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ルヴァンカップ第6節(5月19日)、ピッチ入れ替えでトラブル。札幌・鹿島は0−0

21・05・21
 上写真/鹿島とのグループリーグ首位争いの先発メンバーは次の通り。左からキャプテンマークを巻くMF荒野(27番)、DF菅、1か月ぶりにけがから復帰したDFキム・ミンテ(20番)、MF青木(28番)、駒井(14番)、GK大谷(22番)、負傷が癒えたMFルーカス・フェルナンデス、DF岡村、FW中島、DF柳(3番)、MFドゥグラス・オリヴェイラ

   (写真はいずれも5月19日、札幌ドーム、撮影・石井一弘)


 鹿島−札幌ルヴァン杯「0−0」

  「ピッチ20年の老化」電気系統か


 試合当日の5月19日、(株)コンサドーレの広報から、記者・カメラマンの報道関係者に「取材場所」がいつもと「違います」。記者席に着いてみて、サポーター席の正面にあるゴールポストが、正面席中段にある記者取材席の前に鎮座していた。左手のサポーター席に半回転していない。「4百ワットの電源で回転する『力』が無かった」。2002年・ワールドカップ日本・韓国大会を目指して2001年完成した「札幌ドーム」の20年目のアクシデントだった。

 試合は2021年JリーグYBCルヴァン杯1次リーグ最終節・北海道コンサドーレ札幌対鹿島アントラーズ戦。0−0のスコアレスドローで、互いにせめぎ合いをしているようだったが、縦に攻めてくる選手の間合いが、なぜか「遅行」に見えてしまった。

 観客は2千829人で、「いつもと違う」という人には、料金の払い戻しも「考えている」という。

 試合の方は、両軍とも「申し合わせ」をしたような「新顔披露」と「古参登場」で、懐かしかった。札幌で、まず、びっくりしたのがGK3人登録。スタメンはGK大谷幸輝(浦和レッズ−アルビレックス新潟から今季入団)、DF岡村大八(立正大出、ザスパクサツ群馬から今季入団)、キム・ミンテ(5年目)、菅大輝(5年目)、MF柳貴博(FC東京−期限付きでベガルタ仙台から今季入団)、駒井善成(4年目)、荒野拓馬(10年目)、ルーカス・フェルナンデス(3年目・けがから復帰)、青木亮太(大宮アルディージャから今季入団)、FWドゥグラス・オリヴェイラ(2年目)、中島大嘉(ルーキー)。

 控えGK阿波加俊太(9年目)、中野小次郎(法大出、ルーキー)、DF中村桐耶(U−18から2年目)、MF田中宏武(立正大在学中で来季加入内定)、小野伸二(日本代表・札幌7年目)、高嶺朋樹(U−18・筑波大出2年目)、FWガブリエル(ナイジェリア代表、新加入)。

 交代選手は、後半1分高嶺−駒井。後半19分ガブリエル−中島。後半26分田中宏−菅。後半34分伸二−荒野と、全部で4人。

 鹿島のスタメンはGKクォン・スンテ、DF広瀬陸斗−林尚輝−関川郁万−杉岡大暉、MF永木亮太−ディエゴ・ピトゥカ−遠藤康−ファン・アラーノ、FWアルトゥール・カイキ−上田綺世。

 控えGK早川友基、DF永戸勝也・常木佳吾MF荒木遼太郎・須藤直輝・松村優太・小泉慶。

 交代選手は、前半20分小泉−アラーノ。後半7分常本−広瀬。同7分松村−上田。同25分永戸−遠藤。同25分荒木−カイキ。前節から代わったのは小泉、白崎、染野で、アラーノ、カイキ、上田が入った。

 今季のチームを4月14日のザーゴ監督(ブラジル出身、2年目)解任から引き受けた新監督は相馬直樹コーチ(49)だった。Jリーグ優勝4度、天皇杯優勝2度、カップ戦は3度の優勝経験を持つ。これこそ「古参登場」だ。きっとやってくれるでしょう。

 さて試合は、何事も無かったように今村義朗主審(44、愛知県出身)の笛で、札幌がキックオフ。ドーム内は22.8度、湿度53パーセントで快適。札幌は野球場でいうとレフト側に攻めていった。記者席の下側に札幌GK大谷、選手監督のベンチは右手で、いつもは記者席の下側に陣取っていて、ペトロビッチ監督の「指示の声」は、ほとんど聞こえないが、この日は「右耳に強く」聞き取れた。

 前半25分を過ぎてもレフェリーの「飲水タイム」の笛が無い。気ばかり焦って試合は見えない。わずかに札幌優位だ(26分飲水タイム)。その後は札幌の3トップのパス回し合を見たが、3人目に渡るパスがカットされる場面が多かった。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「前半気持ちを出して戦えている」、「逆サイドをもっと見ていこう」、「コンパクトも意識していこう」

■鹿島アントラーズの相馬直樹監督のコメント
 「プレスはバランスを考えよう」、「奪ったボールを簡単に下げない」、「スペースに上手く飛び出そう」


 後半は、札幌の得点を期待したが、腕章を着けた荒野が、DFラインまで下がり、起点になる場面が多くみられる。中央に入り「キラーパス」が見たかった。復活したWBルーカスだが、「まだ切れ味」が戻っていない。

 さらにCKはほとんど「あなた任せ」だったが、「第二の福森」を目指せる。自信をもってコンサドーレのサッカーを、ミシャの「自在の取り組み」(思考)を早く「会得」してほしい。

 FWトップに入った中島は、相手DFをかいくぐって「突破する」フェイントを覚えてほしい。足技は、まだまだだが、巨漢に物を言わせる「ヘッド」を身に付けたい。伸びしろのあるプレーを「ちょっぴり」感じる場面を見た。

 新加入のFWガブリエルは、背番号26番が「あちこち」で見え隠れした。動いている証拠だ。早くチームに溶け込んでほしい。シャドーで、チャナティップと組ませてみたいナ。

 0−0の結果は「無限大」だが、「上昇中の鹿島」と、ある程度「互角」の勝負ができた。これからは「GOGO」ミシャだ。

 シュート数は、札8−鹿11 CK札1−鹿4 FK札21−鹿21(PKなし)。

 次の試合は、2021明治安田生命J1第15節北海道コンサドーレ札幌対清水エスパルス戦が5月22日午後2時から札幌ドームで行われる。


 上写真/前半4分、ルヴァンカップの前節、ヒーローとなった札幌MF青木(28番)がボールをキープして出しどころを探る、右端MF荒野(27番)、鹿島の選手は左からMF永木(6番)、FW上田、MFファン・アラーノ(7番)


 上:上段写真/前半4分、札幌DF菅(中央)が鹿島MF永木(右)に倒される、左MFファン・アラーノ(7番)

 上:下段写真/前半16分、札幌DF菅(4番)と鹿島MFファン・アラーノ(7番)がヘディングで競って激しく激突、菅の頭がアラーノの顔に入っている、アラーノは出血が止まらず気の毒にも交代を余儀なくされた


 上:左側写真/後半1分、札幌MFドゥグラス・オリヴェイラ(33番)がMFルーカス・フェルナンデスのスルーパスに反応してゴール前に迫るも、一瞬早く鹿島GKクォン・スンテ(左)にキャッチされて天を仰ぐ

 上:右側写真/後半16分、札幌左サイドからMFルーカス・フェルナンデスのFKの攻撃でFW中島(上左)、MF柳(3番)がジャンプするが鹿島GKクォン・スンテ(1番)がパンチングでクリア、手前札幌DF岡村(50番)、その右、MFドゥグラス・オリヴェイラ(33番)


 上写真/後半19分から札幌FW中島に代わって待望の初出場を果たしたFWガブリエル(26番)が、後半25分MF荒野のパスを受け鹿島DF林にユニホームを引っ張られながらドリブルで突進する


■北海道コンサドーレ札幌のガブリエル選手のコメント
 「デビューができてうれしいです。もう少し長くプレーしたかったですが、これからもまだ試合があるので、チームメートと一緒に戦うことを楽しみにしています。

 監督からは、ポジショニングなどを含めた作戦についての指示があったが、試合の中でそのとおりの動きができていたので自身のプレー自体は悪くなかったと思っています。1つチャンスがありましたが、外してしまい残念ではありますが、今後も試合がありチャンスはあると思いますし、自信はあるので早く次の試合が訪れ、自分が得点できるように頑張りたいと思います」


 上写真/後半25分、札幌FWガブリエル(26番)がドリブルで持ち込みシュートするが左に外れる、中央鹿島DF林(23番)、右DF常本(32番)


 上:上段写真/後半34分、鹿島MF永木(6番)のゴール正面からのFKでの攻撃を壁を作って守る札幌の選手たち。左からGK大谷(22番)、FWガブリエル(26番)、MFドゥグラス・オリヴェイラ、DFキム・ミンテ、MF柳、DF岡村、MF荒野、壁の下にはMF高嶺がピッチにお尻をつけている


 上:下段写真/後半37分、札幌左サイドからMF小野のFKからの攻撃で、MFルーカス・フェルナンデス(左手前)が、鹿島DF杉岡と競りながらシュートするがGK正面となり得点できず


■北海道コンサドーレ札幌のキム・ミンテ選手のコメント
 「予想していたよりも相手が強力なメンバーだったのだが、無失点で抑えることができたのは良かったと思っている。負傷からの復帰戦ではあったが、リハビリなどがうまくできていたので、その成果が出せたと思っている。

 今日はピッチがいつもと角度が違って違和感があったが、自分としては今日の配置はけっこう好きです(笑)。今後の試合は自分の特徴を出しながら、チームメートみんなで、それも11人だけでなく全員で上を目指していきたいと思っています。プレーオフステージは負けたら終わってしまうので、2年前と同じ舞台まで行けるように頑張っていきたい」


 上:上段写真/途中出場した札幌の特別指定選手のMF田中宏(中央)が後半45分、鹿島MFディエゴ・ピトゥカ(右)をかわしながら自陣から前線に向けパスを出す、右奥札幌MF青木、32番は鹿島DF常本

 上:下段写真/後半追加タイム1分、札幌MF高嶺の自陣からのロングボールを、FWガブリエルが胸トラップした後、右足でボールをキープ、体を反転させて左サイドにパスを出す、右鹿島DF関川(33番)、左奥MFディエゴ・ピトゥカ


 上写真/試合終了後サポーターへのあいさつに向かう札幌の選手たちだが、スタンドの位置がいつもと違うので戸惑い気味、前列左からMF小野(44番)、GK大谷、阿波加、MF駒井、荒野(27番)、左端MFルーカス・フェルナンデス


 上:左側写真/前半18分、札幌のDF菅と衝突して傷の手当てを受ける鹿島MFファン・アラーノを心配し近寄って声をかける札幌のペトロビッチ監督

 上:右側写真/前半7分、札幌MFドゥグラス・オリヴェイラと鹿島MF杉岡(5番)のマッチアップを間近にしながらコーチと話し合う鹿島の相馬直樹監督


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「両チームともアグレッシブに戦った90分でした。運動量、球際、セカンドボール、そして作りに関してもいいゲームでした。質の高い選手をそろえた鹿島に対して前から制限をして、自由を与えない守備をし、そこから得点になってもおかしくないチャンスを作れていました。引き分けに終わりましたが、勝つという気持ちを前面に出してくれましたし、我々が勝利してもおかしくない内容での引き分けでしたが、選手たちが示してくれた良い戦いは今後につながると思います」

■鹿島アントラーズの相馬直樹監督のコメント
 「まずは水曜のナイターという、平日のナイターになるんですけれども、遠く札幌までわれわれをサポートしに来てくださった方々、ファン・サポーターの皆さまに感謝申し上げたいと思います。勝ちを一緒に喜ぶことはできませんでしたけど、1位突破を一緒に喜ぶことはできました。また今日は、いろんな事情があってサポーター席が我々のベンチの後ろでした。またこれもなかなかないことですけれども、選手たちがかなり今日もタフなゲームだったんですけれども、かなり力をもらったんじゃないかと思います。本当にありがとうございました」

池田淳 写真はいずれも石井一弘撮影