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天皇杯2回戦でコンサドーレ登場 桐蔭横浜大に辛勝で3回戦に進出

22・06・11
 ミシャ「勝ったが禍根残す試合」

  桐蔭大監督「残り10秒で負けたか」
    
 
 天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会の2回戦は6月1日と8日に各地で行われた。J1の北海道コンサドーレ札幌は6月8日に札幌市の厚別公園競技場で、神奈川県代表の桐蔭横浜大と戦い、延長の末4−3で勝ち進んだ。

 この日はFC東京が岩手県代表の富士大を2−0で、J2の横浜FCが宮城県代表のソニー仙台を3−3の延長戦でも決まらずPK戦3−1で下し、コマを進めた。これでJ1チームは18チームすべてが3回戦に進出。

 2回戦のコンサドーレ対桐蔭横浜大学戦は、18時00分キックオフ。天候は晴れ、気温14.1度、湿度54パーセント。入場者1千642人。肌寒い気候の中で行われた。

 審判団は、10年目の柿沼亨主審(41、埼玉県出身)、副審は船橋昭次、原尾英祐。第4の審判は高野佑哉の4人。

 札幌の先発はGK松原修平、DF中村桐耶、井川空、西野奨太、WB藤村怜と田中宏武。ボランチはガブリエル・シャビエルと檀崎竜孔。3トップはドウグラス・オリヴェイラ、小野伸二、興梠慎三。これで乗り切れと言うところだが、前半0−2の失点。ハーフタイムにDF福森晃斗、岡村大八、MF青木亮太、金子拓郎の4人が交代(中村、西野、檀崎、伸二)。

 後半も24分に、オリヴェイラOUT漆館拳大IN。さらに延長に入り即、DF井川OUT佐々木奏太IN。これで控えのGK中野小次郎を除く6人が全員登場。対する桐蔭大も札幌と同じ18人登録中、GKを除く6人が交代出場した。

 試合展開としては前半18分、桐蔭大FW白輪地敬大が味方のパスに反応、スペースへ走り込みダイレクトシュート。札幌GK松原がはじいたボールはゴールへ吸い込まれてゲット。さらに23分、札幌DFのクリアボールを拾った桐蔭大MF高吉が前方にフリーでいたFW白輪地にパス、左足を振りぬき2得点目を決める。

 後半はコンサドーレの反撃。11分交代した金子が桐蔭大DFのクリアボールを蹴りこみゲット、1−2。さらに23分、札幌DF岡村のスルーパスを受けたMF青木が加点し2−2の同点。試合は振り出しの感があったが、44分に桐蔭大MF高吉が札幌のパスを奪い、ドリブルで札幌ゴール前に進入、スルーパスを受けたFW寺沼星文がワンタッチシュートを決め2−3。

 アディショナルタイム+4分、札幌GK松原の前方へのキックを桐蔭大DFがクリアミス。浮いたボールを見逃さなかった札幌MF田中宏武が桐蔭大ペナルティアエリア内にフリーでいたDF岡村にヘディングで渡し、岡村がヘディングシュートでゲット。スコア3−3となり、両軍は疲労の濃さをにじませながら延長戦に突入。

 双方相手ゴール内に攻め込むが、決めきれない時間が続いていた15分ハーフの後半6分、札幌は相手陣内で右から大きく左前方へサイドチェンジ。受けた札幌MF田中宏が後方のシャビエルに預け、進入してきたDF福森に渡す。相手を背負っていたFW興梠にスルーパスを出すとペナルティアーク付近にいたMF金子に落とし、金子は左足を振りぬく。桐蔭大GKが一歩も動けないシュートがゴール右上に決まり、自身2得点目で札幌が4−3で逆転。

 疲労のせいか喜びもほどほどに自陣へ戻る札幌の選手たち。その後は桐蔭大もあきらめずに攻めるが決めきれず、札幌も加点を狙うが及ばなかった。試合は延長後半15分+3分でタイムアップ。トータルスコア4−3で札幌が勝利し3回戦進出を決めた。

 大学勢の健闘を目にし、余談だが、30年ほど前、倶知安町で「大学3軍選手権」をしたことがある。背番号が100番というのがいて、10チームぐらいの参加があった。いまのニセコ地区を思い出させる「スポーツの集い」があった―。

 シュート数は、札19―12桐、CK札14―2桐、FK札24―11桐、PKなし。

 札幌の天皇杯の次戦は6月22日、J2ヴァンフォーレ甲府と、甲府市のJITリサイクルインクスタジアムで対戦する。

 次の試合は、JリーグYBCルヴァンカッププレーオフ第2戦。6月11日敵地・広島のエディオンスタジアムで16時からサンフレッチェ広島と対戦。 


■北海道コンサドーレ札幌の興梠慎三選手のコメント
 「戦う前から難しくなると思っていたが、予想以上に苦しかった。若い選手のチャンスの場ということで良いゲームをしたかったが、後半から入ってきた選手に助けられたような試合になった。

 負傷したひざは、手術する前に比べると良くなっている。これからもっとよくなると思っている。今日は120分プレーすることになったがそのぶんコンディションも上がっていくと思う。今日は何度か決定機がありながらも決め切れなかったので、決め切れるようにしていきたい」


■北海道コンサドーレ札幌の金子拓郎選手のコメント
 「厳しい試合になると思っていた。先制して主導権を握っていくことがベストだったが、悪い流れで2失点してしまった。自分は後半から出場し、逆転することだけを考えていたので、それが出来て良かった。

 前半は相手の勢いに押され、相手の出足も良かった。そこが苦戦の要因。得点のところは、1つめは気持ちで押し込んだもの。2つめは、興梠(慎三)選手の落としがうまくて良いボールが来た。しっかり決めることが出来て良かったと思う。大学生相手に厳しい戦いになってしまったが、結果を出せて良かった」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「非常に難しくなると思っていたが、ストレスのある試合となった。勝ったが、思っていた以上に難しくなった。土曜日に広島戦がある中で、考えていた選手の出場時間が予定外のものになってしまった。その意味では手放しで喜べる勝利ではありません」


■桐蔭横浜大学の安武亨監督のコメント(一部抜粋)
 「J1相手に必死で戦い、残り10秒までリードすることが出来ていた。選手はよく戦ってくれたと思う。満足している。もちろん勝利したかったですが、120分間の戦いで良い経験が出来た。素晴らしい試合が出来たと思う」

池田淳