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ルヴァン杯C組第6節(5月18日)、鳥栖とドローでGS突破決める

22・05・19
 上写真/前列左からMF宮澤、DF菅、MF駒井、ガブリエル・シャビエル、青木、後列(ドーレ君を除く)左から、MFドウグラス・オリヴェイラ(33番)、DF田中(2番)、FWミラン・トゥチッチ、MF金子、DF岡村(50番)、GK大谷(22番)、外国人3選手が前線に並んだ

  (5月18日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 ミシャ勇断3人トップ「鳥栖封じ」

  後半の「得点は引き分け狙い」の先制


 ミハイロ・ペトロビッチ監督が4年連続「ルヴァンカップグループステージを突破」した。プレーオフステージ進出を決める第6戦が5月18日札幌ドームで行われ、宿敵・サガン鳥栖と北海道コンサドーレ札幌が戦った。

 札幌のメリットは「引き分け」可。遠来の佐賀県鳥栖は「勝たなければダメダメ」。C組トップは「京都サンガF.C.」で、すでに独走。結局C組は京都と札幌。以下A組は1位:鹿島アントラーズ、2位:セレッソ大阪。B組は1位:サンフレッチェ広島、2位:名古屋グランパス、D組1位:湘南ベルマーレ、2位:アビスパ福岡。プレーオフ(PO)ステージは、6月4日から始まるが、札幌の第1戦は札幌ドームでB組1位の広島との対戦に決まった。

 それにしても、この日のドームは4千417人の観客。ちなみにA組の鹿島−G大阪のパナスタが4千254人、B組の名古屋−徳島のポカリが2千296人、C組の京都−柏の三協F柏スタが3千289人、D組のFC東京−福岡の味スタが4千532人。「やっぱり人気がないのか?」、結論は「ほとんど決まったカード」。さらに野々村芳和チェアマンの「次からは、声出しOK」の「自粛」だったことも「念頭に」あったようだ。

 試合の方は、19時03分札幌のキックオフ。2011年1級審判取得からのベテラン審判清水勇人主審(38、千葉県出身でプロ登録は今季から)。ルヴァンカップはPOステージまでは4人審判だから、副審は中野卓・浅田武士と第4の審判の眞鍋久大。

 札幌の布陣を見てびっくり。3トップにブラジル出身2人とスロベニア出身1人を並べた。ミラン・トゥチッチの両脇にドウグラス・オリヴェイラとガブリエル・シャビエル。たしか、ジェイがトップに入ってアンデルソン・ロペス(現横浜F・マリノス所属)とDオリヴェイラをシャドーにしたことは「あったようなー」。

 後ろの配置は、GK大谷幸輝、DF田中駿汰、岡村大八、菅大輝。ボランチに駒井善成と宮澤裕樹「攻守のバランスを考える」で、ワイド役には、右・金子拓郎−左・青木亮太。もはや「早く得点を!」。控えには西大伍、中村桐耶、檀崎竜孔、田中宏武、小野伸二、藤村怜も入っている。

 鳥栖はGK朴一圭、DF佐藤響、原田亘、島川俊郎、中野伸哉、MF森谷賢太郎、藤田直之、中野嘉大、FW荒木駿汰、藤原悠太、宮代大聖。7年目の藤田キャプテンや古株もいるが、1、2年の移籍組を「主体」にした川井健太監督の1年目の手腕が「時折」爆発する。

 ルヴァンカップ独特の「若手」を使った「登竜門的」な選手移動は、最終ラウンドに来て、鳥栖が9人替え。札幌が4人を「温存した」構えだが、鳥栖の藤田、札幌の宮澤のベテランが「いかにリード」するかも見どころ。案の定、前半は「お見合い」で終わりそうだ。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「スペースを見つけてボールを運ぼう」、「プレッシャーをもっとかけていこう」、「残り45分やり切ってプレーしよう」

■サガン鳥栖の川井健太監督のコメント
 「前半良いプレーが出来ているので続けること」、「球際しっかり戦うこと」、「ファイトして勝ち点3を必ず取ろう」


 後半は、選手交代から始まった。札幌がトップのGシャビエルOUT田中宏武IN、オリヴェイラOUT中村IN。ここで札幌はDF陣を動かして菅をワイドに上げた。DFにはオリベイラに代わった中村が入った。ここから約20分、札幌が「一大革命」。トップのMトゥチッチに代えて西大伍がFWの位置に入った。

 今度は24分過ぎ鳥栖の選手交代。藤原OUT梶谷IN、佐藤OUT相良IN。さらに27分鳥栖に札幌ゴール前でFK。キャプテン藤田登場。右足を振り抜くが壁に当たる。今度は札幌の攻撃に。

 29分カウンターから札幌の展開。右サイドの金子がドリブルでペナルティーエリア内に進入、中央にマイナスパスを落とす。走り込んだ中村が左足でゴール左下に流し込んだ。札幌ベンチ前のミシャやコーチ陣は、「ハイタッチ」。欲しかった先取点に「小躍り」した。

 32分、鳥栖が2組の選手交代で動く。森谷OUT石井快征IN、中野嘉OUT西川潤IN。直後の35分、今度は鳥栖。札幌ゴール前に右から走り込んだ原田が中央にクロスを上げる。GKとDFラインにボールが入り、走り込んだ西川が左足で枠内に流し込んでゲット。1−1の同点。

 札幌の背番号11、青木の鋭い走りが目立つ。ここにはいない「ルーカス・フェルナンデス」を思わせる「突っ込み」。宮澤も左サイドのコーナーフラッグ付近まで攻め上がり「最後の奮闘」。

 残り少ない中、鳥栖・島川OUT孫大河IN。札幌は青木OUT檀崎IN。アディショナルタイム4分。鳥栖は藤田、札幌は宮澤。両キャプテンが最後まで「グラウンドを走り回っていた」。ドロー決着に、鳥栖はピッチ、スタンドが「涙を流した」。札幌は、監督、コーチ陣、控えの選手が「輪になって喜んだ」。

 シュート数は、札6−16鳥、CK札6−6鳥、FK札13−14鳥 PKなし。

 2022明治安生命J1リーグ第14節ジュビロ磐田対北海道コンサドーレ札幌は5月22日午後3時から、静岡県磐田市のヤマハスタジアムで行われる。

 また、天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会1回戦は、5月21日午後1時から札幌厚別公園競技場で、札幌大学と山梨県代表の山梨学院大PAGASUSとの1回戦が行われる。なお北海道コンサドーレ札幌は6月8日の2回戦から登場する(相手は未定)。


 上:上段写真/前半9分、札幌MF駒井の縦パスを受け、FWミラン・トゥチッチ(32番)がシュートするが、鳥栖GKがキャッチ。左にMFガブリエル・シャビエル(18番)、右端にドウグラス・オリヴェイラ(33番)と外国人3選手が並んだ

 上:下段写真/前半29分、鳥栖左サイドからのクロスにFW宮代がジャンプするが及ばず、右にDF菅(4番)。その手前右から札幌FWドウグラス・オリヴェイラ5(33番)、MF宮澤(10番)、その左GK大谷、DF岡村


 上:上段写真前半38分、札幌MF宮澤(10番)が同じキャプテンマークを巻いた鳥栖MF藤田(14番)の追撃をふり払って前線に進む、左端FWミラン・トゥチッチ(32番)

 上:下段写真/前半45分、札幌MFガブリエル・シャビエル(18番)が後方から鳥栖FW宮代(11番)に倒される、宮代にイエローカード、左はMF中野信(13番)


 上写真/後半1分、GKからのロングボールを札幌DF田中(後ろ)と鳥栖FW藤原(25番)が競り合う

■北海道コンサドーレ札幌の田中駿汰選手のコメント
 「非常に難しい試合だった。前半は相手の厳しいプレッシャーもあり、なかなかうまくビルドアップすることができず、そこは課題だと感じている。そこでうまくいかなかったことが試合自体も難しくしてしまった。ただし、そうした状況の中でも前半は失点せず、無失点で後半に折り返すことができたことが勝因の1つだと感じている。

 引き分けでもグループステージ突破が決まるというシチュエーションで、いつもとは違う状況での試合だった中で、しっかり最低限の目標を達成できたところは前向きに捉えたい。ここからまた、次の試合に向けて良い準備をしていきたい」


 上写真/後半5分、鳥栖MF藤田(14番)のFKを壁を作って守る札幌の選手たち、左からMF金子、DF岡村、田中(2番)、FWミラン・トゥチッチ(32番)、DF中村(24番)、MF宮澤(10番)、DF菅(4番)がピッチに横になって壁の下を警戒、ボールはクロスバーを越えた


 上:上段写真/後半29分、札幌FWミラン・トゥチッチのライン沿いの縦パスを受けたMF金子(9番)が鳥栖DF島川(右)をかわしてDF中村のゴールのアシストをする

 上:中段写真/後半29分、札幌DF中村(中央)がMF金子のクロスを流し込んでのゴールに、ボールの行方を見ながらガッツポーズ、右端DF西(20番)

 上:下段写真/後半29分、先制ゴールを決めた札幌DF中村が、アシストしたMF金子(9番)のところに走り寄り吠える、左MF田中宏も笑顔


 上写真/後半35分、鳥栖のMF西川に同点ゴールを決められ、止められなかった札幌DF岡村がピッチに横になったまま、その右DF中村(24番)、鳥栖のキャプテンマークを巻いたMF藤田(14番)がバンザイ、その左DF相良(15番)


 上:上段写真/後半追加タイム1分、札幌DF西(20番)が攻め上がる、右はFW檀崎(17番)、西は後半20分にFWミラン・トゥチッチに代わって投入され、同じFWの位置に入ってチームをコントロール、流れを変えた

 上:下段写真/後半追加タイム5分、鳥栖MF藤田(14番)のFKを壁を作って防ぐ札幌の選手たち、左からMF金子、GK大谷、MF檀崎(17番)、駒井(14番)、西(20番)、DF岡村、田中(2番)、中村(24番)、MF宮澤(10番)


 上:上段写真/1−1のドローながらグループステージ突破を決めほっとした表情の札幌に選手に対し、鳥栖のFW梶谷(15番)は頭を抱え、MF藤田(14番)は顔に手をやる

 上:下段写真/グループステージ突破を決め「やれやれ」と言った表情の札幌の選手たち、MF金子(9番)の表情が皆を代弁しているようだ


■北海道コンサドーレ札幌の宮澤裕樹選手のコメント
 「引き分けでもグループステージ突破が決まるという試合の中で、うまく耐えながら0−0のスコアのまま試合を進めることができたことが勝因だと思っている。

 個人的には久しぶりにボランチとしてプレーし、やはりCBとは動き方などがかなり違うので、前半はかなり体力を消耗してしまった。後半はチームとしてもうまく修正が出来たし、自分としても前半よりも下がり気味の位置取りでプレーしたことで、普段どおりのプレーが出せるようになっていたと思う。

 自分は出場出来ないが、週末にすぐに試合があるし、またここから上を目指してみんなで頑張っていきたい」


 上:上段写真/鳥栖は1−1で引き分けグループステージ突破はならなかったが、札幌の選手と交歓して笑顔を見せる元札幌のMF中野嘉(7番)

 上:下段写真/後半追加タイム2分、追い詰められて渋い表情の鳥栖の川井健太監督(左)と選手を鼓舞する札幌のペトロビッチ監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「ご覧になったとおり難しい試合でした。非常にきっ抗しました。内容については、もっと良いものを出さなければいけない試合だったが、ホームでサポーターとともに最後まで走る、戦うというところを選手はやってくれた。その気持ちが最後まで見られた試合であり、その気持ちがこの結果を生み出したと思う」


■サガン鳥栖の川合健太監督のコメント(一部抜粋)
 「まずファン・サポーターに感謝します。非常に力になりました。突破ができず、残念です。ただ、収穫があったので、リーグ戦につなげていきたいと思っています。選手たちは良いパフォーマンスを見せてくれました。

 今日で今季登録のフィールドプレーヤーは全員ベンチ入りしたことになりました。層がかなり厚くなったと思います。ただ、まだまだ足りないところがあるので、甘さが出ないようにやっていきたい」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影