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J1第14節(5月16日)、アウエーで首位川崎に0−2で完敗

21・05・18
 三笘対田中駿は「みとまの勝ち」

  「詠み切った」鬼木とミシャの怠慢


 この2つの「飾りの見出し」を考えながら、試合を見ていた。前日から「三笘と家長、9番レアンドロ」は「眼中の人」だった。それに「札幌は夕方とかナイトゲーム」の「練習」を見たことが無い。

 「5年目の鬼木達監督の無鉄砲さ」を探ってみた。「知りたいと謎解きをする言葉と行動」。凡人には「判らない」。

 川崎フロンターレの今季の「22試合無敗記録の達成」。過去はなんと埼玉の大宮アルディージャの21試合無敗記録を抜いた。鬼木監督のJ1・優勝4勝目。ルヴァンカップ優勝、天皇賞優勝+アジアカップ(ACL)の達成を見たい。

 試合の方は5月16日午後3時からの2021明治安田生命J1リーグ第14節、1位川崎フロンターレ対11位北海道コンサドーレ札幌戦は、川崎のホーム等々力陸上競技場で行われた。気温22.8度、湿度64パーセントと、少し蒸し暑い。収容2万6千827人、コロナ禍で4千932人がマスクをして、1席開けてのルールに従って入場した。

 15時3分、ベテラン高山啓義主審(47歳、栃木県出身=元国際審判)の笛で札幌のアンデルソン・ロペスがキックオフ。注目のJ1得点王・アンデルソン・ロペス(札幌・11得点)は、小柏−駒井善成を従えてFWトップを陣取った。札幌は3−4−2−1の布陣でスタートしたが、いつもの「トッププレス」ではない。GK菅野孝憲は定位置だが、3バックは田中駿汰が川崎左FW三笘薫(18番)、中央・宮澤裕樹が、センターFWレアンドロ・ダミアン(9番)、左の福森晃斗が家長昭博(41番)を、がっちり意識した布陣。さらに右の攻撃的ウイングバックに金子拓郎。左が菅大輝。中央のかじ取りは深井一希と高嶺朋樹。

 川崎の守備陣はキャプテンマークの谷口彰悟−ジェジエウあたりがロペスのマークか。さらに鬼木監督の脳裏には「20節(5月12日)の対仙台戦2−2でドロー」の教訓があったか「福森のキック」をGKチョン・ソンリョンらに刷り込んでいたような布陣だ。さらに昨年はホームで0−2(Aロペスと荒野が得点)の意識も残る。

 札幌も相手3トップの攻撃に焦点を合わせて「攻守の使い分け」を意識した守備で応対、あまりトップに「放り込む」意識もなく、互いに「お見合い」のゲーム運びで前半はスコアレス。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント
 「攻守の切り替えを早くしていくこと」、「セカンドボールをひろっていこう」、「セットプレーに気をつけること」

■川崎フロンターレの鬼木達監督のコメント
 「相手の蹴ってくるボールに対しての対応をはっきりと」、「中盤のスライドは、しっかりコミュニケーションをとって」、「ボールは丁寧につなぐ、ゴール前では大胆に」


 後半は、ホームの川崎が積極的なゲーム運び。1分にMF小塚和季OUT田中碧IN。3分トップ下の旗手怜央が札幌DFに足をかけられ倒れ込む。プレー再開後、右の家長のドリブルからのクロスにGK菅野の前で、旗手が微妙にタッチ。左にいた三笘がノーマークで走り込み右足で蹴りこんだ。今季のデータによると「先制点の勝率は80%(15試合=12勝3分け)」のデータ。

 札幌は9分、深井に代わって荒野拓馬が入る。13分に札幌のFK。相手ペナルティーエリア外、さらに10メートル外。福森登場。DF田中も寄り添うが―。主審が何度も壁の位置を注意。2分も経過。15分福森の左足からのボールはゴールバーをなめるようにGKが手で押し出す。CKを札幌が得るが、福森のニアへのキックはクリアされた。

 19分、旗手と菅の奪い合い。判定は菅のキッキング(警告=イエロー)。23分飲水タイムの後、菅OUT青木亮太IN。駒井OUTジェイIN。ここで札幌のFWドゥグラス・オリヴェイラも一緒にはいてほしかった。Aロペスが強烈なマークに合っていたのは、ペトロビッチ監督も「百も承知」(ドイツ語には無かったかな?)のハズ。3トップだよ、ここは。

 42分川崎のもう一人のエース、FW小林悠(33、東京都出身=拓殖大在学中に水戸で振り出し、卒業後に川崎で12年)が、9番Lダミアンに代わって登場300試合出場を果たす。札幌も「遅かりし由良助」、金子に代わってFWドゥグラス・オリヴェイラが交代。札幌Aロペス、ジェイ、Dオリベイラがやっとそろう。

 アディショナルタイムは4分で決着は48分。川崎のJAPAN代表も経験した小林が止めを刺した。センターラインを越えたあたり、ノーマークで、自陣からパスを受ける。GK菅野と1対1。ゴール左サイドにボールが収まった。副審はフラッグを上げオフサイド。高山主審も「ノーゴール」。確かめるための主審のしぐさ。VARは、オンフィールドレビューの結果、「主審は判定を変更」。小林の得点は認められた。2−0のエンドだった(大満足の300試合達成を祝った)。

 シュート数は、札12−川12 CK札4−川5 FK札12−川9 PKなし。

 次の試合は、2021明治安田生命J1第15節(13位)北海道コンサドーレ札幌対(16位)清水エスパルス戦は5月22日午後2時から札幌ドームで行われる。

 これに先立ちルヴァンカップAグループ最終戦は、5月19日午後7時から札幌ドームで、北海道コンサドーレ札幌対鹿島アントラーズ戦、1位2位決定戦を行う。


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「両チームが素晴らしいゲームを見せてくれたと思います。サッカーの良さが詰まった緊張感のあるゲームを見せられたと思います。敗れましたが、川崎F相手に五分で渡り合えました。前からのプレッシングで自由を与えないところが良かったと思いますし、チャンスも作れていたと思います。良い戦いをしながらも勝利ができなかったというところはありますが、強い川崎Fに対して自分たちがこれだけのことができたというのは、しっかり示せたんじゃないかと思います」

■川崎フロンターレの鬼木達監督のコメント(一部抜粋)
 「仙台戦のイヤなドローから選手はしっかりとやるべきことをやってくれた。5連戦のラストで苦しいゲームだったが、点を重ねたこと、最後は失点ゼロで体を張って抑えたところについて、選手の成長を感じる良いゲームだったと思います」
池田淳