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【再掲】J1第3節(3月6日)、アウエー福岡相手に0−0 札幌GK好捕物語

22・03・11
 「ミシャGKやったことある」???

  福岡戦は菅野のPK阻止で勝ち点「拾った」


 「ミシャ! ゴールキーパーやったことある?」。2022年3月6日午後2時35分。北海道コンサドーレ札幌対アビスパ福岡戦で、札幌GK菅野孝憲が福岡のFWルキアンのPKを阻止、福岡のベスト電器スタジアムの5,006人の観衆はマスクを「突き破るような」悲鳴と、落胆に包まれた。

 札幌・福岡とも今季2引き分けで臨み、特に福岡はJ1でホーム50勝の記念ゲームを控え、DAZNの解説者は「あれは菅野じゃないと取れない球」と言わせた。

 試合の方は、14時03分、札幌のキックオフ。荒木友輔主審(35、東京都出身、昨季のPK判定6)のホイッスルで始まった。天候晴れ、気温10.1度、湿度38パーセント。

 札幌の布陣はGK菅野、DF田中駿汰、宮澤裕樹、福森晃斗。中盤に駒井善成と高嶺朋樹。両ワイド右ルーカス・フェルナンデス、左は菅大輝。トップに3試合目の興梠慎三。両シャドーが金子拓郎と小柏剛。このところJ1使用はこの3−4−2−1。

 福岡の長谷部茂利監督は、2020年にJ2リーグ2位から昇格、3年目になる。GK村上昌謙、DF熊本雄太、ドウグラス・グローリ、宮大樹、志知孝明、MF湯澤聖人、中村駿、前寛之、ジョルディ・クルークス、FWルキアン、山岸祐也。

 この日一番のハイライトは、前半32分に起きた。29分に札幌ペナルティエリア内で田中駿が相手FW山岸を倒し、イエローカードのPK。キッカーはルキアン。あっさりボールを握りペナルティーマークにセット。1、2歩下がって右足でキック。GK菅野が右に飛びつき、約1メートル先で「キャッチした」。

 試合終了後の菅野の話し、「攻撃面に関して、特に前半はうまくいかなくて、福岡さんの守備の出足が良かった思います。(あの場面)赤池(保幸)GKコーチからデータを渡されていますし、蹴る前に興梠(慎三)さんに「絶対に動くなよ」と言われていたので、2人のおかげです」(試合全般の話しは「選手コメント」で)。

 ということで、前半はスコアレスの緊迫した内容。VAR(吉田哲朗主審)、AVAR(五十嵐泰之副審)の出番がたくさん見られた。 


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「セカンドボールを拾っていこう」、「選手間の距離を考えてプレーしよう」、「スペースを見つけてパスを回そう」

■アビスパ福岡の長谷部茂利監督のコメント
 「いい戦いが出来ているのでこの後得点をとって結果に結びつけよう」、「守備面のいい所は継続して立ち上がり集中して入ろう」


 後半は、札幌出身の前寛之キャプテンの話しで、察してほしい。そういえばもう一人北海道出身の奈良竜樹(28、北見出身、FC東京、川崎、鹿島)が2年目。この日はメンバーに入っていなかった。

 前キャプテンいわく「PKもあり、VAR判定もあり、勝ちが欲しかった。結果的には引き分けですが、前後半途中までは良い形が出来ていました。準備してきたものが、ある程度出来たと思います」。

 札幌の選手交代は、後半15分宮澤OUT柳貴博IN。同後半15分駒井OUT深井一希IN。同分興梠OUT青木亮太IN。後半24分菅OUT荒野IN。同42分ルーカスOUT中島大嘉IN。遅すぎた「頭が“利き足”登場」。なお福岡の選手交代も3人でした。

 アディショナルタイムの表示は3分。46分台に入って札幌は落ち着いたボール回しから相手陣内に押し込み、中央からDF柳が左足で強烈なミドルシュート。これを相手ゴールキーパーがこぼし、混戦からMF青木が「ゴールに押し込んだ―」が、その前のプレーでオフサイドの判定。

 結局スコアは動かず0−0でタイムアップ。終了後「おやー、キャプテン前寛之が札幌陣内にまっしぐら」。声からすると「札幌選手とのエールの交換」(番組担当良いシーン見逃した?)。元札幌の仲良しさん。弟・寛之(26、札幌→水戸→福岡)と兄・貴之(28、松本山雅FCキャプテン)、まだ元気だぞ。

 シュート数は、福13−6札、CK福5−4札、FK福18−19札、(PK福1失敗)。

 2022明治安田生命J1リーグ第4節北海道コンサドーレ札幌対横浜F・マリノス戦は、3月12日午後2時から札幌ドームで行われる。


■北海道コンサドーレ札幌の菅野孝憲選手のコメント(一部抜粋)
(リーグ戦3試合連続ドローですが、次の試合に向けて)
 「僕たちが思い描いているような結果は出ていませんが、シーズンが終わったときにこの3試合が効いてくると信じて、次の試合に向けて準備をしたいですし、僕たちには絶対に出来ると思うので、自分たちのこと、監督のことを信じて続けていきたいと思います」


■北海道コンサドーレ札幌の小柏剛選手のコメント(一部抜粋)
 「福岡さんは守備がすごくうまいチームで、前からの守備もそうですし、最後ゴール前で体を張るところもしっかりしていた。僕らが得点を取るところで難しい部分だったとは思いますが、コンビネーションや裏への抜け出しというところを出しながら崩したかったのですが、無得点に終わり、最後にチャンスが何回かある中で決め切れなかったところもあったので、もっとやっていかないといけないと思いました。セカンドボールを福岡の選手に拾われて2次攻撃を許すことがあったので、そこは次節に向けての修正点になるのかなと思っています」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「今日のゲームは予想していたとおり、非常に厳しいゲームになりました。予想どおりの展開で、相手は前にいるターゲットに長いボールを蹴って、そのセカンドボールを拾って攻撃を仕掛けてくる。そういった相手の狙いは分かっていましたが、(中略)ビルドアップの部分で前と後ろの距離が非常にある中で、攻撃の方もうまくいかずに、引っかけられてカウンターを受けるという展開になってしまいました。前半は我々が1点、2点を取られてもおかしくない展開だと思います。そういう失点をしなかったことは非常にラッキーでした。

 ただ、今日選手たちは強い気持ちを持って戦ってくれたと思います。我々は2か月あまりに及ぶキャンプの真っただ中にあります。広島との札幌でのホームゲームがありましたが、相手の広島よりも我々の移動距離のほうが長いということもある中で、勝点1を取りました。もう少しでキャンプが終わりますが、やはり長い期間、家族と生活出来ない環境で戦い続けるのは簡単なことではありません。

 その中で今年に入ってからの5試合の公式戦でまだ負けていないということは選手たちが頑張ってくれている結果だと思います。もちろん勝つことが出来ていればより良いわけですが、現状の中で今日のゲームもそうでしたが、非常に強いものを持って戦ってくれています。今日のゲームはもしかしたら負けていたかもしれない展開の中で引き分けたことは選手の成長の証だと思っています」


■アビスパ福岡の長谷部茂利監督のコメント(一部抜粋)
 「得点をあげるチャンスがあった中での引き分けだったので、また相手にボールを持たれるシーンはありましたが、大きなピンチも多くはなかったので、そういう意味では勝ちたかったなと。ただ、公式戦は続いていくので、また選手たちと高めて試合に臨んでいきたいなと思います」
池田淳