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第101回天皇杯・浦和レッズが8度目の優勝で飾る「槙野」が決勝弾

21・12・21
 ミシャさん「槙野です」ヘディングです

  広島・浦和「楽しかった」退団決定


 広島−浦和−札幌をサッカーの伝道師として日本を歩んで15年。ミハイロ・ペトロビッチ監督の北海道コンサドーレ札幌の監督5年目が決まった。Jリーグと日本サッカーがある限り「語り継がれる」、新たな「歴史が刻まれた」。

 正式名称・天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権大会決勝は2021年12月19日決勝戦が行われた。今年の決勝に駒を進めたのは、今季のJリーグ6位の浦和レッズと18位(来季J2降格)の大分トリニータ。会場は「2020東京五輪・パラリンピック」のために新装となった「東京国立競技場」。5万7千785人の公式戦初の大入り満員だった。五輪中は新型コロナウイルス対策で入場規制されたが、今回は「初の大量入場者」。声出しの応援は禁止となっていたが、プラスアルファの「オミクロン」の出現も気になるところだ。

 主題の天皇杯は、浦和レッズが2−1で、3年ぶり8度目の「賜杯を受けた」。歴史の中で8度は最高で、その昔、慶応義塾大学の「慶応BRB」(ブルーレッド&ブルー)が、果たしている。準優勝の大分トリニータは、札幌の愛称ミシャが好きな、「ルヴァンカップ」の前身・2008年「ヤマザキナビスコ・カップ」初優勝以来の快挙。

 試合の方は14時04分、国際審判の荒木友輔主審(35、東京都出身)のホイッスルで、浦和がキックオフ。新国立競技場こけら落としのような「ずっしりとした」緊張が走った。天気は晴れ、気温10.1度、湿度33パーセント。

 ピッチ上には浦和GK西川周作、DF酒井宏樹、岩波拓也、明本考浩、アレクサンダー・ショルツ、MF伊藤敦樹、小泉佳穂、柴戸海、関根貴大、FWキャスパー・ユンカー、江坂任のイレブン。ベンチには宇賀神友弥、槙野智章、大久保智明、西大伍ら、「あれっ」今季で退陣の浦和14年阿部勇樹の背番号22が見えない。

 大分は6年目の片野坂知宏監督(50、鹿児島県出身)が、黒マスクで現れた。2016年就任、J3優勝。J2を2シーズン戦い19年J1昇格9位。20年は11位だったが、今季J1を戦い終えて18位が決定した。さらに今季の天皇杯、準決勝でJ1優勝の川崎フロンターレと戦い、1−1の延長からPK戦5−4で勝利、決勝戦に進出した。

 GKキャプテン高木駿(32、神奈川県出身、東京V−明大出身)。決勝でも見せ場を作った。DFは三竿雄斗、エンリケ・トレヴィザン、小出悠太、MF小林裕紀、町田也真人、下田北斗、小林成豪、ペレイラ、FW伊佐耕平、渡邊新太。サブに背番号10野村直輝、MF松本怜、FW長沢駿らがベンチ入りしていた。どこかで・聞いたことのあるペレイラは(24、ブラジル出身、リーグ戦は5月のコンサドーレ戦から出場)、まだ去就は決まっていないという。

 前半6分、あっという間に浦和が得点した。ゲーム的には大分がボールキープをしていたようだが、組み立てを意識したパス回しは、浦和が上。GK西川からのフィードを小泉が見事なフットワークで攻め込む。関根に回りペナルティーエリアからトップの江坂がダイレクトで、相手DFの股間を抜いたシュート。「簡単」に決まった。

 その後も、浦和優位のままの展開で、時が経つのが早い。「飲水タイム」は無い様だ。1−0で試合を折り返す。

 後半は、両チームとも選手交代なし。大分にCKが与えられるが反応なし。さらに浦和側にもCKのチャンスは来るが、「ヒヤリ」とする場面には展開しない。20分過ぎに「選手交代」の気配、気を取られるのが、今季限りの「契約満了」。特に浦和が気になる。宇賀神と槙野だ。

 25分、浦和の江坂が、トップ下の関根にスルーパスを出し、その先で相手GK高木と1対1になるが、高木がファインセーブ。これで得たCKで浦和DF岩波がゲット! と思われたが、判定は浦和のオフサイド。

 最初の選手交代は大分。27分MF小林OUT野村IN。浦和は宇賀神登場FWユンカーOUT。34分にも大分が2組交代。この後、おとなしかった大分・中央のペレイラが競り合った浦和DF明本へファール。警告を得て「イエローカード」。

 38分、浦和・小泉OUT槙野登場。さらに関根と大久保が交代。落ち着いたところでGK西川が槙野にキャプテンマークを着ける。40分から44分へ。大分がプレス。GK高木が中央左から、左の下田に回すように指示。下田からのクロスが浦和ゴール右上に高く上がり、飛びこんだペレイラのヘディングシュートが決まった。1−1の同点。せっぱ詰まった中での「采配はあの時」(準決勝川崎戦)を思い出させるよう。

 アディショナルタイムは5分。47分、浦和ボール。代わったMF大久保がCKを得る。このCKを大久保がキック。相手がクリアしたボールはペナルティーエリア近くにいた柴戸がボレーシュート。これをゴール前に突っ込んでいた槙野がヘディングで角度を変え、試合を決める「グッドバイゴール!」。ユニホームを脱ぎ棄て、場内を走り回る「浦和のヒーロー」。50分、槙野にイエローカードが挙げられた。2−1で浦和が劇的勝利。

 表彰式では、今季限りで引退する阿部勇樹が、天皇杯を高々と差し上げた。

 シュート数は浦9−分4、CK浦4−分5、FK浦12−分11、PKなし。
池田淳