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ルヴァン杯(3月27日)第2節、札幌は鳥栖に5−1・自殺点よみがえる

21・03・29
 「福森の腕章が効いた」ルヴァン杯

   鳥栖「立ち上がりOWN・G」響く

 
 2021年のYBCルヴァンカップAグループ第2節は3月27日午後2時からアウエーの佐賀県鳥栖市の駅前不動産スタジアムで北海道コンサドーレ札幌対サガン鳥栖戦を行った。今季J1リーグで好調の鳥栖は、4勝2分け0敗の3位。札幌は5試合を終わって1勝1分け3敗で14位。札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督(63)は、来日以来サンフレッチェ広島5年半−浦和レッズ5年半−札幌4年目で、ルヴァンカップ優勝(浦和)、同準優勝(広島、札幌)と、「短期決戦に強い」との見方もある。

 今回はキャプテン宮澤裕樹を18人のメンバーから外し、背番号5福森晃斗に腕章を着けさせた。「絶対に負けられない」と、福森は久しぶりに「主導権を持った活躍」を見せた。その手始めが、8分、9分の札幌攻撃からの相手「オウン・ゴール」。昔は「自殺点」としてさいなまれたが、公益財団法人日本サッカー協会は1994年から「OWN・GOAL」として、「誰が取られたか」を表記しないと取り決めた。しかし「速報」では、全て「映像のまま、氏名が提示されていた」。報道機関では「だれとは、表記しない」の約束ごとである。

 試合の方は、晴れ、札幌では「真夏」の気温24.9度。湿度20パーセント。スタジアムには「赤黒の集団はちょっぴり」。4千399人が見守った。14時3分、中村太主審(42=埼玉県出身)の笛で札幌がキックオフ。これまでの対戦成績は、札幌の21勝7分け18敗(J1、J2、Jリーグ杯含む)。

 札幌はGK菅野孝憲、DF駒野善成−キム・ミンテ−福森晃斗、右WBルーカス・フェルナンデス−左同菅大輝、MF深井一希・高嶺朋樹(ボランチ)、トップ下・金子拓郎−チャナティップ、FWアンデルソン・ロペス。控えにGK中野小次郎、DF中村桐耶、柳貴博、岡村大八、MF青木亮太、FW中島大嘉、札幌ユース所属で2種登録の佐藤陽成の18人。

 鳥栖は前節から5人が外れ、DFに大畑歩夢、MF仙頭啓矢、高橋義希FW酒井宣福、山下敬大を入れたスタメン。いずれにしろアグレッシブなプレーで、札幌の守備陣を崩したい構え。

 対する札幌はJリーグで2試合先発したGK中野小次郎に代わって菅野。U−24の代表田中駿汰はけがで離脱しているところに浦和レッズからの、というより愛称・ミシャの「忠実な執行役」駒井を入れた「先手必勝型」のフォーメーションを展開したい布陣。

 開始直後からAロペス、チャナティップ、深井が敵陣前でボール回し。8分にCKを得て福森がキック。珍しくニアに低い球。アイコンタクトした深井が頭でシュート。鳥栖の2人のクリアが自滅して失点。続く9分、右のルーカスがエリア内から反対側の菅にパス。菅のシュートは相手のDFに当たり、そのままネットを揺らした。相手「オウン・ゴール」で2−0とリードした。

 この分だとトップのAロペスの「稼ぎ時」と思いきや、ちょっと動きがちぐはぐ。ルーカスが持ち込むが「シュートチャンスにパス」を繰り返し、Aロペスと合わない(24分飲水タイム)。

 この後、札幌の金子に動きの変化が見られた。福森、菅、チャナティップのいる左サイドと、ルーカス−駒井のいる右サイドとのつなぎ役を果たす。37分、金子が右サイドのルーカスにパス。ルーカスは得意のドリブルで「突進」し、中央の深井にリターン。深井が「待ってました」とばかりにネットを揺らした。「なんと2年ぶりの得点だった」(後での談話)。44分、福森にイエローカード(アディショナルタイム1分)。


【監督のハーフタイムコメント】
■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメントはチーム発表なし

■サガン鳥栖の金明輝監督のコメント
「もっと声をかけ合うように」、「1点ずつ返していこう」、「冷静にプレーすること」


 後半は鳥栖のキックオフ。3−0の後半は、Jリーグ第6節のヴィッセル神戸戦を思い出させる「運命」を背負っている。特にピッチキャプテンマークを着けた福森の「顔」が、引き吊っているよう。相手選手2人が交代したが札幌は、そのまま。

 札幌は高嶺と深井の中央のやり取りが「果敢になる」。その前のチャナティップと金子はちょっと疲労気味。Aロペスは元気だ。11分。ここで深井が頑張った。Aロペスの「心情」を受け取ったか? 相手GK守田のパスを深井がインターセプト。中央に走り込んだAロペスに預け、Aロペスは、ペナルティーエリア中央からゴールに流し込んだ。4−0。ここで鳥栖は2人交代。

 鳥栖の焦りが見え始めたが、4人目の交代で、CK、FKを交互に採り、攻めの体勢。攻防戦の中22分。鳥栖が攻勢に出る。左サイドでボールを入れると、これが札幌・金子に当たってボールはペナルティーエリア中央に。鳥栖・田代がバックヘッド、GK菅野の左を破る。4−1。もう引けない。札幌・深井OUT岡村IN。同チャナチィップとDF青木交代(27分飲水タイム)。

 選手交代は鳥栖4人。札幌2人。29分、札幌が金子を起点に右のルーカスを走らせる。ルーカスは相手DFに当ててCKを得る。

 右コーナーをルーカスがキック(最近よく見かける)。しかし、DFに防がれる。37分札幌・金子と柳が交代、さらにAロペスと中島が交代、38分鳥栖5人目の交代。札幌はあと一人分残っている。

 40分札幌チャンス。右CK札幌ルーカスキック。DF岡村(24=前橋育英−立正大出、183センチ、82キロ=背番号50)のヘディングは枠外に−。すると41分、FW中島(18=国見高出、188センチ、77キロ、背番号45)がMF青木(25、大宮アルディージャ)につなぎ、ペナルティーエリア内でルーカスにパス。ルーカスはGK守田と1対1となり落ち着いてゲット。

 44分福森OUT中村IN。アディショナルタイム4分、最後はGK守田と札幌ルーカスのにらみ合い、田代にイエローカード。因縁の対戦は札幌が5−1で勝利を決めた。

 シュート数は、札14−鳥5 CK札4−鳥4 FK札15−鳥19。
                                 
 『オウンゴールの怪』1試合2得点ぐらいでびっくりしては困ります。世界は広い。2002年マダガスカルのリーグ戦の話し。

 得点差は149対0。もちろん90分の試合。これには理由があり、その前の試合の不可解な判定への抗議だった。嘘か誠かPCで「サッカーのオウンゴール」で検索してみては−。

 次のルヴァンカップ第3戦は4月20日午後7時から、北海道コンサドーレ札幌対鹿島アントラーズで茨城県立カシマサッカースタジアムで行われる。

 そして、次の2021明治安田生命J1リーグ第7節北海道コンサドーレ札幌対アビスパ福岡戦は4月3日午後2時から、ベスト電器スタジアムで行われる)


■北海道コンサドーレ札幌の深井一希選手のコメント(一部抜粋)
 「良いボールが入ってきたので、自分としては決めるだけだったが。逆転負けした先日の神戸戦はチーム全員が悔しい思いをした。そこでみんなでしっかり話し合ってこの試合に臨めたので、反省を生かせた試合だったと思っている」


■北海道コンサドーレ札幌のペトロビッチ監督のコメント(一部抜粋)
 「初戦の福岡戦に勝利しており、今日の試合に勝利すればグループステージ突破がかなり近づく状況でした。鳥栖はターンオーバーをして戦うという状況でしたが、我々はケガ人が非常に多い中でも現状のベストチームで臨みました。その中でも我々はいつもどおり前からのアグレッシブな攻撃を試合を通して見せることができたと思いますし、札幌が勝利に値するゲームができたと思っています」


■サガン鳥栖の金明輝監督のコメント(一部抜粋)
 「何から話して良いのか分からないですけども、立ち上がりの失点。まあ、3失点したところでゲームを難しくしてしまった。本当にホームで無様な試合を見せて本当に申し訳ない気持ちと、もう1回整理して次に向かいたいと思います」

池田淳