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J1第28節(9月11日)、C大阪を敵地で破る「ミシャマジック」だ

21・09・13
 「ミシャマジック」敵地で乾杯

  金子・田中駿・小柏・青木ら躍動


 北海道コンサドーレ札幌がよみがえった。8月21日J1第25節で大分トリニータと1−1で引き分け。25日第26節で名古屋グランパスに0−2、28日第27節で川崎フロンターレに0−2、9月1日ルヴァンカップ準々決勝第1戦でFC東京にホームで逆転勝利したが、アウエーでの第2戦は0−2で敗退。9月8日、第19節セレッソ大阪に「聖地・厚別」で0−3。中2日アウエーで、再びセレッソ大阪と対戦2−0で勝利した。J1リーグでは3連敗のトンネルから抜け出した。

 「ミシャの負けても憎めないところは」、「ブラボーとドンマイ」だ。

 札幌のペトロビッチ監督は、コロナ禍でもピッチでマスクを掛けた愛称・ミシャの姿を見たことが無い。札幌で左足にも「故障」を抱え「両手にストック」を持ち、椅子を持ち込んでの「采配」。見るに忍びないが、「教え子やコーチ、監督」が、日本に来て2006年から2021年で16年、8百人を超えるだろう。「立ち居振る舞い」を見ても、誰も「憎む」者は居ない。「なるようにしか、ならないのである」。

 この日の試合は、9月11日、中2日で行われた札幌とセレッソ大阪の第28節。コロナ禍での観客制限を見込んだか、ヨドコウ桜スタジアムで、4千927人の入場者。いつもよりちょっと観客が多いのは、注目の選手・乾貴士(33、滋賀県出身、野洲高校出、横浜F・マリノス入団、C大阪などでプレー、ドイツ、スペインなど海外で活躍、2021年帰国、C大阪入団)が、復帰後初めて「大阪のファンの前に」。キャプテンマークを着けて札幌を迎えた。

 曇り空ながら気温28.2度、湿度58パーセント。18時04分、清水勇人主審(37、千葉県出身)の笛で札幌がキックオフ。審判団はVAR担当者2人を加えて6人。ちょっといつもと違うのは、札幌がビジターユニホームの白、ではなく「勝負服」のブラックで登場した。

 GKはいつも通りの菅野孝憲。DFの福森晃斗が5日の試合で、右ひざ内側側副じん帯損傷で欠場。3バックは田中駿汰−宮澤裕樹−菅大輝。ボランチに駒井善成と高嶺朋樹。右ワイドにルーカス・フェルナンデス、左は青木亮太。トップには2試合目のミラン・トゥチッチ。右シャドー金子拓郎、左に小柏剛。点の取れそうなメンバーだ。特に金子、田中駿、小柏、青木、菅、トゥチッチに「ゲット」の声を聴きたい。福森に加え、荒野拓馬が外れた。

 C大阪は、古巣に帰った乾がキャプテンマークを着けMF。GKキム・ジンヒョン、DF松田陸、MF原川力、FW松田力ら。サブには前試合得点したFW大久保嘉人の他、中島元彦、山田寛人が控え。がっちりホームのファンに「雄姿」を見せたいところだ。特に新監督であるし、ACLの試合も残っている。

 8日のホームゲーム(0−3)を思い出してしまう。「再三チャンスをつかむが攻めあぐむ」。右サイドも田中駿−金子−ルーカスの厚みのある攻めは良いが「詰め」が甘い。ここを何とかしようと、ミシャの念力。DFに置いた菅をCK、FKのキッカーに。菅の出た後は駒井と高嶺がバックアップ。なんとなくボールが回るようだ。

 最初のチャンスは2分、札幌がつかんだ。右サイドからのクロスを駒井が胸で落とし、小柏がシュート、クロスバーを越えたが、ファーストチャンスだった。9分にもCKを金子が蹴り、田中駿がヘディングシュート、枠を外した。さらに24分CKから宮澤が、ヘッドしたが、枠を捉えられなかった。C大阪も、乾に球を回しチャンスをうかがうが、決定的な場面は少ない。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■セレッソ大阪の小菊昭雄監督のコメント
 「2人目、3人目の動きを続けよう」、「守備はしっかりとできているので、後半もバランスに注意しよう」、「ここからが勝負になるので、全員で勝利をつかもう」


 両軍ともハーフタイムの選手交代なし。後半も札幌が主導権を握って攻める。右サイドの金子、ルーカス、田中駿のパス回しが行われ、相手守備陣の隙を狙う。C大阪は、両サイドにボールを散らしながら攻め手を探す。後半6分、ハーフウェーラインでFW松田がDF丸橋からのパスを受け、抜け出したFW加藤に入れてチャンス。加藤がエリア内に入ってのシュートは枠を外れる。

 札幌は8分、トップのトゥチッチがハーフウェーラインから小柏にスルーパス、ゴールを狙うがDFに対応されシュートは打てない。さらにルーカスと金子のワンツーで青木まで受け渡しシュートを打つがGKに阻まれる。19分、C大阪の選手交代。加藤OUT山田IN。松田力OUT大久保IN。札幌にとっては前試合第19節でトドメ・3点目を入れられたベテランだ。

 札幌も動いた。27分、トゥチッチOUTドゥグラス・オリヴェイラIN。トップにオリヴェイラが入った。すると1分後の28分、札幌にFK。キッカーは菅。得意の左足でシュート。DFに当たって、さらに小柏がシュート。GKは前にはじき出すが、クロスバーに当たりボールは前へ。待っていたのはドゥグラス・オリヴェイラのヘッド。先制・今季リーグ初ゴール。

 札幌の先制ゴールの勝敗率は70パーセント。多分低いほう。2分後の30分。駒井が頑張った。これが良かった。相手ペナルティーエリア内に入った背番号14駒井が、バランスを崩しながらもゴール前へ。待ってましたとフリーの青木が胸を突き出しゴールネットに突っ込んだ。34分、駒井ご苦労さん交代・柳IN。その後、宮澤OUT岡村IN。小柏OUTジェイIN。

 アディショナルタイムは6分。C大阪は、大久保、中島、瀬古、西川らが「最後の力」を振り絞って札幌ゴールを狙うが、主審はセンターライン付近で「最後の笛」を吹いた。

 札幌は黒装束をまといリーグ5試合ぶりの「白星」だった。順位は札幌10位(勝ち点39、11勝6分け11敗、35得点39失点得失点差マイナス4)。C大阪12位。

 シュート数は、札19−C大阪8、CK札4−C大阪4、FK札11−C大阪15、PKなし。 
  
 2021明治安田生命J1リーグ第29節ヴィッセル神戸対北海道コンサドーレ札幌戦は9月18日午後6時から、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行われる。
                          (池田 淳)
池田淳