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プロカメラマン“石井一弘の目”『聖地・厚別・マスク・マスク・マスク』

21・04・28
 上写真/後半16分、熱戦をじっと見つめる観客たち、この日の入場者数は4000人台だったが、角度によって過密になっているように見える。

 
 4月24日、2021明治安田生命J1リーグ第11節仙台戦。この試合の札幌厚別公園競技場への入場者数は4,336人。後半10分に札幌の新人・小柏が同点ゴールを決めた後、一進一退の16分ごろの写真です。

 何気なくバックスタンドを見るとどうでしょう、一瞬ハッとしたのです。

 完全に“密”に見えたのです。ですが安心してください。これはカメラ位置と角度の錯覚です。斜めから望遠レンズでの撮影ですので、間が詰まって見えるのです。

 一方、下写真は昨年2月22日の開幕、柏レイソル戦の写真を見てください。こちらは正面の角度ですので、完全に“密”です。

 もう一つ面白いことに気が付きました。マスク姿は半分以上に見えますが、そのマスク、ほとんど白で形も同じように見えます(確認はしていませんが、柏レイソルが大慌てで観客に配ったのかもしれません)。


 下写真/2020年J1第1節、柏レイソル戦の前半38分、札幌FWジェイ(48番)がシュートをはずしたシーンだが、見ているほとんどの観客がマスクを着用する異様な光景だった。2020年2月22日、三協フロンテア柏スタジアム。

 
 この時はまだ、大観衆のマスク姿に慣れていなく“異様な光景”と写真説明で表現しましたが、今ではマスクをしない方が“異様な光景”に様変わりしました。

 振り返ると、私も含めカメラマン仲間でマスクをしている人はいなかったように思います。そして昨年の柏戦の3日後、Jリーグは新型コロナウィルス感染の影響を考えリーグの公式戦の延期を発表しました。

 さてもう一度、厚別の写真を見直してください。マスクをしていない人は一人もいません。ですがそのマスク、白が多いですが色や形は様々です。

 あれから1年余、波はあるものの何も前進していないのではないでしょうか。
写真・文 石井一弘