは札幌の右サイドの金子が目立ち、逆サイドの青木は菅と連動しながら相手を崩そうとする。前半の終盤に向けては、鹿島が押し込み、シュートまで持ち込むも札幌DFが跳ね返す。45分に札幌金子に対しタックルにいった鹿島DF広瀬に警告の判定。0−0で折り返す。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「ゲームはしっかりコントロールできている。落ち着いてプレーしよう」、「空いているスペースを見つけていこう」、「我慢強く戦って勝つぞ!」

■鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー監督のコメント
 「バランスを保ってプレーしよう」、「セカンドボールをしっかり拾おう」、「チャンスを生かし、ゴールを決めて勝ちきろう!」


 後半のスタートは互いにメンバーチェンジは無し。開始早々の1分、鹿島FWエヴェラウドが厳しい競り合いでイエローカード。鹿島が高い位置でプレッシャーをかけたい意図がありありと見える。札幌はその勢いに押され、チャンスを作れない。

 11分、先に鹿島ベンチが動く。MF樋口から舩橋。FWエヴェラウドからDF安西と2枚代え。安西は札幌右サイドの金子対策として送り込まれた様子。札幌は18分に荒野に代えて福森投入。セットプレーキッカーに期待した。

 手詰まり状態の21分、鹿島MFディエゴ・ピトゥカのドリブルをファールで止めた札幌DF田中に警告。

 28分から、札幌が狙い通りの展開。FKと、連続した左右のCKを獲得し、福森が得意の左足で3度蹴り込むが、味方に合わなかった。

 鹿島は30分にFW土居OUT、MF中村IN。札幌は33分にFW興梠から「頭が利き足」の中島投入。中島は直後に連続してシュートを放ち、CKを獲得。しかし福森のキックはまたもゴールにつながらなかった。

 42分、札幌は疲れの見えていたMF青木から西に代える。ゴールの生まれないままアディショナルタイムは4分。タイムアップ寸前の49分、鹿島安西の左足シュートは枠外で終了。首位を争う鹿島にとっては痛い、札幌には貴重なスコアレスドローとなった。

 シュート数は、札5−5鹿、CK札3−3鹿、FK札20−11鹿、PKなし。

 次戦の2022明治安田生命J1リーグ第22節北海道コンサドーレ札幌(14位)対柏レイソル(5位)は、7月16日午後7時からアウエーの三協フロンテア柏スタジアムで行われる。


 上写真/前半8分、札幌FW興梠(左)がポストプレーでボールをキープしようとするが、鹿島MF樋口に抱えられファールをもらう、右奥MF宮澤(10番)


 上写真/前半37分、GKからのロングボールを札幌MF金子(9番)が、鹿島MFアルトゥール・カイキとヘッドで競い合う、右手前鹿島MFディエゴ・ピトゥカ(21番)


 上写真/前半41分、足の裏で巧みにボールをコントロールする札幌MF青木(右)、左へ鹿島MF樋口(14番)、ディエゴ・ピトゥカ(21番)


 上写真/前半45分、鹿島の左CKからの攻撃は札幌GK菅野が直接キャッチし反撃に転ずる。MF金子(左から5人目)がボールを出してと菅野に要求、ボールを受けた金子がドリブルで独走、ハーフウェーライン付近で鹿島MF広瀬にファールで倒され、広瀬にイエローカード


 上:上段写真/後半12分、GKからのロングボールに4試合ぶりに先発した札幌MF宮澤(10番)と鹿島MFアルトゥール・カイキ(17番)が激しく競り合うが、ともにボールに触れず、右へ札幌DF田中駿(2番)、鹿島FW土居(8番)、右端札幌DF岡村

 上:下段写真/後半20分、札幌自陣から途中出場のDF福森のロングパスを受けたFW興梠(中央)がボールをキープ、鹿島MF和泉(11番)に倒されながらも足を伸ばして後方のMF菅(4番)へパスを出す、左鹿島FW土居(8番)


 上写真/後半28分、札幌左サイドのDF福森のFKから、DF高嶺が鹿島DF三竿(6番)、DFキム・ミンテ(20番)とヘッドで競り合う、右後方札幌DF田中駿、その前、鹿島MFディエゴ・ピトゥカ(21番)


 上:上段写真/後半33分、途中出場した札幌FW中島(中央)がドリブルで持ち込みシュートするが、鹿島DFキム・ミンテ(20番)にクリアされCKを得る

 上:下段写真/後半34分、札幌FW中島のシュートで得たDF福森の右CKのボールは、低く鋭いナイスボールだったが、走り込んだDF田中駿(右手前)、鹿島MFディエゴ・ピトゥカ(その左)ともに触れず、ゴールラインを割る、中央坊主頭がFW中島、その左鹿島DFキム・ミンテ(20番)


■北海道コンサドーレ札幌の田中駿汰選手のコメント
 「前半から良い形で戦えていたと思う。ボールを支配できていたし、守備も良い形でやれていた。ただ、相手のエヴェラウド選手に強さがあり、そこで難しい局面も生まれてはいたが、なんとか対応できていたと思う。試合全体としてもここ最近のゲームの中では非常に良かったと感じている。ただし、攻撃面での最後のところ。精度の部分もそうだし、シュートに持ち込むという意識のところはもっとしっかりやっていかなければいけない。チームとしてもそうだし、個人としてもチャンスに決め切る力をつけていかなければいけない」


 上:上段写真/いいゲームを展開しながら得点できず引き分けに終わり残念そうな札幌の選手たち、左からMF宮澤(10番)、DF田中駿、MF駒井、FW中島、MF西(20番)、金子、菅、DF高嶺(6番)、岡村(50番)、福森(5番)、GK菅野(1番)

 上:下段写真/下位の札幌とスコアレスドローに終わり、あいさつに行った鹿島の選手たちに、遠来のサポーターから厳しい叱責の声が飛んだ


■北海道コンサドーレ札幌の宮澤裕樹選手のコメント
 「勝点3を取ることはできなかったが、試合内容はここ最近の中ではある程度良いものを出せていたと思う。ただし、ここから勝点を積み重ねていきたいという状況の中で、勝点1にとどまってしまったのはやはり悔しく思う。その中で今日はボール保持ができていて、攻め急ぎもしなかった。そうしたところは繰り返し継続していきたいが、ここ最近はなかなか結果が出せていない中で、個人での判断が増えてしまっていたように感じるので、トレーニングの中でコンビネーションや攻撃時の関係性のところをしっかりすり合わせていきたい」


 上写真/後半42分、最後まで選手を鼓舞し続けた札幌のペトロビッチ監督(右)と、その姿に厳しい視線を横目でおくる鹿島のレネ・ヴァイラー監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「アウエーで連敗した中で迎えた試合ということで、非常に難しい状況だった。加えて昨日の練習で深井(一希)と小柏(剛)が今日の試合に出場出来ない状況となってしまった。誰かが戻ってくれば誰かがケガをしていなくなるという、現在の流れそのままに、厳しい状況での試合でした。しかし、選手たちはその中でも立ち上がりから試合をコントロールし、チャンスを作ってくれた。守備でもコンパクトに守り、相手にほぼチャンスを与えていなかったと思う。自分たちの作ったチャンスも4〜5回あったが決め切れず、引き分けに終わりました。

 試合結果に対しては不満である。ただ、選手たちが見せた、こういう状況の中でもチーム一丸となって戦う姿勢は評価していいはずです。厳しい状況の中で気持ちを出して、1つにまとまって素晴らしいゲームをしてくれたと思う」


■鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー監督のコメント(一部抜粋)
(Q―チームとしてスピードアップできなかった印象だが)
 「自分たちのFWのところで、前半戦に得点を重ねていた2トップが不在で、得点力のところが足りていなかった。エヴェラウドもコンディションがまだまだ。ただし、札幌とのアウエーはどこがやっても難しいので、勝点1はうれしく思う。残り30分間、ストライカー不在の中で選手たちはよくやっていた。悲観すべきではないと思う」
池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影