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J1第30節(9月26日)、広島に0−2で敗戦。選手の個性が失われている

21・10・01
 上写真/25周年の記念ユニホームで広島戦に臨むコンサドーレ札幌の先発メンバー、左からキャプテンDF宮澤(10番)、田中(2番)、菅(4番)、MF高嶺、FW小柏(35番)、MF青木(28番)、ルーカス・フェルナンデス、駒井(14番)、金子(9番)、荒野(27番)、GK菅野(1番)

 (写真は9月26日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 ミシャの意思は「伝わっている」

  選手の「個の力が出ていない」


 日本の故事に「笛吹けど踊らず」というのがある。北海道コンサドーレ札幌が、迷走している。監督コーチプラス小野伸二までの「ストーリー」は出来ている! 後は個々の選手が「自分の持ち味を膨らます」だけだ。

 個の決断、それは「自分との戦いだ」。結果を造れ、誰からの教えももらわない、己に「光るものは」もはや「出すだけ、やるだけだ」。幸せだナー、まだ時間も場所も『己』も走っている。必ず「結果は出るはずだ」。

 加えて「背水の陣」が近い。もはや出来上がっていなければならない「時間」。そんなことを思いながら「試合を見ていた」。

 2021年9月26日、久しぶりの札幌ドーム。4千999人の観客が入った。ドーム内は23.2度、湿度45パーセント。赤黒の記念ユニホームは北海道コンサドーレ札幌。相手は中3日のサンフレッチェ広島。ミハイロ・ペトロビッチ監督の日本初飛来の地。2006年から浦和を経て、札幌は4年目。「苦労の果てない男」だ。

 この日はPK判定もあり、クルーを紹介する。松尾一主審(この日は49歳のバースデー、大阪府出身)。記念日と共に、副審(線審)渡辺康太・勝又弘樹、第4の審判員は三上正一郎、VAR井上知大、AVAR越智新次の6人。

 広島の監督遍歴はミシャ監督から森保一、ヤン・ヨンソンから4年目の城福浩監督。両軍のフォーメーションが3−4−2−1で、ミラーゲーム。これまでの対戦成績は広島の12勝5分け7敗。

 札幌は、前節FWトップがミラン・トゥチッチだったが小柏剛が入り、残る10人はGK菅野孝憲、DF田中駿汰−宮澤裕樹−菅大輝。右のワイドにルーカス・フェルナンデス、左は青木亮太。ボランチは駒井善成と高嶺朋樹。シャドーに金子拓郎と荒野拓馬の布陣。

 対する広島はMFとFWで4人を入れ替えたスタメンで臨んだ。両チームのキャプテンは宮澤と佐々木翔。広島は、元札幌のGK林卓人が500試合出場を果たした。

 13時01分、試合は広島のキックオフで始まった。するとアッという間の3分。先取点を取られた。2分にFWのDヴィエイラが中盤からドリブルで中央突破、シュートをGK菅野がはじき出し左CK。キッカーのMF柴崎晃誠が右足で蹴り込むと、札幌DFが中途半端なクリア。右側に流れたボールをDヴィエイラがシュート。DF高嶺が一度は防ぐが、ゴール前に構えていた佐々木が右足でクリーンシュート。先制点を挙げた。

 早すぎる失点に、ゲームプランが崩れた札幌。立て直そうとトップ下の金子、駒井、荒野、田中駿、青山らが相手ペナルティーエリアに持ち込むが、シュート体勢まではいかなかった。37分から40分にかけて福森晃斗の代わりにDFに入った菅大輝が大暴れ。初めて攻撃の渦中に入って「攻めの力」を見せたようだ。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■サンフレッチェ広島の城福浩監督のコメント
 「守備の時は中央を閉じること」、「攻撃はマイボールを大切にしよう」、「みんなでつないで勝点3を取るぞ!」


 後半は荒野OUTドゥグラス・オリヴェイラIN。Dオリヴェイラに球を預ける作戦に変更。トップに球を出す作戦に変えた。しかし、シュートチャンスはほとんどない。先を読んだ広島の布陣は、中盤から自陣エリア内に「5バック」気味に布陣を引く。

 右のルーカスは、フェイントで相手を抜き去るが、ここまで。シュートチャンスに、「足を振り抜けない」。さらに金子、田中駿、小柏らのシュートが、切り返し、切り返しを繰り返し、「振り切れない」。

 36分。菅と相手FWのDヴィエイラが接触、ペナルティーエリア内で座り込む。主審がVARの判定を仰ぐ。37分主審がオンフィールドレビューの映像を確認しPKの判定。38分、菅にイエローカード。39分、キッカーはDヴィエイラ。右足でグラウンダーのシュート、GK菅野の指先に触れたがゴール左下に入った。0−2に。

 アディショナルタイムは2分。札幌の「決定力の無さ」が、印象に深く残った敗戦となった。

 シュート数は、札12−広島11、CK札7−広島3、FK札10−広島12、PK札0−広島1。 
  
 2021明治安田生命J1リーグ第31節ガンバ大阪−北海道コンサドーレ札幌戦は、10月2日午後7時から大阪府吹田市のパナソニックスタジアム吹田で行われる。


 上:上段写真/前半3分、広島左CKから札幌のDF陣に当たったこぼれ球を右サイドからFWドウグラス・ヴィエイラがシュート、札幌MF高嶺(左から2人目)に当たってはねたボールをDF佐々木(19番)が右足で決め先制する、札幌GK菅野、左端DF菅(4番)

 上:中段写真/前半3分に先制ゴールを決めた広島DF佐々木が(19番)が、FWドウグラス・ヴィエイラ(右)と抱き合って喜び、DF荒木(4番)も走り寄る

 上:下段写真/前半3分に広島DF佐々木に先制ゴールを決められ、うつむき加減の札幌の選手たちに「まだ、これから!」と言わんばかりに気合を入れる札幌GK菅野(中央)、選手たちは左からMF金子(9番)、駒井、青木(28番)、やっと立ち上がった高嶺、荒野(27番)


 上:上段写真/前半10分、札幌右スローインからの流れでMFルーカス・フェルナンデス(右から2人目)がミドルシュートを放つが、広島DF荒木(4番)、MF東(24番)にクリアされる、右端MF青山(6番)

 上:下段写真/前半27分、札幌MF金子からのパスを受けた荒野(中央)がドリブルでゴールへ向かうが、広島DF野上(2番)、MF藤井(15番)に挟まれるように阻止される


 上写真/後半6分、札幌DF宮澤、FWドゥグラス・オリヴェイラとつながったパスを受けたMF金子が、広島GK林(1番)の左手をかいくぐって同点ゴールを決めた、と思ったのも束の間、無常にもオフサイドの判定でノーゴール


 上:上段写真/後半29分、札幌右CKから途中出場したFWドゥグラス・オリヴェイラが広島FWドウグラス・ヴィエイラ(9番)と競りながらヘディングシュートをするが、惜しくもゴール左に外す。4番は広島DF荒木、その右、途中出場した札幌FWミラン・トゥチッチ(32番)

 上:下段写真/後半29分、札幌右CKからの攻撃でシュートを外し頭を抱えて悔しがるFWドゥグラス・オリヴェイラ(左端)、右へDF宮澤(10番)、高嶺(6番)、FWミラン・トゥチッチ、広島の選手左からMF東(24番)、DF荒木(4番)、右端DF佐々木


 上写真/後半39分、札幌DF菅が与えたPKを広島FWドウグラス・ヴィエイラ(左端)に決められピッチに倒れ込む札幌GK菅野(右端)。他は左からDF宮澤(10番)、MFルーカス・フェルナンデス、DF田中(2番)、27番は広島MFハイネル


 上:上段写真/後半44分、札幌FW小柏(右手前)が懸命にドリブルで持ち込みシュートするが、広島DF陣にクリアされる。後方広島MFハイネル、左端札幌FWミラン・トゥチッチ

 上:下段写真/後半45分、札幌左CKからDF田中(左端)がシュートするが惜しくもゴール右に外す。田中には広島MF東、ドゥグラス・オリヴェイラにはDF荒木(4番)、右端FW小柏とミラン・トゥチッチにはDF野上(2番)がぴったりへばりついてマークは固い


 上写真/後半追加タイム4分、札幌左サイドのDF菅からのクロスを札幌FWドゥグラス・オリヴェイラ(33番)がシュートするが、ゴール上に外す。広島DF野上(右)、中央荒木(4番)


 上:上段写真/0−2と完敗、さわやかな笑顔が際立つ広島のMF青山(6番)に対しガックリの左から札幌DF菅(4番)、MF高嶺、FW小柏、左から2人目広島MFハイネルもエネルギーを使い果たしたか? 足を伸ばしている。

 上:下段写真/0−2と完敗、中央のFWミラン・トゥチッチ(32番)、その左MFルーカス・フェルナンデス、FWドゥグラス・オリヴェイラ、DF菅らの表情がすべてを物語っている


 上:左側写真/後半23分、コーチ陣と話し合う札幌のペトロビッチ監督

 上:右側写真/後半34分、広島FWドウグラス・ヴィエイラと札幌DF菅の接触の判定に広島DF野上(2番)と呼応するがごとく大きく両手を広げて抗議する城福浩監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「非常に痛い敗戦でした。今日に限らずここ最近はずっと良い戦いができている中で勝利に結びつかない試合が続いている。0−1の展開からよく盛り返してチャンスを作れていたと思います。その中で後半に関しても選手はよく走りチャンスを作れていた。しかしチャンスを決められず、チームが抱える問題が浮き彫りになった。相手のGKの素晴らしいプレーもありましたが、決め切れませんでした。

 試合をコントロールし主導権を握ることはできていた。チャンスが多い割には得点が奪えない。今日もそういった試合だった。選手は素晴らしいプレーを見せてくれましたし、気持ちもこもっていた。結果以外は素晴らしいと思いますが、抱えている課題が今日も出てしまった」


■サンフレッチェ広島の城福浩監督のコメント(一部抜粋)
 「最近ずっと良い入りができているので、それを続けようと。選手も非常に良い入りをしてくれて、その流れの中でCKから得点できました。その後、マイボールの時間が少なく我慢して守る時間が長くなり反省材料もありましたが、組織を崩さずに耐え抜いたことは、われわれらしくゲームが運べた証だと思います。何よりも無失点でしたし、攻守において非常に良いゲームができたと思っています」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影