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J1第17節(6月18日)、先制するもアウエー川崎に2−5で完敗

22・06・20
 ミシャ「1−1、2−2」はだめ?

  ストップ・ザ・失点「31」多いよ


 北海道コンサドーレ札幌は「宿敵」川崎フロンターレ戦を6月18日、アウエー神奈川県の等々力陸上競技場で行い2−5で「無残」にも敗れ去った。先制から同点にされ、さらに加点したが、追いつかれた末に、ベテラン家長、ゴール前の「魔術師」小林悠の突進にやられた。

 3日前、札幌のホーム「白い恋人サッカー場」で行われた、「タイサッカーの至宝」が来日、先輩チャナティップの移動先の川崎で何か「意識は無かったのか」、寂しい出会いだった。

 梅雨に入ったのだろう、川崎の雨は夜に入っても止まない。久しぶり、スタンドは1万8千960人のサポーター、コンサド応援団の「ドヨメキノの中」、気温23.6度、湿度82パーセントの「暑くてスリッピー」なピッチで行われた。

 繊細な判定で定評のある笠原寛貴主審(33、福岡県出身)と副審は堀越雅弘、田中利幸の2人。第4の審判は蒲澤淳一とVARは上村篤史(主審格)、AVARは八木あかねの審判団。

 札幌のスタメンは、GK中野小次郎、DF田中駿汰、岡村大八、福森晃斗、WB右に金子拓郎、左は菅大輝。ボランチに宮澤裕樹−荒野拓馬を置いたあたりは「得点」を狙った配置。FW陣は興梠慎三をトップに駒井善成と青木亮太。この3人は誰でも「狙える」。後ろ盾も「宮澤と荒野」、さらに「興梠、駒井、青木」と「得点狙い」。控えは西大伍、中村桐耶、深井一希。FWにドウグラス・オリヴェイラら。前節からは中村桐耶、ルーカス・フェルナンデス、深井が外れ、久々DF田中駿汰、福森、興梠が入った。

 待てよと川崎・鬼木達監督。GKチョン・ソンリョン、DF山根視来、谷口彰悟、車屋紳太郎、MF橘田健人、遠野大弥、ボランチに大島僚太、脇坂泰斗。注目のチャナティップは左サイドで、右には家長昭博と知念慶。なんとポイントゲッターの小林悠、マルシーニョ、レアンドロ・ダミアン。パッサーのMFジョアン・シミッチが控えメンバーか。

 札幌は先行逃げ切り型。宮澤を1段上へ上げたのが「見もの」。川崎は家長の右からのえぐりを福森・菅がどう抑えるか。さらにベンチスタートの小林、ダミアンらの投入が気になる。

 両者のこれまでの対戦は、J1、J2、Jリーグカップ合わせて川崎の23勝5分け2敗。J1だけだと札幌の1勝2分け11敗。昨季はホームとアウエー合わせて0−2の連敗。ペトロビッチ監督の鼻息が「荒い」わけだ。

 アウエー札幌のキックオフで始まると、狙い通りの展開に持ち込む。28分、駒井が持ち上がり中央にパス。カットした大島の足に当たりボールは中央の青木に。難なく青木が右足を振り抜きゴール。札幌先取点。勢いづいた札幌は福森−菅の左からの攻め。家長対菅と福森の絡みが微妙。菅が必死に家長にすがりついた場面で、菅にイエローカード。
 
 42分、右サイドで川崎が札幌のパスを奪い、ボールを受けたMF大島がペナルティアーク付近のFW知念に渡すが、札幌MF宮澤のクリアが小さく、ボールが転がった。混戦を制したのは家長。拾ったボールを左足のシュートがネットを揺らした。その後も川崎の攻撃は続くがアディショナルタイム1分。1−1で後半に。


【監督のハーフタイムコメント)
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「ボールにプレッシャーをかけて相手を押し込んでいこう」、「マイボールの時間を増やして、自分たちでボールを動かしていこう」


■川崎フロンターレの鬼木達監督のコメント
 「前から守備をしていこう」、「テンポをあげていこう」、「チャンスの時はどんどゴール前に入っていこう」


 後半の始まりで選手交代は無し。同点に追いついた川崎の反撃は厳しい。左サイドのチャナティップが、やや中よりのシャドーのあたりに進入する。7分から10分にかけて双方のせめぎ合い。

 13分、知念が左足首を押さえ、プレー中断。知念OUT小林IN。札幌も選手交代。宮澤OUT深井IN。興梠OUTオリベイラIN。この後15分、金子にイエローカード。さらに16分、深井にイエローカード。

 だが21分札幌がCKを得る。神妙に久々CKは福森がキッカー。川崎ゴール前は、黒のユニホーム札幌、ブルーの川崎、5人位ずつが入ったか。中央の荒野が「ドンピシャ」頭で決めた。札幌が2−1とリード。

 さらに攻守を互いに取りながらの攻防。荒野がチャナティップのドリブルを足で引っかけ倒し、24分荒野にイエローカード。

 その24分のファールのFKから、川崎が展開し脇坂がゴールエリア内の味方へのスルーパス。これをゴール前にいた深井がクリアするものの脇坂にあたり、跳ね返ったボールは小林の前に。小林がジャンピングボレーで仕留めた。ここで2−2と川崎が追いつく。

 同点とした川崎、29分チャナティップがマルシーニョと交代。札幌は駒井OUT西IN。

 試合も大詰めの37分、川崎MF遠野OUTダミアンIN。脇坂OUTシミッチIN。札幌は金子のドリブル突破でのCK。福森がキックするがエリア内で味方がファウルを取られチャンスにはならない。

 41分。川崎の外国人部隊すべてが出そろったところで、マルシーニョが札幌ゴール前に。札幌DF陣のパス回しにプレスをかけ、奪ったボールを家長に渡し、ここまで頑張ってきた家長のシュート。札幌MF深井がはじき返すが、ボールはまたも小林の足元へ。難なく決めて2−3と大逆転。札幌を突き放す。

 さらに44分、家長がこの日2点目。札幌ペナルティエリア前で札幌MF荒野がクリアミス。川崎FW小林が拾い、走りこんだ家長にパス。そのまま持ち込み、GK中野の股下を抜いてのゴール。スコアは2−4に。

 アディショナルタイムは6分。46分荒野が力尽き、DF中村と交代。全てが決着ついたかに見えたが、川崎FW背番号24、今季入団2年目のマルシーニョの独り舞台。札幌DF福森のFKを川崎DFがヘッドで大きく跳ね返したボールをFWマルシーニョが自陣から持ち込み、福森と菅をかわし、ゴール。スコアは2−5になり、札幌は敗戦した。

 シュート数は、川15−8札、CK川6−4札、FK川16−11札、PKなし。
              
 2022明治安田生命J1リーグ第18節北海道コンサドーレ札幌対ガンバ大阪戦は6月26日午後2時から札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌の田中駿汰選手のコメント(一部抜粋)
 「自分としては、マッチアップした相手に負けないこと、カバーリングを意識して入った。復帰明けにしては、自分としては良かったと思うし、コンディションで心配はあったが、特に問題なく出来ていた。ただ、こういう負け方をしてしまったので、悔しい」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「今日のゲームは、両チームにとって良いゲームであったと思っています。川崎と対戦するときには、前からプレスを掛けて奪いにいく姿勢をもって戦う。その準備をゲームで出していくことを意識させて戦わせました。そういったシーンも、出せなかったシーンもあったが、非常に良いゲームをしてくれた。負けたあとに、どう感情を表現したらいいか分からないが、3点目を奪われるまでは非常に良いゲームを見せてくれたと思う。狙いとするところを選手たちは出してくれた。ただ、残りの5分で3失点。表現するならば、少しずつ牛から乳をしぼってバケツに貯めたミルクを最後に自らひっくり返してしまったゲーム。良いゲームをしていたが、最後にそれを壊してしまったゲームだったのじゃないかなと思います」


■川崎フロンターレの鬼木達監督のコメント(一部抜粋)
 「中断明けで勝ちたい試合だった中で、途中から追いかけるゲームとなったが、我慢強く自分たちのサッカーを続けてくれた。また、雨の中でそれを支えてくれたサポーターも自分たちの力になった。スタートから出た選手も、あとから入った選手も、全員がパワーを与えてくれた。そういうゲームだったと思う」
池田淳