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J1第13節(5月14日)、首位鹿島にアウエーで1−4の大敗

22・05・16
 ミシャ「たられば」覚えたのかな?

  4失点を反省「菅の成長」は楽しみ


 ミハイロ・ペトロビッチ監督は今季2度目の「大敗」を喫した。第7節のサガン鳥栖0−5に続く5月14日の第13節鹿島アントラーズに1−4。鹿島のボスが「クラブアドバイザー」として「現れたその日」の出来ごと。現在トップを走りながらも「前節は広島に0−3で完敗」、誰しもが「心配」していた。

 両チームの直近5試合も鹿島2勝1分け2敗。札幌3勝2分け。ボスも乗り込むわけだが、監督も今季交代、スイス出身のレネ・ヴァイラー氏(48、エジプトのアルアハリ前監督、選手時代はDF)の采配はいかに。

 アウェーの「県立カシマサッカースタジアム」は、雨上がりの気温26.1度、湿度30パーセント。1万1千438人の観衆が入り、中継の解説、アナウンサーらが「暑いですね」。

 担当審判は、今季のJリーグ審判団先頭の荒木友輔主審(36、東京都出身、1級審判取得から11年目)。副審(線審)渡辺康太、村井良輔。第4の審判・塚越由貴。VAR柿沼亨、AVAR大川直也の6人で行われた。この日、PK判定があり、審判がいかに権限を持ち「冷静であったか」。私は、以前から「この問題に取り組み」、審判団を掲載するに至った。世界選手権(W杯)の開催国・カタールでは、この「審判講習会」も現在行われている。

 試合の方は地元で勝利を狙った鹿島が、4−4−2のシステム。前節からはMF松村優太が外れ、ディエゴ・ピトゥカが入っただけ。GKクォン・スンテ、DF常本佳吾、関川郁万、三竿健斗、安西幸輝、MF樋口雄太、Dピトゥカ、和泉竜司、アルトゥール・カイキ、FW上田綺世、鈴木優麿。控えとしてDFキム・ミンテ(元札幌)、中村亮太朗、ファン・アラーノ、土居聖真、染野唯月ら。

 札幌はGK菅野孝憲、DF田中駿汰、宮澤裕樹、福森晃斗、WBルーカス・フェルナンデス、菅大輝、ボランチ深井一希と高嶺朋樹、MF金子拓郎、駒井善成、FWガブリエル・シャビエル。控えには、GK中野小次郎、DF中村桐耶、岡村大八、MF西大伍、青木亮太、FWミラン・トゥチッチと中島大嘉。

 15時03分、札幌がキックオフ。立ち上がり2分。札幌が大チャンス。右サイドで約30メートルのFK。福森がキッカーに回り鋭いボールをエリア内にほうり込むが、誰も押し込めずゴールを逃す。前半、札幌の得点機は「これ1度」。福森は右CKはルーカスに任せきり。前節の京都戦で「あれだけCK、FK」を蹴った「ファイトは」見られなかった。コーチ陣の「作戦だったら許しがたい」。

 ここからは、鹿島の独壇場。6分、FW上田が先制すると、次は30分のPKへ。背番号40キャプテンマークの鈴木がキッカー。これを見事に札幌GK菅野が防ぐが、主審はPKのやり直しを判定。札幌DFのエリア内進入が「早い」と見て「再キック」判定。今度は鈴木が決めて2点をリードした。

 さらに44分高嶺がけが、岡村と交代。アディショナルタイム3分。さらに鹿島の攻撃は続き46分、水を得た『鹿の大群』は和泉−カイキ−上田と渡り、最後は鈴木がフリーで決めた。前半は3−0で折り返す。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「球際をねばり強くいくこと」、「後半1点ずつ返していこう」、「前半と同じような戦いではダメだ。落ち着いて1点ずつ取り返していこう」


■鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー監督のコメント
 「前半のような素晴らしいプレーを後半も続けよう」、「集中力を切らさずに戦うこと」、「90分を通じて自分たちのゲームをしよう!」


 後半スタートから札幌は選手交代。宮澤OUT青木INさらにシャビエルOUTトゥチッチIN。しかし後半も鹿島の得点から。3分、右サイドの札幌陣内でFK。キッカーは樋口。右足でクロスをゴール前に。合わせたカイキはヘッドで4点目をゲットした。

 札幌はルーカス、金子、青木と、深井に代わった「頭の中島」が元気に走り回ったが、時すでに遅かった。だが、ミシャ監督の「秘蔵っ子」、菅大輝が、24分に左サイドの「スガ・スペース」をドリブルで相手をかわし「進入」、ここは何と「右足」で蹴り込んだ。やれば出来るんだ、背番号4(札幌ユースU−12からU−15、U−18を経てトップチーム昇格6年目)。

 てなことを考えている間に、アディショナルタイム4分は終わった。最後は菅大輝が持ち込んだボールが相手GKに渡り、そこから鹿島のファンアラーノが札幌ゴールに向けて蹴ったところでゲームセット。首位相手に力の差を見せつけられ、脱力した。

 シュート数は、鹿17−11札、CK鹿2−6札、FK鹿9−6札、PKは鹿島1。
                                 
 次はYBCルヴァンカップ第6節北海道コンサドーレ札幌対サガン鳥栖戦は、5月18日午後7時から札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌の福森晃斗選手のコメント(一部抜粋)
 (前半は、後ろ向きの対応を強いられることが多かったが―)
 「気温差もあったり、そこにうまく順応出来なかったなという部分と、立ち上がりからうまく自分たちのテンポでポゼッションすることが出来ずに、鹿島さんのプレスに自らハマってしまったなというのが率直な気持ちです。その中で、立ち上がりの6分で失点してしまったので、より苦しく、自分たちでゲームをそういうふうにしてしまったなというのが率直な気持ちです」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「皆さんご覧になったとおり、前半は最も悪い出来の前半だったと思います。前半は鹿島が非常に出足がよく、非常にアグレッシブで、我々のチームを明らかに上回っていたと思います。奪ってスペースに出してくるボールが非常に効果的に働いている部分もありましたし、我々の選手はすべてにおいて一歩、半歩、遅れているような状況でした。もちろん、こういったことは言い訳にはならないんですけど、ただ、今日の気温、高い湿度というのは、我々札幌から来た選手には非常に酷だったと思います。そうした気候や状況が我々の選手に与えた影響はあったと思います。それが前半の出来が悪かった理由の1つだと思います。

 後半に入って、立ち上がりの早い段階でセットプレーから失点して、0−4という形でリードされてしまいました。そこから札幌は自分たち本来の戦いを始めたと思います。後半に入って自分たちのペースを取り戻す中で、チャンスは十分に作れていたと思います。得点にならないチャンスが多かったのですが、決定的なシーンはいくつも作れていたと思います。もし、鹿島の鈴木(優磨)選手や上田(綺世)選手が我々のチームでプレーしていたら、4−4、もしかしたら5−4になっていたかもしれないくらい、それくらい決定的なシーンが4回、あるいは5回くらいあったかもしれません。青木(亮太)選手は3回くらい、ほぼフリーな状態でゴール前に入っていったシーンがあったと思います。それが決まっていたら、という展開まで作ることは出来たと思います。

 結果に対して、“たられば”はないんですけど、4−1で勝利した鹿島を称えたいと思いますし、今日は鹿島が勝利したゲームであり、我々が負けたゲームでした。我々はしっかり頭を切り替えて次のゲームに向かっていくだけだと思います」


■鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー監督のコメント(一部抜粋)
 (今週、準備してきたプレスの形がハマった。前節の広島戦で出た課題を消化して得た1勝をどう評価?)
 「サンフレッチェ戦とコンサドーレ戦は比較の対象にならないというのが、僕の考えです。今はチームの形、皆さんの表現ではスタイルという言葉になると思いますが、ボールを持っている時や持っていない時に何をするべきなのか、その意識をインプットしている状況なので、そういった意味で比較の対象にならないと思います。今の基準は、自分のチームがどのように振る舞っているか、そのパフォーマンスを求めています。それに関しては、今日の前半は素晴らしかったです。

 カウンターの場面も、求めている効率的な部分をしっかり表現していましたし、デュエルも勝って、セカンドボールも拾えていました。チームとして求めている部分はしっかり出来たと思います。それをもっと長い時間で出来るか出来ないかという部分になってくるので、それをみんなで意識しながら取り組むことが出来ればと思います。非常に満足出来る前半、総合的に満足出来る試合だったのではないかと思います」

池田淳