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J1第18節(6月26日)、ホームでG大阪に1−0で勝利

22・06・29
 上写真/前列左からMF菅、DF福森、FW興梠、ガブリエル・シャビエル、MF駒井、荒野、後列左からGK菅野、DF田中駿、MF金子、DF岡村、MF青木。GK菅野は負傷が癒えて5試合ぶりに復帰、FW興梠とガブリエル・シャビエルをはっきり2トップと位置付けた


    (写真は6月26日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 GK「やっぱ・守護神は菅野だ」
 
  攻守も「ここから・スターㇳ」


 6月26日、北海道プロサッカーの産み・育ての親、石水勲翁(77歳、2021年9月26日没)の「月命日」に札幌ドームで2022明治安田生命J1リーグ第18節が行われた。

 いまだにダルマの目も入らない11位・北海道コンサドーレ札幌と、15位・ガンバ大阪の宿敵対戦(J1、J2、Jリーグカップ合わせてガンバの通算16勝5分け8敗)の30試合目が行われた。ドームには2021年の新型コロナウイルス対策以来初の、マスク姿の2万1千599人が入場した。

 約1か月ぶりのGK菅野孝憲の出場と、1勝した後3連敗の「重症」。さらにルヴァンカッププレーオフでの敗退、天皇杯JFA第102回大会の3回戦で格下に敗退、J1リーグで川崎を相手に「2−5」の大敗などなど。加えて右のWBルーカス・フェルナンデスに大けが発症も追い打ち。

 「ここからに懸けたサポーター」が、1万人の招待があったにせよ、コロナが「百桁に減った喜びに代えて」。札幌ドームは、コンサドーレのために―と燃え上がった。
 
 試合の方は、元気を取り戻したGK菅野孝憲、DF田中駿汰、岡村大八、福森晃斗、WB右には金子拓郎、中央に荒野拓馬、その左にWB菅大輝。ここまでシステムは3−3。その前に位置する2−2のトップはガブリエル・シャビエルと興梠慎三。この後ろシャドーに、駒井善成、青木亮太。3−3・2−2のシステムはミハイロ・ペトロビッチ監督の「究極の守備と攻撃の合わせ技」パターンか。

 控えにはチームキャプテンの宮澤裕樹、深井一希、西大伍、中村桐耶、中島大嘉、ドウグラス・オリヴェイラ、GK中野小次郎。

 ガンバは昨年13位。ガンバ大阪のシンボルマーク「G」を目立つように今季から変えた。チームを率いるのは、J2の大分トリニータで6年間監督を務めた片野坂知宏監督(51、鹿児島県出身、昨年の天皇杯決勝で浦和レッズに敗れた)。先発は、在籍9年目のGK東口順昭、DF昌子源、藤春廣輝、三浦弦太、高尾瑠、MF倉田秋、奥野耕平、ダワン、石毛秀樹、FWパトリック、山見大登。サブはGK加藤智樹、MFウエリントン・シウバ、齊藤未月、中村仁郎ら。

 14時03分札幌のキックオフで始まったが、審判団は、昨年はJ1ビッグマッチを担当「飛躍の年」と期待の上田益也主審(39、愛知県出身で年間PK8枚は多い方)。副審は八木あかね、桜井大介。第4の審判・眞鍋久大。VAR木村博之(主審格)AVAR 西尾英朗。ドーム内は24.1度、湿度67パーセント。20日間ほどゲームが無く「新緑の芝はきれい」。

 札幌は、スタメンを見ると荒野が腕章を巻き、宮澤がベンチスタート。ミシャのこの日に掛ける「心中が見え見え」。ガンバはいつも通りの4−4−2。札幌のスタイルから見ると2トップに得点期待。中央に置いたのは「動きすぎる程」一人でかき回してくれる荒野。生きてくるのは駒井と青木。ワイドに開いた金子からのパス回しも「見もの」。

 4分から6分にかけて、金子とシャビエルの「狙いが」見えた。8分に元・日本代表だったGK東口が、「あの頃を思い出させるビルドアップ」。古参の転換と、札幌・新参の青木−駒井の動きに期待。トップの興梠とシャビエルのやり取りも「なかなかの物」。前半は「様子見」だったのか、札幌・福森のFK、CKが「どこを狙っているか」、「こて試しも」面白かった。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「良いプレーはできている。落ち着いて、集中力を切らさずプレーしよう」、「残る45分、点を取って必ず勝つぞ」


■ガンバ大阪の片野坂知宏監督のコメント
 「DFラインの背後を狙っていこう」、「切り替えのタイミングは集中して」、「後半入り集中して、コミュニケーションをとっていこう」


 後半はガンバの選手交代で始まり石毛OUT中村IN。4分に札幌が右CK獲得。福森が、左足でインカーブのゴール中央狙い。青木の倒れ込みながらのヘディングシュートは枠を外れた。

 この後6分。2列目の駒井がドリブルでペナルティーエリア内に進入。右から攻め上がった金子にパス。金子は駒井の頭に「ふわっと」絶妙なクロス。GK東口が左に動いたかに見えた瞬間。駒井は難なくヘディングシュートを決めた。今季、先制した試合は、札幌が42.9パーセントは「勝利する」統計と言う。

 札幌が久々の「先取点」。ミシャやったぞ!! (しかし、ふと18日の川崎フロンターレ戦の先制して追いつかれ、2点目を入れて再び追いつかれ、2−5で惨敗した経験が頭をよぎる)。

 試合前は「宮澤が何でベンチスタート?」。ここで正解が出てきそうだ。後半も半分過ぎの23分にガンバ交代。奥野OUT齊藤IN。そろそろ宮澤がスタンバイ。28分福森OUT中村IN。興梠OUT宮澤IN。32分駒井OUT深井IN。予定通りだ。

 深井と宮澤投入をここまで引っ張り「我慢した」ペトロビッチ監督の勝ちが「見えた」。この後が長いこと。「残り何分?」。42分青木OUT西IN。シャビエルOUT中島IN。札幌は5組交代で逃げ切り体制。アディショナルタイムは4分。荒野は「最後までピッチに」。札幌の4羽ガラスが「1−0」で勝ったぞ。札幌は9位に浮上した(得失点差−13)。

 シュート数は、札18−3G CK札1−2G FK札11−12G PKなし。
                                 
 2022明治安田生命J1リーグ第19節京都サンガF.C.(12位)対北海道コンサドーレ札幌(9位)は7月2日午後6時30分から京都府亀岡市のサンガスタジアムbyKYOCERAで対戦する。


 上:上段写真/前半20分、札幌FWガブリエル・シャビエルが先制、思いっきりガッツポーズ、しかし、オフサイドの判定でノーゴール。得点とはならなかったが、この日のシャビエルは好守に大奮闘、勝利の立役者の一人となった

 上:下段写真/前半28分、札幌GK菅野(左)はG大阪MF石毛にドリブルで持ち込まれ、1対1の局面になったが左手一本で止め好セーブを見せた。その右DF福森、右へ岡村(50番)、G大阪MF倉田(10番)


 上写真/前半34分、札幌FW興梠(左)はガブリエル・シャビエルのタテパスを受けシュートしようとするが、G大阪DF三浦にクリアされる


 上写真/前半38分、札幌MF宮澤のベンチスタートにキャプテンマークを巻いてチームを引っ張ったMF荒野(27番)がG大阪MFダワン(23番)の前に立ちふさがる。その後方駒井、左端G大阪MF倉田、右端FW山見


 以下の3枚は、札幌DF岡村とG大阪FWパトリックの迫力ある対決シーンの連続です。
 上:上段写真/前半13分、G大阪のエースFWパトリック(左)とヘッドで競り合う札幌DF岡村、手前左札幌MF駒井(14番)、FWガブリエル・シャビエル(18番)、左奥DF田中駿

 上:中段写真/前半28分、GKからのロングボールにジャンプして競る札幌のDF岡村(50番)とG大阪FWパトリック(18番)

 上:下段写真/前半追加タイム1分、札幌DF岡村(50番)がGKからのロングボールにG大阪FWパトリックと競り合う。岡村はこの試合何度もパトリックと対峙したが、しっかり体を寄せて自由にさせず、零封に貢献した


■北海道コンサドーレ札幌の岡村大八選手のコメント
 「相手のパトリック選手とのマッチアップが多かったが、個人的には完封できたという意識はあまり持てていない。競り合いなどのところではやられている場面も多かったので。もっとしっかり抑えることのできる選手になっていきたい。ただ、今日の試合に関していえば、ディフェンスの真ん中の選手としては無失点で勝てたので、そうした結果については100点をつけてもいいと考えている。ここ最近は失点の多い試合が続いていたが、その中でも監督は前向きなプレーについては称えてくれていた。監督のおかげで今日の結果があると思っている」


 上写真/後半2分、札幌MF金子(上)が中央からのFWガブリエル・シャビエルのパスを受け右サイドからシュートするがG大阪GK東口(1番)にクリアされる


 上:左側写真/後半6分、札幌MF駒井(14番)が自陣からドリブルで駆けあがる、左G大阪DF高尾(13番)。この後、右へパスを出し金子の折り返しをヘッドで決め先制する

 上:右側上段写真/後半6分、札幌MF駒井(右から2人目)は、自らのパスから金子の折り返しをヘッドで左隅へ決め、アシストした金子の方へ走り出す。G大阪のDF昌子(3番)、三浦(5番)、高尾(13番)が3人とも「やられたー!」といった表情

 上:右側下段写真/後半6分、札幌MF駒井(14番)が先制ゴールを決め、右手を上げてゴール裏サポーターにアピール、右端アシストした金子(9番)、左端FWガブリエル・シャビエル(18番)がニッコリ


■北海道コンサドーレ札幌の駒井善成選手のコメント(一部抜粋)
 「自分の得点で勝つことができたので、非常に気持ちが良い。ただ、とにかくまずはチームが勝利できたことが本当にうれしく思っている。ここ最近勝てていなかったので、とてもうれしい。今日の得点の形は、普段から練習していた形でもあったので、うまく得点になって良かったと思っている」


 上:左側上段写真/後半27分、電光掲示板に表示されたこの日の入場者数

 上:左側下段写真/後半34分、G大阪FWパトリックと札幌MF荒野(27番)の競り合いを見るスタンドの目、いつもはそんなに観客がいないスタンドが、この日はビッシリ

 上:右側写真/後半39分、ポストプレーのG大阪MFダワン(手前)を厳しくマークする札幌MF宮澤、このシーンは倒してしまいファールをとられたが、動きを封じた


 上写真/4試合ぶりの勝利を喜ぶ右からGK菅野、DF岡村、FW中島(45番)、DF田中、MF宮澤(10番)、荒野(27番)、菅、左端西(20番)



 上:左側写真/4試合振りの勝利とあって、試合終了の瞬間ガッツポーズする札幌のペトロビッチ監督

 上:右側写真/後半30分、大きなジェスチャーで選手に指示を出すG大阪の片野坂知宏監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「勝利をみんなで分かち合えてうれしい。幸せな気分を忘れかけていた時期に今日、ようやく勝利ができてみんなで喜びを分かち合えたのは幸せなこと。

 今日のゲームは非常に難しいゲームでした。G大阪も思うような結果が出ていない中、両チーム何がなんでもポイントが欲しい。そういうゲームだった。G大阪は大きなクラブ、質の高い選手がいる。そういうチームとの対戦は常に難しいものである。

 ようやく今日は札幌らしい戦いができた。走る、戦うという部分、ボールの動かし方、コンビネーション、はがし方、これまでやってきたことをピッチで表現できた。最後の笛が鳴るまで札幌が試合をコントロールし、支配できていた。その中で勝利できたのは良かった。なかなか結果が出ず苦しい時期だったが、サポーターが後押ししてくれたことに感謝したい。今日は多くのサポーターが来てくれた。彼らに勝利をささげたい」


■ガンバ大阪の片野坂知宏監督のコメント(一部抜粋)
 「北海道までサポーターが来てくれて応援していただきましたが、敗戦となり申し訳なく思っています。札幌も我々も連敗中で、どちらが意欲を出せるかというところで札幌が上回りました。選手は点を取るために、やってくれた部分、足りていない部分があったと思います。中2日で試合が迫っているので、切り替えて広島戦に向けて気持ちを整理し、立て直させ、準備していきたいと思います」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影